となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「雪佳」と一致するもの

2015年05月25日

過去の難問 その1

 

まだ若かりし頃(笑)、途中まで製作した雪佳の総紗縫。

総紗縫の初期の方に製作したモノで、途中そのときの限界を感じ、しばらく寝かしておいた
モノづくりです。

 

スタッフから
『雪佳の総紗縫って作らないのですか?』と聞かれ掘り出してきました。
(先週掘り出して、目出しまでは織りました)

 

なにが問題か?というと、
単純に製品として織れない。そんな難問です。

DSC05302.jpg
『八橋/神坂雪佳の世界/総紗縫』

 

ブルーで織ったカキツバタの花の部分、ここの上げ方も相当怪しいモノですが、まだ比較的マシです。
他の部分の白濃淡は、織ってみないと分からないものの、おそらくこのままではキズだらけになります。

 

最後まで完成せず、止まっているのが改めて納得する状態です。

 

完成までまだまだですが、この柄の総紗縫がお太鼓にきたら、間違いなく素敵な着姿になります。

それを頭に置きつつ、心が折れないように、紋を修正していきたいです。

 

 

タイトルに『その1』と付けたのは、まだ同じ時期に同じく雪佳の総紗縫で止まっているのが、
この柄を入れて3柄あります。

 

今後、まとめて全部上手く行くかもしれないし、2柄だけかもしれない。
そんなのも抱えています。

2015年05月23日

雪佳本袋。その一

神坂雪佳の世界より

雪佳が渡欧した際に見ていた海を図案化した『海路』。
今まで八寸名古屋帯で製作したり、紹巴織や雲龍錦で袋帯を製織していました。

 

今度は『本袋』で挑戦したいと思っています。
現在、手元にあるのは雪佳の図案のみですが、イメージは出来ていますので、
このモノづくりは停滞せず進めれることができるはずです。
(そうでないと、経錦に入れない・・・(苦笑))

 

今日の夜にFacebookにもUPされると思いますが、たとえばこの柄。

 

DSC05295.jpg
『海路図/神坂雪佳の世界(雲龍錦)』

 

今のところ、4柄ほどピックアップしています。
できる限り、レトロさを残しつつ、結び易さ、軽さ、耐久性の進歩というか
今現代の織物の良さは取り入れて、製作したいと考えています。

 

この絶妙の空間と配色バランスは図案のまま、帯に濃縮できれば面白くなりそうです。

 

相変わらず法則通り、進みたい方向からは外れています。
良いモノができれば、いいかな(笑)。

2015年04月27日

帯屋とは違ったモノ作り全体へのこだわりも増えてきました。

 

新潟2日目。
今日はあまり写真を撮る余裕がなかったので、この一枚。

IMG_5173.jpg


今日着ていた製作途中の襦袢です。
初登場で、初めて袖を通しました。

 

まだまだ製品には程遠く、試験織に毛が生えたモノです。
本来だったら10cm程度の目出しを織って、今後どういう素材(糸種)で筬の打ち込みは?
柄は?などと検討する段階です。

が今回は少し無理を言って、襦袢一枚分織った生地を仕立てしています。

 

今まで通りの染めの襦袢(後染め)も、もちろん良いのですが、
織屋として、しっくり来るのは先染めの織襦袢。

雪佳や若冲、夢二等の織襦袢があったら、かなり素敵だ。。。
そんな妄想も先立ったモノ作りです(笑)。

 

途中で止まっている原因の一つは柄の長さ(紋丈)をどうするか?。
長くなればそれだけ襦袢らしからぬ、膨大なコストが掛かってしまいます。
 ←とは言っても、そこまで大きな問題ではなくて、踏ん切りの問題です。

 

二つ目は大きな問題。
生地の風合いや着心地、着物を上から着たときの裾さばき等々。
その原料面。

いくら生地としてモノが良くても、着る姿と着た心地が良くないと問題です。
 ←着てもっさりした。そんなのはもってのほか。

 

今日着た限り、先染めの新しい襦袢として、かなり有望ですので、
明日も引き続き、この襦袢を敢えて着崩してみたり、無理な圧を掛けてみたりと、
生地が沿わなさそうな着物と合わせてみたり。実験は繰り返したいと考えています。

 

もう一つ大きな秘密もありますが、それは完成まで取っておきます。
そのための糸や生地の風に対するこだわりに時間を掛けていますので・・・

 

楽しみにしていてください!

