となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「南蛮七宝」と一致するもの

2015年09月26日

南蛮七宝文様の懐紙入れ。

 

仙福屋で一番人気は真綿入り草履で、その次に人気なのはおそらく懐紙入れです。周りはお茶をする方が多い、また環境も堀川通を挟んで会社の向かいが裏千家会館ですので、やはり要望も多いです。南蛮七宝帯地バージョンも今まであまり紹介していませんでしたが、製作しています。

 

最近上がってきたものは、この古川美術館(爲三郎記念館)限定カラーです。

DSC06822.jpg
懐紙入れ/南蛮七宝文様】

 

使う帯地には、以前五代目日記にも紹介した『南蛮七宝×信夫×光悦蝶』の地部分です。それを懐紙入れにした仕立て上げました。この懐紙入れの型は、みなさんから要望を聞き、柄のバランス、織組織を考慮に入れながら、バージョンを変え製作したもの。現在のモノは今まで一番シンプルな形で、そこに落ち着きました。

 

ちなみに今自分が使っているのは、上記写真の最初期のモノです(試作)。

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あるお客さんから『南蛮七宝文様って、お金が貯まりそうやねー。』と言われたことをキッカケに通帳入れに使っています(文様には特にそういう意味合いは無いと思いますが・・・(笑))。また机の奥の方に入れていても、一際目立ちますし探す手も省けて、意外に重宝しています。

 

それでも、まだ懐紙入れが一般的か?というとお茶の世界のモノ。が現状です。小物入れでも使えますが、それよりも懐紙入れの名前の通り、懐紙入れには懐紙を入れて、それを使えるように定着させていきたいです。以前、懐紙の便利な使い方を教わったので、もう一度思い出して、まとめパージ等を作ると、お茶をしない人でも、登場シーンが増えるのかな?と思っています。

 

ただ、南蛮七宝文様が好きな方は、(有難いことに)この懐紙入れを購入してから使い方を考える。という方もおられますので、それはそれでどういう使い方をされるのか?今度聞いて見たいと思います。

 

使わなくなった帯地や裂地を裁断して懐紙入れに仕立てる、というのは昔からありました。現在では形にアレンジが加わり、または不要な部分が省かれて、シンプルな形に変化しても、帯地の使い方の一つには変わりありませんので、今後も、もう一段掘り下げてモノづくりしてみたい分野です。

 

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2015年09月23日

濃い打ち合わせ中

 

2時間ほどでしたが、京都のとある場所で(かなりマニアックな喫茶店です)打ち合わせを行っていました。話が逸れることありましたが、いい話が出来たと思います。帯地を使ったモノづくりのベース部分を最終段階に向けて進めています。どこかで書いていましたが、試作はあくまで試作なので、どうでもイイと思う生地で製作すると、中途半端なところで終わってしまい、完成品まで至らないことが多くなりがちです。勿体無いと思っても、自分が最高と感じる生地で製作する、いつも心がけています。

 

そういうこともあって、最近使う帯地は試作でも基本的に南蛮七宝もしくはCeltic。ある程度の完成まで近づいて、これらの帯地を使って製作し、イマイチと思えば、足掻かず(苦笑)もうそれ以上進めない。それを心がけています。

 

今回も南蛮七宝文様を使った試作3タイプを目の前において打ち合わせ。でしたが、すぐに気がついたのが、後ろある『角つなぎ文様』。。。

 

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『唐長文様/角つなぎ』

 

この柄、織りでも引箔でも昔織ったこともありますが、もう少し何か加えたいと思っていた中、縁を感じた出会いでした。明日以降、になりますが、おそらく悠翔織を使ってもう設計から見直したいと思います。話も逸れ、後ろには角つなぎの襖、気が散りながら(笑)、濃い濃い打ち合わせをすることができました。

 

その成果は来月中には何とか形にしてご紹介できれば、と思っています〜。

2015年09月22日

生地の次は色。

 

