2022年4月12日 21:00

『無地の帯』総紗縫

個人的にも思い入れのある『無地』の帯。
字の通り、柄が無い帯になります。

帯は柄や色で見せるもの。
と考える西陣の場合、ほとんどの場合、無地は袋帯の裏地に使われます。名前も裏無地に。
他産地では、自然布、たとえば藤布や紙布などは柄がない場合でも、表地です。
ちょっと羨ましいです。

そして、総紗縫は両面結べる帯です。
表地同士を合わせて仕立てをします。 そのため、あまり裏表の概念がない不思議な袋帯になっています。

IMG_8331.jpeg

総紗縫の歴史を考えると最初の頃から、無地はありました。
敢えて無地を選ぶ理由は、価格的なことじゃない理由も多くあります。

たとえば
片面が好きすぎて、おそらく一面しか結ばない方
どうしてももう一方が選べなかった方
すでに総紗縫の帯を3本くらいお持ちの方で、敢えて無地にする方。
などなど 積極的消極的、両方の理由で選ばれる方がおられます。

また無地ですので、表の色数だけ裏無地の色も製織しています。
表と同系色にされるのが、基本。
ただ、帯が透感を持っているといっても、帯芯が入るため、 表と全く違う色、
たとえば表:黒、裏は黄色など。

チラッと見えた時のお洒落など選ばれる方の好みで、
思っている以上に色を変えて遊ばれる方は多いです。

普通、帯を選ばれる際は、当然表地がメインで話が進んでいきますが、
この総紗縫の場合、裏地で語ることが沢山あります。他には、あまりないかもしれません。

こんな感じで、ちょっと変わった面白さを持った帯、 なかなか楽しいです。

◼︎帯を流す/総紗縫無地
 →https://youtube.com/shorts/Ie_ls1F2NXc?feature=share

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