となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > > たまには、人に言われて作るモノづくり。

2011年11月26日

たまには、人に言われて作るモノづくり。

 

似た帯を作っても仕方が無いと思っているので、

同じ柄で配色を変えるだけの時でも、雰囲気がごろっと変わる、

モノを作りたいです(ホントは配色を変えるだけでも難しいですが)。

 

たとえば、元柄の配色が似あっても、同柄であっても

今度は似合わない(逆ももちろん)。

というのが良いと思っています。

 

それと、いくら売れていても人気があっても、同系統のモノは個人的に、

作りたくないですし、結果的には似てしまっていても(とても残念ですが)

そこまでは試行錯誤、こねくり回して、3回くらいは引っ繰り返す位、

なんやかんや行なっています。

 

という状態が長く続いているので、いきなり人に『こんなのが良いよ』

と言われて、そのまま作ったとしても、多分意図通りはできないかも、です。

(たまに上手く行く、ものがあったりすると、とても嬉しかったりする。)

 

今回は、そんな帯です。

正直、気に入ってもらえれば嬉しいですが、それを置いておいても、

個人的に乱菊の萼?(がく)部分、などは周りの地色や花びらと

相乗効果があって、とっても色気があるように見えます。

 

また、地色には麹塵染の緯糸を使っているので、色が場所や時間によって、

全然異なっていきます。

現に、配色を見た場所が違う。

まず、目出しを見たところはこんな感じで。

 

IMG_0825.jpg

麹塵染/乱菊目出し』

 

本番が上がってきたときは、こんな感じ。

IMG_1041.jpg

『作楽/乱菊』

 

ちなみに、もちろん緯糸は両方同じ、濃々紺に黒を混ぜた色。

 

上がってきたので、早速裏と合わせて袋帯にする縫製に出した所です。

 

この帯はあまり織らないちょっと特殊バージョンですが、この柄自体は、

以前からの紋で、とてもとても新柄とは言えませんが、配色を替えただけで、

なにもかも変わってしまう、稀有な柄なので大事にしていきたいですね。

 

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