となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

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2012年01月23日

地色、ベージュ。

『地色』

 

帯でいう『地』というと、大概は一番広く無地っぽい所を

指して、『地色』というとその色目が、帯のほぼ第一印象です。

ということもあって、この配色はとても大事です。

 

ですが

(ここからは、自分のモノづくりの場合です)

地色を決める時というのは、一番最初ではありません。

たいていの場合、最後に近い所で、『この色にしよう』。

と決めます。

 

このやり方があっているのか、間違っているのか、

判りませんが、ほぼ100%このやり方で帯を作っていて、

今まで困ったことは、あまり無いので、大丈夫だと思います。

 

組織によっては、経て色が制限されて、相当出しにくい色や

緯糸の先染糸がロットによって、微妙な色目が出ていて、

それが経てと混ざり合うことで、さらに絶妙になることもあります。

 

この帯をどんな色目にするかというのは、

自分の中にある柄を見ながら、色を出して来るので、

人それぞれですが、新しい色目を作るのは、ほとんどが偶然と

最後の最後のスレスレの妥協で決まる気がします。

 

こう書いていると、だから一番最後に一番やっかいなモノを決めるのか。

とも納得できるような気がしますが・・・

 

最近、経糸で影響され、緯糸で頑張って、自分の作りたい色目(地色)。

という風になったのは、この帯です。

 

IMG_2519.jpg

総紗縫

 

組織自体が『紗』なので、まず通常の透けない組織とは、頭の方向を

変えないと、色目がいろんな意味で『濃く』なってしまいます。

 

作りたい色目を最終どこまで、微調整しなくても良いように、

近づけるか・・・。と配色する前は意気込んでいましたが、この組織は、

ほぼ経糸に左右されるので、最後の微妙整でなんとか。

というのは、ほぼ通じません。

 

が、最初の色は思いと違ったので、緯糸で思い切った色目を使ってみて、

経糸の影響を最大限逃れようとしてみました。

 

そうすると、意外に解決することもあるもんだなぁ。

と、今日は登場させてみました。。。

 

この色目は総紗縫になかった系統のものなので、少しはこの織物で

表現できる幅が広がったかもしれません。

 

 

 

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