となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「南蛮七宝」と一致するもの

2015年05月24日

となみ丸

 

昨日まで会社向かいのショールームで『夏単衣小物展』を行っていました。
(準備を少々お手伝いしました。入り口はこんな感じです。)

 

IMG_0010.jpg

 

元々ここは倉庫。
となみ本社は企業秘密がそこら中に広がっていて、なかなか入って頂けません。
ので、そのためのショールーム(出城となみ丸?)です。

 

このショールームでは基本的に帯や着物はコーディネート見本程度にしか置いていませんので、
小物を中心とした、他の出張組の参考・参照になるために、陳列のテスト舞台となっています。

 

 

自分の仕事スペースでもありますし、常に2〜3人のスタッフもいます。

打ちっぱなしの棚は可動式ですので、並べる商品、棚の位置、季節によっても
ゴロッと変えれば、気分も変えれて良い環境ですね。
(そういえば観葉植物に囲まれた環境より私好きです、と言われました。)

 

それでも何かのキッカケを作らないと、そうは変えれませんので、
数ヶ月に一回の時々は『〜展』を継続して実施していきますね。

 

個人的には『南蛮七宝文様』で埋めつくしたいです。
いかがでしょうね〜?

そう遠くないうちに誰も来なくてもやろうと画策中です。
今日は『楽しみにしていて下さい。』ではなくて、『楽しみにしています』です(笑)。

2015年05月20日

名古屋帯のみせかた その1

 

今日のFacebookに上がる予定のコーディネートです。

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『南蛮七宝文様✕アリス名古屋帯』

 

南蛮七宝文様の大島紬、最新作の割込絣が(意外と)何でも合わせ易いです。
それを見てもらおうと、
アリス帯(名古屋帯バージョン)と合わせてみました。
写真の通り、問題なくコーディネートできます。

帯締めなどの小物は、ビタミンカラー等の色を入れてみても面白いかな?
と思っています。

 

続いては、
この帯の撮影時について。

名古屋帯は仕立てる前、『九寸巾』です(仕立後は袋帯と同じ様になります)。
通常の帯巾は、仕立て前も後も『八寸二分』。

ですので、仕立て前は3cmだけ九寸の方が、幅が広くなります。

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(仕立てする際にこの様に中へ織り込みます)

 

そのため、名古屋帯を着物に合わせ、正面から写真を撮ると
 3cmの違いで、どこか締まらない間延びした感じがしてしまいます。

 

SDIM0081.jpg

 

やっぱりお太鼓は一番上の写真八寸二分の巾がしっくりときます。

 

話がここで終わると締まりませね(笑)。

 

今まで(撮影を)避けていた名古屋帯。
面白い柄が沢山ありますので、今後は実際に結ばれた様子をイメージし易いように
撮り方を工夫したいです。

 

 

 

2015年05月16日

逃げ道 その1

 

今回のメルマガも触れていましたが、(自分の)モノづくりが絶不調な時は、
今のとなみ織物は、違う分野のモノづくりへ力を使うことができます。

いい意味での逃げ道で、しばらくそこで詰まったモノづくりを忘れつつ、
違うモノづくりで他の視点を入れてから、再度戻ってくると、大抵詰まりは解決できます。

 

帯の場合、経錦を除き、今はそんな状態ですので、
他のモノづくりへ力を割いています。(帰ってきた時には、本袋に掛かりたいです。)

 

逃げ道として、いくつかありますが、結構新鮮で楽しくやっているのが、
ショール作り。

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『第2弾ショール、ストール』

 

以前も紹介していましたが、少しずつ進みました。

緯に使う糸を変化しながら今は風合いを確定させる段階です。

帯とは似たようなモノづくりでもあり、全く違うところもあります。
手探りだった段階からは随分とこちらも進化していますので、
これからはそれなりにスンナリ進みそうです。

元々は男物を作ろうと始めたものづくりですが、
女性物でも相当良いモノが出来そうなので、期待していて下さい。

 

