となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「南蛮七宝」と一致するもの

2015年07月17日

南蛮七宝文様/東郷織物綿薩摩/光悦蝶刺繍

 

今日の京都は昨日の大雨で山鉾巡行が気になりながら、
刺繍職人さんの工房へ行ってきました。

 

『出来上がる寸前においで。』
と言われてて、急いで欲しい様な仕上がりまでに京都に帰って来れないかも・・・。
という心配もありましたが、どうやら最後の蝶々を残して置いて頂いた様で、
うちのスタッフも含め、南蛮七宝+光悦蝶の完成間際を見せて頂くことができました。

 

帯の場合とも似たことですが、着物(もしくは帯)の地色に干渉されて絵緯、刺繍糸の発色が
鈍ってしまうことありますが、それらも全て引っ括めてこちらのイメージ通りの出来でした。

 

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作業を行われている時の空気感は白黒が伝わる気がしますね。

 

 

 

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【南蛮七宝文様の夜に残像を残す光悦蝶】

 

 

『もし、何かダメな所があれば解くので仰ってくださいね。』
との声には、とてもとても。

美しく丁寧な刺繍を本当にありがとうございます。

 

出来上がり次第、これを絵羽にする予定です。

2015年07月16日

ここに色を入れる。

 

別機で織った白生地。
着物ではなくて、ショール仕様。

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素材は絹で、帯4本分に近い広巾。
試織して、そこで一度チェックして、染めて、再検討。
帯づくりと同じ試験と検討の繰り返しをしています。

 

帯ならまだしも、この生地作りは『織物』という共通点しかない、ある意味専門外ですので、
となみ織物&仙福屋のモノづくりはこうあるべき、ここでは風合いと光沢の部分には、
意見を強めに通しつつ、それ以外には外部意見を沢山入れて製作を進めています。

 

ただ、悪い意味での調整し尽くして、面白みの少ないモノよりも、尖っていた方が味もあって
面白いと思ってしまうのは仕方がありません。そこのバランスに気を付けて、
できる限りの意見は集めたいと考えています。

そのため、このベース部分の生地作りで既に数ヶ月経ってしまってます。

 

ただ、周りから欲しい、早く作って、どんな色がある?この色がオススメなので染めて欲しい、
と、生地が出来る前から、南蛮七宝ショールへの要望(意見とはちょっと違いますよね?)
をもらっているので、早くしたい気持ちを抑えながら、できる限り万全を尽くしたいです。
(さらに、自分もほしいです。。。)

 

試験織99%の段階で、色目や仕様には大きな関門も待ち構えていますので(しかも明日)、
心して進めていきます。

 

予約も沢山頂いていますので〜。

 

 

2015年07月13日

一日、自分は南蛮七宝に囲まれました。

 

今日はお客様が来られていましたので、特別に皆さんを
修学院の唐長さん(水上殿)へお連れしました。

これまた特別に12代目当主から、直接『唐長』についてのお話を聞かせて頂きましたが、
(ある程度下準備、勉強されて来た方は特に)お話としつらえの美しさで、
ドップリと唐紙の世界にはまり込まれた方、多数でした。

なぜ私が南蛮七宝文様にここまで拘っているのか、分かって頂いたと思います(笑)。

 

本社では南蛮七宝文様(新作込)を陳列していましたので、勢いを付けたまま、
おそらく、いつもとは違う、ある意味とても生々しい贅沢な視点で、見て頂けたのでは
ないかな?と思います。

 

今日偶然できた、興味深いコーディネートあります。

それは南蛮七宝泥茶大島紬(割込)に引き箔のオレンジ。
この組み合わせが、意外にも意外。素晴らしく映えました。

 

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帯の力強さを南蛮七宝が受け皿になって、綺麗に受け止める。
そんなコンビネーションを感じました。

 

 

 

 

昨日今日と久々に一日半ほど喋っていましたので、今日はよく寝れそうです。。。
明日から少し、貯まり貯まった資料を持って京都を脱出、充電してきますm(__)m

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2015年07月12日

今日の着物。

 

ちょっと予想外な(というよりうっかりしていました。)
上がりたての南蛮七宝の紗着物の下に着る襦袢には、透けることを考えて、
同じ南蛮七宝をと思っていたら。。。

衿が袷用のままでした(洗ったままです。)。

 