一度紹介したショールです。生地から見直した後、紋作り、製織し、染め上げたシルクのショールです。サイズは広巾の機で織っていますので、着物の場合、すっぽりとお太鼓を覆うことができます。洋服で使うことももちろん(どちらが主とも考えていません。)なので、巾の検討もしましたが、大は小を兼ねる的な発想と、薄く生地を織ることで、それが実現できそうだったので、折り畳んでもかさばらないように設計しました(それでも半分の巾も検討中です。)←男性用としても使えるように。

 

この様に生地の土台面はほぼ固まっていますので、次は染める色の検討。

IMG_1559 (1).jpg
(写真は模索中の色。)

 

一番上に羽織るモノですので、周りの空気に合うもの。また海外の空気感にも馴染むもの、を検討。試行錯誤中です。今は何色も染め(生地に不向きな色もあります)、『これだ!』と言える色を模索しています。ただ、商品としては完成していますので、色に関しては皆さんに紹介し、フィードバックをして頂きながら、色を探るそんな現状です。

 

色のヒント、ベースとなるのは主に自然の色。日本の四季は色のイメージがし易いですが、海外のとなると、そこは全く異なってくるので、面白いかもしれません。この辺りに何かある?

また全体的なイメージとして、完成した色のうち半分くらいは、日本の色で。もう半分はそこから離れた色を取り入れる。まだ漠然としていますが・・・。昨日行ってきた北野天満宮イメージで染めても面白いかも・・・。とか・・・。

 

DSC06739.jpg

 

まだまだ、ここには時間が掛かると思いますが、自分の思っている色よりも、この生地には鮮やかな色が入り易く、お客さんからの人気もそれに応じたモノなので、その辺りも加味しつつ、今年中にはほぼ確定させていきたいと考えています。

 

 

 

 

2015年09月12日

コート用に

 

生地を織ってみました。

L1930112.jpg

 

この見本裂と同じく南蛮七宝文様では、『三重紗』という織物を夏の塵除けとして、製織いてして(もう織れなくなりますが・・・)季節限定ながら、とても人気です。これはその冬バージョンをと考えて製織しているモノです。ベースは御召でそこに紬糸を緯糸で織り込み・・・、そこへ少しとなみらしさをプラスして、見本で織ったのが上の写真。

 

折角なので、形も提案できる様に現在仕立て屋さんとも打ち合わせをしています。織り手、メーカーとしてのイチオシはこれ、そう言えるように詰めます。またその際、別件でもう一つ、『自分がほしい!』と思えるモノも出てきましたので、それはそれでまた改めて、紹介したいと思います。そのような感じで、今のところ、漠然とした話がふわふわと2,3つ周りに浮いた状態です。

注文を頂いてから納品時期を考えると、もう反物が目の前に無いとそろそろダメな時期(やばい!と実は焦ってますが・・・)なので、ここからは寄り道せず進めていきます。

なんやかんやとバタバタと過ぎて行く9月です。

 

 

2015年09月10日

目標。

 

昨日は久々に唐長さんの両替町ギャラリーにお邪魔してきました。あっという間の2時間でしたが、少しずつ新しいコラボの話が進んでいます。最近は唐長モノづくりがここでは話題として多いですが、実際に今一番多くの時間を割き、優先順位も一番と考えています。そこから得られる感覚、具体的には配色や柄の組み合わせ、(ですが言葉にしてしまうと何かちがう?)をいつも得させて頂いています。

 

今、モノづくりとして自分のブランドの作楽もあり、銅板作家の舟田さん、(言葉にしにくいですが)新しい配色を模索、新しい織組織を検討してみたりと書き出すと、『あっこれだけ?』と自分でも思ってしまう(苦笑)のですが、どれ一つ取ってみてもある程度でも形にできたと言う為には、何年も掘り下げないとダメなモノばかりです。一つ一つを大切に、それに関わっている時は最大限絞って集中して、モノづくりを進めていきたいと思います。