南蛮七宝文様以外でも予定しています。

そちらは柄の選別に入っていきますね。
今月中にはそこまで行きたいです。

2015年05月11日

久々にテナントについて。

 

最近は昼2時〜4時までWebチームはびっしりと集中する時間を取って、
様々な作業をしています。基本的に自分の仕事をする時間なので、静か。
そこにMacを持ち込んで仕事をしていると、とにかく捗る。ここ数週間の
ことですが、たまりに溜まった図案や資料の3分の1くらいが無事処理で
きました。それが帯になることもあり、反対に全く陽の目を見ず、文字通り処分
されるモノもありますが、物理的ではない断捨離も定期的に必要ですね。
(外見上変わらないMacを見てても、なんとなしスッキリした様な・・・。)

 

 

さてさて、今日はその京都の本社向かいテナントについて、です。

今はこんなものを陳列しています。

経糸がまだ織れる時に少しずつ製織して貯めた、名古屋帯です。
披露できるくらいの柄数になりました。

たまに、端の方に写ったりもしていたので、ご存知の柄もあると思いますが、
基本的にここ京都に置いておいて、お客さんが来られた時に見ていただく、
そんな限定名古屋にしたいと思っています。

 

FullSizeRender 7.jpg

 

通常、『帯の陳列』というと撞木に掛ける。
ですが、ここのスペースはできる限り、撞木を置きたくない。
(もし置いてしまうと帯ばかり掛けたくなってしまいキリが無くなる(笑)ので、
 掛ける場合は帯以外を。)

丸巻きで並べるよりは、いいのかな?
と思って現状、この様な陳列にしています。

 

この梯子上の棚は出張組が『帯揚げを掛けるものが欲しい』と言っていて、探したモノです。
がやっぱり帯を掛けてしまいました(笑)。

 

これら名古屋帯に合わせる着物。
置くとしたら、無地もしくは南蛮七宝だけ位が面白いかもしれませんね。

 

本社の帯展示場の何千本というのも、帯のパワーを感じるのに最適です。
ただ、選った小物や帯の中にいるのも、居心地がよいとおもいます。

まずは、自分が落ち着けてモノづくりが出来そうなスペース作り、していきたいです。

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2015年05月08日

何度目かの『味とキズ』

 

『味とキズ』
モノづくりをしていると常に問題となり、毎日の様に話に出てきます。

 

天然繊維を使うと・・・、特にうちではほとんどが絹です。
 

『シルクの肌当たり、光沢、発色、風合い、高級というイメージ。』

大変素晴らしい素材です。ただ、お蚕さんが糸を吐き出来た繭を使い、
糸を紡いで作るものなので、化学繊維とは比べれない程、糸には太細が付いています。

 

それを使い生地として帯や着物、などの『生地』を織ると、味とキズの問題は
常に生じます。

 

どれだけ頑張っても、おそらく『全くなんの問題も無いというモノ』は、作れません。

では全てそれを理由にするのか?となると、粗悪品が増えますし、技術は良くなりません。

 

簡単に言ってしまえば、『味とキズ』の問題はその間となるわけですが、その点について
先日、ある方からご意見を頂きました(その方ご自身の作品への考え方です。)

 

確固たる技術があり、そこに拘りと、自分の作品へのプライド。
そこに魂を込めたモノづくりした後のモノは、キズではなくて、それは『味』。

反対に全く味も何も無いモノは、面白みが欠ける。

 

いつもモヤモヤしていた所でしたので、なるほど。
と感じさせられました。

 

 

今日まず第一弾が上がってきた『南蛮七宝文様/帯揚げ(夏)』。
 

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『南蛮七宝文様/夏単衣帯揚げ』

 

 

以前はどうしても全く同じものに上がらない。
という意味の『難もの』が多く、困っていました。

 

