となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「総紗縫」と一致するもの

2012年03月29日

撮影終了、、夏。

 

次の雑誌での発表する新柄の撮影が終わりました。

撮影だけなので、まだまだこれからですが、これも一段落です。

 

まだ素の段階ですが、涼しさと迫力が上手く出たものになっています。

(おそらく、皆さんの予想とは少し違ったものになりますよ!)

 

総紗縫プレミアム2.jpg

去年の夏です

 

この撮影の準備の際は、いつも過去を振り返ります。

この日記を書いている期間はブログで、それよりも以前は・・・

大量の本や書類その他が山のように本棚に詰まっています。

(そこから探そうとすると、大変ですが)

 

以前も少し書きましたが、Web上で振りかえれるように

していこうと思います。

雑誌に新作を発表しているのは、

もちろんお客さんに見て頂くということが大きな理由ですが

もう一つ、関わっている職人への結果発表という意味もありますので、

出来る限り、『この帯に私が関わったよ』という部分を残しておきたい

とおもっています。

 

また。これから先、自分よりも後の人がモノづくりする際、

資料としても、手に取られる割合の高いものですので、

キッチリと作っていきたいと思います。

 

毎年のことですが、寒い中、夏を思い出して、

イメージ→製作していくのが、一番たいへんです。。。

 

 

2012年03月21日

昨日の帯の裏

 

昨日の帯

 

IMG_3880.jpg

裏。

IMG_3870.jpg

 

総紗縫の機で織った素材を変えた『ほぼ総紗縫』です。

 

『ほぼ』というのは、ややこしい表現ですが、この裏地を作るためには、

通常の工程よりも、いくつかの手間を掛け、違うものにしているので、

『ほぼ』を付けています。

 

この臈纈の時もそうでしたが・・・。

 →http://www.kyo-tonami.com/godaime/2011/10/post-1513.html

 

実に似ていて遠く、また違う工夫をしています。

 

まず『総紗縫』というのは、

組織的に(面倒くさい位)繊細な織です。

 

そのため、染によっては生地が痛んだり、

加工方法によっては、ダメになることもあります。

(その繊細のお陰で結びやすい、シワが戻るなどの利点があるのですが・・・)

 

不思議なことに、作るときに手間を掛けると、掛けた分、

使うときには何かと便利になる確率が、高いような気もしますが、

この総紗縫もその例に当てはまります。

 

 

①最初は普通の総紗縫の生地に、上の写真のような染をしました。

が、縮みました。

 

②そして、素材を見直し、組織の検討。

 

③染めると、今度は、上から入れた色が綺麗にでない。。

『白だったら、綺麗に入るだろう・・・』という予測が外れ、

 

④そこから再び試験を繰り返し、

 

⑤色を入れた色糸(仄かな色です)で織ると、綺麗に色が出る。

 

そんなことをコツコツ足しては引いて、作り上げた裏地です。

 

こういう帯は、できが悪かったとしても

(これは見る人の判断にお任せします)、とってもいい帯に見えてしまいます。

 

今回は麻の葉文様で、しかも裏ですが、自分的には輝いて見えます。。。

 

 

 

2012年03月20日

積み重ね。

 

ちょっとPOPな色目でと思い製作した袋帯です。

(配色は妹と共同作です。。)

 

IMG_3880.jpg

『作楽/雲龍錦』

 

経が絹糸と(光らない)金糸とを交互に並べた織物で、

経糸を大きく横に振らすことで、立体感ボリュームを付けることができます。

 

見た目、ボリュームがあるとどうしても重量面が問題になります。。

それでも、毎日モノづくりの際には『出来る限り』軽くしよう、

と少しずつ削ぎ落して、軽量化を考えています。

 

帯の軽量化といっても、なかなかイメージしにくいですが、

車の軽量化と同じで、一つ一つの部品重量を何gずつ減らして、

それを積み重ねて、総重量を減らすというイメージです。

 