2015年02月22日

今回はきものsalonで『琳派400年』。

 

今回から『きものsalon』に誌面を移りましたので、
何件かのお問い合わせを頂きました。

『やめました?』

『見つかりませんよ。』

『ネタ切れですか?』←これは笑いながら。。

 

スクリーンショット 2015-01-23 15.31.21.jpg
 『15’きものsalon春夏』

 

理由は様々ありますが、久々に戻って来て今までの環境から変わると、
打ち合わせから撮影、コピーまで新鮮でした。

 

雑誌社からも今後一緒になっての取り組み等も提案して頂いていますので、
なにか新しいことができるかもしれません。それを楽しみにしています。

 

年に4回から2回に露出する回数が減りますので、3つ目の問い合わせの様に、
ネタ切れや経費削減と言われますが(笑)、その場では『そうそう』と答えていますが、
おそらく例年以上に、モノづくりも露出も増える予定をしています。

 

もし、今年が終わる時に面白くなかったら、ぜひ酷評をお待ちしています。

そうならないよう頑張ります!

 

今回は『神坂雪佳の世界』。

琳派400年の記念もあって載せましたが、となみ織物的には今年が記念だから、
というよりも、今後も続けてやっていきます。そんな意思表明の意味合いの方が、
大きいです。

 

誌面移動で大きな反響がありましたので、載せました。
今後もよろしくお願い致します。

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2015年02月19日

今日のこと、美術館へ。

 

今日の朝から夕方までは少し遠出をして、美術館へ行ってきました。

モノづくりその他諸々の打ち合わせですが、まだ形になるかも分からない話なので、
どこまで書こうか?難しい所です。今日は全てぼかした曖昧な話になりそうです。

 

モノづくりを刷る際は、①自分(もしくは会社)で図案を考える、②図案家に依頼する、③図案展での入札、
④(うちの特色の)着物業界とは全く関係無いスペシャリストとのコラボレーション。
例えば、神坂雪佳、伊藤若冲、人間国宝の方々。

 

今回の話は④のモノづくりです。

スペシャリストの方々が作られる作品は、帯の図案とは違って、当然『帯』を意識されていないものです。
そのため、これらの方々の作品を直ぐ様帯にすることは出来ませんが、
逆に全く異なる発想で、今まで誰も考え無かった帯図案の元となる可能性があります。

 

ここがそういった方々の作品とのコラボレーションの面白いところで、
今まで何度も『新しい形の帯』が生まれてきました。
『大場松魚の世界』等。

 

もちろん、そのためには作品を使わせて頂くために、様々な契約と許可を頂いています。
(周到な準備をしても、最終モノづくりの結果としては、失敗となることも多いです。)

 

今回はまだ、初期の初期ですので、どうしたいのか?から自分の中で固めなければいけません。
今のところ、今日の美術館も含め様々なモノが並列して走っていて、結構大変ですが、
頭の中で関係ないモノ同士がミックスされて、寝かしているうちに、面白く調理されたものが
形を変えて出てくることがありますので、今のところそれにも期待しています。

 

なにか無いかな?と常にアンテナを張り続けて、拾えるものは拾っていきたいです。

やりたいことは沢山ありますので、できあがり楽しみにしていて下さい。

2015年02月09日

雪佳のきもの/仙福屋の御召

 

『雪佳のきもの』のベースにもなっている『仙福屋の御召』は、帯と絡ませながら製作をしています。

 

たまに、『柄決まっているから楽やな〜。』と同業の方から言われます。
『そうですね〜。』その時は答えますが、実際はそんなことないです(笑)。

 

帯柄から御召に、特に仙福屋の御召は独自に『新しい無地を作ろう』と意識してしていますので、
柄はシンプル、色数は極限まで減らしています。

そのため、時々帯としては抜群に良いが、色数を減らしてみると
『この柄はじつは色で持っていたのかも・・・。』ということも。

帯でも時々は感じる色数の制限が、ここではさらに窮屈になり過ぎて、
『あ〜!』となることもあります(最近は慣れてきたので、やっと大丈夫です。)。

 

さてさて、タイトルにあるように、上記仙福屋の御召で『雪佳のきもの』を作っています。

今年は琳派400年になるので、琳派最後の巨匠といわれる雪佳も注目を浴びています。

その流行に乗るのも会社として大事だと思いますが、モノづくりの場合、波が来たから簡単に乗る、
というのも何なので、この着物に関しては今年の400年が終わった、来年401年に揃いそうな、
ちょっとへそ曲がりなモノづくりをしようか?と思っています。