ただ今回上がってきたものに関しては、そういう意味の難ものが大幅に減って、
一つ一つ生地へ向かわれる職人のプライドと気合いを感じました。

随分前から依頼していたので、やっとですが、
『納期は分からん。』と言われた意味がよく分かりました。

 

 

それでも数枚はどうしようも無いモノも上がってきます。
 

今までの過程を知っていて、ここまでしていたことを考えると、
この数枚のどうしようもない所が、味に見えてきます。

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2015年05月06日

GW4日目

 

明日から再始動です。
懸念だった資料整理も随分捗り、今年のGWはボケずに済んだ様です。

 

明けてから進めたいのは、唐長さんとの深化したモノづくり。

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今まで、実験、試作は山ほど製作しましたので、それの再検証だけしても、
相当な新商品が作れそうです。その一つがこの生地。

 

ベースは御召ですが加工、長さによってはストールにすることもできそうです。
まだ、しぼの付け具合やそれと連動する巾などには、検討の余地が沢山ありますが、
今の段階でも見せる方皆さんに『イイ、欲しい!』と言って頂けますので、
ここらから再スタートしても面白いかもしれません。

 

南蛮七宝文様の一つ意匠だけとっても、紹巴織、二重織り、経錦、経紬、しぼ等
あり、それぞれ得意とする色、配色があり、風合いがありと、これまた検討する
余地が沢山あります。

 

早いこと手を付ければ早いこと進む、明日から頑張ります〜。。

2015年05月04日

 

GW2日目。

持って帰ってきた資料の整理をしようと、ザーッと写真を開けると・・・。
(Macの『写真』です。)

 

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『南蛮七宝大島紬+漢錦(経錦)』

 

まずこれに目が行きました。

おそらく南蛮七宝、最後の大島紬『割り込み』バージョンです。

絣が特長になり、様々素晴らしいところがありますが、
この着物はトントンと織っているリズムもイイ(とても分かり難くて、すみません。。。)です。

 

全て織り終わるまで、まだ一年は掛かるので、それまでに奄美へ行って
製織を音とともに撮らせて頂きたいと考えています。

 

それは置いておいて、上の写真はこの反物が上がってきた際に
何色を合わせよう⇒この着物をイメージしてどんな色の帯を作ろう?と
撮ったモノです。

 

それで選んだのは、紹巴織でも二重織でも、総紗縫でも無くて、
経錦の緑。経て出しの織物ですので、色が緯で織ったものよりも生に近い、
新鮮な?緑色です。

 

もちろん、これ以外にいろんな色味にコーディネートできますが、
敢えて、ムリしてでも自分が合わせてみたかったモノです。

スッと馴染んでくれたので、色に関しては問題なく、この反物からキッカケもらった、
イメージを膨らませて、そんな柄を考えて行きたいです。

 

筬を打つ音を聞きに行けばイイ図案ができるかもしれませんね~。

 

そんなわけで、ほとんど入り口で止まった整理でした(笑)。

2015年05月01日

サイクルを反対にする必要のあるモノづくりかも。

 

今日は午後だけでも書けそうなことが山ほどあります(唐長さんとのモノづくり)。
整理するだけでも膨大な時間がかかりそうなので、それは整理しながら、
モノづくりの形で紹介していきたいです。

割り込みの南蛮七宝/大島紬も上がってきましたし、今年は後半に掛けて、
違う展開もお見せ出来ると思います。

 

 

御召

その話は置いておいて。

夏単衣御召の製作が進行しています。

 

いつまでも着てられそうな(多分真冬以外の10ヶ月?)組織を作り、対温暖化に真向きな
着物になります。

仕立て上がると大変便利な着物です。ただ、その前段階(反物)では織組織を組むのに、
柄によっては『できる、できない』があり、今のところ、10柄足らずです。

いずれやっては行きたいですが、去年から取り組んで、この柄数ですので、今はまず
合わせやすく帯シリーズと絡ませれる所。そんな部分からはじめています。

 