付け替える時間が無さそうなので、今日一日はこの袷衿で行きます。
(袷と夏用衿、たったそれだけでも、体感の暑さは変わりますね。。。)

 

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(少しグリーンの混ざった藍色の衿です。)

 

襦袢:南蛮七宝文様(洗えるバージョン)

着物:紋紗・南蛮七宝文様

羽織:三重紗・南蛮七宝文様

 

これに紬縞の角帯。

 

 

京都は相当暑いですが、見た目は涼しそうなので、周りの方々には好評です〜。

 

2015年07月10日

上がってきました〜!自分の夏着物。

仕立て屋さんには申し訳ないと思いながら、特急で仕立てをして頂いた
夏物が上がってきました(この日からなので・・・感謝感謝です。)。

 

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『南蛮七宝文様/三重紗(羽織)&紋紗(着物)』

 

紋紗は透け感がありますので、襦袢には先日洗濯の実験を行った、洗える(様になった)襦袢を入れます。
(もうこの襦袢を洗濯機に入れてから4ヶ月も経っていますね〜。)

 

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元々は女性物なので、裄が足りませんがそこは仕立てで足してもらっています。
袷の時も、この仕立てて何人かの男物南蛮七宝ファンが増えましたので、夏物バージョンでも
皆さんに見て頂きたいです。

 

この着物のデビューは日曜日。
暑いのもイヤですが(むりかな・・・)、雨は避けたいです。

 

今度はコーディネートの写真をUPしたいと思います。

 

 

 

この着物を見て、スタッフが連続して特急夏物仕立てをお願いしていた様です。
仕立て屋さん、ごめんなさいm(__)m

 

その分、頑張って着物ファン増やしてきます。

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2015年07月07日

緯と経糸。

 

社内では、横糸のことを''よこいと''と呼ばず、緯(ぬき)糸または緯とだけ、呼んでいます。

織物は経と横との関係性で柄、色を作ります。
柄を作るのは、よく判りますが、色?と疑問に思われることもあります。
織物は織り方によっても異なり一概には言えませんが、経糸と緯糸が混ざった色になります。
たとえば、経;黒、緯;白で、織り上がりがグレー。というように。

 

意匠図を作るときは柄を織り成す以上に、気を使うのは、配色の問題。
配色がし易いのか?と、配色変更に対応できるのか?そして、イメージ通りに色が綺麗に出るのか?

この悩みは全て意匠図の段階で決まってしまいます。
(それから後は、裏ワザを使っても微修正位しかできません。)

 

その経と緯との関係でわずかですが配色変更した帯が上がってきました。

 

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『南蛮七宝文様/下弦の月』

 

受注を頂いてから織りに入る南蛮七宝シリーズの袋帯です。

となみで使う糸は絹糸で天然繊維です。僅かな太細もあり、染めるロットによって僅かな差がでます。
その差は味として存在しますが、今回は意識的に変更しました。

 

 

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撮影前先月に、唐長さんへお邪魔した際、みていた下弦の月です。

 

帯の中でもう少しお月さんが浮く映える色。
それを作るために、緯糸は変えずに経糸を白くしました。

 

写真からは僅かの違いしか出ないかもしれませんが、帯を立てた時に、
白の映え方が変わってきます。

 

どちらが皆さんの好みになるのか?それは実際に見てもらいたいです。
今は比較して頂けるように2本、同じ帯がありますので、じっくりと。。。

 

 

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2015年07月05日

試作をするのがモノづくりの基本です。

 

休みの前、夜遅くまで打ち合わせをしていました。
となみ帯に大きな可能性を感じて頂いる方からの熱烈な提案でしたので、
真剣に(珍しくそこからアルコールは進まず)話込み。

 

その話の中、申し訳無さそうに言われるのが『こんな試作ばかりで良いんですか?』
とか、『(超試作のものを見ながら)ここの始末はもう少しなんとかしないと。』
ということです。


他社も異業種もそうだと思いますが、メーカーは試行錯誤が仕事みたいなもの。
思われているよりも、数倍の試作の山の上に、製品ができています。

おそらくそれらを見せることも(もしかして見せたくない見栄かも(笑)?)、
あまり無いので、いきなり立派な完成品ができているように、思われているようです。

 