 

作楽、一つ取ってもその中に小休止中のモノがあったりと、忘れてはいませんので(資料も山ほどデジタル、アナログとも溜まっていますし・・・。)あー今日は無駄な時間を過ごしてしまった。とならないようにしたいと思います。気が付くと、他の仕事も増やしてしまいがちですので・・・。

 

さてさて、唐長さんに関しては、11代目の奥さんとのコラボ(唐長-Ikuko)での新柄製作のため、今度は修学院の工房へお邪魔させて頂きます。自分の中では、今まで製作してきた南蛮七宝文様の御召と、これから製作する南蛮七宝以外の唐長文様帯とのコーディネート。さらに、そのコーディネートにはこれ。といえる帯締め、を製作する。そして、そんなコーディネートを幾つものパターンが出来た時、本当にモノづくりやっていて良かったな、と思える瞬間を味わえそうです。当面の目標です。

 

自分も楽しみですし、皆さんも楽しみにしていて下さい。
ひとつずつ進めて行きたいと思います。

2015年09月09日

コーティング素材。


帯地を直接触った風合いは横に置くことになっても、耐久性と絹の発色は残すコーティング。バッグやお財布、等の小物に活躍中です。

帯地はそのまま使う以外の選択肢のなかった最初の状態から、改良を重ね、今では膜の厚さは何ミリでどういうモノがこの織物に一番最適なのか?使い勝手、縫い易さ、発色、のバランスも考えて扱えるようになっています。

当初は帯地を丈夫にすることだけ考えていたので、膜が厚く、帯地の色によっては使えないこともありました。たとえば、濃い濃淡の文様の場合、コーティングすることで真無地に見えてしまう。

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『南蛮七宝文様/帯地コーティング』

 

それが今では、帯地の上にするコーティングをある薄さにすると、帯地の色味がそのまま残るのと、織組織としてのボリュームも表面へ出てきます。そのため。この様にちゃんとメリハリが残るようになりました。

クラッチバッグ様にと思って製織した生地です。

 

また、それとは別に帯地の耐久性も思っていたよりも優れていることも分かり、多少コーティングに劣るけれども、風合いは抜群。そんな風合いを活かした使い方も考えています。その場合、織り組織はある程度選択する必要がありますが、生地に撥水を施すだけで大丈夫な場合もありそうです。

帯メーカーですので、この辺りで培ったノウハウを新しい帯を土台づくりにもして行きたいです。今のところ、なにが出てくるかわかりませんので、頑張って試行錯誤しますね。また、紹介します〜。

2015年09月07日

緑・緑・緑・・・。

 

京都へ戻ってきました。また再びモノづくりに戻ります。関東方面へは久々だったので、また違うヒントをもらいましたので、それをどういう形にしていくか?検討を重ねます。

今回、印象に残ったのは色。今までそんなことはなかったのか、もしかして気づかなかったのか、わかりませんが、緑・グリーンを好まれる方が多かったです。赤系ほどでは無いにしても、そこまで多様せず、どちらかというと避けてしまう色の一つです。だから、となみの帯がずらっと並ぶと、麹塵染のグリーン系が目立つのか、と書きながら納得してしまいます。

 

この辺り、モノづくりに活かそうと緑・緑・緑と考え頭の中で回してみると、先日紹介した【南蛮七宝×信夫】の袋帯。その流れで染めた(これは見本)ショール。等々が思い浮かびます。

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【南蛮七宝文様×信夫×光悦蝶】

 

IMG_1348.jpg
【ショール色見本】上記南蛮七宝文様の地部分を参照に染めました。

 

