2012年01月23日
地色、ベージュ。
『地色』
帯でいう『地』というと、大概は一番広く無地っぽい所を
指して、『地色』というとその色目が、帯のほぼ第一印象です。
ということもあって、この配色はとても大事です。
ですが
(ここからは、自分のモノづくりの場合です)
地色を決める時というのは、一番最初ではありません。
たいていの場合、最後に近い所で、『この色にしよう』。
と決めます。
このやり方があっているのか、間違っているのか、
判りませんが、ほぼ100%このやり方で帯を作っていて、
今まで困ったことは、あまり無いので、大丈夫だと思います。
組織によっては、経て色が制限されて、相当出しにくい色や
緯糸の先染糸がロットによって、微妙な色目が出ていて、
それが経てと混ざり合うことで、さらに絶妙になることもあります。
この帯をどんな色目にするかというのは、
自分の中にある柄を見ながら、色を出して来るので、
人それぞれですが、新しい色目を作るのは、ほとんどが偶然と
最後の最後のスレスレの妥協で決まる気がします。
こう書いていると、だから一番最後に一番やっかいなモノを決めるのか。
とも納得できるような気がしますが・・・
最近、経糸で影響され、緯糸で頑張って、自分の作りたい色目(地色)。
という風になったのは、この帯です。
『総紗縫』
組織自体が『紗』なので、まず通常の透けない組織とは、頭の方向を
変えないと、色目がいろんな意味で『濃く』なってしまいます。
作りたい色目を最終どこまで、微調整しなくても良いように、
近づけるか・・・。と配色する前は意気込んでいましたが、この組織は、
ほぼ経糸に左右されるので、最後の微妙整でなんとか。
というのは、ほぼ通じません。
が、最初の色は思いと違ったので、緯糸で思い切った色目を使ってみて、
経糸の影響を最大限逃れようとしてみました。
そうすると、意外に解決することもあるもんだなぁ。
と、今日は登場させてみました。。。
この色目は総紗縫になかった系統のものなので、少しはこの織物で
表現できる幅が広がったかもしれません。。
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