今回は、南蛮七宝のモノづくり、その中でも試作の特に多い、小物です。

 

 

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『南蛮七宝文様/懐紙入れ』

 


自分たちが行わなわなければ行けないのは、数多くを試すこと。しかも出来るだけ早く、
熱いうちに修正に修正を加え、意見を聞き、また試作を作ることです。

 

出来たと思っても、使ってみて判ること、使い倒して分かること、自分じゃなくて、
第三者に使って分かること、それを通じて、常に試し続けることです。

 

帯も図案の段階は、そういうものが少なくても意匠図作りからの試験織り、配色に
掛けては試作だらけです。

 

当然、コストは掛かりますが、そこをケチって、まあイイっか。とやってしまうと、
メーカーとしての拘りは、薄れていきます。どれだけやっても100%とは、ならないかも
しれませんが、そこに頑張って近づける、それがモノづくりです。

 

それだけやっても、気が付かない、自分たちの横をすり抜けてしまう事もありますが、
まあイイや、と言わず、徹底してやり尽くしていれば、そこから沢山学ぶこともあります。

 

そんな訳で作る過程での、メーカーとしての立場を、モノづくりの難しさを伝えながら、
今後良いものを一緒に作って行きたい、という話でまずは解散となりました。

 

話の中で出ていましたが、コストを掛けないモノづくりが世の中の中心だ、ということ。
それもよく分かりますが、それをしてしまえば、となみ織物の意味がありません。

今すぐの『売上』とか『利益』という甘い言葉には気をつけていきたいです(笑)。

 

2015年07月04日

頭のなか満タン。

 

昨日唐長さんへお邪魔させて頂いた余勢で着物を作りたいと思います。
帯でもやっていく予定ですが、蕨、下弦の月がありますので、今度は先に着物から。

ある程度進んでいますので(ほぼ頭の中ですが・・・)、途中経過を。

 

頭の中には衣桁に絵羽が掛かっていて、その柄は透明の南蛮七宝です。
その絵羽を何色に染めるのか?

黒が良いのか?茶がいいのか?薄いベージュがいいのか?
と、様々な色を透明の上に置いて、自分の中でしっくりとする色を探します。

 

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実際にも見ると、真っ暗に見えるのに、何かあるよ。目が反応している感覚が新鮮でした。
 

 

一つ、その中にいい色がありました。
その時は確信が持てませんでしたが、昨日唐長さんに行って、白黒で陰影を撮っていると、
壁紙にある角繋ぎの濃淡を見て、やっぱり最初はこの色だ。

と思いました。

 

いくつか悩んだ色目を実際に染めてみないと、濃淡の程度もわかりませんので、
気になる色味は3反ほど染めに出したので、近日中には土台となる着尺が上がってくる予定です。

 

 

ここ数日は、製作したものをUPしていませんが、
頭の中では着々と進んでいます。

 

昨日は、吸収出来るだけ吸収した一日でしたので、
しばらくこの日記も含め、アウトプットしながら毎日が続きそうです。

2015年06月29日

参加します。

 

7月8日から『協力』という形で帯を出展することになりました。
詳細はまた後日になりますが、京焼の作家さんとのコラボ展です。

今日はその打ち合わせと下見に、白沙村荘へお邪魔してきました。

 

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『煌星の饗宴』

 

話の中で『帯をどんな風に使って頂いても良いですよ。』と申し出てました。
ずいぶんと遠慮はされていましたが、どんな形になるのか、準備の日になるまで分かりませんし、
楽しみにしたいです。

 

焼物はグレー色との相性が良い、との話を聞きましたので、
その辺りも考慮しながら、帯選びしたいです。

夏なので、涼やかな上品綟か総紗縫。
それとも先日FBで載せていた緯糸もガッツリ通し、帯らしい帯系統なのか、まだ未定です。

 

打ち合わせの中で、
焼物を見せる、紹介する場所というのは非常に少ないということも聞きました。
帯を見て頂けるのも、焼物と比較してどうか?は分かりませんが、こちらも少ないです。

 

折角こういう機会を頂けましたので、来られるお客様の反応はとても楽しみです。
正直、全く想像も付きません。

 

もう日はありませんが、上でも書いた様に、持っていくモノについては悩んでいます。

細密な織りで『これって織物?』という自慢作か、
敢えて多少息を抜いた、帯を見ていると『これだったら結びたいな。』と思えるものか?

