となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「作楽」と一致するもの

2013年12月18日

和紙地紋の変な色

 

茶にベージュに、黒系の墨に、後2色ほど。
混ぜて地色を構成すると何とも言えない存在感を持った色になりました。

 

IMG_4186.png
『作楽(予定)』

 

紹巴織という細かい表現が得意な織物ですので、通常太い紬糸で織り込んだら自然にできる『節』、
染帯でできる様なムラを紋図の上で計算して、味を作りました。

 

よく見ると、色が混ざり切れず、陰影のある色、砂漠(鳥取見たからかな?)
あらごしのミックスジュースみたいな色目です。

 
配色する際は、言葉は悪いですが、『消化しきれていない色』、というのをイメージとして
頭に置きながら、糸を置いて配色しています。
 
そんな(変な)色を地・ベースとして、上に乗せる色目は対照的に、
スッキリとした色を選択して、全体の濁り感を取っています。

 

地に陰影があるので、ボリューム感を感じますが、触ると『えっ』というくらい、
薄い織物です。これだけでも味わってもらいたい帯です。

 

設計の段階では非常に手間で、配色にも予想外の色味が出て、大変なのですが、
帯という形になったときに、やって良かったな、と思える帯です。

 

2013年12月13日

しぼ織つづき

 

なかなか進まない帯・組織もありますが、ある程度順調に進んでいるのが、
『しぼ織』。なんやかんや言いながら手堅く柄が固まっていきます。

 

以前、何度紹介した『Rococo/しぼ織』。

 

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Rococo

 

この帯は箔と色糸、地色が上手くハマってくれたので、お太鼓にした時に力強く、それでいて
綺麗にまとまってくれます。

 

似た帯を作っても面白く無いので、配色自体は似てしまいましたが、柄と地色が下から
湧いてくる、そんな流れを帯に持たせてみました。

 

基本的に立涌っぽい柄ですが、葉の葉脈や色の抜け方を工夫して、流れが出ていると思います。

 

IMG_4178.png

『作楽/しぼ織』

 

もう少し配色に透明感を持たせて作りたいので、地に僅かブルー系で沈ませるつもりですが、
全体のイメージはこんな感じになると思います。

 

しぼの作り方も地の紋次第で面白いことが出来そうなので、遊びながらやってみたいと思います。

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2013年11月15日

おそらく最後の一色。

 

Untitledww.jpg

 

作楽名古屋のバームクーヘンが上がってきました。
ただし、ちょっと問題が・・・

色味のイメージは、最初は茶系という漠然としたものでしたが、糸をもって、
あーやこーやと配色した色味は美味しそうな焦げ茶濃淡。

 

上がってきたのは、美味しそうな焦げ茶(イメージはこちら)とは少し離れて、
チョコをタバコで燻したような焦げ茶(タバコは吸いませんが。。。)。

白、黒、赤、青、茶、黄というような大きな配色で見ると、
大体はそのイメージの枠内で上がってきたのですが、最終織り手さんの杼を入れるミスで、
このような色味に上がってきました。

 

最初はイメージと違ったので『え?』という感じでしたが、
偶然が重なったのか、判りませんが、これはこれで結構良い感じに。。。

自分のイメージとは少し違うので、ちょっと残念な部分もあるのですが、
それ以上の面白い色目だったので、まあ良しです。

たまに、こんな偶然もあるのが、面白いところです。
それに頼ると、痛い目に合うのもお決まりのパターンですが。。

 

ブルー配色
 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime/2013/11/post-1930.html

2013年10月30日

コスト。

 

『手に入れやすいモノを 作って欲しい!』
と今まで製作してきた『作楽』シリーズの柄で宿題を頂いていました。

モノづくりの中心が紹巴織だったので、今回は新たな組織と柄を起こし、製作というのも
考えましたが、新柄を起こすと、今回のテーマが遠くに離れていきそうなので、その気持は抑えて、
このモノづくりはシンプルにシンプルに考えて検討しています。

もちろん、それ以外は拘って、織りは『紹巴織』。
配色等を様々工夫して、進めています。

柄や全体のイメージはこんな感じです。

 