モノづくりの大前提は、柄作り⇒配色です。それを反対にして配色ありきのモノづくり。緑っぽい柄?できるか、どうか判りませんが過去の柄帳、図案庫とを『緑・緑・緑』と唱えながら、見て行きたいと思います。今のイメージとしては、この色をそのまま使うのではなくて(これはこの帯の色にピッタリですし・・・)、どの方向に振るかは判りませんが、アレンジしながら、グリーン濃淡の帯。以前製作した『作楽/サマルカンド』の柄の様に、作れればとおもっています。

 

2015年09月04日

洗える襦袢 濃い地

今年、大変な人気がある『洗える襦袢/南蛮七宝』。ほぼ1年を通して使えるので(お洒落ものとして)色違いではありますが(白と白×ブルーグリーンの2枚)、この夏自分も重宝しました。実用前の試験でもあったので、おそらくしないであろう、着るたび洗うとか、(ワザと)間違えてちょっと乾燥を掛けてみるとか。乾燥のはさすがに良くなかったので、(実験しなくても分かるような気もします。)オススメはしません。

本当は他の柄も作ることを計画して、柄だしや配色までの検討に入っています。が、なかなか生地が上がって来ないモノですので、(今は2ー3ヶ月待ち)その計画を実行するのは、来年真ん中以降と、もう考えられない程、先になりそうです。有難い悲鳴です。
 
そんな合間を縫って4反ほど新色を染めました。この生地を染められる方からすると、『ここまで濃いと売れんやろ?』業界の常識として言われていますが、今のところ自分の周りに意見を聞いていると、今まで以上の良い反応を頂けます。

 

ただし、数反後はいつ入ってくるのか?未定となるので、 もし周り意見の通り人気があれば、それはそれで嬉しい悲鳴となりそうです。この色は以前から続けて製作している襦袢の色を生地違いで染めたモノです。紗で染めると、また雰囲気も異なって、いい感じだと思います。

 

昔の様にドンと生産できる体制が整って、なんぼでも作れる。そんな状態ではありませんし、一度に大量注文して、その時だけで止めてしまう、そんな商売よりも、ゆっくりとできる分しかできないけれども、少しお客さんにも待っていただく、でも使い勝手は抜群。そんなモノの方が自分で作るものには合っている様な気がします。

 

とてもいい評判を頂いている商品ですので、息の長いモノになる様に大事にして行きたいと思います。

 

2015年09月01日

続・南蛮七宝文様

 

まだ、土曜日の『唐長の世界』熱が続いています。
そのため、今日も唐長文様の帯を(南蛮七宝です)。

 

DSC06310.jpg
 

 

この帯の元となったモノは、11代目の作品です。二つの印象の異なる南蛮七宝文様を繋げたシンプルな作品。その分、世界観ができていて余計なモノは何も入れることが出来そうにありません。そんな空気を自分なりに汲んで、帯にしました。その空気感に織物としても、見た目には全く伺えない、大きなチャレンジをしています。

基本的にこの帯の織り方『紹巴織』は、緯糸(横糸)で色柄を織り成します。そのためもあって発色が他の織物よりも鮮やかで、自分のイメージ通りに作れたり、持った際の絹独特の風合いをストレートに感じられることが特長です。今回は、この帯の色のメリハリを綺麗に、濁らせずに作るため、特に色へ拘り(となみで織る他の織物でもそんなに悪くはありませんよ)、大幅な回り道を行っています。

 

詳細はカット致しますが、一つは本来そこには使わなくて良い緯糸1色を帯一本ずっーと通しています。全く表に出てこない箇所もあったりするので、この織組織の常識をちょっと逸脱しています。帯の完成品を前にしてしまえば、全然大したことのない、コロンブスの卵的な技法ですが、そこに至るまで悩んで悩んだ帯です。(そんなこともあって、これからずっと印象に残っていきそうな帯です。)

 

現在この配色の反対バージョンも進行中です。熱は冷めてから、冷静に取り組んだほうが良いのかもしれませんが、まだまだ面白いアイデアを頂いています。今後ももっともっと形にして発表していきますね。

