となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「総紗縫」と一致するもの

2014年05月16日

仙福屋御召の新作(経無地御召)


京都に帰ってきて、一番最初に触ったモノが、
御召、袷単衣用の着尺の新作です。

元々のモノは、風合いシャリッと生地には手持ちもしっかりとして、
さらに透け感すらある。そんな織組織で織ったモノです。

 

仕立てをお願いしている超ベテランの職人さんからも
『わたしの触った着物の中でも一番。』と言って頂いたこともありました。

 

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仙福屋御召/経無地御召』

 

そんな反物から少し経糸に変化を付けて、スッキリと文様を表に出しつつ、
地色の色味を柄の濃淡をそこまで付けず、あっさりと無地感覚に近い形で配色
したものです。

 

これに合わせる帯は・・・と考えると、総紗縫が真っ先に思い浮かびましたが、最近織った『南蛮七宝』のブルー無地もおもしろそうかな。。。?

 

IMG_2218.png

 

 

 

Pinterest
 ⇒http://www.pinterest.com/senpukuya5/唐長文様南蛮七宝/

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2014年04月10日

となみブルーの経を使って。

 

最後の3本、経糸がありましたので、通称『アリス帯』を織りました。

 

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総紗縫アリス帯

 

この帯初見の方に・・・

この帯は、『不思議の国のアリス』の英文を毛筆で書いてから、図案化、紋意匠図、
としたものです。筆のかすれ部分や力強さをそのまま、帯へ持っていきましたので、
POPさと日本の筆で書かれた繊細さの両方を持ち合わせた帯です。

 

元々は紹巴織で、緻密に再現しましたが、今回は全く同じように織るのは難しいので、
そこは割り切り、シンプルに紋上げを行いました。

その分、綟り織の透け感を利用しながら、紹巴織にない、軽やかが出たと思います。
よりPOPに。。。

 

2014年03月29日

青いバームクーヘン総紗縫(袋帯)。

 

前回、既にあるモノ(紋)を利用して総紗縫の新柄を織ろうと思いましたが、
見事失敗。
 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime/2014/03/post-1963.html

 

次はちゃんと修正したものを使い、製作してみました。

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作楽総紗縫/バームクーヘン』

 

ブルーの経にブルーの緯糸を使い、ほぼ何も加えず、シンプルに箔で上げました。
透け感重視の柄づくりです。

 

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綟り織で織ってるので角度によっても、色味が変わります。

 

『総紗縫』シリーズにはありそうあまりない、柄になったと思います。

2014年03月26日

復刻の総紗縫

 

総紗縫は年中使えて、袋帯の表と裏を選べてと、今では人気の帯シリーズですが、
このコンセプトが理解されるまで相当時間が掛かりました。

また織り自体が『綟り織』をかつて無いほど細く、横に通すのは、糸と箔を同時に
織っていきますので、織り手の根気が相当に必要なものでしたので、
当初は『もうやめようか・・・』というところまで、追い詰められていました。

 

その当時織っていた柄に関しては、ほとんどが廃版にしていて、新しいスタッフは
見たことがない柄も数多くあると思います。

 

そんな中から、一柄を復刻してみました。

IMG_1272.png

 

今の総紗縫との違いは、(柄は横に置いておいて)箔と糸との反転のみで柄を作っている所。
裏に渡る糸は全く使っていないので、総紗縫の中で一番シンプルな上げ方です。

 

ここから、地に通る糸の使い方、箔のつぶし方、さらに糸を加えて複雑な配色を可能に。
等々、現在の総紗縫の形になるまで、様々な技術を考えて加えていきましたが、
それら何も使わない、原型を今改めて見ると、反対に新鮮にすら見えます。

 

この帯自体はこれで非常に面白いと思いますので、またここから違う方向にもモノづくりを
考えても面白いかもしれませんね。

2014年03月10日

総紗縫、青の経

 

久々に総紗縫に青の経糸が掛かったので、
今まで織っていない柄を織ってみようと思い、試験を取りました。

 

結果は。。

IMG_1080.png

 

見事に失敗。

元々、この織物でこの柄を作った時は、紬糸を通して織る用にしていましたので、
今回は経糸が表にあまり出ず、柄が埋没してしまいました。

紋自体が違いますので、やってみて面白く上がればと思っていたら、思いっ切り、
面白くない失敗です。もっと青が全面に出る、とかではなく、色も柄も出ない、
非常に地味な感じです。

次はキッチリと紋を修正して出直します。

 

もう一つは。。通称アリス帯。

IMG_1074.png

 