それで、出来たこの柄。

FullSizeRender 6.jpg
『Kilim/夏単衣
』(未発表)

 

 

元々この柄は袋帯から来たものです。
大きさを半分近くにして、色数を減らす。透け過ぎない透け感を作るために、
地紋に工夫して、写真の中では白場を減らし過ぎないように、ただしグレーから
離し過ぎないように(オセロのスタート時のように)、構成しています。
まあ、時間がかかる織物です。

 

去年も暑くなり始めた頃から上がり始め、夏真っ盛りに全て仕上がり、寒くなり始めると
同時に柄作りに入る。ちょうど必要な時に無い(笑)ので、スピードを上げるか、
モノづくりサイクルを変えるか、今年こそは、そろそろ、考えなおそうかな?

 

2015年04月21日

男も惚れる総紗縫。

 

男性の場合、着物1枚に帯3本と言うのか、私は聞いたことがありませんが、
着物よりも好きな角帯を見つけた時、惚れてしまい、かなりの頻度で離れられなくなります。

それだけ、織りの種類が少なく、柄も色も似たようなものばかり。
仕方がないのかもしれません。

 

今日のお客様は、総紗縫の角帯を気に入って頂けました。
(角帯自体、普段の要望は多くはないのに、たまたま、今日はお2人重なりました。)

 

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『総紗縫の角帯』

 

当初、自分の趣味でした。

試験織や試作、キズ物を使い、仕立てに工夫をしながら(沢山帯地を潰しました)、
製作した帯です。今のバージョンは袋帯の機を使って織り、糸も紋もそのまま活かします。

 

そのため、最初に値段を言うと大抵『いい値段やね〜。』と少々ひるまれますが、
紗の生い立ちから、総紗縫の特殊性をひと通り説明すると、『なるほど〜』と
納得して頂けます。

 

触れると違いが判る角帯です。
少しずつ、この角帯ファンを増やして行こうと思っています。


 

もう一つ、この総紗縫を素材?として製作しているモノがあります。
それに関しては明日、また紹介します!

 

南蛮七宝も好評でしたので、今日来られたお客様には喜んで頂けと思います。

2015年04月20日

明日、見に来られる方のために。

 

会社向かいのショールームを明日の『南蛮七宝』用に陳列替えをしていました。
ショールームと言いつつも、陳列練習のため、少しずつ商品だけでなく、棚板の位置、
商品台、商品並びを変えています。

 

毎回スタッフの打ち合わせで話し合っているのが、商品を良く見せる陳列ではなく、
一つ一つが立つ様な陳列です。言うの簡単、でも難しい。


有り難いことに、ここは売るためには?と考えなくて良いスペースです。
一つの商品に対して、どう売るか?との会議はせずに、作る時に考えていた利点以外に、
使っているうちに気づく利点ってなんだろう?そんな打ち合せをしています。

 

ですので、その話し合いが活きるような一つ一つの商品が立ち、
その陳列が心地いいと感じるまで試していきたいです。

 

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『南蛮七宝文様/御召、八寸名古屋帯←着る時は合わせなくても』

 

店の主張が前に出過ぎてゴチャゴチャな陳列、
スッキリし過ぎて何を見て欲しいか、伝わらない陳列。

そうではなくて、毎日試行錯誤して、考え続けていれば、
スペースも限られた場所なので、少しずつ良くなっていくと思います。

 

明日の皆さんの反応がとても楽しみです。

 

 

 

2015年04月18日

今日の着物。。袷モノがもう少しほしい。

 

3日間の出張が終わり、京都へ戻ってきました。

写真を撮ろう撮ろうと思っていたのに余り撮れず、仕方なしに
今日着ていた自分の着物を撮りました(折角出てきたのに残念)。

 

