となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「作楽」と一致するもの

2012年10月24日

ゴールデン千鳥。

 

タイトルは、

間もなく帯一本上がってくるであろう、帯の名前です。

 

柄を見たままの名前で、

個人的にはちょっとよい感じのレトロさも漂ってくきて、

気に入っています。

 

私的には、久々に作った総紗縫の紋でもあります。

総紗縫の中でも新しいことをしていて、一本確実に完成するまでは、

詳しくは書けませんが、目出し段階ではこんな感じです。

 

L1001593.jpg

作楽/ゴールデン千鳥』

 

柄的には、様々な千鳥を織り配色で表情が変わるように、紋を作って、

一本の帯として全体を広く見ると、統一感が出てくるように、

千鳥通しの配置や横段を付けています。

 

織り上がるまでは、安心できない、ドミノみたいな状態ですが、

おそらく色目も相まって、上手くいくと思います。

 

現在、ほぼ織り上がっているそうなので、明日か明後日には、

見ることができそうです。楽しみです。

 

 

そうそう、柄の名前は使っているうちに愛着&定着していくものなので、

配色替えしても、例えばシルバーにしても、ゴールデンで通したいですね。。。

 

 

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2012年10月22日

いまの配色つぼ。

 

集めているわけではありません。

 

L1001449.jpg

『作楽/四葉五葉』

 

袋帯の裏です。

一から自分でデザインした、しかもとても好き柄ですので、

頻繁に作楽の裏地として使うことが多いです。

 

通常は、表の配色に合わせて色の組み合わせを作っていくわけですが、

もちろん、一回ではとてもパチっとハマりません。

そのため、様々な色で取ったものが、このように平等に取ってあります。

 

また、写真の中には、表の柄が決まっていないのに、

素敵な配色だったので、一本織ったものもあり、角帯や半巾にしますが、

表の色などに制限されず、シンプルな考えで配色したものですので、

他と違うのか、結構な人気があります。

 

IMG_0619.jpg

 

つい最近見た、トウガラシ、ですが、

帯の配色以上に自然のメリハリが効いていて、

『配色に使える!』と思わず写真を撮ってみました。

 

ここから、どうするか、分かりませんが、緑と赤の絡み方、

その中にオレンジと緑に近い白の加わり方が、自然とは思えず

とても感動してしまいました。。。

 

最近よく行く場所ですが、新鮮なイイお手本が見つかります。

 

 

 

 

 

2012年09月28日

アリス柄の続き。

 

先日メルマガで触れていた帯、『アリス』柄。

少し面白い配色が出来そうだったので、目出しを取りました。

(ここまでがメルマガ内容)

 

L1000373.jpg

『アリス/白黒です。』

 

一度織った帯は次に配色する時に、色を違う色に置き換えないと(特に頭の中)、

前回の配色を引きずったものになりますので、例えば『白黒』に。

 

そこから配色を一からやっていきますが、

ここでも『前と違うものを作る』という意識があると、

変な気遣いのある帯になってしまうことがあります。

 

L1000375.jpg

『作楽/アリス』

 

前の帯とどちらが良いというのではなくて、

どちらが好きか、できれば『別の柄』として、両方等も好きになってほしい

そんなつもりで作っています。

 

(ある意味、新しい図案をおこして作るよりも、気を遣いますし・・・)

 

ここまで違う配色を何種類も織る柄も珍しいので、

気が付きませんでしたが、個人的にとても好きな柄の一つ、なんでしょうね。

 

こういう柄は、また何年か後にその時の色を配色してみたくなります。

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2012年09月18日

作楽/雪の結晶(尽くし)、配色変更

 

先日、目出しの紹介してしていた『作楽』の帯。

 

L1000139.jpg L1000141.jpg

作楽/雪の結晶

 

色を僅かに修正して、織ろうと思っていましたが、

変えていくと、結果僅かに全部少しずつ変えてしまいました。

 

一瞬モノトーンでも良いかな?

