となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「南蛮七宝」と一致するもの

2016年03月10日

夏ひとえ、新色。

 

まだまだ肌寒い京都です。ただ、モノづくりは、商品の準備は季節を一つ、二つ超えて想像してしていく必要があります。(以前年四回掲載していた時は、撮影時に、真冬の気温なのに夏号の構想を練る必要があったり・・・。)。毎年、『今年は去年より暑いな〜。』とか反対に『過去最高に、寒いな。』と大層に感じてしまう方なので、先取りは得意かもしれません(笑 全然関係ないかな?)。

 

昨年、大好評だった『夏ひとえ御召』が新色も含めて、上がってきました。

 

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去年は冒頭で書いた様には上手く行かず(得意と書いた割には)、暖かくなってから、新柄や新色を加えようとしましたので、間に合わず試験で止まっていたモノもあります。この『Kilim(キリム)2』は、今年ようやく当初考えていた色が揃いました。

 

私もこの織組織のモノは着物として南蛮七宝文様を持っています。今年で3シーズン目、回数・頻度とも、かなり着倒していますので、タンスと相談しながら、もう一つ柄違いで作ろうかな、と考えています。

 

ちなみに、この織組織は柄付によっては透け感を作れないので、まだ5柄ほどしか制作できていません。この着物が必要な季節が来ると焦るし、遠ざかるとまた来年に(苦笑)となってしまうので、今年こそは途中で止まっているモノづくりを始動させていきます。さぼっているわけではないのですが、反省です。。。

 

2016年03月09日

初めての配色変更【金色】

 

この帯を初めての配色変更します。

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『一番右の南蛮七宝✕光悦蝶』

 

 

現在、唐長さんの三条店に展示中のこの色目。
初め、見た瞬間には、ブルーを使った帯と同じ柄とは思えず、いい合わせ方だな。と思ってしまうぐらい、持っている雰囲気が違う様に感じました。地色も蝶々も色が違うので当たり前かもしれませんが、毎日配色、図案製作、試作チェックするのが仕事の人間からすると、意外な驚きです。

 

 

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じゃ、ただ単に元となる唐紙を参照に、色を合わせて織る。そうすれば同じ色で上がってくるのか?というと、上がってくることもありますし、全く別物になることもあります。極めて似てても雰囲気が似つかないこともあったりと、とても一概には言えません。今までの山ほど試織りをした経験からすると、唐長さんの文様を帯にするときは、近い色で合わすと、失敗することが多いです。それよりも雰囲気を汲み取って、新たに配色するつもりの配色で作ったほうが、いいことが圧倒的に多いです。

 

そうは言いつつ、色を合わせにも行く試織も作る予定ですし、上記の様に雰囲気を汲み取ることもやっていきます。

 

もう一つは、この配色替えを行おうと思った、2月15日から、『なぜ今?』の答えにもなりそうなこの帯。

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FB⇒http://on.fb.me/1M5MfFL

 

 

この帯の糸使いが参考にできそうなので、それも含め、再び多面的に作ってみようと思っています。思い通り行かなければ、意匠を作り直す、もしくは刺繍ということも考えて進めます。ただ、一番の大前提、帯としてどうか?それは目出しの雰囲気を見ながら・・・、と最終の袋帯になるまでは大きな山が幾つか残っています。

 

 

2016年03月05日

【角花】つくり 2

 

ここから登場した【角花/唐長文様】。
 http://www.kyo-tonami.com/godaime/2016/01/post-2324.html

 

12代目からの宿題として、前に進めています。以前、お借りした唐紙を図案にし、意匠図へ。そして製織。が帯作りの流れで、今はそのうちの意匠図制作後、製織の前段階です。これで本当に帯を織って良いのか?それをチェックするための、目出しを取る、試験織りをしています。

 