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羽織は御召に紬を通した南蛮七宝文様←昨日は立涌地紋の無地。
麹塵染の南蛮七宝御召。角帯は紹巴織の作楽。羽織紐は仙福屋でもお馴染みの
純銀帯留め作家さんに作って頂いたモノ。

写っていませんがお襦袢は若冲の付喪神。
そんな構成です。

 

夏や単衣モノは最近作りましたが、袷モノは何年も作っていので、
そろそろ自分用に。そんなモチベーションでモノづくりに取り組んで行きたいと
思っています。

 

今日置いていたヤヤコシイ紬の着物(もちろんうちのオリジナル。)を見て触って、
何かできそうなイメージが湧きましたので、早いことこの気持のまま、
この辺りをベースにモノづくりをしていきたいです。

 

これくらい短い出張でも、皆さんから濃いお話も聞けて、とても有意義でした。
福岡の皆さん、ありがとうござました!

2015年04月17日

博多滞在2日目。

 

博多2日目は帯、着物、小物を並べてのイベントです。

わざわざ京都本社に来られた方もおられて(ありがとうございます。)、
言われたのが、(本社には)帯が多すぎる!というご意見。

当然ながら、プロ専用の展示場ですので、帯しか無い。
 →参照『本社展示場』

 

今までも、そういう話を頂いていましたので、そんな反省を活かし、
今回の博多は帯:1、着物:2、小物2。そんな割合で、非常にバラエティ豊かな
会場です。

 

帯は裏すら付いていない新柄を。
着物もちょっと出張したら、おそらく見られなかったもの。

小物も、市場に流れているありふれたモノではなくて、となみ織物独自のもの。
例えば、帯地を使ったバッグでも南蛮七宝系のもの。帯締めなどの小物も、麹塵染の
帯糸を使った限定品。総紗縫に合わせたオールシーズンの帯締め、帯上げ。
新作のペーパーヤーンに南蛮七宝の花緒など。

 

このスペースにこれだけ置けるのか?
そんな展示場になっています。

 

陳列にお金や手を掛けて見せ方を工夫をするのも、もちろん大事ですが、
それは別の機会に、今回に関しては帯や着物、小物の新作を素のままに見て頂く。

そんな機会です。

 

京都での仕事もあるので、頻繁にはできませんが、お客さまも楽しみ、
(それ以上に?)自分たちも楽しめる、そんなような展示会は、
出来る限り、今後も増やして行っても良いかもしれません。

 

2015年04月16日

ペーパーヤーンの草履と一緒に博多。

 

博多へ一年ぶりにやって来ました。

そこに届いた出来たてホヤホヤの草履。
『ペーパーヤーン&南蛮七宝文様』。

単衣と夏草履です。

 

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『真綿ペーパーヤーン南蛮七宝文様(仮称です)』

 

同じく仙福屋では夏草履として、網代とパナマも作っています。

が、この二つは、素材の質に草履の出来が左右されてしまいます。
良い時は良いですが、そうでない時、妥協したくないので、製作数は安定しません。

特に網代は昔の敷物に使われていて、年代や作られた職人によって、目の細かさ色が
大きく異なります。ですので本当に良い素材を見つけた時だけの製作にすることにしています。

 

場合によって、一年間全く作らないことも・・・。

じゃあ、そんな時に何を作るか?
そんな中、昨年試行錯誤して出来た草履がこの『ペーパーヤーン』です。

 

説明を書くと、こんな感じ。

真綿草履の夏バージョン、台の天部分にペーヤーン(紙布)を使用し、
足ざわりが良く涼感有り履くだけで気持ち良い。人によっては健康になりそう(笑)、そんな感想も。
また、ペーパーヤーンには撥水汚れ防止加工も施しています。

台巻部分にはダックジュエル。見た目にも涼感を作りました。さらに巻に総紗縫の南蛮七宝を挟み込み、
見た目にもメリハリを。

ちなみに、ペーパーヤーンは北欧産のモノを使っています。
耐久性に優れヒネた色も今のとなみ帯地の地色に寄り添ってくれ、
全体の雰囲気もとなみ&仙福屋らしさも出たように思います。

