となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

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2012年08月10日

そうしゃぬい。

 

総紗縫の素材実験でそのまま帯になりそうでしたので、

帯にしました。

 →http://www.kyo-tonami.com/godaime/2012/07/post-1702.html

 

IMG_6250.jpg

 

短い目出しの段階では、気が付かなかったことが、帯一本で見ると、

『あれ?』と感じる所が沢山みつかります。

 

今回、この柄を帯化するにあたり、僅かではありましたが、改善箇所を

修正していますが(ほっておくと糸が抜けたり・・・)、

柄の感じは、ほぼ素材実験のまま、となっています。

 

実験の際も、様々な太さの糸を入れてましたので、その準備として、紋柄の筋は、

単純な直線ではなく、凹凸を付けて、他種類の糸に対応できるようにしていました。

 

その真っ直ぐではない所が功を奏して、可愛い味になっています。

 

IMGP9074.jpg

作楽総紗縫

 

 

世間には、この柄に似た感じのものもありますが、平織りで

残糸を使って横段を織っていくので、偶然性を特徴にしたものがほとんどです。

 

それとは違い、この総紗縫柄は、色や糸の違いによって、経糸での綴じ方を『紋』で

一つずつ変えていますので、計算して偶然性を作り出しています。

 

『当たり』といえる偶然が出るまで、

試験を織っては修正、織っては修正の繰り返しをしますが、

その分、シンプルな柄なのに、奥行きと面白さを持っていると思います。

 

最初の一本は、全通で織りました。それはそれで良かったのですが、

さらに面白みを足したくて、お太鼓のタレ部分には、一本だけ筋を入れました。

 

IMGP9059.jpg

 

『無地でも良いかな』と少し悩みましたが、比較すると、

こちらの方が自分の好みでしたので、これから織るバージョンも、一本筋です。

 

仕立て上がって、着物に合わせると、また良さが引き出されそうな柄なので、

今度は結ばれた所が見たい帯の一つです。

 

 

 

 

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