今回は唐紙によく見られる『共色』を特に意識し過ぎなくらい意識をしています。唐紙の共色はどんな表現をしたら伝わるか、難しいところではありますが、自分の中で消化しているのは、地色と上に乗る色とが近い色なので、気付かない人もいるかもしれないけれども、あるのとないのとでは全然違う、そこにちゃんとある配色。ややこしですが、そんな風に理解しています。

 

織物でするには、とても難しくて、何も考えずに紋を作って織ると、おそらく数ある中の地紋の一つになってしまいます。そのときは柄を強調するため、対極のあるような2色、3色を入れて配色。それはそれで配色での悩み、柄のバランスなどを考えますので、簡単な仕事ではないのですが、今回はそれとは異なり、似た共感にある色を使っての魅せる帯づくりです。

 

織組織は紹巴織、平らな頑張っても指が引っかかる所のない織物です。その織物の組織を少しイジって、僅かな隆起を作り、そこに入れる素材と地の生糸との差で違いを見せれないか?そんな検討を現在しています。

 

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『角花/目出し』

 

この目出し(試験織)段階では、織りに問題が無いのか?の確認のため、織られる2色は、敢えて離してあります。今回、大きな問題はありませんでしたので、ここからそれぞれの2色を近づけて行きます。最終は同じ色を素材違いで織る。後は織組織の違い(高低差)で見せる、ですが、そこまですると無地に見えてしまいそうなので、試験を繰り返したいです。

 

周りからは写真の段階で特に一番上の配色が良い、結びたいと言われています。それはそれで織るとしても、やはりその先の今まであまりやらなかったこと、避けてきた部分にも力をいれて取り組みたい、今はそんなモノづくりを心がけています。場合によっては、南蛮七宝の様に、何年その柄追っかけるの?と言われる柄になるかもしれません。そうなる様にもしたいです。

 

2016年03月01日

継続するかは検討中です。

 

東郷織物のみじん格子の上に、型で南蛮七宝文様を置いた着物です。

 

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『実験』と書いてしまうと製品(着物にはあまりしたくない表現ですが)として大丈夫?と思われそうですが、何度も試験を繰り返し、繰り返し行って、完成までこぎ着けた着物です。では、この反物作ったけれども、続けていくのか?色を変えてやってみるのか?南蛮七宝以外のモノは?などの検討は、まだまだこれからです。

 

東郷さんと言えば『大島紬』、今までも南蛮七宝で大島紬はやってきました。泥、白、藍、夏、割り込み。
産地へ行って、試行錯誤して、今現在考えられるモノづくりを行いました。まだ少しはありますが、数量は全部限定のモノです。まだ、もうちょっとは大丈夫だけれども・・・、『じゃ、次は?』となった時に戸惑って、面白くない、あまり気のりのしないモノづくりをしないためにも、こういう実験はとても大切です

 

でも、完成品です(笑)。

 

 

 

2016年02月22日

大島の羽織りに御召・南蛮七宝

一昨日昨日と、博多にいました(今は京都へ移動中です)。

100周年のイベントということで、大島紬とそれに合わせた自社帯に1日中囲まれていました。産地からもお手伝いにメーカーさんも来られていましたので、着物は南蛮七宝の御召でしたが、羽織には無地の大島紬羽織(ほぼ黒の泥染)でした。

 

 

今回のイベントでは1000反の商品を展示しています。現在、大島紬の生産量は最盛期の何十分の一にまで減っていますので、おそらくこれ以上考えられない品揃えと、『えっ』となる質も併せ持ったイベントになっています。

 

100周年というキッカケが無ければ、開催は難しかったと思いますし、このタイミングでできたことが本当に良かったと思います。今回は西陣でありながら、どちらかと言えば脇役だった、となみ織物も商品をコーディネートしながら、多くのことを学ばせていただきました。

 

自分たちの作る帯が産地を超えて、一番よく見えるための着物を探す。

簡単な様で今まで出来なかったことです。この機会を大事に次のモノづくりにつなげていきたいですね。

 