 

L1780651.jpg
『仙福屋の御召』

 

神坂雪佳をモチーフにしたモノづくりは、十数年以上は行っています(琳派300数十年?)。

今年に入ってからの琳派の(この業界での)盛り上がりはワールドカップみたいですので、
そこからは少し距離を取りながら、と思っています。

できれば、琳派を知らなかったけれど、今年を契機に琳派が好きになり、興味を深く持ち、
入り込んでくれる方、そんな人向けのモノづくりになれば、と思っています。

 

 

個人的には、来年401年になった時に、こちら側の業界はどれだけ琳派を続けているのか、
今から楽しみにしています。一年で終わるには奥が深過ぎるテーマなので、ずっと続けて、
盛り上げていきたいです。

 

それでも今回の広告は、会社的に『神坂雪佳の世界』をと思っています。
うちでもやっていますよ、という小さなアピールもしておきますね。

2014年01月10日

雪佳横段

 

昨年の後半に仕込んでいた御召が上がってきました。

となみ織物では、というよりも自分が作る帯は出来れば、スッキリした着物に
合わせたい、という気持ちから製作している御召シリーズです。

地紋のみのシンプルなものもありますが、
今回上がってきたのは、杼を切り替えて、色を変え、横段を作る。
とてもシンプルなモノです。

 

IMG_0169.png

『これは南蛮七宝の時の写真;何十色もの組み合わせを作っていきます』

 

色糸を出してきて、その糸を並べるというも良いですが、
一番分かりやすく、イメージし易いのは、短い間隔で織り見本を取って、それを組み合わせていく。

そんなやり方ですが、この時は、長い期間帯の配色をしていましたので、脳が帯モードで、
いつもよりも時間が掛かっています。

 

そして上がってきた着物が・・・
この『雪佳横段御召(2色目)』。

 

IMG_0181.png

 

写真より実物は、淡いグリーンが入っています。

この雪佳横段御召は、同じ柄でも全て違う色を織って、
世界で一枚の着物にしたいと思っています。

 

2013年09月11日

ダテ型↔帯

 

昨日Facebookに載せていた『南蛮七宝/ダテ型バッグ』。

L1710003.jpg
『ダテ型』

 

製作の際は、普通のバッグと違って、帯づくりと同じように、
着姿をイメージ(お太鼓)をしているような感覚で、帯の柄や裁断箇所を考えます。

また、使う帯地に合わせ、持ち手の革など色選択は、ほぼ帯づくり配色の延長ですし、
デジャブを感じながら、一度製作したモノに付け加えていきます。

 

通常は、帯があって、その柄が良く、『じゃ、バッグも作ってみようか?』
と製作に至りますが、偶然作ってみたバッグの柄が、キッカケになり、

 

『もう少し工夫しながら、帯や着物に活かせないかな?』
とモノづくりのやり直しの起爆剤になることもあります。

 

この神坂雪佳から製作しているのも、そうです。

L1710022.jpg『雪佳/海路市松』

 

以前一度、この柄でモノづくりを進めようとして(今も試行錯誤中)いましたが、
昨日この形のバッグが上がってきた時に、何かヒントになることが、
頭のなかをよぎった気がします。

南蛮七宝と、同じような製作方法では何か違いますが、
なんか出来そうだなぁ。。。

と、今日はまだそんな出だしのモノづくりです。

2013年08月26日

畦から。

 

先週末は出張へ、来週末も出ますので、

なかなか腰を落ち着けてモノづくりが出来ませんが、

ちょっと面白い組織を思い付いたので、現在紋を製作しています。

 

これを見ていて、気が付いた組織です。

DSC00448.jpg

神坂雪佳/畦織』

 

とても人気のある帯で、この色目を出す、風合いを出すために、

様々工夫した組織です。

(しかも最初の組織は、織手がいなくなり、写真は2代目の織り方)

 

この帯のベース部分は、織物で一番シンプルな平織りで作り上げていて、

その上に織り目が斜めに見える『綾織』を乗せています。

 

その考え方を使って、となみ織物の中でも有力な紹巴織を織る。

来週末までの約10日間くらいで、詰めて形を決めてしまいたい所です。

 