車と違って安全面というのはありませんが、

帯も結び心地や絹の風合いがあるので、

それを全く変えずに見直していく作業は、正直とても難しいです。

 

ただ単に、材料を使わない・・・。というのであれば、

簡単なのですが、そういうワケにも行きませんし・・・。

 

今回は経糸は金糸、緯糸も相当入っている、

ボリューム出すために、素材も通常よりも太め。

 

という問題はありましたが、地道に糸の渡りを考えて(設計の所)、

細かいことを積み重ねて積み重ねて、風合いもそのまま、

いい感じに仕上がりました。

 

昔の帯はというと、帯芯を入れる前でも

1㎏を余裕で超えるのもありましたが、

今回の軽量化で、うちの総紗縫に近づく重さになりました。

 

 

IMG_3882.jpg

 

その瞬間です。。。

 

物理的に限界近くまで軽くしている織物もありますが(紹巴織など)、

糸使いの勉強にもなりますので、軽くするという視点を主に、

モノづくりするのも、たまには良いかもしれませんね。。。

 

 

 

 

 

2012年03月09日

ふわふわ、ほわほわ、くしゃっと

 

ちゃんとした紹介をする前に、ほぼ完売となったバッグです。

名前も『ほわっとバッグ』→『ふわふわバッグ』に(以前の紹介)。

 

IMG_3229.jpg

総紗縫のふわふわバッグ

 

『くしゃっとバッグ』や『ほわっとバッグ』『ほわほわバッグ』など

色々とネーミングの際に案は出て、最後の最後『ふわふわ』になりました。

 

決めては、この白地のバッグ。

見た目がふわふわなので・・・。

『それでは、ふわふわにするか。』

した、かなり安易なネーミングです。

 

11158.jpg

 

 

 

 

 

着物着物していない、一本手のコロンとした可愛いバッグと

簡単な気持ちで製作に掛かろうとしていました。

 

形は独特なので、原型はある程度早い段階で決まりましたが、

そこに使う総紗縫の生地自体が、どうも上手くいきませんでした。

(本業なのに・・・)

 

まず職人さんに言われたのが織物を見て、『綺麗に織りすぎ』。

ということでした。

 

普段は褒め言葉なはずなんですが、ここではどうにもならず、

『総紗縫の生地でなくても・・・』という話もでていましたし、

纐纈織などで、進める話(こちらも進行させようと思います)もありましたが、

最終的に総紗縫の生地へ特殊な熱の掛け方をして、なんとか成功しています。

 

IMGP0993.jpg

加減が難しいので、未だに失敗することもありますが・・・

 

製造したのものは超小ロットで、『仙福屋』にupしたものと、

残り、一つ二つくらいで終了です・・・。

 

美しいキモノ春号でモデルさんが持っているのもあって、

反響はとてもあったのですが、今から作っていたら、時間も随分かかるので、

これはこれで次は新しいものを作るか?など、今は検討中です。

 

失敗した生地を見ていると、ちょっと腰が引けそうな気もしますし・・・。

さてさて。

 



 

2012年03月07日

2009年から、製作してきた織物。

 

なかな妥協ができなくて、停止していたモノづくり。

やっと見つかりました。随分と登場が遅れましたが、完成です

(ちなみに、2009年からです)。

一度は完成と思いながら、袋帯まで3年です。

 

 

当初、袋帯にと表の意匠自体は随分と前から出来ていましたし、

目出しや見本としては織り上げた後、素材を少し変えて、なごや帯などで、

商品としていたモノです。

(今、織り上がっている柄はみなさん見られたことがある柄です。)

 

IMG_3569.jpg

『imon袋/はとば立湧』

 

袋にするため、探していたのは、裏地です。

 