南蛮七宝に下弦の月に関しては、いまのとなみ織物の色にもなっていますので、置きたいなぁ。。。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

2015年06月26日

夏物作ります(私用)!

 

超特急で仕立ててもらうのを前提に、自分用の夏着物を作ろうと悩んでいます。

第一候補は、ヒネたベージュ地の着物に、濃い藍の羽織。
角帯はまだ未定で一応雰囲気出しです。
(側にあったもの。)

 

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『W紗/南蛮七宝文様』

 

もう一つの候補はこの写真の左。
瓶覗にグリーンを足した色。

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反物下の木材で色に黄みが掛かりましたが、もう少し淡い寒色系の色です。

 

写真の大きさで判るように、やっぱいベージュの方に大きく傾いています。
もうすぐ7月でしかも京都は相当暑いですし、早く準備しなくては行けませんね。

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2015年06月25日

本物の空気感を頂いてきました。

 

今日は半日とちょっと唐長さんにお邪魔していました。
打ち合わせの都合上、帯を持って行きましたが、唐長さんの唐紙の空間の中に
帯を置くと、スーッと馴染む。これがあまりに面白くて、自分のところの帯なのに、
その馴染み具合に見惚れました。

 

改めて何かを合わせる、何かに合わせる、空間の空気を作るのに、
唐紙の柄、色、雰囲気はホントに最適じゃないか、と思いました。

南蛮七宝の着物もそうですが、改めて納得する凄さを感じます。

 

何度もお邪魔している唐長さんですが、いつも好きななのは、端っことか、角とか、
裏です。今日はカメラを持って行きましたので、そんな場所に入り込んで、撮らせて
頂きました。

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なにが良いのか?自分でもよく分かりませんが、時々光と影の間を見ていると、
ゾクッとする瞬間があります。もちろん、唐紙を正面から見ていても、美しいのには
間違いありませんが、この陰影を感じる瞬間がホント、イイです。

 

DSC05723.jpg

 

言葉ではむずかしいですが(笑)。

 

この感覚は、いつかは分かりません、どこに活きるかも分かりませんが、
なにか間違いなく、自分のモノづくりの中に加わっていそうです。

 

また、来週お邪魔しますので、今から楽しみです。

 

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2015年06月19日

ひそませる色

 

唐長文様のモノ作り。
新しい文様は帯地で順調に進んでいますが、ベースとなるのはやはり南蛮七宝。
 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime/2015/06/post-2156.html(参照、輪宝文様)

一度完成させた織や技法を後に他の柄へ応用を効かせることは、
その柄特有の問題(大きさや雰囲気作り)を除けば、そんなに難しくありません。

ですので、今は良いと思うことを南蛮七宝文様で、試行錯誤、繰り返しやっています。

 

今回、目指すモノづくりは、生地に色を潜ませること。

唐長さんが良くお話され印象に残る『色』は、シックや渋く見えてもきれいな色を潜ませることで、
はんなりとさせることができる。簡単そうで深い言葉です。

糸と染めでどこまでの表現が出来るのか、わかりませんし、自分なりの勝手な解釈になることも
ありますが、まずは『あ、これか。』と自分のお腹の中に落ちるまでは試行錯誤の連続です。

じつは、昔にほぼ同じ目標でモノづくりへ取り掛かりましたが、少々中途半端に終わりました。
失敗とは言えず成功の部類に入るとはおもいますが、落ちる所まで行っていませんでした。

文字で書くとこんな感じです。
白生地には白(もしくは生成り)が潜んできます。ただ、染めて色を乗せても、
見慣れているせいか、その白は目には入ってきません。

以前の時は、敢えて生地に白色を潜ませようと、
生成りではなく、白に染めた糸を使った先染め御召を使い、白を潜ませようと染めてみました。

結果、奥行きを感じる、とても良い雰囲気を持った反物になりましたが、
狙っていた目標までのホンの僅かに届かなかった、勿体無さも感じていました。

 