と思いましたが・・・

 

L1000257.jpg

 

やはりこの柄は、様々な色を挿せるようにと意匠図を作っていますので、

目出しに戻って、色目を検討し直しました。

 

L1000255.jpg

『作楽×仙福屋の草木染め着物』

 

最初の配色(黄色バージョン)もそうですが、特に紹巴織&小さい柄で

色を多用すると、相互間の関係のバランスを取るのが難しく、

どことなく浮ついた帯になってしまいます。

 

いつもよりも時間は掛かりましたが、

写真の通りの面白い配色に仕上がったと思います。

 

 ※着物は、草木染め100%&野蚕糸を合わせてみました。

 

 

この帯は黄色バージョンも含めて、この柄、色に惚れた!

という方に結んで頂ければ、うれしいですね〜。

 

 

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2012年09月03日

配色替えで一色変えたい。

 

京都に帰ってきました。

 

出張へ行く前は、イイ調子でモノづくりをしていましたので、

4日間でしたが、ちょっと出て帰ってくると、溜まっています。

 

今日は、配色を中心にある程度こんな色と言っていたモノが、

目出し(試験織り)となってドンと置いてありました。

 

個人的には大好きな帯で、この帯自体もあまり見せ切れていませんが、

L1000139.jpg

作楽雪の結晶(尽くし)

 

この帯の別配色を作っています。

 

ほとんどの場合、こういう個性的な配色を上回る配色は難しく、

無難にしても面白くない、弾けても変、となってしまいます。

 

L1000141.jpg

 

それでも、この柄が好きなので挑戦してみましたが、

こんな感じになっています。

 

悪くはないのですが、微妙な、なにか違う・・・。

 

一色変えると、劇的に良くなることもありますので、

もしこういった配色を見られたら、おそらく上の写真から、

一色〜二色を変化させていると思います。

 

上にあるグリーン系の色は、周りとの雰囲気で、とても好きに

なっているので、なんとかしたいです。

 

2012年08月10日

そうしゃぬい。

 

総紗縫の素材実験でそのまま帯になりそうでしたので、

帯にしました。

 →http://www.kyo-tonami.com/godaime/2012/07/post-1702.html

 

IMG_6250.jpg

 

短い目出しの段階では、気が付かなかったことが、帯一本で見ると、

『あれ?』と感じる所が沢山みつかります。

 

今回、この柄を帯化するにあたり、僅かではありましたが、改善箇所を

修正していますが(ほっておくと糸が抜けたり・・・)、

柄の感じは、ほぼ素材実験のまま、となっています。

 

実験の際も、様々な太さの糸を入れてましたので、その準備として、紋柄の筋は、

単純な直線ではなく、凹凸を付けて、他種類の糸に対応できるようにしていました。

 

その真っ直ぐではない所が功を奏して、可愛い味になっています。

 

IMGP9074.jpg

作楽総紗縫

 

 

世間には、この柄に似た感じのものもありますが、平織りで

残糸を使って横段を織っていくので、偶然性を特徴にしたものがほとんどです。

 

それとは違い、この総紗縫柄は、色や糸の違いによって、経糸での綴じ方を『紋』で

一つずつ変えていますので、計算して偶然性を作り出しています。

 

『当たり』といえる偶然が出るまで、

試験を織っては修正、織っては修正の繰り返しをしますが、

その分、シンプルな柄なのに、奥行きと面白さを持っていると思います。

 

最初の一本は、全通で織りました。それはそれで良かったのですが、

さらに面白みを足したくて、お太鼓のタレ部分には、一本だけ筋を入れました。

 

IMGP9059.jpg

 

『無地でも良いかな』と少し悩みましたが、比較すると、

こちらの方が自分の好みでしたので、これから織るバージョンも、一本筋です。

 

仕立て上がって、着物に合わせると、また良さが引き出されそうな柄なので、

今度は結ばれた所が見たい帯の一つです。

 

 

 

 

2012年08月04日

今日は蜘蛛の巣。

 

以前も、少しの目出しで登場していた総紗縫『作楽/蜘蛛の巣』。

配色ができたので、一本織ってみました。

 

ちなみに選んだ一色は、この色。

 

IMGP8959.jpg

 

 

もちろん、帯で沢山使う色目ではないですし、

この色目は好き嫌いが大きく分かれそうです。

 