こちらも予想とは違った上りになりましたが、銀の箔の上から黒い箔を重ねてみて、
どんな上りになるか、というのを試験しながら製作した帯でしたので、青の経だと、
色が濁ってしまい、惜しかったですが、こちらも出直しです。

今変えようと思っているのは、銀と黒の箔の通す位置を逆転すること。

おそらく、それで上手く行きそうなのですが。。。

 

といつもはこんな感じで、完成に向けながら試行錯誤を繰り返す毎日です。

 

2014年03月03日

アリス名古屋帯⇒総紗縫へ

 

週末にまだ雪の残る(雪祭り後)の札幌へ行ってきました。

 

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年間に少なくても1〜2回はお邪魔していますので、結構忌憚のない意見を頂けます。

帯の組織については専門性が高いので具体的なモノは少なくても、『もっと透け感がほしい』
『軽くして欲しい』等々はいっぱい色んな意見は頂けますし、色や柄に関しては、さらに
山ほど言って頂けます。

 

こういう関係を築くにはとても沢山時間が掛かりますので、本当に感謝しています。

 

その中から、帰ってきて一つ目に取り掛かるのは、このアリス柄の『紗化』。

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『アリス/作楽名古屋帯

 

紹巴織で織った柄を総紗縫に持っていくのですが、
普通にやってしまうと、①地色に対して箔のみで上げてしまう。ことでできるので、
そう時間は掛かりません。

 

色々やってみて、最終、そのシンプルさで落ち着くことも少なくはないですが、
この帯に関しては、不思議の国のアリス:英文を毛筆で書き、図案⇒意匠図へとしたもの、
ですので、筆のかすれ具合や力強さが欲しいので、②少し糸を使いながら、箔をつぶし、
地部分ももう少し何かしたいと思っています。

 

元々の『帯』がある方がモノづくりは難しいので、すぐ『はい、できました!』とは
ならないと思いますが、思い入れのある柄でもありますので、色も面白く、作っていきたい
と思っています。

 

久しぶりに移動移動でしたので、ちょっと腰は痛いですが、その分いい空気を頂いてます。

 

 

 

2014年02月25日

総紗縫を使って作ってみる。


ちょっとモノづくりから離れてしまいますが、総紗縫の生地を使って作ってもらった
モノが社内と一部Facebook等で人気です。

IMG_0868-3.jpg

総紗縫の仲間。。』

 

通常の帯地と同様、草履の花緒、バッグは当然作りましたし、
この総紗縫特長を活かした日傘や丸ぐけ等々、『しゃねこ』、『オッティ』等々、
生地の薄さとハリ、裏糸の処理等々で、ここまで扱いやすい帯地はそう無いです。

 

この『総紗縫』前提として、帯のむすび易さ、生地の扱い易さに反比例して、
織る技術は難しく、普通の織物では全く問題のない、糸の太細や箔のロットでも難もの、
B反となります。

そのため、生地の使い道が多い分、助かっていますが、何度やっても丸巻き状の帯地に、
ハサミを入れてもらうのは心が痛いです。

 

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ただ、最近は帯がこうなると、随分と癒されます。。。

 

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2013年11月20日

取捨選択してみました。

 

少し前に作っていた『総紗縫・黒』の新しい紋。

予想とはちょっと違った配色になりましたが、もう少し上の色を白くして、
微修正すれば、ほぼ完成です。

soushakuro.jpg

 

他の織物から総紗縫へ移行した柄なので、図案を作らなくて良いといえば
そうなんですが、元々あった柄から、大幅に取捨選択を行う工程はかなり
大変です。

 

楽に織れるようにと、簡単に柄や色を省いてしまえば、その柄にとって要素の
部分が無くなって、全く気の抜けた様な柄になってしまうこともありますし、
手を入れず、元の柄を残してしまえば、その柄を作る意味は薄くなるし。。

 

元柄の要素をじっくりと考え、それを活かせるようにしながらも
自分のモノづくりの色も出す、そんなバランスの上でのモノづくりです。

 

配色が完全には終わっていないので、偉そうなことは言えませんが、
今のところ、順調に上手く行っていると思う、帯柄です。

 

最近個人的にはこの『黒』箔を使ったものばかり使ったモノづくりが多いですが、
通常の総紗縫よりも一色少ない色。黒の箔に潰されてしまうので、使える色も
少ない。等々制限は結構ありますが、その中でできる事を考えていると、反対に
様々なアイデアも出てきますので、これはこれで楽しいもんですね。

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2013年10月05日

花火か綿毛か。

 

総紗縫・黒を生かして、思いっきてお太鼓柄にしてみました(今はまだ目出しです)。

柄は、黒を感じられるようにタンポポの綿毛が飛んでいる所。
(元は詩情 夢二より)

 

DSC00051.jpg

『総紗縫・黒/たんぽぽ』

 

季節を言われそうですが、頭のなかには線香花火をイメージしながら制作していました。
(そうなると、もしかして夏かな・・・?)