失敗というよりも成功だったので、それ以上直すところも見つからず、それはそれで。
だったのですが、今回はある所からヒントをもらい、ベースに使う御召を変更。

色は、『白⇒萌黄色』です。
 ※春先に芽吹く若葉の様な明るい黄緑です。

 

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経も少し変えて、上から引く染料に馴染みきらないように、工夫もしています。

 

ちなみに、引き染めで上から引く色は『少しひねたグレー』。

最終の目指す所は、正面から見ると、ひねたグレーが、ふとした拍子に、もしくは光の加減で、
底から萌黄が浮いてきて、薄い地色の着物を着ているような透明感、きれいさを感じることが出来る。

そんなイメージです(文字は難しいですね〜(苦笑)細かい話ではなく、清々しい綺麗さを感じるけれども、
見た方はそれがどこから来ているのか不思議に感じる。そんなイメージです。)

 

 

そして、完成した染め上がりはこんな感じ。
写真でその萌黄を出そうと色々してみたので、upしておきます。

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この手法ではまだ数反程度の経験しかありません。
まずは一つ目の『おっ』と思えた、成功作です。

今後は、どんな底の色に、どんな色を掛けるのが、きれいなのか?
まだまだこれから試行錯誤して、その感覚を磨いていきたいです。

 

 

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2015年06月17日

試作・実験をしながら、帯作りへも繋げる。

 

『自分の持ちたいもの』から作っているやろ。
とよく言われる小物(特に雑貨)作り。

今まで完成品までの遠い道のりの中、沢山の試作を作ってきました。

 

おそらく自分が一番雑な使い方をしていそうですので、
帯地の弱点である耐久性を見るためにも、一番向いていると思います(笑)。
ホントに雑です(『敢えて』にしておいて下さい)。

鞄の中に入っているのは、財布・ペンケース(ケルティック)、
名刺入れ、キーケース、手帳を入れるブックカバー(南蛮七宝)。

そうそう、入れている鞄はケルティック。

と、ほぼ自社です。

 

継続して様子を見ていますが、コーティングを掛けていないモノが、
このブックカバー。特にいつも鞄に突っ込み、雑にしています。

 

おそらく使い始めから3年は経っていますが、現状はこんな感じです。

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ほぼ問題ない感じです。

 

帯屋としては、帯として想定して織組織を組み、それを違う用途で使ってみて、
問題が起きない。『帯』の立場からすると、鞄の中に突っ込まれ、持ち運びされる、
というのは考えられないほどのビックリの過酷さです。

立場に立つと、少々可哀想な気持ちもしますが安心します。
(これだったら、帯としてどんな使い方でも耐えれそうですから。。)

 

 

その経験を活かしつつ、次に製作しているのは、未だ試作の試作ではありますが、
このカードケースです。

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今度は着物とのコラボではなくて、話をさせてもらっているのが、
からかみとのコラボ。

 

新しいものを作りつつも、その経験が次のモノづくり、帯や小物へと繋がり続けている間は、
上手く両方とも、試行錯誤しながらやっていきたいと思います。

 

発表の期限もありますので、ゆっくり急ぎます〜。

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2015年06月15日

今日は自分と周りへのプレッシャーをかけます。

 

今日Facebookにも同じ組み合わせがUPされる予定ですが、
この商品を中心に、次の発表商品の打ち合わせを行っていました。

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『本袋引箔×南蛮七宝文様Premium』

 

この日記を読んで頂いている方のために、もう少し踏み込んで書きますね。

 

前回から、きものsalonに移り、その初回は琳派400年ということもあり、
神坂雪佳の世界』で少し様子を見ながら、それでいて少し雰囲気を変えたモノでした。
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『きものsalon掲載』

 

制作側としては花びらを上から落とすのを何時間も繰り返し行なったりと、
随分、今までとは違っていましたが(笑)。

 

前回の時から話が出ていた、今回は二つ目以降になりますので、さらに変化
させる予定です。少なくとも今回8月に発表するものに関しては、変えます。

失敗したら・・・、という気持ちも少しはありますので、
次回も、とは書けません(笑)。

楽しみにしていて下さい。

 

何も書かず、発表まで全て隠しておくのも一つの手だというのも判りますが、
こうやって公表しておけば、自分も含めた制作スタッフに多大なプレッシャーを
与えれますから。

頑張ります!