次は高松に行きます。高松自体が初めてですので、ここでもなにかものづくりのヒントを頂いて来れればと思っています。その前に今日は京都で先日から始まったデザインウィークの催しが・・・。となみブースらしからぬブースにどんな反応があるのか、楽しみです。

 

もしかして、となみと気付かれないかもしれません(笑)。

 

2016年02月18日

出張用に着物をつめる。

 

今日は半日打ち合わせ、残りバタバタと進めています。
書きたいことはいっぱいありますが、まずは明後日から行く出張準備。

着物はこんな感じで持っていく予定をしています。

 

上から、襦袢、羽織、着物。

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今回は着物は先に送って、身一つで新幹線という出張予定ですので、荷物を詰めて・・・。
とすると、しばらくして、ここに写っていない角帯を入れるのを忘れていました。角帯だけ手持ちです(苦笑)。

 

最近は私が着ているもの、そのものか色違いで後はコーディネートは任せます。という話を頂くことが多いです。その時は「この色目の組み合わせはどういう考えで?」みたいなことを聞かれることも多いですので、今までの様にある程度、適当ではなくて、それなりに理由を考えて、コーディネートするようにしています。

 

写真の着物は麹塵染めの南蛮七宝御召。コーディネートをし易い着物の一つです。もし、色の変化が気になる(そういう方は麹塵染めを選ばれないですが・・・)方でも、御召の立涌調の柄で全体のバランス、墨色とのコーディネートでそこまで気にならなくなります。
 

自分でよくする組み合わせです。

 

折角、忘れた角帯ですので、3本くらい現地に持って行って午前午後、夜とで変えたいですね。

 

 

 

 

 

スクリーンショット 2016-02-18 17.47.37.png
http://goo.gl/WFpZ1d

 

京都では、2月21日からデザインウィークが開催されます。
となみ社内では実施致しませんが、少しのブースを頂きましたので、いつもと違うとなみ織物を展示したいと思います。

 

この準備もまだまだ。。。

2016年02月16日

大きな宿題。

今日はほぼ1日事務処理と打ち合わせで終わりました。決算も済みましたので、何から何までバタバタと1日終わりました。

 

昨日はここでも書いていた通り、一日中唐長さんの三条店にいました。普段聞けない話も聞くことができ、気付かない事にも長時間いたお陰で目が環境に馴染んだせいか、気付くことも多くありました。昨日で言えば、三条店に来られるのは初めての方ではない方も、店のスペースと全く比例しない時間滞在されていましたし、中には『泊まれる』と言っていた方も(笑)おられました。噛めば噛むほど味を感じる様に、帯作りしてる立ち位置からすると、何か今までのモノづくりに足せそうな気になってきます。

 

 

12代目の誠次さんが製作された南蛮七宝文様の作品に『いや〜、これやりたいなぁ。』と感じたモノが幾つもありました。『南蛮七宝で、まだ作るの?』と社内では言われてしまうかもしれませんが、きっとやり切れれば、まだまだ新しい表現を見つけることができそうです。

 

特に感じたモノの一つが上の作品。おそらく写真では伝わりませんので、実際に見て頂きたい、のですが吹けば、ボカシが飛んで白地の和紙だけになりそうな淡くぼかされた南蛮七宝の唐紙。

 

地に使われている雲母を織物で、表現することからして難しいです。今ある方法で行うと、べったり銀が見えてしまう。沈めるとほとんど雲母には見えなくなる。とここもバランスですが、今すぐにはこれを調整する方法は思い浮かびません。そのため、ここを表現するために、ずっと試行錯誤するよりも、この雰囲気を織りで織れることは意識せず、他のモノづくり過程で、違った角度で手法を思い付く、ちょっと運に頼った、少し遠回りなアプローチをしてみようと思います。

 

今まで、色々と唐長さんに関わるモノづくりをさせて頂いていますが、急ぐ部分と今回の様に、気長にちょっと横に置いておく部分、両面でできるモノづくり。それが出来るようになりましたので、これからのモノづくり、自分でも楽しみです。