いつものとなみ織物/袋帯では、たとえば紹巴織などは、表と裏は同じ織機で織り、

それを両面にして袋帯に仕立てます。

同じ機の同じ糸、同じ職人によって織り上げられるので、

兄弟姉妹のような両面袋帯になります。

 

今回の織物組織の場合、素材や組織の都合上、少々問題が生じました。

(ほとんど起きない僅かな確率なのですが、念には念を入れて。)

 

そこで、つい最近まで異なる織物をしばらく検討していました。

安易に、世間でよく見られる、よそからの仕入れ裏地ということはしたくなかったので、

織物、糸種、地紋等々から検討です。

 

糸種を変え、紬を通したりして風合いを変え、地紋を入れたりと、

様々試して、コストも時間も大幅に掛かりました。が、なかなか決定とならず。

 

最終的に、最適だったのが、身近にあった総紗縫の機で織った無地

だったのは、とても意外でした。。。

(特に自分のブログを読み返すと、すくそこに・・・。)

 

問題なのは総紗縫の製作数が増えたといっても、織上がってくるのは、

そんなに多くはないので、袋帯になるまでが、さらに時間がかかります。

ただ、その分、利点は相当出てきますので、楽しみです。

 

IMG_3565.jpg

『imon袋/千鳥に流水』

 

総紗縫の両面好きな柄を選ぶことができる。

ということは出来ませんが、その分、できない表現が織でできますので、

総紗は総紗、imonはimonというようになるのが目標です。

 

上の千鳥もそうですが、この『sekka(神坂雪佳の世界)』もそうです。

 

IMG_3567.jpg

『imon袋/sekka』

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2012年03月02日

ほら、最近の夏帯。。。

 

今、社内で盛り上がっているモノづくりです。

(自分ではどう作るかな?と考え中で、まだ私は乗り遅れて気味です・・・)

 

IMG_3478.jpg

 

夏帯は夏帯ですが、構造や素材の方向は『袷』のやり方で製作しています。

根底の発想も、それに近いものが多く見られるので、世間にあるものと

比較して、とっても面白いモノに仕上がっています。

 

柄は前回紹介のものと同じ趣の無地風に地紋。

 →http://www.kyo-tonami.com/godaime/2012/02/post-1606.html

 

IMG_3479.jpg

 

触ってみても、総紗縫ほどの薄さは無いですし、全く別物なのですが、

経糸の関係上、無地でも奥行きと織りの暖かさのある帯です。

(夏帯なのに暖かいのも変ですが、そんな表現が似合います。)

 

総紗縫はオールシーズン。

この帯は、単衣・夏と、住み分けも出来ているような微妙な感じですが、

夏時期にきものをたくさん着られる方であれば、この面白さを感じて、

もらえそうなシリーズです。

 

まだ、名前がないのが難点で、

社内でも『ほら、あの帯。最近出来た・・・。』

という名前で呼ばれています。

 

2012年02月15日

このあたりは趣味。

 

この辺りは趣味です。

 

IMGP6793.jpg

『となみ織物/宗介の角帯』

 

総紗縫の機を紬糸(太紬)を使って、角帯を織ってみました。

綟り織に改良を加えた織物ですので、透け感はありつつ、

紬のざっくりさも持っている、とても面白い生地です。

 

せっかくなので、柄は葵や瓢箪、更紗など、あまり角帯のモチーフに

ならないモノで、大きさで、色目です。

 

自分でも結んでみたいものや、それはちょっと・・・。

と思いながら、そういったものは周りのスタッフに高評判など、

全体的に面白いものが出来ていると思います。

 

IMGP6781.jpg

 

一本目ではなくて、何本目かに欲しい人が多そうな帯です。

 

もう少し柄がわかるようにFacebookへ上げています。 

 →となみ織物FB

 

 

 

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2012年01月25日

着物姿を三つばかり・・・。

 

昨日は名古屋に一日行って、着物に囲まれていました。

沢山、となみの帯を結ばれている方がおられたので、

一瞬立ち止まってもらい、パチリと撮らせもらっています。

 