帯的には、黒の経糸に黒箔で遠くに飛んだ綿毛(もしくは花火の花)を作って、
近くの部分には、わずかにベージュが混ざった白。さらに近くには、暗い所で光る蓄光の糸を混ぜました。

今織り上がっている総紗縫の帯からすると、圧倒的にシンプル過ぎて、
目立つかもしれませんが、両面使える総紗縫からすると、片方はこの柄でもイイ!
と言って頂ける人、いるんじゃないかな?と期待しています。

見た目非常にシンプルでも、個人的にはとても満足度の高い上がりになったと思います。
もうそろそろ、一本目は上がってくると思いますので、もし見られた方、じっくりと見てくださいね。

心配は、結構地が空いている部分が多いので、経糸に無理がかかり、織りにくそうなこと。
一本織って、終了。という自体にならないように、まず後は祈るだけです。

2013年09月12日

『黒』で

 

総紗縫の中で、少しだけ新しいモノづくりを進めているのが、
総紗縫・黒』。『くろ』と言う人もいれば『ブラック』という人も。

そんな帯は、帯に織り込んでいる『箔』が特長で、『黒い箔』を使います。
その辺りは、以前の記事で書いていますので、ぜひ興味のある方はコチラへ

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『総紗縫・黒/丸い月』

 

織る方からすると、余分に一色掛けないと、通常の総紗縫の表現力に負けるので、
その分、手間と頭を使いますが、織り上がった帯は、他の総紗縫に混ざっても、
目立ちます。

 

今、図案を製作しているものは、『詩情 夢二』シリーズで、こんな図案を作っています。
IMG_1700.jpg

 

もう随分と前から製作に掛かっていて、もう少しで紋も完成⇒試し織りとなりますが、
黒の無地スペースの使い方で、大きく印象の変わる帯ができると思います。

これは完成したら、ぜひ見てもらいますね。

 

一番最近の上がってきた『黒』は、こんな柄。

L1710032.jpg

 

これは縦に並べた白が図案を見た段階から、頭に残っていました。
これを表現したくて、白を綴る糸を僅かに粗く、地色はグレーでなく、黒を使い表現しています。

 

総紗縫の表現が一つ広がった『黒』です。

 

『白』というのにも、挑戦したのですが、全てが白くなりすぎて、上に乗せる柄が困難です。
それも今のところですので、ボチボチと試行錯誤しながら、いいアイディアが上から落ちてくるまで、
気長に試行錯誤を続けていきたいと思います。

 

 

 

 


 

2013年09月08日

透けすぎない紗。

 

 

涼しいところに出張へ出てきていますが、

総紗縫に紬を足した『紗楽』。とても人気です。

 

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『紗楽+東郷大島』

 

昔からあった織物は織物なんですが、総紗縫くらいの紗目と紬が合わさると、
透けているのか、透けていないのか、良くわかないくらいの透け感が、イイです。

色目も織る前の段階の糸のままで見ると、『えっ』という程の色なのですが、
透け感で全て丸く収めてくれます。

 

以前、紗楽の前に、総紗縫+紬をさらに組織を変えた『燦々』というシリーズを
作っていましたので、再度復活させても面白いかな?と思います。

 

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『燦々/ペイズリー』

 

この時は、少し緯使いを変え、長さも長く織って名古屋帯にしていましたし、
今度は袋帯で。。。

 

まだ、紗楽自体も始まったばかりなので、ゆっくり考えながら進めていきたいと思います。

 

 

2013年08月22日

うず1。

 

今後の事も考えて・・・。

ちょっと試作を作ってみた渦です。

 

紹巴織、総紗縫、風通、錦、畦、緞子、紗紬、纐纈・・・?