 

唐長-Ikukoさんのホームページです。
http://www.karacho-sanjo.org

2015年08月31日

間に合った帯。

 

今は名古屋の古川美術館に展示されている袋帯です。

DSC06454.jpg
『南蛮七宝文様×信夫×光悦蝶』

 

11代目より作品を見せて頂いて、全てを置いて最優先で取り掛かった帯です。正直、8月29日初日に間に合うとは、とても思いませんでしたが(上がってきたのは28日夕方・・・)、帯巾におさめるための検討からはじまり、図案⇒紋作り⇒配色⇒試験織とほとんど無駄なく進みました。寄り道の多い普段のモノづくりも、その寄り道過程で新しいモノのキッカケになることも多いので、今後も止めるつもりはありませんが(笑)、最短のルートを真っ直ぐ突き進むモノづくりも悪くありませんね。

 

実際美術館へ運び入れて展示させて頂いたのは、お客様がおられる中でしたので厳密にいうと間に合ったか、と断言するのはとても微妙ですが(苦笑)・・・。

 

帯を織り上げた後、当然検品を行います。それから、写真にある通り光悦蝶の刺繍を施しました。元々の11代目作品にはプラチナの箔で光悦蝶がそっと置いてあります(これはぜひ作品を見て頂きたい。)。ので、同じ様にプラチナ糸(通常の糸よりも随分太い)を使い、京都の職人に刺繍を依頼しました。裏糸を避けながら、通常よりも太い刺繍糸を使っての苦労は・・・。そんな話もありますが、それは別の機会で・・・。

 

 

スクリーンショット 2015-08-31 16.29.34.png

何回も言ってしまいますが、妥協無く当日間に合って本当に良かった。今でも間に合わなかったら、と考えるとゾッとしますので、とにかく今はホッとしています。あと言えることは、ぜひ11代目の作品に囲まれた、この雰囲気の中でのこの帯を見て頂きたいです。

2015年08月29日

古川美術館『唐長の世界』初日に。

 

今日は予定通り名古屋の古川美術館へ。
なんとか予定通り前日に仕上がった『南蛮七宝文様×信夫×光悦蝶』を車で京都から運び込みました。
(もうすでにお客さんも大勢おられる中での陳列です。)

 

DSC06513.jpg
(左手の帯がその帯です。)

 

唐長11代目の作品とこのような形で展示させて頂くのは初めてのことです。来られた方のみしか雰囲気をお伝え出来ませんが、自分としては帯や着物も作品の中に入ることができ、元の場所に収まるようなそんな錯覚を味わうことができました。何千色とある糸の中から、できる限りのことをして配色、織もとなみの中でも最高に緻密な織を使い表現を行ったモノです。これからも、色々とやっていきたいことはありますが、まずは一歩すすんだかな、ととても嬉しい気持ちで一杯です。

 

今まで唐長の着物?と縁の無かった方にも、見て頂くことができ、初日ではありますがまずは良かったと思います。
興味のある方、この空気感、楽しんで頂けるはずです。

 

11代目の1時間を超える文様の解説が終わった後も、この会場の空気感をゆっくりと楽しまれるためか、ほとんどのお客様がしばらくの間滞在されていたのが、とても印象に残っています。帯や着物を使った空間つくりにも、活かすことができればと思います、

 

2015年08月20日

きものsalon掲載【本袋&南蛮七宝文様】

 

一日中唐長さんにお邪魔して(リンク)撮影を行ったものです。
 ⇒
http://www.kyo-tonami.com/godaime/2015/07/post-2178.html

 

 

本袋広告
【きものsalon掲載】 

 

ずっと前から、やりたかった事の一つ、南蛮七宝文様の持つイメージを高めるともに、歴史、本物が伝わる写真で広告を作る。えらく時間は掛かりましたが、今回上手く行ったんじゃないかな?と。