IMG_2631.jpg

『紹巴織/作楽;投網』

 

 

IMG_2633.jpg

総紗縫/光彩』

 

 

IMG_2632.jpg

『経錦/漢錦

 

皆さん、着物と近い色目のコーディネートをされていましたが、

帯や帯締めのどこかに利き色を入れて、上手くまとめてられていました。

 

コーディネートで合う合わないという声を良く聞きますが、

それよりも、その時一瞬の帯・着物、帯締め、帯揚げなどの

組み合わせを楽しみたいですね〜。

 

 

2012年01月23日

地色、ベージュ。

『地色』

 

帯でいう『地』というと、大概は一番広く無地っぽい所を

指して、『地色』というとその色目が、帯のほぼ第一印象です。

ということもあって、この配色はとても大事です。

 

ですが

(ここからは、自分のモノづくりの場合です)

地色を決める時というのは、一番最初ではありません。

たいていの場合、最後に近い所で、『この色にしよう』。

と決めます。

 

このやり方があっているのか、間違っているのか、

判りませんが、ほぼ100%このやり方で帯を作っていて、

今まで困ったことは、あまり無いので、大丈夫だと思います。

 

組織によっては、経て色が制限されて、相当出しにくい色や

緯糸の先染糸がロットによって、微妙な色目が出ていて、

それが経てと混ざり合うことで、さらに絶妙になることもあります。

 

この帯をどんな色目にするかというのは、

自分の中にある柄を見ながら、色を出して来るので、

人それぞれですが、新しい色目を作るのは、ほとんどが偶然と

最後の最後のスレスレの妥協で決まる気がします。

 

こう書いていると、だから一番最後に一番やっかいなモノを決めるのか。

とも納得できるような気がしますが・・・

 

最近、経糸で影響され、緯糸で頑張って、自分の作りたい色目(地色)。

という風になったのは、この帯です。

 

IMG_2519.jpg

総紗縫

 

組織自体が『紗』なので、まず通常の透けない組織とは、頭の方向を

変えないと、色目がいろんな意味で『濃く』なってしまいます。

 

作りたい色目を最終どこまで、微調整しなくても良いように、

近づけるか・・・。と配色する前は意気込んでいましたが、この組織は、

ほぼ経糸に左右されるので、最後の微妙整でなんとか。

というのは、ほぼ通じません。

 

が、最初の色は思いと違ったので、緯糸で思い切った色目を使ってみて、

経糸の影響を最大限逃れようとしてみました。

 

そうすると、意外に解決することもあるもんだなぁ。

と、今日は登場させてみました。。。

 

この色目は総紗縫になかった系統のものなので、少しはこの織物で

表現できる幅が広がったかもしれません。

 

 

 

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2011年12月16日

札幌です。

 

しばらく、京都から比べると、極寒の札幌でとうとう

風邪を引いてしまいました。やはり寒いです。。

 

IMG_1749.jpg

 

風邪薬で頭もぼーっとの状態ですし、外見ているだけで、雪に時計台や、青空に雪を

見ているだけで、とても綺麗なので、数日はモノづくり、ストップです。

 

その代わりに、この札幌で楽しいのは、みなさんのコーディネートです。

 

ここで紹介するのは、帯と着物、帯締め、帯揚げだけではなくて、

帯留めも加えた印象的なものです。

 

IMG_1754.jpg

『漢錦×モレッティしゃちほこ』

 

IMG_1736.jpg

『総紗縫×純銀葵』

 

IMG_1744.jpg

『南蛮七宝×純銀葵大』

 

数日間は、こういった中で楽しんでいました。

 

夜に京都へ戻ります。

 

 

 

2011年12月11日

今日ふさわしい帯?

 

やっぱり、せっかくなので、今日はこの帯かな?