作楽九寸.jpg

『バームクーヘン』
数柄候補に上がっている中、一柄目はこの『バームクーヘン』。

 

形状は、今まで作楽シリーズの大部分を占めた袋帯から、ちょっと広巾(九寸)に織った
『名古屋帯』と思っています。

やろうかやろうか?と今までも思っていましたが、機の都合等でなかなか形にできず、
その分も今回は気が入っています。

写真のはまだ、通常巾(八寸)ですので、配色と紋に微修正を加えながら、
面白いものを作ろうと思っています。

 

今のところ、名前はそのまま『作楽九寸』。
『さくらきゅうすん』と響きもよいので、気に入っています。

 
いつもここの場ではあまり使わない『コスト』という言葉ですが、
今回に関しては、上手くいきそうです。
 
 
 
 

2013年08月03日

botanica-1

 

作楽新作が上がってきました。

 

ある方から依頼『こういう帯があったらなぁ〜』というのを形にしてみましたが、

その方が持っておられたイメージとは随分変わってしまった、かも知れません。

 

原案をあれこれ触って、無駄だと思うことを引いてシンプルにする作業で、

随分と自分やとなみ色になってしまうので、この辺り、モノづくりの難しく面白い所です。



 

IMG_0954.jpg

作楽/BOTANICA』

 

日本の意匠とは全く違っていますので、特に茎の部分は、細すぎて濃淡を付けることが

実際に無理ですので、地を茎に一マス分食い込ませて、その隣に滲ませるような効果を

作りながら、単調にならないように気をつけています。

 

花も黒くなり過ぎず、発色し過ぎないように、黒く見える部分に一工夫を入れています。

 

目出しの段階では、御召の濃い地無地、大島に合わせましたが、

綺麗に花の中の色が表に出てきて、なかなかのものでした。

配色には、そこから僅かに修正を掛けていますので、仕上がりを楽しみにしています。

 

前回のタレの色にひき続いて、今回も配色には、悩み悩み作りました。。

もっと大胆に変えるか、良く見ると全然違うが、見逃してしまいそうになる、

という微妙な所を狙った配色ですので、これも見る方によって、面白味になるのでは、

と期待しています。

2013年06月27日

やってみたかったこと。

 

作楽の一部や木花シリーズにはタレ無地にしてお太鼓をスッキリ見せる、

ということをやっていました。

たまたま、そのシリーズを作っている時、最初の配色でお太鼓とタレ部分が、

全く違う配色で上がってきたことがあり。それがたまたま良かったことがあります。

 

それが頭にあって、南蛮七宝を織ってみました。

配色は両方同じ3色の組み合わせで、それを反転させたものです。

 

IMG_0674-2.jpg

『紹巴織/南蛮七宝』

 

丸巻きで見ると、見慣れない景色になってしまいますが・・・。

お太鼓にすると・・・。

 

IMG_0677.jpg

 

良い感じに思えるのは、柄の力?

2013年06月12日

+汕頭

 

『作楽』で織っている総紗縫の上に汕頭刺繍を施してもらいました。

 

IMGP0401.jpg

 

帯作りしている側にいますので、あまり後から帯の上に何かをするのは、

非常に嫌いでした(会社は置いておいても、自分のは特に)。

 

ただ、自分のモノがベースになり、人の手が加わり、良い価値が付加されて、

それをお客さんに喜んで頂けるのを見ると、(ちょっとずつですが)『それも良いかなぁ』と

思えるようになって来ました。

 

 

IMGP0400-2.jpg

『総紗縫PREMIUM1/総紗縫+汕頭刺繍』

 

この帯もそうなってくれるように祈りながら、上がってきた帯を見ていました。

 

 

今でも自分が関わった帯が変になるのは、落ち込むくらいイヤです。。。

今回は、大丈夫かな?

