2013年04月30日
帯地の小物。
総紗縫という織物は、『紗』という織り方ですが、
特殊な織物ですので、普通の織物の機では織れません。
『彩/総紗縫』
特殊な装置に、職人の特殊な気の使い方が必要な織物です。
ほとんどの織物も特有のクセがあるので、この紗だけ難しいとは、
言えませんが、違うのはどれだけ慣れても、素材の箔と綟りとのバランスが
上手くいかないと、熟練の職人でもキズ物を出してしまう所です。
おそらく社内で一番難率が高いもので、ずっと綺麗に織れていて、
最後の最後で僅かにキズになったものなど、本当に勿体無いです。
そういう生地は、鼻緒やバッグを作っていますが、
丸巻きや反物の段階のものにハサミを入れるのは、今でも緊張と心が痛みます。
生まれ変わったバッグを見て評判が良いと、
嬉しいので、その帯地にハサミを入れる感覚と、緊張感は持ちながら、
これからも作っていきたいと思っています。
『総紗縫バッグ/ダテ』
キズ物がでなくなれば、
おそらくこういうバッグなども作る頻度が減ります。
その『良い物作らないと。』と思う緊張感も必要かな・・・。