 

 

 

2015年06月14日

これで本当の最後。

 

まず一本目が上がってきました。

これが最後の南蛮七宝文様大島紬です。

 

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『割込大島紬/南蛮七宝紋様』

 

『白』と同じ絣のはずですが、全く異なる雰囲気を持っていて、
茶OR白?という選択肢もありましたが、両方織って良かったと思いました。

 

(『当面の間』と書きたいですが)
おそらくこれで南蛮七宝/大島紬のモノづくりは、最終です。

 

後は、この柄が好きで大事に着て頂ける方の元に行くように願うばかりです。

 

まだ今のところは写真のみの公開で、実際の反物は7月から見て頂ける様に考えています。

 

この茶を私用の単衣を作ろうか?
と真剣に悩んでいます。。。

2015年06月08日

次の一歩。『輪宝紋様』

 

唐長さんとのコラボで製作している南蛮七宝文様。

取り組み始めてから気がつけば随分と月日も経って、
そこには(少なくとも)十数年のノウハウが蓄積されています。

帯で、紹巴織、総紗縫、紬、しぼ、千寿錦、秘錦、紗楽、上品綟で8組織。
着物も御召や大島、紗、三重紗、ブラタク×2等。
さらに、小物もバッグ、草履、財布、帯揚、ショール等。

 

好きにモノづくり?試作作り?させて頂いていますので、
同じ期間で比較すると、通常のモノづくりよりも、遥かに多くの経験値がたまっています。

 

次の一歩として現在は2柄目に取り組んでいて、今までの路線には、全く同じ様には
乗せられませんが、山ほどの失敗(苦笑)をしましたので、根気強く
それらを活用しながら、進めることができると思います。

 

2柄目は、この『輪宝紋』です。

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『輪宝紋』

 

この紋様は、11代目当主と奥さまとの打ち合わせの中で、
柄と色を幾つか選択して頂き、その中から、まずは・・・と選ばせて頂いた柄です。

 

この柄を選んだ理由はいくつかありますが、その一つは・・・。
南蛮七宝がありました。

となみ織物のモノづくり、スタートは当然帯からの製作です。
そうすると、関した帯に合わせたくなるものは、南蛮七宝の着物。

だったら、はじめに取り組むのは、南蛮七宝とは趣きが少し変わるもの。
候補となっていた数柄は、全て素敵でしたが、まずは2つの版木を使った
(その時点で趣きが異なります)この輪宝紋がいいのではないか?

そんなことから選びました。
おそらく何を選んでも間違いないから、余計に迷いました(笑)。

 

この輪宝紋は、七宝繋ぎと同じ様に、吉祥紋様の一つです。

意匠図を作る際に、この柄とずっと向き合っていると、柄の意味、配色関係なく、
柄に惹きつけれられるました。

なにか、あるな、この柄。
文章では説明できませんが、今はそんな感じを紋様から受けています。。

 

まずは頂いた唐紙の色に合わせた配色を行っていますが、
『糸』と『和紙』ですので、全く同じにはできません。

そのため、同じ空気を纏う位の雰囲気を近づけたいと思っています。
それを考えると、現状はまだ色を修正する余地があります。

今後、そのあたり詰めていきたいです。

 

 

この帯も、検品が終わり次第、となみ丸で他の着物との親和性を試したいと思います。
柄の大きさ、色味、やりたい要素は多くあります。

 

 

他の自分としてのモノづくりも、昨日の本袋も含め、山ほどあります。
一つずつ、確実に乗り越えていきたいです!

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2015年06月04日

とにかく軽い南蛮七宝の半巾完成しました。

 

上がってきました『南蛮七宝文様/半巾』。

総紗縫で織った帯地で半巾にしたものです。

 

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ただでさえ激軽の帯地を半巾にしたので、袋帯からすると半分の重量なので・・・。

こうなりました。

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本仕立て済で、198g・・・。

おそらく iphone6+と同じくらいの重さだと思います。

 

帯の全てが軽ければ良い、というモノでもないのは重々承知していますが、
気軽に結べる半巾の場合、軽い方がイイですよね。

そんな半巾の完成です。

 

長さも袋帯は短く、通常の半巾よりは長い1丈1尺(約4m16cm)。

 