2013年06月04日

小物作りも仕込中。

 

秋用にと、

この柄で様々な小物に使おう、と検討中です。

 

IMG_0218.jpg

作楽/三葉四葉』

 

色みを変えるだけで表情が変わりますので、

現在は配色をダーッと見ています。

 

南蛮七宝もそうですが、配色だけでイメージがごろっと変わるものは、

柄がシンプルでも非常に色の選択が難しいです。

 

他にも、もう一つこの『ケルトノット』。

 

IMG_0147.jpg

Celtic/ケルトノット』

 

この他の色も取っていますが、それでも一発で決まるまでには行きません。

糸同士の重なりあいでイメージが変わるためですが、経験と勘をもってしても、

ここからの微修正です。

 

 

バッグなども含め小物を色々と考えていますが、

この草履台と合わせたいと思います。

 

IMG_0133.jpg

『草履台おたま』

 

通常よりもかかと部分の方に広がり、全体に幅を持たせています。

姿形は、とても可愛い草履ですが、とにかく履きやすさを考えたものです。

名前も『おたま』ですので、何となく良い感じも・・・。

 

この草履台を使って、『おたま作楽』や『ケルトおたま』を考えています。

 

日本一履きやすい、歩きやすさを徹底したいですので、

楽しみにしていて下さい。

 

 

2013年05月12日

涼みたい。

 

昨日は会社は休みでしたが、お客さんが来られていたので、

すこしだけ顔を出すのと、2日間ほど出張へ行っていましたので、

その間のモノづくりの穴埋めをしていました。

 

先日、少しだけ紹介した作楽帯。

 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime/2013/05/post-1868.html

 

L1380019.jpg

 

お太鼓柄ですが、お腹部分はスッキリさせようとして、

こんな感じ織りましたが、ちょっと少なすぎ?

(もう少し丸を増やしたほうが良いかと思います。。)

 

もう一つは、海の底のような柄。

IMG_1309.jpg

 

まだまだ途中ですが、色が馴染みすぎているので、

これもちょっと配色の修正を考えてみます。

方向は、悪くないので色の立ち方を見直すだけで、

随分と変わるはず。。。

 

そんなことをしているうちに、

昨日は会社の前を今宮神社のお神輿が通りました。


毎年のことなんですが、

いつも『もうこんな季節か、とみんなで呟いていました』
 

L1380065.jpg

 

この日もそうですが、今日も30℃を超えたか、その付近か、

ということですので、今年初単衣の登場でした。

 

 

2013年04月26日

図案作成中の元。

 

先日、出張行った際に、ヒントを頂いて来ました。

それがその方の意向に沿ったモノになるとは限りませんが、

早速、図案を作っています。

 

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『麹塵染/作楽』

 

元にあるのは、この柄。

紋屋さんとにらめっこしながら、打ち合わせを行なっています。

 

最終イメージは全然違ったものですので、

元になるかも判りませんが、少しずつ進み次第、またご報告します。

新しい試み交えてなので、ちょっと進むだけでも、ワクワクします。

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2013年04月17日

2つの完成品。

 

先日、無事完成したモノを再度織り直しました(織り変えた)。

 

基本的に以前完成したモノなので、余分な仕事と言えば余分なのですが、

もう一つ、したかった組織実験をしています。

 

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『作楽/カラフル唐草』

 

それは、『この綟織の地にどこまで『紬糸』が通るか?』というものです。

筬の打つ密度にも関連して、非常に繊細な部分です。

 

試している感覚的には、黒ひげの樽にナイフを刺し続けているような感覚です。

『一本増やした。織れた!』『もう一本増やした、まだ大丈夫。』

『もう一本・・・。』というような。

 

そんな状態で出来たものです。

実物を見てもらうと判りますが、残念ながら写真での違いは非常に判りにくいです。

(ずっと地には紬糸が通っています。)

 

IMG_0691-2.jpg

 

綟り織なので、素材を僅かに変えただけで、雰囲気はコロッと変わりますし、

ましてや紬は透け感自体が変化します。

 

写真では、糸の白さが目立つようになったのと、

ベース部分が紬になったため、上に載る色糸の発色が本来考えていた配色に近づきました。

まだ試し締めしていないので判りませんが、恐らくさらに結びやすくなったと思います。

 

紬なしバージョンと紬通したバージョンと、両方作ったおかげで、

どちらが良いのか、並べてしばらく悩んでみます。

 

