となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「作楽」と一致するもの

2013年02月23日

随分と離れていますが・・・。

 

ちょっと間が空きました。

今のところ、モノづくりと数字面挟まれています。

 

こういう時に動かすモノづくりは、今までのを切り替えたもの。です。

http://www.kyo-tonami.com/godaime/2013/02/post-1829.html

 

先日もこの棚卸しの時に書いていましたが(状況は今と似ています)、

お太鼓のモノづくりをしています。

 

その一部ですが、上がってきています。

 

IMG_2572.jpg

宵待草作楽』 写真はお腹部分

 

柄は夢二からです。

 

地と上の柄とが影響しあう地紋を新しく作りましたので、馴染むというか、

染み込んだようにみえる上がりになります。

 

お腹がこんな感じですので、お太鼓も当然この流れです。

 

特殊な柄になると思いますが、100人中一人、『凄く心のなかに入った』

と言われれば、満足です。

 

となみ織物の主流のモノづくりとは、随分と離れたところにはある、

モノづくりです。

 

 

タグ: ,

2013年02月20日

春は作楽から

 

今回の美しいキモノで紹介している作楽。

OL_??13_?????_2.jpg

作楽(実は木花入)』

 

 

今回で三回目の登場ですので、

毎年恒例の『作楽』といって良いかもしれません。

 

『作楽』のモチーフは様々。

今回掲載しているものでも、日本の古典柄、アフリカ、ヨーロッパ。

時代は、近代、中世、古代と、こちらも様々。

 

となみ織物が扱うシリーズでは、少し異質ですが、

基本的なテーマとしては、結ばれる方が楽しい、周りに見せたくなる、

そんなことを思いながら製作しています。

 

そのために、帯作りの3大要素の『色・柄・組織』の中、

柄も組織ももちろん大事ですが、一番比重の多いのは、『色』。

 

モノづくりでは、そこに重点を置いていることが多いです。

 

紙誌面では、色に関しては、どうしても満足できない60点位なものですので、

絹の持つ発色、織りの質感、陰影、周りの色との組み合わせ、

すべてを合わせた配色を実物を通じて、見てもらいたいです。

 

 

51n-VeYKW7L._SL500_AA300_.jpg

 

 

タグ: ,

2013年02月12日

ミルクティ色

 

しぼ織りのペイズリー柄を製作中ですが、

その前に少し寄り道して、この『象帯』を・・・。

 

L1180601.jpg

『象のしぼしぼ帯』

 

配色替えしています。

 

個人的にとても上手く行ったと思っている配色をイジるのは、

このイメージがこびり付いているので、非常に難しいのと、

まだ上の帯はほとんど発表していませんので、その前に作るのも・・・。

 

と色々と悩むところはありますが、

それでも好きな帯に関しては、色を変えたのも欲しくなってしまいます。

 

思いっきり失敗もしましたが、一応見れる段階の目出しがこれ。

L1230236.jpg

 

 

上・中・下と三段に配色を分けています。

(区切りのような横段も三色なので、合計6つの見本)

 

一番上は、まだ入りたての新人さんに勉強してもらうための配色。

(組み合わせ的には、とても面白かったのです。次は上手くいくかもですね。)

 

ベースとして考えたのは、真ん中の地色がベージュっぽいものです。

ちょっと思っていたよりも、細かい所がキツイ色になったので、修正。

 

そして、微修正後はこれ。

L1230241.jpg

『しぼしぼ象帯/作楽』

 

しぼ織りの場合、御召緯を使っているので、この後お湯に通して、

シボを付けます。

 

その際、多少地色がわずか変わる恐れがあるので、『完成』とは言いませんが、

だいたいのイメージ通りになった配色です。

 

その色は、ちょっと前に私用で作った大島のミルクティ色。

実物と比べると、だいぶん変わるかもしれませんが、頭のなかでは、

こんな感じになっていますので、これで良いと思います。

 

完成まで後、ちょっとです。。。

 

 

 

 

もう一つ面白いものがありますが、

風邪が残っているのか、体調不良気味なので、

明日楽しみにしていてください〜。

 

年のせいか、治りにくい!