総紗縫の面白いところは、紗=透ける、だから緯糸も透けて、

色目が影響しやすい。となりそうですが、この『総紗縫』は紗の仲間といっても、

そうは簡単に行かない織物です。

 

ちなみに、黒バージョンの総紗縫には、黒い色をだすために特殊な箔を使っていて

(本当はここにも『語る内容』がありますが、それは後日)、色目が表に出にくい。

しかも、通常総紗縫よりも、一色色を多く使わないと柄が作りにくい。

 

と、黒になっただけで、困った織物になります。

 

考えている利点は幾つかありますが、

まずこの完成した帯を見てもらって、この色柄が好きな人以外に、

今それを感じてもらうのは、まだ難しいですね〜。

 

IMGP8957.jpg

 

今から、他の柄を検討してモノづくりしていきますので、

楽しみにしていてください!

 

せっかくの新素材と時間を掛けているので、ネーム部分には

作楽/総紗縫『黒』といれる予定です。

 

 

 

 

以前色々と試した記事はこちらです。

 →http://www.kyo-tonami.com/godaime/2012/07/post-1715.html

2012年07月27日

新作の渦の途中。

 

久々に新作の帯地を。

織は紹巴で、渦をモチーフにしたものです。

(このモチーフは好きですね〜。)

 

 

大きな配色も細かい部分も、まだまだ悩んでいますが、

柄全体が下から上に吹き上げるような勢いは、持たせることが出来たと思います。

 

IMGP8707 (1).jpg

作楽

 

今から、グッと配色を詰めていきますが、出来た当初のこの柄から受けたイメージは、

『ト音記号の集い』、というようなものだったため、その印象は強く残っています。

そんなこともあるので、裏地はそれに合わせて、

楽器か楽譜、音楽に関係するものを入れたいと思っています。

 

柄の上に白色(少しくすんだ)が入るか、地色に白色(こちらはさらにくすんだ)の

どちらかを取り入れようと思っていますので、裏地には、その中で一番白い、

色を地色に使ってみようと思います。

 

なにせ、あまり作らないような柄が出来ましたので、早く裏地のイメージも

固めてしまい、一本の袋帯に持って行きたいと思います。

 

とっても楽しみです。。。

 

帯のタイトルは、『ト音記号の集い』。

う〜ん、どうしましょうね?

2012年07月06日

綟りの角帯。

 

自分の作る帯がどれだけ結びやすいのか、を確かめるためと、

趣味であまり世間に角帯を作る。

 

というところから製作し始めた、角帯。

 

今回は、綟りの帯を使って作ってみました。

 

『仙福屋の角帯/綟り編』

IMGP8326.jpg

『上:紗楽、下:総紗縫(大場松魚の世界)』

 

 

IMGP8321.jpg

『上:総紗縫/作楽、下:総紗縫』

 

IMGP8316.jpg

『上:上品綟、下:総紗縫』

 

と、自分では全部結びたいのですが、あまり持っていない、

三枚の写真の一番下の下。白地の帯を結ぼうと思っています。

 

自分ところの織った帯がどのように結びやすくて、どのように見えるか、

というのも、もちろん興味がありますが、スタッフがこの帯を見て、

自分でお金を出して買って、この角帯を結びたい、と行ってくれるのが、

とても嬉しいことです。

 

モノづくりしているメーカーとして、

自分たちが作ったものを自分で使いたい!と思うことは、

当たり前だと思っていますが、意外にそうでもなかったりするのが、

悲しいですがこの業界です。

 

やはり自分が使って周りに自慢したい、とか、

自分の周りの人に結んで欲しい。

という感情はモノづくりする上で、とても大事だと思います。

 

 

 

2012年06月18日

色の組み合わせ。

 

先日、紹介していた帯が一本上がって来ました。

この帯の地色は、いつもよりもさらに写真では出ない色目です。

 

IMGP8088.jpg

作楽/名前未定』

 

地色、葉のような黄緑、ブルーの輪、蹄鉄のような白。

組み合わせ的にも、あまり例の無い、配色にしていますが、

白地(大島紬でも御召でも)、黒地(泥でも藍でも)、ケンカせず、

帯として、すんなり落ち着いてくれました。

 

