2017年5月10日 23:33

りんぐ大島紬。特にレアな夏物も、かなり合わせやすい。

逆の方も多いとおもいますが、私の周りには結びたい帯を選んでから着物を合わせますし、わたしもそのコーディネート方法を基本的には押します。その理由は、TPOや目的に合わせたコーディネートを作り易いから、というのと、どこまで行っても自分は帯屋なので、『この帯を結びたい。』そんな気持ちが先に出て、『きもの』を着てもらいからです。やはり周りもそんな人が集まります。

そんな帯屋がモノづくりに関わりはじめた、着物の一つが『りんぐ大島』。今では原料も稀少で綺麗に織ることのできる職人も少ない、手機りんぐ大島。西陣とは遠く離れた奄美大島で制作しているので、なぜ?と聞かれ、理由も色々ありますが、その中の一番は『帯を活かすため』です。帯を上手く活かすことができれば、(自信を持って)帯は間違いないですので、自然と着姿は素晴らしいモノとなります。

そんな『りんぐ大島』の夏バージョンが上がってきました。袷物の製織も大変ですが、この夏はさらに原料の糸が伸び織るだけでも一苦労・・・。モノづくりの大変さは文面で伝えるのは難しいですし、大変大変と言うよりも、着てどうなのか?ですので、大変さはこれくらいにしておきますね。写真で伝わるかは分かりませんが、極めて淡いベージュ(生成り)色にドットの様な絣糸で縞を出しています。

L1002296.jpg
『りんぐ大島の夏』

これだけシンプルなモノなので、帯を受け入れてくれる巾がとても広い。上品綟の個性的な大柄でも、若冲の個性的なお太鼓柄でも、帯もシンプルに総紗縫(両面ともコーディネートできそう)でも。なんでも行けそうです。そして、裾捌きは紬の良さにりんぐ糸のストレッチ、着易さ・・・。とイメージが勝手に膨らんでいきます。

こういう着物の場合、着るモノ選択のとき、帯先でも、着物先でもどちらでも基本OKです(譲ります)。そんな風に感じられる着物だからこそ帯を活かすために、延いては着姿全体のため、帯屋がこだわり続けてつくる着物なんだな、とつくづく思いました。

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