2017年3月29日 20:30

まずは一本だけ仕上がり/小千谷紬の男物作り。

いつもの縮緬や御召をさわっている立場からすると、この生地は「おっ」という特別感がありました。
生地は、小千谷産の絹の『手もみ上布』、夏物です。

IMG_0683.jpg
『小千谷紬で南蛮七宝の男物』

この反物は、「しぼ感のある」白生地を板に張って、南蛮七宝の型を置いて、染め柄付けします。
こんな風にサラッと書くと簡単にできそうですが(苦笑)、2つ完成するまでに難関がありました。

一つ目
この生地の「しぼ」は非常にボリュームがあるため、型を置くとフワッと浮きます。
そのため、今回の様なハッキリとした南蛮七宝を表現するには、難易度が高いです。


二つ目
生地が夏物。見た目だけでなく、実際に生地が透けているため、染料が通ってしまいます。
そのため、染料や糊が生地下の板に落ちて付き、反物一反を染める都度、
その板を毎回洗わなければいけない(同じ色だとしても、これは同じ・・・)と、
大変な染め屋さんには大変なご迷惑をお掛けした、モノ作りです。

イメージとしては、こんな感じモノづくりをしています。
(今回は撮影できていませんので・・・、すみません。)

17800458621_b3656198bf_k.jpg
(板場のイメージ/写真は『仙福屋の帯揚げ』を染めて頂いているところです。)

そして、完成→仕立て後は、実際に着てどうか?
(これもある意味、最後の工程になります。)

また今回は初めて使う生地なので、、検反後に仕立てをして(間違いなく大丈夫だと確信するため)
着心地のチェックをします。特に夏物の場合は、生地が薄いため、念入りにチェック検品します。

次を染めて、すんなり新しいラインナップになるまでは、
もう少し(上に上げたような)時間と改善しなくてはいけない問題点はあります。
ただ、手の上で反物の風合いを確かめている段階では、かなり良い感触なので、
大きな問題があったとしても、コツコツやっていきます。

今年の夏、ほんの数人の方にでも、着て頂けることを目標に、
丁寧にかつ急ぎながら(笑)モノ作りを進めていきたいです。

小千谷の南蛮七宝
 →http://www.kyo-tonami.com/mt/mt-search.cgi?IncludeBlogs=14&search=小千谷

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