柄に特徴があるので、好き嫌いはあるとは思いますが、

現在の周りの評判はとても良い(着物と合わせると良い方向へ感想が変わる)です。

 

一本で帯を見ると、思っていたよりも色味が独特で、

予想していた裏無地では落ち着かず、まだもうちょっと掛かりそうです。

 

この日記上では、となみ織物で製作している、

モノづくりの変化の兆しの僅かな部分を紹介しています。

 

そのまま変化していくかもしれませんし、

踏みとどまって、違う方向へ行くかもしれません。

 

自分も楽しみにしています。

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2012年06月07日

新しい地色に対して

 

最近はこの日記上では、

新しい帯のネタが少なく、あまりモノづくりをしていないように

思われていたかもしれませんが、新しい地色を作っていました。

 

まだ、見せれるほど確実ではないのですが、メドはついたので、

今度は上に乗せる色目。

 

表からは緯糸の色目は(地色と混ざって)判りにくいので、

裏返してみると、あまり見たことのない様子になっています。

 

IMGP8051.jpg IMGP8053.jpg IMGP8052.jpg

おそらく『作楽

 

帯は経糸と緯糸の交差で織り上げていくものですが、

ある程度の経験がないと、思い通りの色にするには至難です。

ちょっと薄すぎるし、濃い色入れたら、黒すぎる・・・。

シーソーみたいに上がったり下がったり、という中で上手いこと

頃合いを見て、『ここ!』という所で止めるのが経験です。

 

今、上に乗せる色は悩み悩みに進んでいますが、出来上がりは

おそらく、これまでに無い色目の帯に仕上がると思いますよ。

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2012年06月01日

しまうまに合う・・・。

 

IMG_5263.jpg

 

『しまうま』に似合う帯留めを狙った帯留めです。

 

IMGP8039.jpg

作楽しまにしまうま

 

結果として、上手く行った、と思っていますが・・・。

どうでしょう?

 

IMGP8041.jpg

 

もちろん、しまうま以外の帯でもお使いになれますよ。

 

なにをモチーフに作ったか?

と聞かれたら、なんでしょう、としか答えようのない、

抽象的な何か、を伝えて製作して頂いたものです。

 

機嫌良い時は、でっぱりを上向きに、そうじゃない時は、

下向きに、と周りのスタッフは勝手な用途を提案していました。

 

 

 

 

 

 

 

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2012年05月09日

本社から・・・。

 

表が織り上がっていて、後は裏地のみ。

という帯の配色確認が本社から届いています。

 

IMG_4717.jpg

『作楽/名称未定』

 

最近あまり使わない、箔をふんだんに使い、糸と混ぜて、

地紋を作っています。花の周りなど白く見える部分がそれに辺り、

黒と金のインパクトを和らげようとしています。

 

金にも、渋い金、可愛い金の2色をそれぞれ色糸と混ぜて、

色を作っているので、金が金に見えない、オシャレ感も漂うように

しています。

 

また、反対に目立たせようと考えている部分には、

スカッと無地にして、その対比で柄に伸びをもたせようと

しています(鏡面部分の縁)。

 

表を作るときには、上のようなことを考えて製作していますが、

その裏に来るとすれば・・・。

表と比べると、糸数も色糸も紋もシンプルなはずなのですが、

配色を間違えると、すべて台無しになし・・・。

となり兼ねないので、ただいま悩んでいます。

 

結果は明日帰った時に、出したいと思っています。

 

 

2012年04月29日

京都に帰ってくると、緑一色。

 

新潟から帰ってくると、京都は一足早く夏のような気候です。

 

IMG_4686.jpg

今日の御池通り

 

朝に一時間くらい散歩して、緑を見ていると、

『配色もこうなりそうだなぁ』と思いながら見上げていました。

 

 

ただ、今考えているのは、新潟滞在中にメールで飛んできた、

この帯の配色変えです。ちょっと周りの色目とは離れているので、

今日は、しばらく落ち着いて配色を考えます〜。

 

IMGP7445.jpg

『総紗縫/作楽』

 

 

