となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

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2011年10月24日

跳ね返りペイズリー。

先日の続き・・・。

 

地紋が上手く行くかは、短い裂(目出しといいます)で見ても、

まず流れがわからないので(後の大部分は想像になるので)、

まずは一本の長さで職人さんに織ってもらいました。

 

通常、ここから軽い気持ちで進めてしまうと、大体が紋グセといって、

字の通り紋のクセ(経にキズっぽいモノが見えたりします。)問題が出てきて

『あぁ〜』という自体になることも多いです。

 

IMG_0459.jpg

作楽:ペイズリー(大)』

 

ただ、この帯はどうしても早く、イメージが新鮮なうちに見たかったので、

じつは、『地紋』で紹介した時には、見切り発車で織ってもらっていました。

そのため、週明け早々の今日、早速見ることができました。

(ほんとうに無理を言ってすみません〜。)

 

結果は、◎。

予想以上にきれいな陰影も出て、地に大小の表情も付いて、

満足できる『地紋』の出来だと思います。

 

後はこれが正真正銘の一本目なので、端から端まで、細部からと、遠くから見て、

紋の修正や色(というよりイメージ)を近づけていきます。

 

 

とその前に、もっと大きな所の確認で。。

 

じつは(今日2回目)、お太鼓の位置はイメージのみで進めてしまったので、

一本織り上がった、今、チェック中です。

あまり見切り発車しないので、周りはちょっとドキドキだと思います。

 

写真は、判りにくいですが良く見てもらうと、お太鼓の形を2つ作って

(下は特に見づらいですね)、着姿を想像して、どちらにするか検討している所です。

 

これまた結果は◎

 

 

さらに、これまたちょっとしたコトなのですが、

帯端のキワ部分を一本すーっと柄を抜いています。

 

IMG_0461.jpg

(地紋すら入らない真無地にしています。)

 

これは、動きのあるペイズリーの居場所をさらに狭くして、

もっと元気よくさせてみよう、という試みです。

 

以前は、静かな柄でやってみて、さらに凛とした空気が出せましたが、

今回の場合はそれとは真逆です。

 

端を抜いたバランス上、ペイズリー本体柄の上げ方をボカシを入れたり、

消したり、大きさ、スペースも動かしましたので、ペイズリー自体の

居場所は狭くならず、活動スペースのみが狭くできた、と思っています。

 

そのお陰か、ペイズリーが元気よく端から端、

縦に行っては返って跳ね返って、動きと流れのある帯になった。

と自分では思っていますので、後は着物と合わせて、小物も入れて、

見るのが、とても楽しみな帯です。

 

なので、◎。

 

後は裏地の配色をしていますが、こちらは反対に止まった柄。

を予定していて、両面で表は、活動的、裏は静止。

 

早く上がってこないかな?

 

 

 

 

 

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