2019年4月 3日 21:30

夏実験『影牡丹唐草に天平大雲』

◯夏物帯の特性
夏物は、地の織りを経糸通し綟るため、透け感がある。
そのため、柄を上にのせると糸が渡ります(表から見ると、糸が透けて見える)。
織物で織った夏物らしさでもあります。
ただし、多すぎると帯が重くなったり、糸が絡むことがあるので、それもほどほど。

IMG_3242.jpg

◯実験的な要素もありつつ制作。
今回、実験的に進めて織っているのが、この影牡丹唐草に天平大雲の帯。
織りは、隣り合う経糸同士を綟り製織して透け感をつくる上品綟。

デザインは、地の部分に影牡丹唐草。僅かな糸の濃淡で表現しています。
そして、柄の部分には天平大雲。
となみブルーを大胆に使い、透け感を消さないように迫力を持たすようにしています。
これが下手をすると矛盾してしまうので、微調整するところです。
(今回の試験でも、それを見るのも目的。)

◯ちょっとマニアックですが・・・
今回は、従来の上品綟では難しかった、柄の表現になります。
一色を大胆に帯幅いっぱいに広げる、簡単にいうとこの表現が非常に難しい織物。
それを実験的に行ってみました。

結果は、写真の通り。
今のところ、成功だと思います。
これから帯として、ちょこちょこと手を入れていきたいとおもいます。

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