帯の配色をしていると、こんな色になりました!と華やかな所が多い仕事ですが、

この組織や糸使い部分は、なかなか表には出てこないのですが、

触った時の風合い、配色の乗り方、結び心地等、とても重要です。

 

試作取って、やり直しての繰り返しをしながら、

早めに完成形に近づけたいと思います。

 

DSC00447.jpg

 

ちなみに、今日はこの帯地とニラメッコすることが多い日でした。

シンプルな何の変哲もないような生地ですが、面白いヒントは一杯詰まっています。

 

2013年03月26日

こんな帯が上がってきました。

 

今までは総紗縫や上品綟といった帯に多かった、

『+汕頭刺繍』ですが、今回は捩り織ではない帯に行いました。

 

今回、ベースとなる帯の製作に多少関わったので、

とても気になる一本です。

 

L1230860-2.jpg

神坂雪佳の世界『海路横段』×汕頭刺繍

 

 

単純に全部を刺繍するわけではなくて、横段に柄に応じているので、

(地がそのままの部分に刺繍を施しました)

動きのある帯になっています。

 

ちなみに、経糸は一切キズつけられず、このようになっています。

 

L1230860.jpg

 

この織物自体、経緯のバランスが非常に繊細な織物ですので、

このように経を綺麗に出すとなると、相当の注意を払わないと、

筋が入ったように見えます(キズです)。

 

ですので、この帯上がってきたばかりの帯を見た時は、

帯一本の長さ(約4m40cm)をずっと一人の職人さんが同じ手で、

高い集中を持って、刺繍を施していく、その姿が目の前に浮かんで来ました。

 

日本もそうですが、段々と腕の良い職人さんが、色々な事情で減っています。

いいものを作るのも残すのも本当に難しい時代ですが、

可能な限り、やって行きたいと思います。

 

 

 

 

2013年01月22日

クラッチバッグ。

 

『よそにある帯地で作った大きいバッグみたいなもの』

と言われることが多いので、紹介するのは気が引けますが、

新作のクラッチバッグが上がってきました。

(今回は中にも特長がありますが、それは後日・・・)

 

用途面、容量からすれば、大きなバッグのほうが当然良いと

思いますが、それでもこのクラッチには特別な魅力があります。

写真を撮っていて、強く感じました。

 

L1180856.jpg

少しフォーマルな帯地を使って製作したクラッチバッグ。

 

物入れではなくて、アクセサリーとしてのバッグも素敵です。

 

本当は、どちらかの写真にしようと思っていたいましたが、

こちらも素敵でしたので、上げておきます。

 

L1180860.jpg

 

こちらに使った帯地は、皆さんご存知の『神坂雪佳の世界』から、

ル・モンド・エルメスでも取り上げられた『八橋』を紬地で織り上げたもの。

 

用ではない美も素敵ですね〜。

 

 

 

 

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2012年12月21日

まってました!

 

以前、私用でと言っていた反物が仕立て上がって来ました。

 

 

L1180652.jpg

 

 

仕立てると、反物時よりも市松が大きく見えて、

面白みのある着物になりました。

 

 

L1180660.jpg

海路/仙福屋の御召』

 

 

さて、どんな角帯にどんな衿しましょう?

 

 

 

※『海路』という名前の通り、

このモチーフは雪佳が渡欧した際に

船から見た波が元になっていると言われています。

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2012年11月27日

自分用に・・・。

 

先日上がってきた御召を自分用にと織ってもらいました。

 

L1180368.jpg

『神坂雪佳の世界『海路』/仙福屋の御召』

 

 

柄は神坂雪佳の図集『海路』をモチーフに製作した『波』柄です。

 

ただの市松のように見えても、アップにすると、絶妙な間が空いています。

この辺りが着物にして、おそらく当初の想定以上に柄が詰まって、

息苦しくなく反対にイイ間に見えるのは、自分的に雪佳らしい感覚だと思っています。

 

L1180369-2.jpg

海路より

 

 

 

Image487-2.jpg

 

 

以前、

作った単衣(大活躍中)の御召と市松柄の点で似ていますが、

着た印象はおそらく変わってくると思います。

(また仕立て上がり次第、見てもらいますね。)

 

L1180369.jpg


着尺を広く面で見ても、面白そうな仕上がりになりそうです。

また単衣で。。
 

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2012年09月13日

襦袢の新作/仙福屋オリジナル。

 

