となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

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2014年03月26日

復刻の総紗縫

 

総紗縫は年中使えて、袋帯の表と裏を選べてと、今では人気の帯シリーズですが、
このコンセプトが理解されるまで相当時間が掛かりました。

また織り自体が『綟り織』をかつて無いほど細く、横に通すのは、糸と箔を同時に
織っていきますので、織り手の根気が相当に必要なものでしたので、
当初は『もうやめようか・・・』というところまで、追い詰められていました。

 

その当時織っていた柄に関しては、ほとんどが廃版にしていて、新しいスタッフは
見たことがない柄も数多くあると思います。

 

そんな中から、一柄を復刻してみました。

IMG_1272.png

 

今の総紗縫との違いは、(柄は横に置いておいて)箔と糸との反転のみで柄を作っている所。
裏に渡る糸は全く使っていないので、総紗縫の中で一番シンプルな上げ方です。

 

ここから、地に通る糸の使い方、箔のつぶし方、さらに糸を加えて複雑な配色を可能に。
等々、現在の総紗縫の形になるまで、様々な技術を考えて加えていきましたが、
それら何も使わない、原型を今改めて見ると、反対に新鮮にすら見えます。

 

この帯自体はこれで非常に面白いと思いますので、またここから違う方向にもモノづくりを
考えても面白いかもしれませんね。

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