 

IMG_1678.jpg

総紗縫作楽

 

IMG_1680.jpg

 

この帯留めも『月』?

2011年12月01日

『丸ぐけ』やればできました。

 

仙福屋』で帯締めは扱っていても、

『丸ぐけ』は今までありませんでした。

 

その前に、

社内や職人さんところでも『まるぐけ、まるぐけ』と言っていて、

何かもちろん知っていますが、新人くんに『丸ぐけって何?』と

改めて聞かれると、『こんな風に丸まった帯締め』と返事するしかなく、

調べてみました。(自分で調べたら・・・とも思いましたが、

勉強にさせてもらったということで。)

 

丸ぐけ:芯を入れて、断面が丸くなるように絎けること。

    また、そのひもや帯。特に、帯締め。

 

ということです。

まあ、間違っていなかって良かったですが、こうやって調べてみるのも、

なかなかいい勉強になります。

 

それにしても、特に帯締めとあるので、帯締めを中心に使われる言葉だったのは、

以外でした。他にもありそうですよね。。

 

最初は着物地(となみ御召)で作ろうと思っていましたが、適当な生地が

ありませんでしたので、こいう時はまずは『総紗縫』。

 

そうすると・・・

まずの試作はこんな感じです。

IMG_1407.jpg

『まるぐけ総紗縫』OR『総紗縫まるぐけ』

どちらが良いでしょうね?

 

縫われる職人さんも帯とは思っていなかったようで、

とっても縫いやすいとのことでした。

(結びやすいとは、また違った褒め言葉ですが、嬉しいですね。)

 

ただし、帯の幅で約5本しか取れませんので、帯一本で10〜15本と

思っていたよりもずいぶん少ない数しか作れません。

 

これから作っていくか、判断のむずかしい所です。

 

 

 

 

 

 

2011年11月28日

クシャッとほわっと

 

総紗縫で・・・。

というとイメージがある程度、固まってきていたので、

特殊な加工をして、細かいシボをクシャッと付けて、

そのシボが活きるように、ホワッとしたがま口調の金具を付けて、

バッグにしてみました。

 

 

IMG_1295.jpg

総紗縫/ほわっとバッグ』

 

写真からも判る、帯地のデコボコ感とカーテン様に縫製して立体感を

付けたのは、今回が初めてです。

 

こういう形のバッグは世の中に一杯あるとは思います。

ただ、そこに使われている意匠と、上のように帯で使われている意匠。

同じ土俵に立って比べられることは少なく、『帯の意匠の方がイイね』

と単純に肩を持ちたい所ですが、(それは好みなので置いておいても)、

帯の意匠の独特さが際立ってきます。

 

よーく頭で分かっていても、実際に自分の前に物として並べると、

当たり前でいて、なかなか掴みきれていなかった所です。

 

帯地の加工が難しく(意図通りいかない)、

最終的に作る数の少ない超レアなバッグですが、

このバッグ製作から、いい勉強をさせてもらいました。

 

 

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2011年11月17日

秋の男物〜。

 

京都の紅葉(堀川寺ノ内周辺ですが・・・)は、

只今こんな状況です。

 

IMG_1001.jpg

『堀川寺ノ内手前、北向です』

 

着物で散歩日和で、街にも着物姿を数多く見かけることができます。

 

 

そんな着物日和ですので、久々に角帯でも紹介します。

 

IMG_0995.jpg

『仙福屋の角帯/上;総紗縫、下;紹巴織』

 

先日、織り上がってきたばかりのモノで、今の時期からの男物にぴったりな、

色・柄付けかな?と思います。

 

他にも、更紗調のモノであったり

IMG_0997.jpg

『仙福屋の角帯』

 

『あんまり男物は扱っても、売れへんで』

と同業の方から良く言われるので、この角帯/男物部門は、自分一人の

趣味に近く、行なっています。

 

特に、難しいことは考えず、好きなモノを作る。

 