もちろん、主は本袋の帯です。今後となみ織物の中心の織物一つとして、成長して欲しいから、敢えてここで使いました。ただ、陰ではこのページが今後の南蛮七宝のイメージ写真になりそうなので、うれしく思っています。今月末からは、今までとは違うところで展示も行ったりと、少しずつ着実におもしろい方向に行っています。

 

2015年08月14日

おそらく9回目の洗います。

 

最近ごく一部ではあるんですが、定着し始めたほぼオールシーズン襦袢。
先日も登場していましたが、今年の3月からこのお盆休みまでフル稼働しました。
 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime/2015/03/post-2071.html

 

 jyuban L1890630.jpg

 

興味を持たれた方に『洗えます。』と言うと『えっ、絹?綿じゃないの?』『絶対縮むでしょ?』と
ほぼ100%反応が返ってきます。先日は『麻はチクチクするし、綿もなんとなく皮膚に合わないし、
絹の洗えるのは探してた!』と言われる方もおられました。その時は『この襦袢は樹脂加工等はしてい
ませんし、これ以上のモノは現状無いと思いますよ〜。
』と付け加えました。

 

春や冬でも『いいなぁ。』と感じては頂けますが、この時期の気温は必要性をヒシヒシと体感できます
ので、この夏を利用して多くの方にオススメしたいとおもいます(笑)。

土台の反物が『えっ』という位しか上がってきませんので、今のところ南蛮七宝文様のみしか製作してい
ません。ただ、この商品だけは柄の説明をする間もなく(笑)必要な人には手にとってもらっています。

 

さてさて、自分の手持ち襦袢は、今回でたしか9回目の洗濯です。以前の『敢えて雑に扱う』ブログ通り、
極力沢山洗いました。(月一回ペースです。)最初の一回目その次辺りは文様の色が薄くなりましたが、
それ以降はほぼ変わらず定着。見た目の洗濯感としてはそんな具合です。風合いも絹らしさは変わりません。

 

白地以外は今のところ(反数ではなくて)期間限定で製作しています。今は①白②白×ベージュ③白×ブルー
の3色、白×ベージュはこの9月終了で次の配色を考えていて、今のところ地色にも色を入れた、スペシャル
バージョンを製作する予定をしています(イメージは下のバッグの色目)。

 

 tasukeIMG_4805.jpg

 

『ちょっと濃いかなぁ』と自分の中の声も、おそらくお客さんからも言われることは想像できますが、
今ある色だけでは、『夏中心しか使えないかなぁ。』との声もありましたので、そこはちょっと冒険
をしたいです。

 

問題は初回と2回目の洗濯時に、どこまで色が薄くなるのか?大丈夫だとは思っていますが、
再び『敢えて雑に扱う2』をやりたいです。

あと、解決したいのは生産数とコスト面、全て上手く行かせるのは難しいですね〜(苦笑)。

 

 

 

2015年08月12日

蝶千種 その2

 

先日の蝶々のモノづくり。随分進み目出しが取れたところで、お盆休みに途中しています。
http://www.kyo-tonami.com/godaime/2015/06/-httpamznto1ewqvug.html

 

DSC05994.jpg
『蝶千種/紹巴織』

 

ちょうど真ん中で地色を変えて試験をしています。この2色のうちの一つを取るのか?
もう少し修正するのか?僅かに織を変えて、ボリュームを付けている蝶々の上げ方のチェック。
蝶千種からお太鼓を考えて、図案を作ったチェック等行えば、お盆明けには帯の形として、
前に進められそうです。

 

『蝶』の意匠というと毛嫌いされることもあったので、最近は帯の意匠に取り上げることも
多くなかったのですが、昔から数多く製作されてきた文様ですので、やはり作っていきたいです。
南蛮七宝×光悦蝶をはじめ、魅力的なモノが出来ると思いますので、考えて面白いものを作りたいです。

 