基本的に、紋柄一緒、織物一緒、配色に使う糸一緒、地の糸が変わっただけなので、

お客さんにどちらが好きですか?と聞くのもなぁ・・・。と思っています。

 

でも、こういう完成してから、

再びモノづくりを揺らしてみる作業も結構好きです。

 

 

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2013年04月15日

何か一つ加える。

 

現在は幾つかの紋上がり待ちなので、図案の案を集めたり、

文献にあたりモノづくりの準備をしています。

 

以前も何処かで書いたと思いますが、

お客さんから『言われたものをそのまま作る』や、

『売れているものをアレンジして作る』というのは、

商業ベースでは良いのかもしれませんが、モノづくり的には全く面白く無いです。

例えば、柄がそうであるなら、組織は遊んでみるとか、配色だけでも遊ぶとか、

形は変えて、いっその事小物にしてみるとか。そういうものが必要です。

 

そういえば、相当昔に織っていた帯柄でも、バッグにしてみたりすると、

とっても良い、重厚かつ品のあるものが出来たりしました。

やはり何か一つ加える、そんなことが大事です。

 

今は、モノづくりに関して、半分待ちの状態ということもあるので、

実物の物を撮って来ました。

 

P4130088.jpg

 

 

『実物の物』からモノづくりをすることはありますが、

ほとんどが図案からのモノづくりですのでもちろん、このまま帯にはなりません。

(配色は面白いかもです。)

 

以前、シンプルなコスモスを撮ってきて、

そのまま(図案化して)使ったのは、この作楽/コスモス:袋帯。

 

 

L1231356.jpg

『作楽/コスモス』

 

写実的に織物を織ることもできますが、やはり人の手が入って、

何処かしらデフォルメされる織物が、自分では好きなので、こうなっています。

 

幾つかのモノづくりをしていますが、一つのシリーズが一旦メドが

付きましたので、次新しいものの案を練っていきます。

 

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2013年04月11日

引き続きモノづくり。

 

糸の染めのところで、少々詰まっていましたが、

一つ作っていた帯が動き出しました(やっと・・・)。

 

IMGP0097.jpg

『しぼ織り/作楽』

 

写真を見て頂くと恥ずかしいですが、迷っています。

通常、試験織り、目出しというのは、ある程度焦点を絞ったもので織りますが、

ここまでバラバラな色目を取る時は、(今までも何度かUPしましたが)

大概は迷っています。

 

この帯は最後にお湯に通し、シボを作るので、多少色と雰囲気が変化しますので、

その辺りを考えつつ、最終決定したいと思います。

 

茶も、グリーンも、黄も、ピンクも捨てがたいなぁ・・・。

 

しばらくは京都から出たり入ったりとしていますので、

溜めた図案を色々と考えてみます。

 

 

2013年04月09日

ふよう/作楽

 

作楽シリーズに一つ。

宵待草』というのがあります。

L1230002.jpg

『宵待草地紋』

 

その地の部分に金糸銀糸を通して織りました。

以前紹介した『もくれん』と同じですが、

それから、さらに細かくして、金銀糸を入れています。

 

IMGP0082-2.jpg

作楽/ふよう草花』

 

最近、『それでなにをしているのか?』と聞かれることもありますが、

自分で作る帯に金糸を入れることを考えています。

 

今まで作るものは、ほとんど絹糸のみでした(糸々(いといと)と言います。)。

絹と違うものを入れると、糸と馴染まない何かがあります。

紬でも、ベースとなる糸とは太さも違うし、撚りもことなるので、

多少の馴染ま無さがあって良いですが、紬糸も絹なので、親戚みたいなもの。

最後は、自然に収まります。

 

そこを昔の光らせる目的では無い部分で使いたいなぁ。

と思っています。

 

IMGP0086-3.jpg

 

分かりにくいですが、経に織り目が出て

金糸や銀箔を取り込んで沈めているので、糸を使った時との違いが出ています。

 

面白い仕上がりになっているので、実物を見ていただきたいですね〜。

 

2013年04月06日

織り上がりも次に。

 

先日の帯(作楽)上がってきました。

 

IMG_0691-2.jpg

『作楽/』

 