タグ: , , , , ,

2013年02月06日

しぼ織、続編。

 

しぼ織りの様々な問題(縮める工程での失敗の多さ)が

ある程度解決してきましたので、続編を考えています。

 

一つが個人的にとても気に入っているシンプル唐草の帯。

 

L1230218.jpg

 

御召緯と箔とで織って物凄いシンプルな帯ですが、

紋を作る際は、何度か再考して上げ方に気を使っています。

 

箔と糸との表に出る割合を変えて、地と箔を混ぜた色に見えるように、

しています。ヤヤコシイので、写真で見るとこんな感じです。

 

L1230220.jpg

 

通常帯では、全く普通に使う糸の上げ方で珍しくもなんとも無いのですが、

この帯は、お湯に通して萎ませるので、その辺りも計算して糸を通します。

 

と前置きが長くなりましたが、今考えているのは、このペイズリー柄。

 

IMG_0483_2.jpg

作楽/ペリズリー』

 

このままは、紋口も違うので、そのままは無理ですから、

新しい紋を作りますが、こんな流れの帯を作りたいと思います。

 

折角なので、シンプルはそのまま、何かプラス1で、

作れればと思っています。

 

最近、風邪引いてか、身体中痛いような気がしますので、

その間にぼ〜、っと頭の中で図案と織物をこねくり回してみます。

 

 

 

 

タグ: , ,

2013年02月02日

風通風

 

表と裏とを別々の織物で織って、

それを引っ付けたような織物(実際は一つの織物です。)

を、風通といいますが(モノを作る際、頭の中のイメージです。)、

 

それをアレンジした着尺です。

(純『風通』ではないので、風通風?)

 

IMGP9363.jpg

『着尺風通/作楽』

 

御召は、ここしばらく無地に近いシンプルなものばかりを作っていたので、

ちょっと目線を変えて、大柄の個性的なモノを製作してみました。

(以前のモノよりも、配色や組織自体も抑えています。)

 

 

生地自体は、風通ですので、

柄の箇所により袋状になっているので、ゆらぎが特長です。

 

IMGP9349.jpg

渦の間で揺らいでいるのが、この織物の特長です。

 

 

今まで持っていないような風合いでしたので、

この揺らいでいる部分だけの無地を織って、男物にしようかと画策中です。。。

 

 

 

明日からは、

京都を離れていつもと違った、

モノづくりへドップリとハマりたいと思います!

 

 

2013年01月28日

無地。

 

今現在、可能性を感じて取り組んでいるのが、

この無地。

 

L1230001.jpg

『宵待草無地/作楽』

 

砂嵐のように見えますが、和紙に染色したモノを紋に映した無地柄です。

 

織りは紹巴で、ワザと経てと横糸のバランスを崩して織っていますので、

表面は通常のものよりも、凹凸があります。

 

普通の紹巴でさえ、4Cm弱を織り進むのに、何百と杼を通しますが、

この織物は、同じだけ通して、さらに複雑な糸使いをしていますので、

織り・配色含め、時間がかかり、あまり織り上がってきません。

 

無地というと、このままでも良いのですが、柄を載せる場合には、

この無地が土台にもなりますので、入念にチェックをしていきます。

 

L1230002.jpg

 

現在進行中が、無地の地に通る糸を、『黒』にして、お太鼓柄で

強烈にインパクのあるものを。

と思っています。

 

今ちょうど製作中なので、ここではイメージだけの話ですが、

お太鼓の中心にある柄本体の色自体は、配色OKなのですが、

底の地部分の配色がまだ決まりきれていません。

 

建物はすべて出来たのに、基礎がまだ。。。

そんな不思議な進行でモノづくりが進んでいますので、

帯自体も出来上がったら、変わった存在感を放つと思います。

 

今日は、無地なので、絵的にはシンプルですが、

自分のイメージの中では、カラフルな柄が無地の上に乗っています。

 

 

2013年01月21日

作楽更紗

 

先日、織っている途中だったので、目出しで帯を見てもらっていた

『作楽』が上がって来ました。

 

IMG_2186.jpg

 

ほぼ、目出し(試験織り)通りですが、僅かに色みを深くしました。

 

IMGP9251.jpg

『作楽』

 

この柄は図案展で落としたモノですが、紹巴織でするには、

少し味を加えたかったモノでした。

 

写真の中央にある華柄の部分に経を見せている所があるのですが、

IMGP9251-2.jpg

 

細部には今までしたことのない技法を使って、表現しています。

 

配色の難易度がかなり上がってしまうので、色合わせ上、

となみ社内のスタンダードにはならないと思いますが、

今後も使って行きたい技です。

 