社内では、あまり目立たない存在ではありますが、

オリジナルの襦袢が少しずつ良い評判を頂きつつあります。

 

もちろん、帯屋ですので帯柄を中心に考えたものですので、

あまり世間では見られないモノになっているので、

良いのかもしれません。

 

まずは月々の生産本数の決まっている南蛮七宝。

 

IMGP7469.jpg

『唐長文様/南蛮七宝の襦袢』

 

今回の美しいキモノでは、この中の一反が登場しています(P204)。

人気のある色が段々と決まりつつありますが、どの色でも一反持ってしまうと、

他の色も欲しくなるという、不思議な柄の襦袢です。

 

左から2つ目を雑誌に載せて頂いたのですが、

ブルーの南蛮七宝の帯と並んで、ここ最近では一番の反響を頂きました。

 

作家のシリーズで数柄ありますが、

今回は、この2柄です。

 

L1000397.jpg

伊藤若冲の世界果蔬涅槃図

 

 

L1000404.jpg

神坂雪佳の世界/八橋

 

 

両柄ともあまり世間に無い襦袢ですし、

生地も様々こだわり抜いた結果、使っている生地ですので、

柄だけでなくて、着た感触も楽しんでもらえると思います。

 

すこしコストは張りましたが、意外なほど長襦袢は目立ちますので、

興味のある方はこれから、少しずつファンは増えていきそうです。

 

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2012年08月09日

もしかしてブームが来るかも・・・。

 

会社に来られていたお客さんコーディネート。

 

IMGP9056.jpg

 

下が畳なので、少し埋没していますが、

南蛮七宝の御召(薄ベージュ)と神坂雪佳の世界の布袋さん。

 

本社の3F、展示場で合わせていましたが、

 

この帯の中におられる方の力か、そこだけ一種独特の雰囲気が漂っていました。

 

IMGP6574.jpg

(ちなみに本社3Fです)

 

特殊な引箔を使った織物で、現在ではそう簡単には織れませんが、

とてつもなく面白い雰囲気でしたので、コアな人気が出そうな・・・。

 

特に、螺鈿も入っていたりと、結構見ればみるほど、

ハマってしまいそうな布袋さんです。

2012年07月11日

お太鼓。

 

当たり前ですが、

着物の後ろの顔『お太鼓』はとても大事です。

昨日のタレ部分、以上に重要になってきます。

 

帯の柄を作る際、図案を元に紋(意匠図)を作ってから、

試験織、目出しと織っていきますが、この段階が上手く行った場合、

次、主に考えることは、お太鼓のイメージです。

 

図案の段階でも、もちろんイメージしていますが、

モノづくりを各工程で進めている間、ズレていくのが、

このお太鼓の柄です。

 

『神坂雪佳の世界』等に多いお太鼓柄であれば、迷いようもないのですが、

6通、全通になってくると、僅かに柄が上下にズレるだけでも、

大きくイメージが変わります。

 

たとえば、最近織ったもの。だと

IMG_5880.jpg

『しぼ織り』

 

 

どこをお太鼓に出したとしても、変わらないようですが、

随分と違ってきます。

 

IMG_5879.jpg  IMG_5878.jpg

 

 

最近の帯は長いの多少の上下は出来ますが、

それでも、メーカーとして『ここを出して欲しい』というのは、

このお太鼓を作る時に、入れておきたいメッセージみたいなものです.

 

 

今日からしばらく京都から出ていますので、

今年の祇園祭は、テレビで鑑賞になりそうです。

 

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2012年06月06日

神坂雪佳の世界/海路/御召

 

完成は、この6月単衣の頃には間に合いませんが、

9月単衣か袷には間に合う、今から楽しみしている御召です。

 

IMG_5237.jpg

『神坂雪佳の世界/仙福屋の御召』

 

今までは小さめの柄を敷き詰めたものが多かったのですが、

今回は大柄(紋丈の長い)なので、いつもと勝手が違ってきます。

 

柄には、神坂雪佳の『海路』をモチーフに製作していて、

今までの配色に加えてこの図案の由来でもある、

『表情の変わる海』を感じるような色目も加えて、

製作していきたいと思います。

 

帯でも人気のある柄で定番化していますし、これからも大事にしたい柄ですが、

その分、この柄に引きずられて着物の方へも影響しそうなので、ここは

切り替えて・・・。

 

IMG_5332.jpg

 

 

 

 

51NX0VQDHJL.jpg

 ⇒海路

 