なにか言われても、

やっているのは、本当に楽しいですよ。。

 

興味のある方はぜひ。。。

 

 

 

 

 

 

2011年10月28日

ほんとは凄いけれども、あまり表に出てこない帯。

 

ということで、この帯です。

 

IMG_0517.jpg

総紗縫

 

織りは『総紗縫』と同じく『紗』、もじり織りです。

 

この紗、織りは同じでも総紗縫の親戚のようなもので、使う素材を変えて、

幅を九寸にした、要するに『なごや帯』です。

 

総紗縫が軽い、結びやすい、合わせ易いと言ってもらえるので、さらに、

と思い、なごや帯にしましたが、まだ今のところ、爆発的。

とは、なっていません。

 

個人的には、総紗縫を好きな方で、二本目に良いと思っているのですが、

まだまだ認知度が低いのかもしれませんね。

 

と、それはそうと、今日のメインはこちら。

 

IMG_0518.jpg

 

総紗縫の出来るまでを模型で伝えることのできる、メカです。

 

オモチャみたいなものですが、頭の中にシンプルな組織構造がわかるので、

とても重宝しています。

 

これをまだよく分かっていないスタッフの前で、

『あ〜やって、こうなって、ほら出来た。』

 

と手であやとりをするように見せますが、これを織物で、ビシッとやる・・・。

相当、たいへんなことは伝わったかな?と思っています。

 

これを細かく、柄を織り出しつつ、緯をいれて表情を豊かにさせていく、

恵まれた環境にいることを感謝です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2011年10月20日

帯をキャンバスに

 

出来ることは(楽しいことは)何でも試してみる。

ということで、毎日いろいろ試作を作っています。

 

以前もほんの僅かの数量を作って、1柄は上手くは行きましたが、

その後の継続が難しかったモノです。

その大きな理由は織と後の染めとのバランスの取り方です。

正直、両方うまく立てるのが大変で、織屋としては、

どうしても織りが6〜7割を占めて欲しいと思うので、

余計に完成まで行きません。

 

今回は、染めが7割。

バランスからすると良くないですが、思い切りすぎて、気持よく

みんなで『お〜』と声を上げたものです。

 

まあ、今までの総紗縫の中には無かった。

で、一致しています。

 

IMG_0385.jpg

総紗縫×臈纈染め』

 

このままでもこの帯は面白いので、好きな方には気に入ってもらえる

かもしれませんね。

 

ただ、ここはこれで置いておいて、『バランスを』という当初の目的ならば

もう少し織の柄を強くするか、もう少し染を弱くするかです。

 

個人的には、ガツガツと当たったモノが好きなので、コーディネートし易い

ものは、置いておいて(誰かに任せて)、強く・個性的なものを考えたい

と思っています。

 

意外に当たって、差し引き〇みたいな帯が上がったら、それはそれで。

 

今日は帯にお絵かきをしたような、

ちょっと不思議な帯を紹介してみました。

 

 

タグ:

2011年09月22日

たまには後ろも振り返る。

 

先日、『評価二分』で紹介していた。

作楽総紗縫+premuim

 

R0013491.jpg

『作楽×総紗縫premium』

 

蜘蛛の巣に赤いスワロスキーを加えたものです。

何も無いものよりもインパクトがあるのと、

キラっと光るものを付けているのに、その光を当てに

していない所が自分の中で気に入っています。

(今回は、配色の一つのつもり。)

 

この帯、一本を作ったのみで、それ以上作るつもりもないので、

今までの総紗縫に無いモノを思い切って足してみたので、

結果は以前も書いたように、二分でした。

 

ちょっと寂しいですが、この帯は、どうしても欲しい!