その他にも、更紗調子を織りで表現がしたいがためのことを

行なっていますので、実際の実物を見て貰いたい帯の一つです。

 

 

 

2013年01月16日

目出しを合わせてみました。

 

一昨日昨日とお客さんが来られていましたので、

かなり沢山の着物や帯を見て頂きました。

 

まだ製作途中のモノも着てこられた着物(南蛮七宝の白大島)に

合わせてみたり・・・。

 

IMG_2186.jpg

『作楽(予定)×南蛮七宝白大島紬

 

実は、まだ目出し状態(試験織り)なので、生地自体がとても短いです。

(そのため、お太鼓でもなく、アップのこの角度で)

最近人気の細身洋角のブルーを合わせてみました。

 

2日間モノづくりの栄養を頂いたので、

また今日から驚いて喜んで頂けるもの作っていきます!

2013年01月10日

さらにしぼ織りも。

 

表はもちろん裏にも相当時間の掛かった『しぼ織り/こうけち』が

上がって来ました。御召緯を使い、広巾で織ってお湯の力で縮めるという

昔ながらの方法で製作しています。

 

同じ一種類の地紋で行えば、問題はないと思いますが、新しい柄を作るたびに

新しい地紋をおこすので、毎回新しい新鮮な感覚(ポジティブシンキング)で、

縮み方を研究しています(縮み方が違うので、かなり大変)。

 

昨日と同じく異様なほど時間が掛かった帯がこの帯。

 

IMGP9195.jpg

こうけち/しぼ織り』

 

シンプルな柄です。

 

個人的に、

紋を作る際には、お月さんが同士が引っ掛かった感じをイメージしていますが、

元々の図案は、社内にある昔の図案にかなりのアレンジを加えたものです。

 

また、タレの部分を無地にしようと思っていましたが、

煩くない程度に、愛嬌で、ちょこっと星系を入れておきました。

 

仕立て上がると、とても可愛さもあり、静かで落ち着きのある帯になったので、

個人的には、とても満足しています。

 

ちなみに、『作楽』は入れていませんが、隠れ作楽です。

タグ: , , ,

2013年01月07日

今年の一柄目は

 

まだ、微修正を行なっていますが、この柄が一本目です。

 

IMG_2031.jpg

作楽/宵待草』

 

年末、相当の時間を費やして、作っていた地紋(和紙地紋)でこの日記にも

何度か登場していましたが、やはり配色上、とても難しいので、

まだ最後まで決めきれていない状態です。

 

一番右の緑のような灰掛かった色目は、実験なので、この煉瓦色とはまた

別ですが、それ以外は、目出しを取ったり、一本で眺めたりして、

色を決める最終段階です。

 

今年はこの地紋に力を入れていきたいので、早いこと紋を作る感覚を掴みたいと

思っていますが、まだまだまだまだです。

 

この後にも、お太鼓柄で『詩情 夢二』として作ろうとしていたものを、

この和紙地紋用にして、製作したものが待機しています。

かなり個性的なものばかり上がってくると思いますので、

楽しみにしていてください。

 

ちなみに、

『作楽/宵待草』というのも『夢二』モチーフに基づいたネーミングです。

 

今年も、試行錯誤しながらモノづくりを紹介していきますね〜。

タグ: ,

2012年12月25日

和紙地紋 その2

 

先日の和紙地紋

今回は、モノづくりしている際の試行錯誤を文字にしてみましたので、

ちょっとヤヤコシイかもしてません。

 

少し修正を加えながら、新柄です。

 

L1180708.jpg

作楽/宵待草』

 

まず、織り部分ですが、

底の地紋である和紙地紋は糸の綴じを変えていますので、

目で見ても(手で触っても)、立体感を少し付けています。

 

反対に、8つの光が出ている星部分ですが、ここはシンプルに糸を完全に

綴じて、真っ平らにしました。

 

おそらく帯全般に多い、地が名前の通り一番低く、

柄の部分は盛り上がっている(イメージは唐織)とは、

反対の紋の作り方をしています。

 

そこから今回は、その一番平らな部分(星柄)に、

この帯中では一番目立つ色目の『黒』を入れました。

(要するにボリュームが無い所が一番めだつ色目。)

 

また、もう一つ、その『黒』も浮かないように地の部分に、

同じ黒を混ぜてしまっていて、浮きながらも統一感を作ろうとしています。

(不思議な浮遊感を作りたいと思っています。)

