2017年9月26日 22:47

雀型七宝(名古屋帯)完成→次のモノづくりへ

やっぱりこの雀型七宝の名古屋帯、大変気に入っています。


48FE5A2C-E6EB-4B60-8508-97A8589789BD.jpeg
『唐長文様/夏藍大島 × 雀形七宝/彩綾(経箔)』
写真はInstagramから

1,帯を作った後の話として(自分の一般論)
まず自分が制作に携わったモノは、ほぼ例外なく気に入っています。
もし、出来があまり良くないと感じるモノがあったとしても、
意匠図の段階(大抵はここで修正を図る)の次、試験織までしか進まず、
本番の帯としては織りません。

それとは反対に、この帯上手くいったから、大好き。そんな帯ももちろんあります。
これには、手に手を加えてこれでもか〜、ととことんまでやり尽くしたモノもありますし、
意外なほどスーっと進んで完成した帯。そんなこともあります。
手が込んで時間が掛かったから、とは一概にいえません。


今回紹介するのは、どちらかというと前者。
でも、手を入れまくった、大変苦労した、様には見えない帯。
だからこそ、特に目立って好きなのかもしれません(そこまでは自分でもわかりません。)。

ちなみに、この帯、この日記、FB、インスタ等色んなところで紹介していますので、
覚えておられる方もおられるかもしれません。


一応、モノづくりの説明しておくと、経糸に箔を使った、いわゆる『佐賀錦』です。
経箔のお陰で、たとえシンプルな意匠だったとしても、表情を与えることができる。
そこをどう十二分に発揮させるのか?がモノづくりのポイントになる帯です。

さらに、織組織として、拘りを持って手を入れているのは、この地紋部分です。
かなり近くに寄らないと気付きませんが、箔を地紋に使うため、表面に箔を出しながらも
逆に光り過ぎない様にバランスよく考えて、糸で綴じています。

19DAD67F-8A1E-4D32-BFAF-05606D8AE458.jpeg
『雀型七宝の名古屋帯/箔が見えるまでアップ』

また、帯一本全体にわたり横段があります。
その巾には、文字通りドット単位で気を払い、お太鼓にしても、
お腹部分にきても、どんな身長・体型の方に結んでいただいても、美しく見えるように。
考え抜いて拘っています。

見た目はとってもシンプルですが、手間と気と、大量の時間を使って制作したため、
完成した瞬間から、仕立て上がりが待ち遠しい、楽しみで大好きな帯になりました。


おそらく、今後作る帯づくりの大きな参考にもなりますので、
『この帯、やっぱり良いなぁ。モノづくりは素晴らしいな。』と、
プラス思考に持っていくためにも、できるだけ横に置いておきたいと思います。

<<前の記事   次の記事>>

検索

LINE@はじめました
友だち追加

最近の投稿

五代目日記 一冊目