 

 

昨日、来られた方からお礼のメールやメッセージを頂きましたが、内容は様々ながら、皆さん『必ずもう一度来ます。』という文章が入っていたのには、驚きです。何度も行ってても同じですので、とても分かります(笑)。

 

インプットが多かった分、時々この日のことはちょこちょこ出てきそうです。

 

2016年02月13日

準備。

唐長三条店での準備。

昨年の古川美術館/為三郎記念館『唐長の世界』でも同様、唐紙で囲まれたスペースの中に唐長文様を使った帯地や着物、小物を並べるのは、本当に楽しく、いつもの陳列・展示とは違う体験をすることができます。帯と唐紙との同柄があれば(例えば南蛮七宝帯の横に南蛮七宝のランプ)素晴らしいですし、光悦月の帯の近所に兎の柄があれば、月を見上げる兎の情景を頭の中に思い浮かべてしまいます。

 

ここ三条店も物凄く広いスペース、ではありませんが、何度も訪れたはずのに新しい発見がありますし、しばらく椅子に座って空気感を楽しめます。

南蛮七宝文様で製作したモノを中心に展示をおこなってきましたが、11代目の奥様とのコラボで製作中の輪宝文のモノも少しだけ並べています。

(右上には足ものぞいています。)

 

昨日UPした三条店のFacebookもありますし、このブログでも随時情報は皆さんにお知らせしていきますね。京都に来たときには三条店に寄りたくなる、そんなモノづくりをして、発信しています。

 

今週はずっとバタバタでしたので、明日はひさびさに充電できればいいな、と思っています。そして、月曜日はオープン日です。

 

2016年02月11日

となみも準備中。

 

少しずつ進み始めた、唐長さんとのモノづくり。 今月の15日には京都の三条両替町が『三条店』として、リニューアルされます。うちで製作するモノづくりも、見て頂ける予定になっています。いまはその準備でバタバタとしています。

 

そこにUPされているのが、南蛮七宝の版木。自分も長い間、南蛮七宝のモノづくりに関わっていましたが、それでもこの版木を見ると鳥肌が立ちます。

 

この文様に惹かれている方には堪らないと思いますので、今後この版木も見て頂ける機会があればいいな・・・と、こればかりは唐長さん次第ですね。いきなりドンと大きなことではなくて、毎月新しいアイテムも増やすことも考えていますので、ご期待下さい!

 

 

 

 

2016年02月09日

りんぐ大島を使って、白✕白。

 

織り手が少ない、と書いてしまうと、まだありそう。
そんな雰囲気が漂ってきますが、ホントに織られていなくて、うちでも少し困っている『りんぐ大島紬』。

今までFacebookでもブログでも少し紹介していましたが、うちが独占しようとしているわけではなく、結果そんな形になってきました。たまたまでしたが、奄美で仲良くお付き合いをさせて頂いている機屋さんが、このリング大島を織られていて、その色が雰囲気がとなみの帯に合う。優しく、綺麗で、美味しそうな色目がなんとも言えない良さです。

 

今、製作中と考えているのは、ここにある草木染めで・・・。
ですが、上記の通り、帯づくりの様には(最近こちらもスピードの面では随分と落ちてきました。)行きません。

 

そんな貴重な『りんぐ大島』(社内でも見かけることも少ない)を白生地と見立て、間に割り込む様に(すみません)織ってもらいました。白無地のりんぐ(厳密には絣入)。そして、その生地の上に南蛮七宝文様の型を置いて(頭のなかでは、めちゃくちゃ勿体無い✕3と鳴っていました)、反物を作りました。

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当然、こんなことをする所はありませんし、リング糸が型を浮かせて色が入らないし・・・。等々問題は噴出していましたが、何とか染め上がったのが、この一反です。通常、表にリング糸が立っているのも、染料が入る部分では沈みますので、柄の濃淡+生地の濃淡も出て、陰影の付いた非常に奥行きのあるモノに仕上がっています。

