2021年6月14日 18:30

三重紗vs二重紗

なんとか織り続けれないかと、試行錯誤してきましたが、終了となっている『三重紗』。
主に南蛮七宝文様の地紋で製織していました。

スクリーンショット 2018-12-04 23.25.40-thumb-autox377-11949.png
(羽織三重紗)

そもそも、現在の着物業界的にいうと、夏物がほとんど(数が)動かない。
と言われていて、モノづくりがされなくなり、どんどん選択の余地が減っています。
この傾向は、ずっと続いています。
もし自社でつくらず、世間にある白生地を購入、染めてモノづくりしよう。
と思って、数年前であれば、何とかなったかもしれませんが、今は完全に無理です。

それとは反対に、となみ織物は毎年、社内における夏や単衣のモノづくりシェアは上昇。
織組織も、総紗縫、上品綟、夏しぼ・・・など増やそうと思うぐらいです。

ですが、この三重紗の場合は、全体の流れに流されてしまい、終わってしまいました。
職人さん、機、素材、産地自体が無くなり、どうしょうもない。場合もあります。

暑くなった時期に話題に出てくるのは、三重紗。

私が男羽織としても着ていて、着心地・軽さ・着回しの良さからお気に入りです。
着ていると、その生地でお揃いのが欲しいとも言われるため、先日織ってみたのが、二重紗。

IMG_3315.jpeg
(上が三重紗、下が二重紗)

見た目や風は似ています。

ただ、数字が3→2になっているため、パワーダウンの様に思われそうですが、
今までと同様の手間の元、制作しています(今までに改良も加えています)。

DJI_0372.jpeg
(上が二重紗、下が三重紗)

染め上がったので、比較して、着て、独自の良さを確認していきます。
透け感は三重紗の方がありますが、二重紗もそれと比較して、利点がいくつかあります。

どちらか一方のワンサイドゲームにはならないはず。
くらいまではちゃんと作り込みをした自信はありますので、これから皆さんの反応を伺っていきます。

今後も、こんな感じでつくれなくなるモノづくりが出てきます。
先日も原点回帰で書いたように、過去を振り返りながら、作れないものを代用品で埋めるばかりにならないように。
(今回は特に、この部分と矛盾しない様に)新しいモノづくりの芽もつくっていきたいですね。

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