 

この草履は南蛮七宝文様を巻に入れたので、当然花緒にも・・・。

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ツボ通しの花緒、ツボの色もペーパーヤーンに合わせて。

と、ちょっと特別な夏草履でした。

 

土曜日までの滞在です。

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2015年04月09日

上がってきました『南蛮七宝文様/三重紗』

今日は一日打ち合わせ。

珍しく一日絹に触ることがなかったなぁと思っていた矢先、
塵よけが上がってきました。職人さんがこの仕事を最優先にして下さった様で
(そんな素振りも見せはりませんが)、予定よりも随分早い上がりです。

本当に有難いです。

 

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『南蛮七宝文様/塵よけ(三重紗)』

 

前回は問題があり、4歩進んで5歩後退してしまいました。
一番最初の白生地状態『0』よりも、戻ったことになりましたが、
今回の仕上がりを見ると、その5歩戻った分も結果、色の深みになりました。

この染め屋さんが扱う初めての生地だったので、最終の詰めと確認をしたいとの
ことで、生地はもう一度持って帰られましたが、本当に完成度です。

 

最初の失敗はもちろん偶然でしたが、そのお陰もあってできたモノづくり。
次ねらって行うと間違いなく失敗そうなのでやりませんが(笑)、
皆さんにその辺りの話もしながら、この反物を見て頂ければ、と思っています。

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2015年04月01日

先日の三重紗。見事に失敗。

 

先日の三重紗白生地

引き染めでやってみましたが、見事に失敗。

そのまま行けないことは無いけれども、僅かにムラになる気配(←結構大事です)があったので、
今後はこの手法でやらず、この反物では深入りせずに、この段階で止めて、引き返してきました。

 

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南蛮七宝文様/三重紗』

 

染屋さんとは前回の打ち合わせの時に、完成した姿を話し合っていましたが、
少し焦りながら、次回は違う方法で色を入れていきます。

 

(最初の引き染めが下染めになり)何度も色を掛けることになります。
結果、同じ色だけど深さのある色となる、そんな予想をしています。

色見本と比較しても同じ色だけれども、反物を立てたり、
仕立てて着るとなにか存在感が違う。

災い転じて・・・となることを祈っています。
 

同時に違う色を5反染めましたので、
これらの反物だけ特別バージョンにしたいなぁ。。。

 

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『となみブルーに近い色味も』

 

4月中旬にはいずれかの一反は上がってくる予定です。
こういうことがあると、この5反は愛着が湧きますね〜。

楽しみです。

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2015年03月24日

南蛮七宝を羽織る。

 

先日、Facebookにも載せたところ、

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『南蛮七宝文様/三重紗』

 

他の色も見たい、実際に羽織ってみたい等々の反響を頂いていましたので、
今回取り上げてみました。

 

 

この生地は、かなり特殊です。

総紗縫の様に、シーズンを長く着て頂けて、透け感は少ないなりにあるので、軽やかに。
仕立てる前に特殊な加工をするので、水分や汚れに強く、しかも風合いは変わりません。

利点のとても多い生地です。

 

ただし、欠点が一つあり、それは生地があまり強くないこと。

そのため、着物としてではなく、
コートや羽織など、上から羽織るモノ専用となります。

 

元々、特殊な透け感がほしい、それに加え上記の利点を最大限活かすため、
『上から羽織るモノのためだけ』と割り切って製作した生地です。

DSC01651.jpg

それには十二分応えてくれています。

 

 

でも、『専用?』となると、着物とコートどちらでも選べる(作り手のリスクが少ない)
モノつくりが多い中、『ほんとに大丈夫?』そんな空気は流れていました。

 

しかも、今現在でも製作しているのは、この南蛮七宝文様のみ。

ただでさえ、上がってくる量も少ない。
そう遠くないうちに織れなくなってしまう織物です。

 