とてもいい帯なのですが、

諸事情から織組織を変更して、作ったものです。

 

こちらは経糸通しを綟って織りますので、

以前のものよりも透け感があり、比較すると、

より夏や単衣に最適のものです。

 

非常に綺麗に上がっていますので、これはこれで満足ですが、

折角なので、もう一つ実験をしておきたいと思い、

無理を言って織ってもらいました。

 

こちらは目出し。

緯に紬糸を入るであろう予想の倍入れようとしています。

筬打ちをする段階で、無理無理と言われながら、

ちょっとだけ織ってもらいました。

 

IMG_0727.jpg

 

見た目は似たようなモノですが、触ると違います。

 

帯一本織るどころか、テーブルセンターの半分くらいの長さしか、

ないので、帯にはなりませんが、もうちょっと糸を減らしたり、

筬打ちの数を変えれば、もしかするかもしれません。

来週に期待しています。

 

 

新しい紋を幾つか作ったので、次に繋がるモノづくりを!

と思い、試していますが、なかなか前に進まない状況です。

 

こういう時は、なにか面白い小物でも、上がってこないかなぁ。

 

 

 

 

2013年04月03日

目立たない帯、でも。

 

白の地色の中に仄かな色を混ぜこんで織ったため、

写真では色が非常に出にくいですが、白の中にも色のある

不思議な感じの唐草の帯を作りました(写真では伝わりにくいです。。)。

 

IMGP9963.jpg

『作楽/??』

 

地には、4色色糸を使い、白ではない白を。

上に乗っている色の付いた唐草には、白を混ぜて。

 

唐草の大きな輪郭を『普通の白と薄いグレー』で縁取っているため、

何もせず単に置いていると、非常に目立ちにくい帯です。

 

ただ、着物と合わせて動いてもらうと、下から色が照ってくるので、

柄の印象がガラッと変わってくれます。

 

底から照っている色目は、小物を入れると、

顔を出してくれそうなので、新作の帯留めを入れてみて

撮り直すと、多少動きが出てくれます。

 

L1231211.jpg

『作楽×帯留め/瑞玉Cube』

 

このままでも充分、作楽らしい帯になったと思いますが、

もう僅かに配色を変えて、試しに織っているのもあります。

それを確認してからの完成となりそうです。

 

一本仕立てしましたので、また実際結んでもらったコーディネートも

近々紹介しますね。

 

 

2013年03月27日

綟りへ

 

先日、美しいキモノで発表した『作楽』

その中の一柄が機の具合で、織れなくなってしまいます。

(なんとか復帰できるよう模索中・・・)

 

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『作楽』⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime/

(その一柄は写真ド真中)

 

面白みのない柄であれば、

しばらく、そのままにしておいても良いのですが、

(個人的にとても好きな柄でもありますので)

もし今後もダメなことになったことも考えて、新たに新しく紋を

起こして製作をしていました。

 

その最初の目出し(試験)です。

 

IMG_0576.jpg

『作楽/上品綟』

 

柄のコンセプト等は替えずに、製作しても、

織組織が異なるので、元の方はボリューム感が得意、

今回のモノは、綺麗さと透け感が特長となりますので、

その辺りも、このモノづくりの楽しさです。

 

織りを変えて作る際は、前に作ったものよりも、さらに良い物を。

と思って製作しますが、前よりも良い物が上がってくると、

それはそれで、『あの時なにしてたんやろ。。』と反省も。

 

もし、上手く行った場合

今回は時間が経っていない分、余計にそう思ってしまいそうですね〜。

 

会社的には、

職人の高齢、技術、機の部品等で今後もこういことが、

増えていきそうですので、早め早めの対策を行なって行きたいです。

 

 

 

2013年03月11日

同柄を再構成。

 

先日のペイズリー柄をしぼ織に、というモノづくり。

 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime/2013/02/post-1832.html

 

IMG_0483_24.jpg

①『ペイズリー/作楽』

 

 

コツコツと進めて行き、まずは最初の見本裂まで。

 

 

同じ柄を組織を変えて再度作り直すといのは、この日記でも登場しましたが、

なかなか大変なモノづくりの一つです。

 