 

今は白✕白です。
今度は色にすれば、また新たな壁も出てくると思います。お客さんに着て頂く着物作りがもちろん本業ですが、南蛮七宝文様を使って、異なる角度から、表現していく。それもまた今後のモノづくりに繋がっていきそうです。

 

とりあえず、時間は掛かりましたがホッとしています。

2016年02月08日

昨日の着物。海路/衿

 

昨日は本社にお客さんが来られていました。
一日の結構な割合で、階段を走り気味で1〜4階を駆け上がる。普段運動不足には結構こたえて、スタッフには怒られそうですが、少々足が筋肉痛気味です(苦笑)。洋服よりも足が上げにくい、着物の方が運動量は少なく見えますが、実際はどうなんでしょうね?階段を駆け上がることを想定するTPOは無いにしても、こういう時は御召か大島紬の裾捌きの良さに助けられました。

 

そんな昨日の着物は、こんな感じです。

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上から、羽織は南蛮七宝文様/御召←特別バージョンで紬糸を通しています。

着物は、大島紬。←女性物を男用に仕立てています。

帯は、写っていませんが、経紬で織った南蛮七宝。

衿には、御召で織った『神坂雪佳の世界/海路図』。御召で織った衿ではなく、御召を仕立てた後、余った生地で衿に持ってきています。南蛮七宝でももちろん出来ますが、ここに南蛮七宝を入れると、帯、羽織、襦袢、草履に南蛮七宝となってしまいますので、ここは譲って、海路図を。

 

全員が全員とも気付かれる、そんなポイントでは無いかもしれませんが、この海路図の市松意匠と色、経に見える経糸で作った縞が非常に良い感じにコーディネート出来たと思います。もし、仙福屋の御召を仕立てられて(特に単衣で)、余っている場合、衿として使ってみることもお勧めいたします。

 

久々にスマートフォンの万歩計が8,000を超えました。大した自慢になりませんので、もう少し運動がんばります。

 

 

2016年02月03日

本社3F、一瞬の模様替え

 

いつもはこんな様子の本社展示場。

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それが今日の昼間にはこんな状態に。

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常時3,000本くらいは陳列している袋帯がほとんど空になりました。

 

明日の昼に完成予定です。この帯が無くなったスペースに、大島紬おそらく800反(もしかして1000反位になるかも?)とそれに合わせる、となみ帯を入れていく、そんな大模様替えです。そのほとんどが逸品や珍品ばかりで、質量ともこの時は日本で一番の大島紬の会場になっていると思います。

 

キッカケは昨年参加させていただいた、本場大島紬織物協同組合の創立100周年のパーティーです。そこから話が始まり産地の各機屋さんにご協力いただき、となみ織物の帯とのコーディーネート。考えれば考える程、貴重な時間です(まだ着物は1反も並んでいないのに、少し感動しています)。次あるのは100年後と言う話も真顔で聞かれます・・・。

 

スタッフ5人掛かりで、丁寧に桐箱を重ねては、片付けて、を繰り返しを丸一日掛かけてやります。日曜日の夕方には、再び元通りに戻しますので、本当に一瞬のことですが、自分たちも楽しみたいと思っています。

 

大島に絡めた南蛮七宝文様の新作と袋帯も新たに紹介していきたいと思いますので、見所沢山、来れられるお客さんにも楽しんで頂けそうです。陳列が完成したところもまた見てもらいますね。

2016年02月02日

容れ物としての帯/南蛮七宝文様P

 

先日、本決算前にFacebook上にUpした『仙福屋の懐紙入れ』。

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仙福屋の懐紙入れ

 

特別な意識をして上げたわけではないのに、爆発的に注目していただいています(いいね!1600人以上、リーチ4万人超え)。

 