め〜一杯、できることを(配色ですね)やりきりたいと考えています。

 

 

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今はこの5反(織り貯めしていました)を染め出し中。

 

 

南蛮七宝以外にも様々な柄の塵除けやコート生地があります。

 

なぜ、『帯メーカーがこだわるのか?そこまでやるのか?』
なんども聞かれたことがあります。

 

その理由の一つには、上から帯を守る。

帯屋としては、帯が可愛いです。
その帯を守ってくれるものにも、やっっぱり一生懸命こだわって行きたくなります。

 

 

話は少し逸れてしまいましたが、この紗の織はそう遠くなうちに無くなります。

これで作った羽織やコートを作られた方から、絶賛の言葉を頂く度に、
その後に据えるモノづくりが出来ていないことに気が遠くなりそうです(笑)。

 

 

 

 

2015年03月23日

南蛮七宝文様 上から色を引く。

 

南蛮七宝文様のモノづくり。

一つの柄を追っかけて、帯の織組織や着物、小物、織り産地まで変えて、
試行錯誤を続けています。帯のモノづくりの要素としては、色・柄・組織ですので、
そのうちの『柄』の部分は切り捨ててしまったモノづくり。

代わりに残りの2つ、色と織組織には徹底して拘ることができます。

 

その南蛮七宝文様の御召は、南蛮七宝文様の着物を作り始めた際の第一号となる
モノづくりでした。経糸に三眠蚕やブラタク糸を使って製作。

ハリがあって、薄く、単衣でも袷でも選択して頂くことができ、さらに風合いから、
着物でも羽織でもコートでも。また反物の巾も広く織っていますので、男物も可能という、
南蛮七宝文様に興味をお持ちの方には、抜群の広い用途をもった着尺です。

 

その反物を今回は引き染めしてみました。

 

通常、あまり先染めの無地では行わないことです。

御召入れた極彩の縞や織物の凹凸に染料が入ることで、文様と合わさって一体どうなるのか?
(ちょうど羽織も欲しかったので、失敗したら、最悪自分で着よう。と)

 

製作したものがこれ。

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『南蛮七宝文様/先染め+引き染め』

 

元々ある縞に染料が入り込み、その縞が潰れ消えたり、表に出たりしながら、
奥行きができました。また、地に入っている元々の色が上から引いた色とで
干渉しながら、複雑な色になっています。

 

文様も写真のように浮いたり沈んだりします。

 

ただいつでも良い感じに上るとは思いませんので、偶然にも多少頼りながら、
着物を作る。そんなモノづくりです。

 

出来が良かったので、かえって自分の着物にしたくなってしまった、
そんな反物です。

 

 

2015年03月16日

みおバッグ、スタートしました。

今日は、別件の打ち合わせでバッグの話。

どれだけ時間を掛けても、『ここをもうちょっと』。

そんな意見を頂けるのがバッグ作りです。

 

面白いのは一つの完成形でもあるはずの『利休型』ですら、もうちょっと手の長さが・・・、やマチを大きくして欲しい。とご意見を頂きました。

その意見を抽象化してできたのが、タスケ型やダテ型になっています。

 

今まで無かった形の叩き台を作ると、どうなるか?(笑)
(これ以上書かなくてもいいですよね?)

 

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『叩き台初期(ちなみに帯地は『海路』)』

 

構造はシンプルで、できる限り小さく(でもA4)、可愛くて、
キレイ系な洋服にも持てる和のバッグ。細部にも細かな拘りを散りばめて、
中は『となみブルー』の生地を使う。

 

頂いたご意見に社内、職人とで意見を交わし、それらをベースに自分たちが持って欲しい。
そういう叩き台です。

 

 

また、こういう試作で使う帯地は『勿体無いです。』と良く良く言われることですが、
良い生地を使うこと。残り裂、裏無地に近いモノで試作を取ると、全て駄目なように見えて、
叩き台より先に進めようと思わなくなります。