2012年03月27日

課題もうひとつ。

 

一つ織物が形になったので、

IMG_3828.jpg

 →http://www.kyo-tonami.com/godaime/2012/03/post-1627.html

 

新しいものを幾つか考えています。

そのうちの一つは先日のモールに近い織り

IMG_3918.jpg

 →http://www.kyo-tonami.com/godaime/2012/03/post-1629.html

 

これに関しては、メドと言うよりも、さらに先

もうすでに走り出していて、ある程度壁にぶつからない限り、

このまま進んでいくと思います(たぶん・・・)。

 

 

そして一つが、この帯の地紋です。

 

IMG_4012.jpg

『作楽/松』

 

自分でもとても好きな柄と織りで、最初に織ったのは、

下の薄い地色のモノです。

 

注文を頂くたびに、コツコツと織っています。

 

IMG_0788 _Snapseed.jpg

『手引き縞の小紋とコーディネート』

 

この帯の地部分が漆喰のような雰囲気をもっています。

このときは、『上手いこと行った』と満足して、この柄一本だけで

終わっていました。

 

IMG_4009.jpg

 

なにかこの辺りに、新しいものを作る土台が隠れていそうですので、

今日の午前中は紋屋さんとこの帯地と、にらめっこしていました。

 

柄や組織、出来上がりのイメージは頭にあるので、すんなり進むはず

あまり考えすぎず、進めていきたいとおもいます。

 

 

2012年03月22日

パズルを生かすと・・・。

 

以前、パズル柄の後に組織をイジッては試験織を繰り返し製作して、

IMG_3355.jpg

         ↓

IMG_3277.jpg

 

結果完成した帯が上がって来ました。

 

今までの柄とも随分ちがう個性を持った帯になりました。

 

IMG_3828.jpg

作楽/砂漠』

 

ちなみに、地の部分が時間を掛けた成果です。

 

織自体は紹巴織ですが、通常の紹巴織のさらに倍、色を重ねて、

6階建て構造の建物のようにして奥行きを作り出しています。

 

風合いも独特のものが出来ましたので、もし実物に出会われたら、

触ってもらいたいです。

 

この帯は、結んだ際、面白みがさらに出てくる(はずな)ので、

撮らせてもらった時に、深く語りたいと思います。

 

 

 

2012年03月20日

積み重ね。

 

ちょっとPOPな色目でと思い製作した袋帯です。

(配色は妹と共同作です。。)

 

IMG_3880.jpg

『作楽/雲龍錦』

 

経が絹糸と(光らない)金糸とを交互に並べた織物で、

経糸を大きく横に振らすことで、立体感ボリュームを付けることができます。

 

見た目、ボリュームがあるとどうしても重量面が問題になります。。

それでも、毎日モノづくりの際には『出来る限り』軽くしよう、

と少しずつ削ぎ落して、軽量化を考えています。

 

帯の軽量化といっても、なかなかイメージしにくいですが、

車の軽量化と同じで、一つ一つの部品重量を何gずつ減らして、

それを積み重ねて、総重量を減らすというイメージです。

 

車と違って安全面というのはありませんが、

帯も結び心地や絹の風合いがあるので、

それを全く変えずに見直していく作業は、正直とても難しいです。

 

ただ単に、材料を使わない・・・。というのであれば、

簡単なのですが、そういうワケにも行きませんし・・・。

 

今回は経糸は金糸、緯糸も相当入っている、

ボリューム出すために、素材も通常よりも太め。

 

という問題はありましたが、地道に糸の渡りを考えて(設計の所)、

細かいことを積み重ねて積み重ねて、風合いもそのまま、

いい感じに仕上がりました。

 

昔の帯はというと、帯芯を入れる前でも

1㎏を余裕で超えるのもありましたが、

今回の軽量化で、うちの総紗縫に近づく重さになりました。

 

 

IMG_3882.jpg

 

その瞬間です。。。

 

物理的に限界近くまで軽くしている織物もありますが(紹巴織など)、

糸使いの勉強にもなりますので、軽くするという視点を主に、

モノづくりするのも、たまには良いかもしれませんね。。。

 

 

 

 