最近は、広い意味の『容れ物』、帯地を使ったバッグも雑誌に取り上げて頂けたり、取材をしたという話も頂いたり、3,4年前のちょっと昔から考えると、素材としての帯地へ関心が随分と好意的に変わった感じがします。

 

南蛮七宝を意匠にモノづくりした商品は、今のところ本社&自分のみの取り扱いとなっています。それは商品の制作する量・把握、モノづくりのスピードからと、一人で勝手に走って、暴走しないためです。ただ、去年は古川美術館の唐長世界でバッグや懐紙入れ、今年も唐長さんのサロンでも展示、と少しずつ実際に触れていただける環境が整う、そんな流れができてきました。

 

生地としての帯地は、まだまだマイナーな話ではありますが、帯で使われる意匠、絹を使った風合いには、他の物と違った魅力、大きな可能性を感じますので、もっと認知されるように伝えていけるように頑張りたいです。

 

ちなみに、最近上がってきた南蛮七宝文様/P型(見本)。

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『南蛮七宝文様/バッグP型(プティ)』

 

洋だけでも和だけでも勿体無い、そんなバッグになれればと思います。

2016年01月20日

京都の雪はこれでも大変。

 

朝は雪も凄いし(京都にしては、です。)今日は来客はなくて、資料集めと整理。目出し(試験織)を見ながら配色チェックをかためてできる日、と出社途中、雪を見ながら心に決めて行ったら、終わって振り返ると・・・。結果なんやかんやとバタバタの日になりました。

 

防寒草履が冬には欠かせない地域の方々からすると、『これくらいは雪じゃない。』と言われると思いますが、一応こんな感じです。

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(京都で言う、よく降った雪です。)

車はノロノロ、道でコケる方、頑張って頑張って作ったと思われる、小さな雪だるま。

 

 

来週は奄美へ(もちろん仕事です。。。)行きますので、今のうちにと進めている幾つかのモノづくり。その一つが、初登場の唐長文様『角花文様』。12代目から頂いた宿題として、今意匠図を製作しています。

 

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文様を作る2色が表情に繊細な色なので、上手く撮れたとしても雰囲気が異なり・・・。さらにモニターでの色表現は難しい(ですので、白黒でとも思いましたが、せめて色の持つ雰囲気だけでも。届くかな?)。

この意匠、今のところまだ帯にするとは決めていません。ただ、地に入った雲母(きら)を織物でどこまで表現できるか?それの実験をしようと意匠図を製作中です。先日、紹介した南蛮七宝文様で使った技術を改良して使いながら、とイメージして職人と打ち合わせを繰り返しています。

 

来週の今頃までには、これで紋を掘って下さい。そう言えるように頑張ります〜。

 

 

他にも久々に作楽の新柄。ケルティックも図案を作ったり、ここでのUPは最近偏りがありますが、順調にモノづくり、進んでいます!
 

 

2016年01月19日

最後のコート地。ビロード。

とうとう仕立て上がってきました。
ビロード
 ⇒
http://www.kyo-tonami.com/godaime/2015/12/post-2297.html

嬉しくてスーツの上から羽織ってもらって、撮影。
写真で見た時に、着物らしさが少しでも出るように・・・。としていましたが、それは次回で。

今回は、大体の雰囲気を見てもらいたいです。

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使用した反物は、織り上がり一本目の染め上り初反。当然、仕立ても初めてです。
今回は特別バージョンで、裏にも坪金の襦袢(共柄として)南蛮七宝文様を使っています。

 

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この羽織っているモノの形は少し特殊な形をしていますので、和の仕立て知識だけではできず、洋の縫製技術も持った、稀有な仕立て職人さんに仕立てを依頼して実現したものです。
 

自分で着て誰かに撮影してもらうのか?着物を着た誰かに羽織ってもらって、撮影するのか(商品からしたらどちらでも構わないですね。。。)?ただ、いずれにしても、この雰囲気を伝えることの出来る写真が、まだ出来ていませんので、全貌の写真は近々に。