10万前後で販売できるように、もう少し詰めたいと思っています。

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2015年05月30日

今年じゃなくて来年用の・・・。

籠バッグです。

 

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『南蛮七宝文様/椰子籠』

 

今日上がってきたので、
早速陳列してみたところ、夏の風を感じました。

 

写真のものは、襦袢地を使い製作。
その他にも、この籠用に織った上品綟組織のモノもあります。
ただ、製作数は大3つに小3つの計6個だけ。

評判や使い心地を聞いてから、来年どうするか考えようと思っています。
(出来上がりのモノは試作じゃないけど、試作のような商品です)

 

巾着袋を籠の中に入れるので、当たり前の様に袋に使う柄や織物を検討していました。

ただよく考えてみると、着物地や襦袢地はまだしも、帯地で巾着袋を使える贅沢。
また巾着袋にしても違和感を感じない裂地の軽さや厚み、外から言われて思い出す、
自社帯の優れたところです。

 

この辺り下手くそです。
もっと訴えてないと、といつも色んな人に同じことを言われています(苦笑)。

 

 

 

 

2015年05月29日

特殊台に合わせて

 

結構苦手なことの一つに花緒を合わせることがあります。
台と花緒の帯地だけ色を合わせるのであれば、そう難しくないですが、
柄にツボの色、裏側のビロード部分の色となってくると、時間かかります。

 

自分の私用草履は、南蛮七宝の花緒で無地的にシンプルに、とそんな逃げもできます。


が、陳列されるフラッグシップ的なモノ(今回は、となみ丸用です。)に関しては、
入念に、丁寧に(自分の時とは比べ物にならない)時間を掛け、
何百のモノ数の花緒からベストを探すようにしています。

 

しかも今回は特殊台。もう一つ考慮要素が増えました。

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『ツートン台』

 

 

花緒は悩みます。

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(台の白に負けないように、黒に銀色の箔引き箔を使った帯地・・・。)

 

 

ちなみに、南蛮七宝文様の花緒を使った際は、台天部分を挟む様にして、
オセロをイメージしました。

 

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たったこれだけでも時間かかりましたが、
まだ、この他にも色があります(笑)。

 

 

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2015年05月28日

(襦袢ですが)モノづくり過程を並べる

 

去年から特にお気に入りの夏単衣(動く人は通年を通じてOK)襦袢地です。

 

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『南蛮七宝文様/夏単衣+α襦袢』

 

会社の向かい『となみ丸』にこうやって陳列をしています。
この生地、ただの色違いの様に見えますが、実はちょっとずつ性質が違います。

 

そんなに大したことではないですが、この襦袢ができるまでの、
モノづくりの変遷ショートバージョンです。

 

まず、一番向こうの『白✕白』。この生地で一番最初に作った南蛮七宝襦袢地です。
色も生地も、誰にも文句をいわれることのない、夏にぴったりお襦袢です。

次に、一番手前『白✕碧』。
この生地を染める際、襦袢屋さんに夏物は(透けるので)こんな濃かったダメですよ(売れませんよ)。
と反対&止められた色味です(笑)。今までのモノからすると大変気持ちはわかりますが・・・。
そんなことなかったです。

 

写真のモノは試作で、去年実際に完成したものは『こんなのが欲しかった。』と言われ、
驚くほどの評判をいただけました。(完売です)。
もちろん反抗心みたいに世間に無いものを。と思って作っているワケではなく、
『着てみたい!』と感じてもらえる様に、できるだけ先回りして作ろうとした結果だと思います。

 

そして、真ん中は今年の色。
白とアイボリーに少し茶を入れた色味のモノです。

 

こちらは洗えるようにしています。
自分の洗濯機で実験を繰り返し行いました。

『ここまで洗ったらアカンやろ』と心のなかでは思っていましたが、
全く問題ない生地感です。
実験の様子はこちら⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime/2015/03/post-2071.html

 

できた完成品をポンと陳列するのはとても簡単ですが、この場所ではモノづくりの試行錯誤を
過程と共に感じていただいて、楽しんで頂ければいいかな?と思っています。

スタッフも自分の身になった体験談を話せるようにと、一生懸命モノづくりを頑張っています。

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