2011年11月26日
たまには、人に言われて作るモノづくり。
似た帯を作っても仕方が無いと思っているので、
同じ柄で配色を変えるだけの時でも、雰囲気がごろっと変わる、
モノを作りたいです(ホントは配色を変えるだけでも難しいですが)。
たとえば、元柄の配色が似あっても、同柄であっても
今度は似合わない(逆ももちろん)。
というのが良いと思っています。
それと、いくら売れていても人気があっても、同系統のモノは個人的に、
作りたくないですし、結果的には似てしまっていても(とても残念ですが)
そこまでは試行錯誤、こねくり回して、3回くらいは引っ繰り返す位、
なんやかんや行なっています。
という状態が長く続いているので、いきなり人に『こんなのが良いよ』
と言われて、そのまま作ったとしても、多分意図通りはできないかも、です。
(たまに上手く行く、ものがあったりすると、とても嬉しかったりする。)
今回は、そんな帯です。
正直、気に入ってもらえれば嬉しいですが、それを置いておいても、
個人的に乱菊の萼?(がく)部分、などは周りの地色や花びらと
相乗効果があって、とっても色気があるように見えます。
また、地色には麹塵染の緯糸を使っているので、色が場所や時間によって、
全然異なっていきます。
現に、配色を見た場所が違う。
まず、目出しを見たところはこんな感じで。
『麹塵染/乱菊目出し』
本番が上がってきたときは、こんな感じ。
『作楽/乱菊』
ちなみに、もちろん緯糸は両方同じ、濃々紺に黒を混ぜた色。
上がってきたので、早速裏と合わせて袋帯にする縫製に出した所です。
この帯はあまり織らないちょっと特殊バージョンですが、この柄自体は、
以前からの紋で、とてもとても新柄とは言えませんが、配色を替えただけで、
なにもかも変わってしまう、稀有な柄なので大事にしていきたいですね。