2016年01月16日

南蛮七宝+信夫帯を改めて紹介。

一本目から、随分経ちましたが二本目が上がってきました。

古川美術館で初登場だった『南蛮七宝×信夫×光悦月』袋帯。この帯が一本目。完成したのは、古川美術館/爲三郎記念館で行われた『唐長の世界』前日(検品が終わったのは当日でした。。。)。

 

モノづくりを始めた時から既にギリギリ。逆算してのモノづくりは、多少余裕をもたせましたが、失敗してしまうと、会期初日には間に合わない。そんな日程でした。この日までに図案を、ここまでに紋を、そして試し織、配色。帯が丸巻きとして上がってきてからは、すぐに検品、問題なければその日の早いうちに刺繍の職人さんの元へ。その間に裏地を織って、最終仮仕立て(職人の手は空けていてもらう)。とギリギリでした。

この時ばかりは、ほぼこの帯のモノづくりを頭に詰めに詰めて進めましたし、ユックリと織り上がって来た帯を見た記憶もそうそうなかったです。色は間違っていないか?柄のちゃんと織り上がっているか?その部分を中心に見ただけです。そして、刺繍も終わって、気が付いたら、美術館に陳列と。

こんな感じで。

そのため、帯を手に取って、じっくり見る。ということは初めてでした。

 

 

そうやって作った帯の二本目。美術館に並べていたものは、『光悦蝶』が飛んでいますので、刺繍無しとしては、一本目の帯となります。織物的には、南蛮七宝文様には三色の糸使い、信夫は 金銀一色ずつ。製作している時は無心だったので(ハッキリと覚えていませんが)偶然なのか、計算したのか判りませんが、金銀の重なり具合、地の南蛮七宝に使う糸が金銀糸に乗っかる部分などは綺麗に整理されていて、落ち着いた『今』見ても、とても良い出来だと思います。自画自賛になってしまいますが(笑)。


 

2016年01月13日

昨日の輪宝文。

 

昨日、本社に唐長11代目夫妻が来られ、『輪宝文』を交えての打ち合わせを行いました。まだ、詳細は発表できませんが、後日その内容は詳しく紹介したいと思います。今回はその空気をお伝えします。

 


この『輪宝文』自体は、まだこのブログぐらいでしか紹介出来ていませんので、今のところお客様の反応は聞くことはできていません。ただ、唐長さんや社内スタッフ、極一部の方々等の周りの反応は大変良いです(裏地の文様に関しても◎です)。今年は、この輪宝文と南蛮七宝を、自分のモノづくりの柱の一つとしていきたいと思っています。

今は、11代目から頂いた二つ目の配色に取り掛かっています(現在試し織り中)。

現状、経糸の関係で文様に使う三色のバランスを取っている最中です。一色目と同じ様な流れでモノづくりができそうですが、薄い地色三色同士→濃い色が一色入りますので、濁らな様に。そこだけに集中してのモノづくりとなります。写真の試験は濃い地色に、全体が少々引っ張られていますので、そこを修正する必要あり。


南蛮七宝文様と同じ様に、持つ、結ぶ、見る、そうやって少しずつこの文様に惹かれる方を増やしていきたいと思います。通常のとなみ織物の帯とは少し違った、紹介・展開・流通となっていきますので、このブログやFacebookでちょこちょことこれからも登場予定です。

 

 

この日の目的はこちらもあり。。。

 

2016年01月12日

先日の撮影(の続き/男性編)

 

先日の撮影の写真が少し整理できましたので、紹介しておきますね。

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このモデルさんと身長が同じくらいなので撮影に自分の着物を提供。(身長は180cmと同じですが、重さが全然違います(笑)。それでもなんとかなる着物は凄いなぁ・・・と、今更ながら思いました。)

 

最初から、『ん?』と感じたのは、過去あったかもしれませんが、自分の着物をこうやって人の姿で見たことがない・・・。①畳んであるのと②写真で見ることくらいですので、とても不思議な感じがしました。立ち姿、所作は流石というのを引いても、こういう雰囲気で自分は着物を着ていて、周りの方の目に入っているんだ。それを感じることができたことだけでも、何となく得した気分?になりました。