 

ただし、今のところ、上の写真配色ではイメージよりも僅かに浮いて見えるので、

現在は色の構成をもう少し似せて、全体を沈ませようと思っています。

 

ということをこの帯では行なっていました。

他にも、図案の段階では柄のサイズや配置決めにも、試行錯誤していますし、

何が正解か?というのは無いので、なんとも言えませんが、

まずはやってみる。

 

新入社員にも言っている言葉が、このモノづくりには、

いつまで経っても重要です。

 

 

年が明けるまでに、新しく製作している図案等に掛かって行かないと、

また一からでは、モノづくりがリセットされてしまうので、

ゆっくりと急ぎながら、進めています。

 

まだまだ、今週もバタバタしています。

タグ:

2012年12月22日

久々の京小袋。

 

半巾製作を少し止めて、進めているのが、京小袋です。

 

この帯のコンセプトとしては

袋帯よりも気楽に、半巾よりも幅広く、というものです。

 

幅も長さも半巾よりもありますので、様々な着姿にも結んでもらえますし、

TPO的には、柄にもよりますが、付下げくらいまでカバーしてしまおう、

です。

 

 

そんな京小袋ですが、柄数自体もある程度揃っていますので、

今、製作に取り掛かっているのは、もうちょっと個性的なものです。

 

今は三柄ほど図案作成も終わり、そのうち二柄に関しては、

紋作りも終わっています。

 

そして、今日、最初に上がってきたものは、試験織りですが

この『ペイズリー』(まだ配色途中)。

 

L1180672.jpg

『京小袋/作楽『ペイズリー』』

 

今までの京小袋とは少し趣向を変えて、表も裏も

ある程度関連したもので両面にしています。

 

ちなみに、この小袋。

製作的に一番難関は写真のように裏も表も同時に織っていくことにあります。

 

この帯は、

一つの杼が表裏地部分を通るので、同じ色が異なる柄を織ることになります。

この辺り意匠図を製作する際には、相当頭を使わないと、

配色が無茶苦茶な帯になってしまいます。

 

この帯でいうと、

判り易いのは、左側の大きなペイズリーのグリーン。

 

普通に両面とも使うと、似た雰囲気の帯になってしまいますし、

使わないのも面白くない。ということで、左は面、右には際として、

利き色で使っています(他の配色も同じことが言えます)。

 

他にも、柄の丈(紋丈)なども制限を受けたり、と普段の帯とは違った

関門が沢山ありますが、その分出来上がりは楽しみな帯です。

 

手間から考えると、コスト的に合わない帯かもしれませんが、

作る工程としては、とても楽しい帯です(秘錦も同じ考え方)。

 

今回の配色は上下で2色ですが、おそらくどちらか採用して、

一本の帯として、織り上げたいと思っています。

タグ: ,

2012年12月20日

地紋つくり『和紙地紋』

 

今日は、新しい地紋を作っていました。

名前は『和紙地紋』

 

L1180635.jpg

『和紙地紋/作楽』

 

写真の織物は、経の糸を横糸で覆い隠すように織っていくので、

表には緯(横糸)だけが出て、柄を作っていくものです。

 

筬の打ち込みや緯の使い方次第では、

頭の中で無数のパターンが作れる面白い織物です。

 

たとえば、ある緯だけを一越飛ばしに入れて、他はいつも通りで織るとか、

以前紹介した『月読(つくよみ)』のように、半分にした糸を2倍通すとか。

 

L1001634.jpg IMG_1256.jpg

『作楽/月読

 

まず、考えられる限りのパターンを考え、

その中から一つずつ潰してく、というようなモノづくりで、

いつもよりも味気はなさそうですが、

中には、杼が上手く通らず、全く生地にすらならないものもありますし、

その辺りは気が抜けない、工程です。 

 

今回の『和紙地紋』は、頭の中で予想していたのと、

仕上がりが随分ちがって、大きな可能性を強く感じましたので、

ここで採用してみました。

 

L1180637.jpg

 

この地紋というのは柄に合うものが作られるので、通常は柄と同時に作ります。

ただ、先に気に入った地紋ができた場合、(自分の場合は大変多い・・・)、

地紋ストックに入れておきます。

 

そんなストックはかなり沢山持っていて、そう簡単にハマるものはありませんが、

ピタっと来た時は、モノづくりしててよかったな、と思える一瞬でもあります。

 

上写真のように、唐草を乗せてみましたが、仕上がりはどうなるでしょうね??