この蝶千種であと3,4柄製作予定です。
今の時間、落ち着いて進めていたいです〜。

2015年08月06日

着物に囲まれる一日1

昨日1日は着物に姿に囲まれていました。たまには京都から出ないとと実際に、自分たちが製作したモノづくりは見る機会は少ないもの。とても貴重な時間です(今日、もう1日あります。)。

その時に皆さんに撮らせていただいた写真は(お太鼓を中心に)また紹介しますね。

 

 

ちなみに昨日自分が着てた着物は、動く広告塔として南蛮七宝/紗、紗の襦袢です。見た目涼しげ、実際も涼しいので、今年夏登場回数が多いです。評判も良いので、広告塔の役割は果たせたのかな(笑)?

 

2015年07月29日

お気に入り

 

お客様が来られていましたので、
本社の4Fに南蛮七宝のスペースを設けました。

 

同じ場所に同じものを置いても何かしっくり来ない時もあり、
なんだかなぁ・・・。となり、毎回試行錯誤しますので、同じ陳列になることはまず無いです。

 

このなんだかなぁ・・・、というのは恐らく季節や周りの他の帯を含めた空気感が
変わるからかな?と想像はしてみるのですが、不思議です。

 
そして、今回お気に入りの場所はここ。
 

DSC06202.jpg
【南蛮七宝文様 しーぎ染め × 蕨】

 

唐長さんが、からかみで大事にされている陰影(ゆらぎ)をそのまま織物に
持ってくるのは難しいにしても、その空気感を纏わせようとするのと、
最初から諦めてするのとは、大きくモノづくりが変わってきます。
 

いま、自分が作るモノづくりの中心は紹巴織と総紗縫の2つ(本袋は待機中です・・・)。
特にこの織物はボリューム感が元々少ないので、なにも気にかけず目にした物そのまま作ってしまうと、
平面過ぎる帯になってしまいます。そのため、織物として上がった時には目に見えないかもしれない、
経糸と緯糸との僅か(ドット一つ)でも、作りこむことにしています。

 

同じものを同じところに置いてもイイ感じにならず、なんだかなぁとなってしまうのは、
織物での陰影作りが上手く行って、周りの空気を敏感に汲みとってしまうから?

と今のところ、非常にイイ方向へ考える様にしています(笑)。

 

2015年07月28日

扇子作り−1

 

扇子を作る工房を探していたました。
ほぼ来年用のモノづくりで、今年僅かに間に合えばイイ。そう思っています。

 

今までと異なった工房で製作を依頼する。
そのためには、和紙や布とは厚みも特徴も異なる帯地のため、
まず見本の製作をして頂きました。

 

できる限り薄い帯地、裏に糸が渡らない、それでいて扇の形にした際、
面白みのあるモノ。それを念頭に置いて、柄、生地探しを行っていきます。

 

それと並行して、まず一本目に製作。生地には南蛮七宝文様を。


DSC05562.jpg

あくまでこれは見本なので、非売品です。

 

以前の工房でも職人さんに言われていましたが、
『着物地よりも(生地の厚い)帯地ではムリやろ?』。

 

今回も、その言葉を総紗縫は乗り越えた様です。
本当に有難い、織組織です。

 

2015年07月27日

京都の夏を着物で気持ちよく乗り切るために。

 

先週はほぼ毎日着物を着ました。

手持ち着物の中で一番少ないものは、真夏モノで薄地色のモノ。

 

単衣が一番多いので、まだ夏っぽいかな?という単衣で乗り切ろうと思いましたが、
流石に今年の京都の気温は難しいです。

 

先日紹介したモノが、私物夏物で一番涼しいモノです。
結果、今年の登場回数はNo,1です。
 

L1890658.jpg

 

その真夏モノは、真ん中に挟まれたようになっている淡いベージュの着物です。
(南蛮七宝文様)

