2011年07月20日
色の選択。
相当、久しぶりに『総紗縫』の新柄を作りました。
といっても、見覚えのある方もおられると思います。
この左上の帯です。
この時に載せてた3本の帯に関しては、今でもとても人気があって、
私もこの個性的な配色の組み合わせは、とても好きです。
そのうちから、一番『総紗縫』にし難い柄を選んで、紋図を作り、
時間は掛かりましたが、帯になりました。
総紗縫か紹巴織のどちらが良いかは好みの問題もあるので、
それは置いておいて、見てもらいたいのは、色の取捨選択です。
シンプルに上げてしまうのも、それはそれでありですが、
この柄に関しては、『紗っぽくない』と見られたかったので、
随分と色んなことをしてみました。
まず、基本的に総紗縫の土台は、箔を中心とした単色です。
イメージは、白黒テレビかな。
通常であれば、そこに横糸(緯糸)で色を差していきます。
この段階で、取捨選択の下手な人がすると、柄に印象の残らない、
その他大勢の帯になってしまいます、、、
この帯は、その白黒の段階から、織りに変化を付けているので、
イメージで言うと、白黒+グレー4色くらいになっています。
さらに、経を染め分けしたり、緯糸の入り方にも工夫を入れて、
総天然色までは行かないまでも、制限の中で作っている帯には、
見えないと思います。
そんな風にして製作した久々の総紗縫の帯ですので、
手間を掛けた分、人気が出てくれると嬉しいですね。