タグ: ,

2012年12月17日

作楽御召。

 

仙福屋の御召は、今まで無地的な使い方のできる御召がほとんでしたが、

ここで新しく、文様を表に出したモノも加えていきたいと思います。

 

『作楽御召(さくら)』

 

名前の通り、

帯のシリーズと同様のコンセプトでモノづくりを進めていきたい、

と思っていますので、基本的には個性的なモノが多くなると思います。

 

L1180633.jpg

『作楽御召(着物)/渦』

 

試作は通り越したので、もちろん仕立てて着て頂けますが、

まだまだ個性的な配色になっています(そういうのは個人的に好きですが)。

 

作楽柄を大島にしてみたり、

 →http://www.kyo-tonami.com/godaime/2011/10/post-1517.html

 

IMG_0471.jpg

 

今まで例がないわけでないのですが、

一から作るわけではない、難しさもあって楽しいです。

 

まだまだ、このシリーズの初反なので、

これからの広がりを楽しみにしてほしいです!

 

2012年12月11日

しぼしぼの帯、コーディネート。

 

コーディネートしたものとか、お客さんに撮らせてもらったものは、

Facebookへ上げるようにしていましたが、今日はこちらで。。

 

以前、製作していると書いていた象のしぼしぼ帯です。

(象はお太鼓の真ん中にはいないで、馬がいますので、

『馬の帯』でも良いのですが。やっぱり、象の帯です。)

 

表の完成自体は、ちょっと前でしたが、裏地の緯使いや染めの方法等で、

少々手間取って、しばらく裏地のない状態でした。

 

L1180602.jpg

『象のしぼしぼ/作楽×久米島紬』

 

裏の素材と織りを従来のモノと変えましたので、このコーディネートは

試し結びという側面もありました。

 

写真で見てもらっても判るように、お太鼓の形を作るのにも全く問題なく、

新しい試験は上手くいきました。

 

この帯は、しぼを糸の縮みに全てを任せてしまうのでなくて、

かなりの部分を紋を使い柄に応じて糸が縮むように操作しています。

 

伝えにくい表現ですが、仕立て上げ、お太鼓に結んで帯を立てると、

味のある陰影の付いた、立体感が表現できていると思います。

(説得力のある立体感みたいな感じです。。)

 

お腹部分には、腹紋とヴァイオリンの帯留めとのコーディネートをしていますので、

こちらは、近日中に、またFacebookにアップしたいと思います。 

 →http://www.facebook.com/tonamiorimono

 

多くのファンができる組織になることを楽しみにしています!

タグ: , , , ,

2012年12月06日

アリス帯です。

 

タイトルのような感じで、

『アリス』帯が一階に置いてありました。

 

L1180570.jpg

 

この帯は2,3年前に製作した帯で、濃い人気のある帯です。

以前も書きましたが、不思議の国のアリスの奇妙な空気が好きで、

オリジナル(訳前)を持っていましたが、たまたま開いていたページを

毛筆で書いてもらい、それを図案化して、紋意匠に落として、帯にした、

そんな変わった経緯のある帯です。

 

そんな変わった経緯を持つ帯が、アリスが穴を落ちていく間のような

個性的な着尺の上に乗っていたので、思わず撮ってしまいました。

 

これもたまたまですが、地に使っているグリーンの文字部分は、

少しマトリックスっぽいところもありますが、気に入っていて、

配色替えをしてみました(配色的にボツですが、方向的に◯かな・・・)。

 

L1180537.jpg

『作楽/アリス(配色替えテスト)』

 

上手く配色が行けば、

裏地と角帯にしたいのと、コーティングして小物にしたいと思っています。

 

お客さんから、アリス帯の類似品見たよ。と言われました。

普段は類似品を作られたびに、『またか。』というイヤな気持ちになりますが、

この帯に関しては『どんな類似なんだろ?』とちょっと興味があります。

ホントにこの帯の類似品だったら、見てみたいかな。。。

(もしかして、大きい字の方かな?)