などなど、考えられる織組織は山ほどあって、おそらく全て違う雰囲気に

なってくれそうが、今回は『総紗縫』で。

 

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『総紗縫』

 

綟り織だけに、裏を渡る糸が透けますので、その糸も渦が効果的に見えるようにしています。

それに加えて、地の部分は『総紗縫・黒』で製作した箔を通して、

その上から濃茶の色糸を通しています。

 

渦を作る箔を目立たせ過ぎないように、地を作る糸には黒でなくて、茶を使っていますが、

箔は黒いので、帯を結ばれた時、見る角度や動きによって、一瞬黒がじわ〜と出てくると、

考えています(一本織れた時に確認してみます。)。

 

今までもバームクーヘンアフリカの渦等作ってきましたが、その中でも一番小さく、

色も一番控えめなモノです。

 

しばらくはこのシンプルな『渦』にハマってみようと思います。

 

2013年07月01日

オッティを積んでみる。

 

明後日から出張へ行ってきます。

そこで、沢山のオッティを持っていこうと、並べ方を考えてたら、

組体操のように、が良いかなと思います。

 

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『お父さんオッティ(大)』

一番下の列は頑張って支えていますが、ちょっと可哀想かも。。

 

 

このオッティ、大、中、小、といますが、

一本の帯地で数個(1個に近い方の)しか取れませんので、

原価計算をしていくと、凄いことになりそうですので、

現状のところ非売品です。

 

しゃねこ、だったりと帯地で楽しめるのも、

この総紗縫の薄さだからこそですね。

 

最後はCMでした。。。

2013年06月25日

経の犠牲の元にできた総紗縫。

 

先日出来上がった『総紗縫+麹塵染』。

 

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特別なものが上がってきました。

 

となみ織物の看板帯シリーズを2つ掛けあわせたものです。

 

色の変化する糸は、通常横だけに入れますが、

今回のものは、経糸にも入れてみようと、織ったところ、相当織り難く、

どうしても無理でした。

 

原因としては、

総紗縫も特殊な組織ですが、経糸を綟る『紗』ですので、

経糸の隣同士を交差させいくのを繰り返して織り進めます。

 

そのため経糸が動かない通常の織り方とは違った負担が経糸に掛かる上に、

これまた通常の染めとは違う麹塵染の糸とではどうしても上手く行かず、

数本を織った段階で断念しました。

 

大部分が残った糸は、非常に勿体無いですが全て裁断。

原料は無駄になってしまします。

 

お蚕さんから始まって、糸を紡いで、練って、染色して、整経して、

すべてが無駄になるのは、心も痛いですが、そんな超が付くほど繊細な糸を使って、

数本でも織ってもらえたことは、本当に有難いです。

 

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『総紗縫+麹塵染』

 

緯糸にも経糸にも麹塵染が入っていますので、総紗縫の透け感と合わさって、

色の深みと浮遊感を感じる帯になっています。

 

今後は緯だけのモノとなりますが、それでも織れるまでに様々な山を超えていますので、

大事に育てて行きたいと思います。

 

写真の帯は、額にでも入れておきたいですが、

帯の立場としては結んでもらわないとダメですよね。。。


 

 

 

 

※総紗縫という織物は非常に繊細な織物ですので、キズとなることが通常のモノよりも、

10倍近く多いですし、何か新しいことをすると、10のうち8,9は失敗します。

以前も雪輪柄で、織るには織りましたが、ほとんどキズ物になったことを思い出してしまいました。

 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime/2012/06/post-1700.html




2013年06月24日

御召の絵羽

 

上がりたてホヤホヤの御召の絵羽。

 

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『仙福屋の御召絵羽(単衣袷)』

 

着物という意識を少し減らして、無地っぽい帯を作るつもりで配色しました。

柄はコヅキですので、光の照り方で(裾の方にかけてボケていますが、同色です。)、

無地っぽく見えたりと随分と印象が変わります。

 

色味は、生成りの地にグレーで地紋を作っていて

淡い淡いグリーン系の色目でボカシを作っている、そんな着物です。

 

たまに総紗縫等でやる配色、

L1680053.jpg

 

地と段とがお互いを干渉するような配色で配しておくと、

単なる一色で織ったときよりも、共鳴してくれます。

 

上写真の御召生地だと、光を受けて特に表情が変わりますので、

地が段がオーロラのように、不思議な感覚を作ってくれる(予想ですが)はず、

です。

 

また、仮絵羽段階で市松に取ることも出来ましたが、少しその辺りも変化させていますので、

もし、実際に見られた方は、細かい所にも注目してみてください!