 

2012年03月07日

2009年から、製作してきた織物。

 

なかな妥協ができなくて、停止していたモノづくり。

やっと見つかりました。随分と登場が遅れましたが、完成です

(ちなみに、2009年からです)。

一度は完成と思いながら、袋帯まで3年です。

 

 

当初、袋帯にと表の意匠自体は随分と前から出来ていましたし、

目出しや見本としては織り上げた後、素材を少し変えて、なごや帯などで、

商品としていたモノです。

(今、織り上がっている柄はみなさん見られたことがある柄です。)

 

IMG_3569.jpg

『imon袋/はとば立湧』

 

袋にするため、探していたのは、裏地です。

 

いつものとなみ織物/袋帯では、たとえば紹巴織などは、表と裏は同じ織機で織り、

それを両面にして袋帯に仕立てます。

同じ機の同じ糸、同じ職人によって織り上げられるので、

兄弟姉妹のような両面袋帯になります。

 

今回の織物組織の場合、素材や組織の都合上、少々問題が生じました。

(ほとんど起きない僅かな確率なのですが、念には念を入れて。)

 

そこで、つい最近まで異なる織物をしばらく検討していました。

安易に、世間でよく見られる、よそからの仕入れ裏地ということはしたくなかったので、

織物、糸種、地紋等々から検討です。

 

糸種を変え、紬を通したりして風合いを変え、地紋を入れたりと、

様々試して、コストも時間も大幅に掛かりました。が、なかなか決定とならず。

 

最終的に、最適だったのが、身近にあった総紗縫の機で織った無地

だったのは、とても意外でした。。。

(特に自分のブログを読み返すと、すくそこに・・・。)

 

問題なのは総紗縫の製作数が増えたといっても、織上がってくるのは、

そんなに多くはないので、袋帯になるまでが、さらに時間がかかります。

ただ、その分、利点は相当出てきますので、楽しみです。

 

IMG_3565.jpg

『imon袋/千鳥に流水』

 

総紗縫の両面好きな柄を選ぶことができる。

ということは出来ませんが、その分、できない表現が織でできますので、

総紗は総紗、imonはimonというようになるのが目標です。

 

上の千鳥もそうですが、この『sekka(神坂雪佳の世界)』もそうです。

 

IMG_3567.jpg

『imon袋/sekka』

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2012年03月03日

ひな祭りなので。

 

今日は3月3日『ひな祭り』です。

今まで製作した帯には季節や行事に応じた帯が

ありますが、意外に少ないのが、『ひな祭り』を題材にした帯。

 

製作した > 現在社内にあるもので、

パッと思いつくのは、2本くらいなものです。

 

以前に自分で図案家さんへ依頼したもので製作しているので、

よく覚えています。

この時は、本格的なモノづくりし始めて、まだ一年経っていなかった、

かどうか、という新米だったので余計鮮明に覚えています。

 

IMG_3495.jpg

神坂雪佳の世界/立雛図より』

 

雪佳の書いた立雛の衣装をモチーフに図案を書いてもらいました。

帯全体で、流れが切れないように行ったり来たり、工夫をし、

朱と金のバランスを結んだ際のバランスを見て、何度も作り替えました。

 

織は経糸に目立たない程度の金と、緯はシボがでてボリューム感が

地だけで作り出せるほど、筬を打ち込んでいます。

 

大人気という帯ではありませんが、今でも注文がある度に、

コツコツと織り続けている帯の一つです。

2011年11月14日

着物姿を二つばかり・・・。

 

何度目かの登場の帯になりますが、小物や着物や着方によって、

随分と帯のイメージが変わりますし、何度でも見ているうちに、

同じ帯でも新しい気づきがあります。

 

IMG_0812.jpg

神坂雪佳;狗児』

 

 

IMG_0789.jpg

作楽

 

特に柄の中の無地部分の扱いです。

 

今までは、意識せず自然に柄を配置していましたが

(意識していないので配置というのも変ですね)、

最近では、柄を閉じ込めて(制約して)、反対に活かせるように

するようになりました。

 

両者を比べて、結果は凄く変わるかは、柄によっては違いますが、

柄一つ一つの意識する部分というのが増えたと思います。

 

作為的にならないように、意識すると、今度は固くなってしまうので、

その辺りはとてももどかしいですが、最近はちょっとモノづくりが

前に進んだ気がします。

 

 

 

 

 

 

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