 

2012年03月19日

はつ対面。

 

先日製作した帯を初めて結んでもらっていたので、

撮らせてもらいました。

 

IMG_3833.jpg

作楽/レース』×白大島

 

いつも着物を(そこまで)意識せずに帯を作っているので、こうやって

結んでいただいたのを見るのは、とても嬉しいのと、勉強になります。

サッと合わせやすい帯はそれはそれで良いと思いますし、

反対にコーディネートの際に悩んで、なんとか合わせれた帯というのも

記憶に残るというか、印象的でとても好きです。

 

わざわざ、合わせにくい帯を作っていることはないのですが、

自分が作る帯は、『とても合わせやすい』と言われたことも、

ほとんど記憶にないです。

 

さてさて、めーかーとしては、どちらがいいんでしょうね?

2012年03月14日

春帯留め その1

 

毎季節、帯を作っていると、

『あ、これ作ろう。』と

ふと思って作るのが、帯留め。

 

ここのところ、季節ごとに欠かさず作るようになってきました。

 

素材は、『純銀で彫金』もありますが、一番製作する機会が多いのは、

モレッティ(モレッティ、ノーススター使用)を使ったものです。

 

今日は登場するのは・・・

 

いくつか上がってきたものの中で、なぜか春向け帯を作っていた

頭にポッと思いついた月です。

 

モチーフが春らしいかはどうかはコーディネートして、

結ぶ人の感性にまかせるとして、

名前は春らしく、そのまま『春月』です。

 

IMG_3737.jpg

『作楽モレッティ/春月』

 

 

IMG_3806.jpg

木花とのコーディネート』

 

比較的に小さな帯留ですが、きものを着た際、三分紐を通して、

お腹の真ん中に帯留めを持ってきても、主張すぎず目立たなさ過ぎず、

ちょうどいい大きさだと思います。

 

特に、写真のような星尽くしの中に紛れさせると、

帯留めが居場所を見つけたようで、

いきいきとしてくるような気がします。

 

ほかにも色々面白いコーディネートがあると思いますが、

それを考えるのも帯留めを使う楽しさかもしれませんね。

 

まだ、ほかにも上がって来ていますので、

随時紹介していますね。

 

 

 

ちなみに、

このモレッティシリーズは日本の硝子よりも光熱で加工していますので、

透明感と耐熱に優れていて、割れたとしても、修復が可能です

(もちろん、割れたカケラは残しておいて下さい)。

 

IMG_3808.jpg

 

よく例に使われる少しかわいそうな金魚ですが、尻尾の付け根から割れてましたが、

お預かりして直しに出した所、全くキズはわかりません。。

 

去年人気だった千鳥も上がってきていますので、この辺り、お楽しみに〜

 

2012年03月12日

横の世界もたいへん。

 

織物は横と経との交差点で柄を作るので、常に頭のどこかで意識していることは、

どういう色糸をどう交差せたら、表にどう見えるか?

ということです(参照:たてのせかい)。

 

たまに新しいスタッフは意匠図を作る職人さんと、

その辺りを忘れて話をしたりして、困らせていますが、

(時々、途方もない話で、反対に面白いこともあるますが。)

基本的に経と横(緯)です。

 

IMG_3277.jpg

『新作の作楽→表をひっくり返した所です。』

 

写真の織物は、以前紹介したパズルを見本にさらに応用です。

 

 

IMG_3355.jpg

パズル目出し』

 

パズルの場合、、

ある程度の色あわせと全体の雰囲気を合わせるだけで良いので、

まだ配色は難しくない方です(それでも上のような目出しは数回取ります)。

 

ですが、一番上の写真のように

ある程度の具象的柄になると、配色を細かいところまで合わせないと、

柄にはなっても、すてきな帯にはなりません。

 

最近、とくに多いのですが、なかなかすんなりと行かないので、

ひっくり返して、糸の入り方、組織、次の配色を考えて、

悩んでいます(引っ繰り返すと織った生の糸が判る)。

 

この前書きましたが、紋のせいにするわけには行かないので、

コツコツと一色直しては、次、また進む、そんな繰り返しです。

 

 

 

 

 

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