という方のところへ行きましたが、

次も製作している最中です。

 

その一つ

 

 

IMG_6148.jpg

『作楽スワロ専用』

 

普通?に総紗縫を作ったのですが、今度はツブツブのために、

場所を空けました。

 

ですので、織り上がってから、そこに自分の感覚で塗り絵する・・・、

そんな覚悟をしています(イメージはシンプルに、です。)。

 

竹屋町刺繍、汕頭刺繍にこのスワロフスキーを付ける。

織った帯に色々後から行ってることについて、あまりいい顔をしない人も

います(『邪道だ!』と)。

 

ただ、モノづくりは、

その過程で作っている者も楽しく、作り手の意思が表現されて、

結ぶ人にも喜んで頂けるのであれば、それ以上なにも無く、

『批判は当たらないのでは?』と思います。

 

今回の蜘蛛の巣は、明らかに作り手が楽しんで、もし引き取り手が無ければ、

角帯に何とかしよう!と思っていました。

 

作ることを楽しみ過ぎて、結ぶ人を置いていく、今回はちょっと控えるにして、

やはりモノづくりは楽しんでいきたいと思っています。

 

 

 

2011年08月22日

ここまで来ました〜。

 

今まで様々な帯留めを作ってきましたが、

今回も、なかなかのモノですよ。

 

IMG_5883.jpg

『シャチホコにサックス』

 

もちろん、3つをつけなくても良いのですが、

折角なので・・・。

 

 

IMG_5895.jpg

『シャチホコにトランペット。』

 

素材は、イタリアの硝子とノーススター硝子です。

 

そういえば、シャチホコの総紗縫もあって、シャチホコにシャチホコでも

面白い組み合わせですね。。。

 

 

 

2011年08月09日

評価二分

 

作る前から反応の予測できる帯というのは、

とても作り甲斐があります。

 

ぱっと浮かぶのは、しまうまとか・・・

IMG_4727.jpg

 →『作楽:縞にしまうま』

 

『なんで、しまうま?』と良く聞かれましたし、

この帯の前で止まっている人に話しかけると、

いまだに聞かれます。

 

IMG_5013.jpg

 

まず、結んでもらっている人の写真等々見せると、

納得して、『確かに、いいね〜』と言われるので、

着姿が相当、想像しにくい帯なんでしょうね。

 

こういう帯は最初の評判から、(大層ですが)長〜い時間を掛けて、

どんどん印象が変わっていく帯なので、その過程を見ているだけでも

とても満足でうれしい帯です。

 

ここまで書いておいて、

今日の帯も『しまうま』と同じように、意見が二分されますが、

違うのは、多分一方の人は、意見を変えてもらえないだろうなぁ、

と思っているモノです。

 

そんな帯も好きなんですが。。。

 

その帯がこれです。

IMG_5622.jpg

『総紗縫premium2:蜘蛛の巣』

 

ということで、以前『美しいキモノ』でも紹介していた帯を・・・

 

IMG_5618.jpg

赤いつぶつぶを飛ばしてみました。

 

一本しか作っていないので、まだ少ない数の人しか見て頂いていない

のですが、見事二分されました。。

 

 

 

2011年08月01日

帯地を日常に(目標)。。

 

『着物以外の時にも帯地を持っていたいな』という気持ちから、

帯地を様々な形にしています。

 

広く言えば、絹を日常の中に持ち込みたいという想いで、

帯以外も今まで草履やバッグを作ってきました。

 

この前はこの財布も紹介していて、今は評判を聞いている

段階ですが、現状はとても好評です。

 

R0013384.jpg

 

他の柄も見たい!ということで、

現在は、他の柄も進めているところです。

 

麹塵染や総紗縫も作ってみたいですし〜。

 

他にも、今日上がってきて面白いなぁと思ったのが、

広い面で使ってみた、このトートバッグ。

 

R0013390.jpg

写真では、ちょっと分かりにくいですが、これらにも施しています。

 

織り目と発色はそのまま活かせるので、

これから色々と製作していくのが楽しみですね。。

 

近々、『仙福屋』に。。

 

 

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