となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > モノづくり業 > 南蛮七宝文様 上から色を引く。

2015年03月23日

南蛮七宝文様 上から色を引く。

 

南蛮七宝文様のモノづくり。

一つの柄を追っかけて、帯の織組織や着物、小物、織り産地まで変えて、
試行錯誤を続けています。帯のモノづくりの要素としては、色・柄・組織ですので、
そのうちの『柄』の部分は切り捨ててしまったモノづくり。

代わりに残りの2つ、色と織組織には徹底して拘ることができます。

 

その南蛮七宝文様の御召は、南蛮七宝文様の着物を作り始めた際の第一号となる
モノづくりでした。経糸に三眠蚕やブラタク糸を使って製作。

ハリがあって、薄く、単衣でも袷でも選択して頂くことができ、さらに風合いから、
着物でも羽織でもコートでも。また反物の巾も広く織っていますので、男物も可能という、
南蛮七宝文様に興味をお持ちの方には、抜群の広い用途をもった着尺です。

 

その反物を今回は引き染めしてみました。

 

通常、あまり先染めの無地では行わないことです。

御召入れた極彩の縞や織物の凹凸に染料が入ることで、文様と合わさって一体どうなるのか?
(ちょうど羽織も欲しかったので、失敗したら、最悪自分で着よう。と)

 

製作したものがこれ。

DSC04814.jpg

『南蛮七宝文様/先染め+引き染め』

 

元々ある縞に染料が入り込み、その縞が潰れ消えたり、表に出たりしながら、
奥行きができました。また、地に入っている元々の色が上から引いた色とで
干渉しながら、複雑な色になっています。

 

文様も写真のように浮いたり沈んだりします。

 

ただいつでも良い感じに上るとは思いませんので、偶然にも多少頼りながら、
着物を作る。そんなモノづくりです。

 

出来が良かったので、かえって自分の着物にしたくなってしまった、
そんな反物です。

 

 

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