 

優しい着物ができてきて、嬉しいです。

 

 

2013年06月12日

+汕頭

 

『作楽』で織っている総紗縫の上に汕頭刺繍を施してもらいました。

 

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帯作りしている側にいますので、あまり後から帯の上に何かをするのは、

非常に嫌いでした(会社は置いておいても、自分のは特に)。

 

ただ、自分のモノがベースになり、人の手が加わり、良い価値が付加されて、

それをお客さんに喜んで頂けるのを見ると、(ちょっとずつですが)『それも良いかなぁ』と

思えるようになって来ました。

 

 

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『総紗縫PREMIUM1/総紗縫+汕頭刺繍』

 

この帯もそうなってくれるように祈りながら、上がってきた帯を見ていました。

 

 

今でも自分が関わった帯が変になるのは、落ち込むくらいイヤです。。。

今回は、大丈夫かな?

2013年05月31日

特別なものが上がってきました。

 

6月発表予定の帯が上がってきました。

 

IMGP0391.jpg

総紗縫麹塵染

 

できそうで出来なかった・・・。

総紗麹塵です。

やっと発表できました。

 

織る際の糸種、

織った際の見え方等々の検討に時間が掛かり、

手が届きそうで、そこまでもうちょっと、で止まっていましたが、

まずは5柄ほど発表できそうです。

 

紗独自のすけ感に、麹塵染独特の色が加わり、

面白いものに仕上がっていると思いますので、ぜひ実物を見て頂きたいですね。

2013年05月09日

せかいじゅ

ケルト文様をさわっていると、『世界樹』というが出てきます。

随分と前に作った総紗縫の柄にも、樹の下で聖獣がいる『樹下双獣文』

がありましたが、これもまた『生命の樹』と、生命を象徴する柄です。

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Celtic/世界樹』 FB⇒http://bit.ly/2y31xPr

モチーフのテーマが大きいのもあって、なかなか崩すのが難しいですが、

先日図案家に書いてもらったものは、可愛らしい雰囲気ものでした。

まだ、配色が完全でないので、その枝と葉っぱだけですが、新しい織も交えて、

こんな感じです。

IMG_1125.jpg

ここからは生命全体を支える気みたい壮大なものは、感じませんが、

この帯を見た時に少しでも元気になってもらえる、個人を少し支えるくらいの

樹になるような帯にしたいものです。

経糸の関係でもう少し配色を試してから本番に入りたいと思います。

2013年04月30日

帯地の小物。

 

総紗縫という織物は、『紗』という織り方ですが、

特殊な織物ですので、普通の織物の機では織れません。

 

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『彩/総紗縫』

 

特殊な装置に、職人の特殊な気の使い方が必要な織物です。

ほとんどの織物も特有のクセがあるので、この紗だけ難しいとは、

言えませんが、違うのはどれだけ慣れても、素材の箔と綟りとのバランスが

上手くいかないと、熟練の職人でもキズ物を出してしまう所です。

 

おそらく社内で一番難率が高いもので、ずっと綺麗に織れていて、

最後の最後で僅かにキズになったものなど、本当に勿体無いです。

 

そういう生地は、鼻緒やバッグを作っていますが、

丸巻きや反物の段階のものにハサミを入れるのは、今でも緊張と心が痛みます。

 

IMG_1085.jpg

 

生まれ変わったバッグを見て評判が良いと、

嬉しいので、その帯地にハサミを入れる感覚と、緊張感は持ちながら、

これからも作っていきたいと思っています。

 

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『総紗縫バッグ/ダテ』

 

キズ物がでなくなれば、

おそらくこういうバッグなども作る頻度が減ります。

 

その『良い物作らないと。』と思う緊張感も必要かな・・・。

 

 

2013年03月26日

こんな帯が上がってきました。

 

今までは総紗縫や上品綟といった帯に多かった、

『+汕頭刺繍』ですが、今回は捩り織ではない帯に行いました。

 

今回、ベースとなる帯の製作に多少関わったので、

とても気になる一本です。

 

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神坂雪佳の世界『海路横段』×汕頭刺繍

 

 

単純に全部を刺繍するわけではなくて、横段に柄に応じているので、

(地がそのままの部分に刺繍を施しました)

動きのある帯になっています。

 

ちなみに、経糸は一切キズつけられず、このようになっています。

 

L1230860.jpg

 

この織物自体、経緯のバランスが非常に繊細な織物ですので、

このように経を綺麗に出すとなると、相当の注意を払わないと、

筋が入ったように見えます(キズです)。

 

ですので、この帯上がってきたばかりの帯を見た時は、

帯一本の長さ(約4m40cm)をずっと一人の職人さんが同じ手で、

高い集中を持って、刺繍を施していく、その姿が目の前に浮かんで来ました。

 

日本もそうですが、段々と腕の良い職人さんが、色々な事情で減っています。

いいものを作るのも残すのも本当に難しい時代ですが、

可能な限り、やって行きたいと思います。

 

 

 

 

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