2020年5月31日 16:55

南蛮七宝の衿

現状の業界と関係する話になりますが、
となみ織物では、帯づくりのスピードを急減しています。
(図案制作、紋づくり以外は大減速しています。)

他産地、例えば白生地の製織は、
今から機を止める、生産をストップする話も聞くことが多くなりました。
業界自体が、これまでも厳しい状態があった上、さらに、これからどうなるのか。
かなり不透明です。

そこで、その空気をできるだけ薄めようと、
(まず周りから)少しでも明るくしようと、あれやこれやと帯以外のモノも制作しています。
その一つが、機場の応援の意味も込めて制作している「半衿」。

DSC06543.jpg
南蛮七宝の織り半衿

本番が、ようやく完成しました。

このモノづくりも、糸繰り・整経・製織、精錬(絹のセリシン等を落とす)など。
様々な工程があります。
現状、この衿のモノづくりの場合、最後の工程、精錬段階で非常に時間がかかり、
反物が織り上がっていても、そこから足踏み状態。
なかなか完成しません。

どの産地も分業が進んでいるため、
どこか一つの工程で止まったり、不都合があると、製品として仕上がらない。

着物の産地の多くはそんな状態ですので、
あれやこれやのモノづくりをしながら、似たような問題にぶつかりながら、
進めています。

とにかく、まず一つ完成しましたので、
少しホッとしながら、次のモノづくりも仕上げていきます。

<<前の記事   次の記事>>

検索

LINE@はじめました
友だち追加

最近の投稿

五代目日記 一冊目