となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

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2011年07月20日

色の選択。

 

相当、久しぶりに『総紗縫』の新柄を作りました。

 

R0013360.jpg

 

といっても、見覚えのある方もおられると思います。

 

この左上の帯です。

 

新号広告・織の旅人.jpg

織の旅人(紹巴織)

 

この時に載せてた3本の帯に関しては、今でもとても人気があって、

私もこの個性的な配色の組み合わせは、とても好きです。

 

そのうちから、一番『総紗縫』にし難い柄を選んで、紋図を作り、

時間は掛かりましたが、帯になりました。

IMG_0435.jpg

 ↑『今でも使っている昔の紋図です。

 

総紗縫か紹巴織のどちらが良いかは好みの問題もあるので、

それは置いておいて、見てもらいたいのは、色の取捨選択です。

 

シンプルに上げてしまうのも、それはそれでありですが、

この柄に関しては、『紗っぽくない』と見られたかったので、

随分と色んなことをしてみました。

 

まず、基本的に総紗縫の土台は、箔を中心とした単色です。

イメージは、白黒テレビかな。

通常であれば、そこに横糸(緯糸)で色を差していきます。

 

この段階で、取捨選択の下手な人がすると、柄に印象の残らない、

その他大勢の帯になってしまいます、、、

 

この帯は、その白黒の段階から、織りに変化を付けているので、

イメージで言うと、白黒+グレー4色くらいになっています。

 

さらに、経を染め分けしたり、緯糸の入り方にも工夫を入れて、

総天然色までは行かないまでも、制限の中で作っている帯には、

見えないと思います。

 

そんな風にして製作した久々の総紗縫の帯ですので、

手間を掛けた分、人気が出てくれると嬉しいですね。

 

 

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