だから、写真海路や南蛮七宝、Celtic等でできる限り製作をします。

 

あのバッグ、とか昨日見本の上がったバッグ、そんな名前で呼ぶのは愛着が湧きませんので、
今のところ、コードネーム(ちょっと大層です)『みお(ミオ?)バッグ』です。

 

試作から完成まで、何度も呼んでいるうちに、愛着とともに定着して、
そういう名前のバッグに見えてくるのが不思議です。

 

2015年03月11日

雪がチラついている中で、夏物。

 

ここ2日間、京都も強烈に寒く、しかも日曜日に階段を何往復かしただけでなった
筋肉痛が残った中、夏物が染め上がってきました。

 

意匠は南蛮七宝文様。

以前製作していたものと似ていますが、それ自体とはまた違うモノです。
自分たちが作りたいモノが、どんどん出来なくなってきていますので、新しい職人や作り方で
取り組み、試してやっていく必要があります。

 

もちろん、楽しまなくては続かないので、その要素も付け加えて。

その要素はこの着物場合・・・。

生地自体、先染めではなく白生地なので、これから染めるモノは一色ずつ全て違う色で、
染めようと考えています。

 

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ちなみに、この反物の上に乗っている帯に関しては、ある帯の上に乗っている柄を
省いたモノです。織も、色も、素材も違いますし、意匠図も新たに作ったものですので、
わかりますか??

 

 

 

2015年03月07日

敢えて雑に扱う、長襦袢。

Facebookに載せているお襦袢をさらに2回目、今洗いました。 
http://goo.gl/pPOY4u

 

 ※南蛮七宝の夏襦袢(絹の風合いの変わらない洗える加工済)
       →このお襦袢自体も、想定よりも濃い色で染めた物を使用しています。

 

初回と違って、洗濯機。
さらに、ザックリと自宅でネットに入れて・・・

IMG_4532.jpg
『ネットに入れて洗濯機の上』

試験ですので出来る限り丁寧に扱わない。それを肝に銘じて扱います。
いつもと言っている、やっていることと正反対です(笑)。

 

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『ドラムの中』

 

行ってらっしゃい。
と脱水までの設定をした所です。

 

洗濯機から出すのを少々忘れたことを想定して、しばらく放っておきます。

 

そして、ゆっくり歩いて取りに行き、出来るだけ手遅く干します(笑)。

IMG_4535.jpg
イメージとしては『しまった!衿付けたまま、色落ち大丈夫かな・・・。』です。

 

衿も濃い衿を付けたまま、絹の衿です。
(色落は全く大丈夫でした。でも薄い色の衿をオススメします。)

 

吊ったまま、縦方向に少しシワを伸ばします。
ここは丁寧にしました。

 

IMG_4542.jpg
『まだ少し湿っています。』

 

濡れた絹は、紙を触っている様にパシパシしていますが、
意外に乾燥が早く、乾くと一緒に風合いが戻っていきます。

 

現在のところ、衿元などはまだ湿っていますが、生地が固くなるわけでもなく、
全体的なシワは、着るには問題ないです。

 

袖に少しアイロンを掛けましたが、それでほぼシワは消えました。

 

 

おそらく3回目も、南蛮七宝の襦袢を洗濯機に・・・。
と気持ちにブレーキが掛かると思いますが、実用的です。

 

生地も非常に強いので何十回洗えば、ダメになるか?
という実験もするべきかもしれませんが、お襦袢が可哀想になってできません。

裁断した裂地を15、16回洗っても全く変化ありませんでした。
365日、毎日洗い続けることを想定していないお襦袢としては、強度も充分過ぎると思います。

 

ただ、実験しないとも言ってられないので、着ながら限界まで挑戦していきますね。

袷の時期でも、このお襦袢を着ているのを見かけれたら、それは実験だと思って下さい(笑)。

 

 

 

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