IMG_0275.jpg

②『ペイズリーしぼ織』

 

前の柄が頭にあるし(自分も周りも)、思いっ切り失敗した柄ならましも、

そうではなくて、そこそこ上手く行った柄以上のものを再度構成するので、

色々な所に引きずられず、作ることが最低限必要です。

 

上の事も含めて色々加味すると、新しい柄を作ったほうが、間違いなく、

楽です。。

 

ただ、モノづくりしている上で、自分が関わったことのない柄であれば、

『もっと上手く作れるのに』とか。

自分の作った柄であれば、

『こうしといても良かったかな?』

 

ですので、新しくはじめる柄よりも強い思いを持って、作れることが多いので、

お客さんには良い物を見て頂ける可能性が高いです(失敗ももちろんあります)。

 

そんなこともあって、同柄というのは、チャレンジ甲斐あります。

 

=======================================

 

上と下は同じ柄ですが、色を入れたものを比較しても、別の柄に見えます(①と②比較)。

 

ですので、②の柄のモノづくりは成功だ!というのでは、

全く面白くありません。

 

色を落とすと・・・。

 

IMG_0483_23.jpg

 

②と③は、やはり似てきますし、明らかに同柄です。

 

この辺りが同柄を扱う、難しさですが、配色を個性的にしてみたり、

組織で遊んでみたり、することによって、新しく作った柄の居場所を

作ってあげる気持ちで作ると、上手くいく事が多いです。

 

まだ、スタートして4合目くらいですので、もう少し時間を掛けながら、

形にして行きたいと思います。

 

また、報告しますね〜。

 

 

 

 

2013年03月01日

作楽/もくれん

 

本当は、モノづくりをドンドンと前に進めて行きたいのですが、

一歩進んだり、下がったりしながらしているのが、帯のベース部分の地紋作り。

 

色素材変えて、楽しんでいます。

 

今行なっているのが、地に(銀色の)金糸を通すこと。

L1230405−2.jpg

 

単純に地がキラキラして綺麗なのは狙っていることなので、

予想通りですが、金糸系の糸は策無く織り込むと、絹より手持ちが硬くなります。

(パシパシになってしまいます。)

 

また、そのまま金が表に出てしまうと、ピカピカに光り過ぎてしまい、

安っぽくも見えるので、その辺りも加味して地紋を作っています。

 

下の写真がその途中ですが、

帯の切れ目みたいな所で、素材を変えています。

(地自体も新しく作った『大人しめの和紙地紋(仮称)』です。)

 

L1230405.jpg

『宵待草/作楽:もくれん』

 

柄もフワフワと浮いた浮遊感を作り出したいので、

縁取りのグレー部分の上げ方を少し立体感を持って、核の部分の金糸との

バランスを見ながら、紋作りしました。

 

まだ、完成までは少し時間が掛かるかもしれませんが、

順調に進んでいます。

 

 

 

 

 

 

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2013年02月28日

4階建て。

 

少し間が空きましたが、再びモノづくりスタートです。

 

先日紹介の帯。実験を繰り返して、形になりましたので、

裏無地と合わせて紹介です。

 

L1230409.jpg

月読作楽

 

光の関係で少し黄色掛かっていますが、

紫をベースに配色しました。

 

表も裏も色糸自体は、全く同じ構成です。

同じ機で同じ職人さんが織ったものですので、組織自体は全く同じですが、

経ての抑え方、緯糸との関係で、立体感、滲みなど見た印象が大きく変わります。

 

完成されて、イジるところの少ない組織だと言われていますが、

柄によっては、まだまだやれることは多そうです。

 

L12304082.jpg

 

白の柄を作る糸の合間に紫を覗かせて、陰影の補助をしています。

 

新しい試みをこの白い糸部分でしているので、

予想していなかったことですが、経糸(見えないくらいの糸ですが・・・)が、

地の部分よりも底に影を作ってくれます。

 

ですので、シンプルな柄ながら、①白い糸②地③紫④経糸

と4階建てのような構成の帯となりました。

 

早く裏地と仕立てて、結んでもらいたい帯です。

 

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