ちなみに、ひげの着物に、南蛮七宝文様/紬角帯です。手には新作のクラッチバッグ(南蛮七宝文様)。

 

時々、『自分のお太鼓が見れないし、勿体無い!』と言われるお客さんがいはります。それは仕方ないかな?とその時は思っていましたが、確かに自分の着姿を外の目で見てみる。素敵な経験ですね。貸し借りはなかなか難しいかもしれませんが、それも惜しくないと思えた、この日でした。この後、女性物の小紋で作った着物を着ていただきましたが、自分で思っているのと見え方は違いましたし、何でもホント、勉強になりますね。

 

2016年01月10日

光悦月/表地が完成

南蛮七宝を中心に据えてのモノづくりを継続して製作しています。今日日曜日はちょっと振り返っています。

 

11代目の作品を元に意匠を作り、帯にしましたが主題となる『光悦月』。表地はやっと完成しました。

『唐長文様/光悦月』

 

意匠自体はお太鼓にポン。帯としてはこれ以上無いと言えそうな程シンプルな作りになっていますが、難しいのはお太鼓の月の位置。右左上下左右、僅かにズレるだけで、間が不自然に感じてしまいます。また配色も元の作品は、焼き箔の様な深みのある『月』が表現してありました。難点は、ほぼそれだけなのですが、紋を作ってから今までの時間が掛かりました(リンクは12月3日の記事)。

 

さらに普通の絹糸で織ると、お太鼓の光悦月がやや大きく感じたので、代わりに紬糸を帯地前面に通しています。そうすることで月の周りの空間が柔らかくなり、帯全体がいい雰囲気になりました。紬の節がほんの僅かに月に入り込んで馴染んだ様になったのかも。。。ちなみに、お腹部分にはイタリアの硝子を使って製作する、月を見るうさぎを。以前の南蛮七宝に光悦月よりも朧さがあるので、硝子の色は朱系ではない色を考えています。

こんな感じで何やかんやと試行錯誤して進めていきたいと思います。

 

それと、つい先日やっと初詣にもいけました。今年はおみくじも久々の大吉でしたので、今年は良いモノづくりができそうですね(笑)。

 

2015年12月25日

南蛮七宝も今年は仕事納め。

 

話し合い、打ち合わせの中から出てきたアイデアを形にしています。『糸を金銀糸に置き換える』言ってしまえば、これだけのこと。ただ、織りたい織組織でやってしまうと、経糸の絹に対して、緯糸の金銀糸では、バランスが悪く、パキパキの織物になってします。だから、織るまでもなく、ムズカシイ。アイデアとしてはあっても、それ以上突っ込むことはありませんでした。

 

今回のモノづくりは『どうしてもいる。』そういう話だったので、糸の合わせ方、糸種を組み合わせ、を見直し、工夫して何とか織り上がりました。必要は発明の母の言葉とおり、なんとなくやってみたい、ではダメで、どうしてもやらなくては。やってるつもりでも、なかなか出来ていませんね。

 

まだ帯一本までは進んでいませんが、目出しはこうなりました。

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【南蛮七宝】

 

絹の風合いが欲しいから糸が金糸の上に乗っかり、金の輝きが欲しいから、その上に金糸が乗っかる。固くならない様に、箔は細く、但し、その分薄れる金の色を緯糸で補填する。銀糸も同じ関係です。おそらく一番良いバランスで構成されていると思いますが、もう一つ実験して、比較の上、最終稿を決定したいと思います。仕上げと楽しみは来年に持ち越しとなりました。

 

 

もう一つ、今日は唐長さんの三条サロンへお邪魔してきました。主に来年の打ち合わせです。
もちろん、入り口に鎮座している、彼?彼女?は元気そうでした。

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