 

今日は、アリス帯でした。

 

P,S この帯の図案の元となった毛筆で書いた方は、

  今でもスペルミスがあったかどうかを気にされています。。

タグ: ,

2012年11月18日

引き続き南蛮七宝で。

 

先日の千鳥で織った箔と緯で

L1001629.jpg

作楽ゴールデン千鳥

 

南蛮七宝の総紗縫を織ってみました。

 

IMG_0658.jpg

南蛮七宝総紗縫

 

まだ試験織りですので、なんとも言えませんが、

地全体に通っている落ち着いた金の箔が、緯に通る糸の色目を沈めてくれます。

 

L1001600.jpg

 

何色か目出しを取ってみましたが、

南蛮七宝文様はそれぞれの色目に綺麗に入るので、

ある意味、難しい配色です。

 

 

 

2012年11月02日

こつこつ地作り。

 

帯地メーカーとして大事なモノづくり。

その帯の土台となるのが、よく出てくる言葉『地』です。

 

作り手によって様々なイメージが有ると思いますが、

私的な帯作りイメージは、地面の上に家を建てて行く感じです。

 

そのイメージからすると、タイトルにもある『地』というのは、

文字とおり『地面』。

 

この上に建物を建てていくので、しっかりしていないとダメですし、

状態によっては、上に柄を乗せれないことも多々出てきます。

 

今回作ったのは・・・

L1001651.jpg

『月読(裏地)/作楽』

 

織物の組織を変えず、大幅に緯使いを工夫して織っています。

特長としては、絹のしっとり且つザラッとした感触や

柄の見え方が変わっていて、少し透明感を持った織物です。

 

土台はこういう感じで写真は裏無地ですが、

今後は、表づくりをしていきます。

 

地はこの織りで上に建てていく柄を考えたいと思います。

タグ:

2012年11月01日

京都へ帰ってきました。

 

3日間、出張へ行っていて京都へ帰ってくると、

たんまりと仕事が溜まっていました。

 

書類仕事は黙々とするしかありませんが、

モノづくりはそういうわけに行かず、

特に配色をして、目出し(見本裂)を見て、

修正を加えた後に上がってきたもの、などは、

再度その時の配色した気持ちになって、裂を見る必要があります。

 

L1001649.jpg

『こうけち/(作楽)』

 

以前も少し紹介した帯ですが、最終段階でこのタレの部分で、

考えています。

 

実は配色を間違えて織られてしまったものですが

(どっちかというのは想像にお任せします)、

比べると、好みもそうですが、検討しても良いくらいの出来上がりです。

(お腹の部分もそうです)

 

この帯だけでなくて、他にもこういう状態の仕事が沢山溜まっていますので、

モノづくり当時の気持ちやコンセプトを考えながら、今日は進めていきたいですね。

 

2012年10月27日

ゴールデン千鳥、仕上がり。

 

上がって来ました。

ほぼ見切り発車的に織ってもらったので、素早く一本の帯として、

上がって来ました。

 

L1001628.jpg

『作楽/ゴールデン千鳥』

 

前回も書いていましたが、帯一本で全体を見た時に、千鳥が流れを作るように・・・、

と目出しの段階で様々悩みました。

 

上の写真を見る限り、あっち向いたりこっち向いたりの千鳥も、不自然ではなく、

上手くいっていると思います。

 

L1001629.jpg

 

また長さの短い目出しで見ていたら、ちょっと少ないかも・・・。

と悩んだ千鳥も割合は色々と悩みましたが、結果これで良かったのだと思います。

 

 

初めて使う渋い金色の箔も、地色と馴染んで沈んでくれるので、

こちらも今後の総紗縫の表現力の広がりに、繋がると思います。

 

 

 

 

タグ: , ,

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13  

カテゴリ

バックナンバー

  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介

となみ帯

Facebook

LINE@はじめました
友だち追加

新着記事

五代目日記2冊目は、こちらです。 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime2/…

今日が2016年の最終営業日でした。この一年、本当にあっという間でした。 年末のモノづくりは抑え気味と言いながら、今年も最後…

来年に力を入れていきたい、襦袢があります。さざ波の様な細かなシボが、生地全面に入った、手触り風合いの優しい白生地を使います。(生…

2ヶ月に1度位の割合で着物姿を撮影しています(前回は月心寺)。今回も本社向かい、徒歩3分圏内での撮影でした。 天候は曇り、たまに…

今年中には間に合いませんでしたが、間もなく完成の帯揚げです。 帯の意匠を使い、帯揚げらしく修正を掛けた図案の段階です。 ここから…

携帯サイトのご案内

QRコード

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...