織は総紗縫や上品綟と比較すると、
織り目の粗い紗組織で、糸に工夫をしてシャリ感を強調した織物です。

下の襦袢を写真の様に文様がはっきりしたモノすれば、紗合わせの様にも見える透け感です。

 

 

ちなみに、去年一番はこの着物。

DSC06175.jpg

 

もちろん真夏も着ることはできるので、登場回数も2番目に多いですが、
上の真夏ものよりは、少し涼しくないですし、35度を超えると涼しい方を手に取りたく
なってしまいます。

 

 

同じ織組織の色違いの着物を着ても良いのですが・・・。
やはり今年の夏の記憶を忘れずに、来年真夏用のモノづくりの動機にしようと思います(笑)。

 

 

 

2015年07月25日

5代目へ?

 

身内のみの流通ぐらいしか魅せられていない南蛮七宝文様のお財布。

ここしばらく私もこのお財布シリーズを使っています。
ちなみに、初代の黒⇒茶⇒青茶⇒Celtic(現在)と現在4代目です。

今は一年ほどCelticのお財布を持っていていますが、それまでの三代はボロボロに
なるまで持ち潰した訳ではなくて、春は財布を持ち替える時期なので・・・、
等々と、色々な事情と理由から人に渡っています(苦笑)。
 

現在のCeltic財布

L1891157.jpg
(一回お茶に浸かりましたが・・・。意外に綺麗です。)

 

それで、今日上がってきたのがこの南蛮七宝文様のブルー×ブルー。

L1891101.jpg

 

 

今のお財布に不満は全くないのですが、新しいモノを見ると心が動きますね〜。

ということは、良いモノが上がってきた、そういうことですね。
嬉しい様な困った様な気分です(笑)。

2015年07月22日

過保護にしようかな?

 

先日来られていたお客様に『南蛮七宝』文様を見て頂いていました。

この文様も、数多くの帯や着物に紛れ込んでしまうと、大勢の中の一柄になってしまいます。
思い入れのある方が見ると『あ~!南蛮七宝!』と掘り返して?もらえるかもしれませんが、
そうでない多くの場合は、やはり紛れてしまいます。

 

ただ、この日のこの時はそうならず、最初から『わたし、この柄好きです。』
『全部の柄見たわけではないけど、この中で一番好きかも・・・。』
そう言って頂けました。柄が光っていたとのことです。。

 

自分が唐長文様の中でも、特に拘って製作しているモノなので、すなおに嬉しいですし、
『南蛮七宝のモノづくりやっていこう。』、と初めて思った時の気持ちを思い出しました。

自分の初心に触れた気がして、改めて背筋が伸びました(笑)。

 

今は、次の唐長文様も考えていて・・・。という話もさせて頂きましたが、
ちょこっと進めては、止まり、また少し進めて。そんな調子です。

 

実際、意匠図つくりは順調で、目出しもそれぞれの配色を取り、ほぼイメージとおりに
進んでいます。このあと、直ぐに帯として織っても、まず問題ない。

そんな状態です。

 

ただ反面、このまま織ってしまったら、今度は南蛮七宝にやられて埋没してしまいそう。
という心配をしています。(南蛮七宝も超過保護にしていましたので、笑えませんが・・・。)

 

それは、それで柄を活かしきれなかった、紋、配色の責任ということですが、
やはり以前見せて頂いた、一つ一つの版木の力を感じたこともあって、

L1890189.jpg
(最近、唐長柄製作以外は常に頭にあります。この版木。)


『じゃ、この柄は帯には着物には向かないな。』とは簡単に割り切れませんし。
『はい、織ろう!』とも簡単に行かないものです。

 

良いモノを作るのは前提ながら、敢えて目立つ配色で織って、埋もれないように・・・、
とも違いますので、さてさてどう進めましょうか?

 

と目出し段階で止まっている柄が2柄あります。

やっぱり、この2つも過保護になりそうですね(笑)。

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