2018年6月 4日 20:30

5月末、撮影の続き・・・/白々の帯

前回の続き・・・。
このコーディネートは、帯について自分の言いたいことが入っています。
(偶然にも)

L1009239.jpg
『夏の着物に白々の帯』

それは、白々の帯(雲龍錦)。
写真の帯は夏や単衣物に合わせる帯ですが、袷物にも白々の帯を今まで作ってきました。
帯単体で見てしまうと、色が少ないので、『なにかモノづくりをサボった感じがしてしまう』
と自分たちでも思ってしまうこともありますが(苦笑)、実際は白々だけにかなり拘っています。

経糸も緯糸も基本的に白の帯のことを、そのまま白々(しろしろ)と言っていますが、
同じ糸を使って作るのではなく、濃淡を付けています。銀糸を通して素材感を変えたり、
そもそもの織組織では、変わり織りを使ったり。

今回では経糸に銀糸と絹糸を両方使い、織り上がってからそれらを揺らすことで変化を付ける、
織り方を採用。白々だけに変化を付けようとしています。

そして、その帯をコーディネートする。
単体で見ているのと、着物や小物の色が入ってきて、帯が平面ではなくて、立体になると、
今まで目立たなかった拘りが、ふわ~っと出てきます。

そこに行くまでは、なかなか良さが伝わりにくい、ある意味難しい帯ではありますが、
今回みたいに、合わせることができると、着られる方、周りで見ておられた方、ほぼ例外なく
その良さが伝わりました。

その瞬間、やっとモノづくり報われる。
長い時間は掛かりますが、そんな帯が白々の帯です。

特に、夏物の白々は透け感も、そこに加わって、さらに綺麗でした。

ちなみに、手に持たれている小物は
新作の『夏数寄屋袋/総紗縫』、でした。

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