2020年8月24日 15:54

白を白く/日本画家『中野大輔の世界』 No,4

ようやく完成しました。
中野大輔さんの作品をモチーフにして制作する袋帯。

蝶々、木蓮、サイくんに続き、4柄目となります。
織りは紹巴織になります。

nakanodaisuke-no4-01.jpg

この袋帯は、昨年嵐山で開催された展覧会で見せて頂いた作品を元に制作。

nakanodaisuke-no4-02.jpg

100畳を超える畳の間に、展示されていた作品。
使用されている銀箔が周囲の色を映し、なんとも言えない存在感が印象的でした。

【配色】
デザインに関しては、詳細な作品のデータを頂き、それを元に図案⇒設計を行っています。
最初の帯と比較して、順調すぎるほど上手く行きましたが、一番問題で引っかかったのは、地色。
ここが最後まで決まらず、試験織を繰り返し、イメージに近づけています。

◎一枚目
nakanodaisuke-no4-03.jpg

ここで一発で配色が合うことはほとんどなく、紋にキズが無いか。
ぼかしの具合などのチェック。

◎2回〜数回
nakanodaisuke-no4-04.jpg

地以外の配色を調整。
本来は地と並行して配色を行っていきますが、イメージが合わず。
まずは柄部分だけでも調整(全体が思い通りにいかず、多少焦る)。

◎軌道修正
nakanodaisuke-no4-05.jpg

糸だけでは、地の白さがイメージ通りに行かず。
素材を加える、具体的には金銀糸を入れる(写真上は多少金の色が挿す色目)。

◎ほぼ完成

nakanodaisuke-no4-06.jpg

銀の割合を減らし、糸の白さと銀の白さを合わせることで、より白い色をつくる。
この新しい地色に合わせた、柄部分の配色に調整。

ようやくお披露目できそうで、ほっとしています。
次は名古屋帯・・・、袋帯も2本、ここまでが今の段階でイメージが出来ているところです。

また、紹介したいと思います。

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