となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「雪佳」と一致するもの

2011年05月17日

広がっていくコーディネート。

 

以前、リメイクした帯のコーディネートです。

 

IMGP4819.jpg

『作楽:投網(帯)×神坂雪佳の世界(着物)』

 

投網は、広がりがある柄で、ジーッと見ていると

網にスーっと吸い込まれていきそうになります。

 

着物も雲のような花弁が全体にフワッと広がっていて、

こちらは周りに、広がっていきそうな華やかさのある着物です。

 

前は、純銀の帯留めに三分紐。

 

IMGP4812.jpg

 

 

お正月にも登場した帯留めです。

 

IMGP4199.jpg

『麹塵染(薄地)』

 

帯の地色が薄いのと濃いのとの違いもありますが、

三分紐を変えるだけで、遠くから見て、受けるイメージが

大きく変わります。

 

上の場合は全体が馴染む感じで、

下はアクセントとなって、主張します。

 

帯留め×三分紐のコーディネートまでは、

製作しているときに、気が回らないことが多いですが、

こうやって上手く合わせてもらえると、帯がイキイキと見えますね。

 

 

 

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2011年02月16日

唐長さんへ

唐長さんへ行ってきました。

 

修学院で、毎年当主が行われている個展です。

普段は非公開の場所で行われて、邸宅内全部からかみです。

 

部屋の真ん中に一筋の光とブルー基調のからかみ、

ラリックのコーディネート。

 

非日常な空間ですが、

ここまで『からかみ』が一杯でも、不思議と圧迫されず、

(圧倒はされますが・・・)

とても居心地のよい時間を過ごさせてもらいました。

 

一緒に行った、唐長初体験の方の、

ハアーという感嘆のため息が沢山聞こえてきました。

 

残念なのが・・・

写真ではあの空気は間違いなく伝わらないので、

中途半端に伝えるのも勿体無くて、

撮る前にあきらめてしまいました。。

 

 

かわりに、頂いたお皿を。。

IMGP4353.jpg

『唐長瓢箪マーク』

IMGP4360.jpg

部屋の色は、ブルーなんですが、この色とも違うけれども、

同じような優しい感じのするブルーです。

(ややこしくて、すみませんm(__)m)

 

近々、単衣用の襦袢を作ろうとしていましたが、

この色目を見て、これを仕立てることに決めました。

(右の薄地の襦袢です)

R0011756.jpg

『南蛮七宝・襦袢/となみ織物』

 

一緒に行っていたお客さんにも言っていましたが、

似た柄のはありますが、

唐長由来の南蛮七宝には、上の瓢箪マークを入れています。

 

ベタな表現ですが、類似品にはご注意下さい〜。

 

と言っていたら、ネット上で

下の神坂雪佳の柄が、そのまま半巾にコピーされていました。

神坂雪佳246.jpg

 

この柄はそのまま雪佳図案を帯にしたのではなくて、

雪佳の書かれた図(横段が独立した物)をモチーフに

作ったものです。

それを図も色もほとんど一緒にして、販売していました。

偶然、似ていたとは言えないものなので、

とても悪質です。

 

ホントにイヤになってきますね。。。

一緒に嫌な気持ちになりたい方は、是非検索してみてください。

(全くオススメはしませんが・・・)

 

 

 

それよりも、こちらを読んで温かい気持ちになった方が、

幸せなので、こちらをおすすめしますね。。

唐長さんのお人柄が伝わってきます。

51QWXTFSN9L._SL500_AA300_.jpg

 

唐長に興味ある方は、ぜひ読んでみてください〜。

 

 

 

 

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2011年02月10日

総紗縫の持って行きかた。。

まだ、どうしようか?どっちに持って行こうか?

と考えている総紗縫です。


IMG_4047.jpg
いきなり一回目で成功するとは・・・

という状態でしたので、

ある意味ここからどうするか悩んでいます。

(最終、きっちり帯になったときに、詳細を書きますね)

 

またまた、総紗縫の可能性が広がったので、

しばらく楽しめそうです。



この他にも今取り掛かっているものは、

もう一つのパターンの総紗縫木花ケルティック作楽Nordと、

しぼのいった新組織薄物の着物等々、

結構盛り沢山になってきました

 

机の上は図案の案とその注釈の付箋でだらけです。



今の時期が一番集中してモノ作りできるので、

4月くらいまでは新作を日記上で、

沢山紹介できると思います。楽しみにしていてください。

 

 

そんな机の上を整理しながら、

何気なくパラパラと読んでいたら、

雪佳の海路と百々世草が・・・。

51UbIbAyu1L._SL500_AA300_.jpg

日本って素敵だなぁと、思いながら、載っている

ガラスペンが欲しくなりました。

 

 



 

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2011年01月29日

一歩離れて。

今日は土曜日ということもあって、
京都は ほんの少し、いつもよりも静かな一日です。
ほぼ、一日中図案や配色を見ていました。
R0012786.jpg
一度完成したものの配色をいじってみたり、
(やっぱり、右のほうがイイ。)
P1130540.jpg
骨董品の金具を触って、
図案のモチーフにしてみたり、
と練っていました。
 
この写真を見ていると、
帯ができそうじゃないですか?
 
机の周りも、図案が雪崩を起こしそうなので、
コツコツと整理しながら、よそ見。。
ふとした所に、いいヒントが落ちていました。
前回のこれ関係です
 
明日は今のところ、
休みの予定ですので、
今まで柄を中心に目を向けていた、
『ケルト』。 再度、中身も深化していきたいと思います。
61RpOH242RL._SL500_AA300_.jpg
 
伊藤若冲や神坂雪佳、その他日本関連に関しては、
ある程度バックボーンのようなものは、
意識しなくても、 入ってきます。
 
そこから少し離れた世界のものになると、
なかなか意識していかないと、
上っ面だけのものづくりになってしまいそうです。
 
ちょっと怖いので、明日はしっかりと。。

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2011年01月05日

今日も・・・


今日は新年の挨拶回りを受ける日です。

まだ、本格的には動き出さないので・・・

今日も周りの着物姿を・・・
IMGP4207.jpg
『神坂雪佳の世界』

IMGP4210.jpg
『千寿:桜に輪』


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『詩情夢二』


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『金銀花』

個性的なものが集まったので、
見る方の好き好きが出てきそうですね。

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2010年11月17日

恒例になりつつある・・・。 札幌。。

今日まで札幌にいます。
昨日一昨日とイベントがあり、着物姿に囲まれて、
なかなか楽しい充実した2日間でした。

そこで、恒例になりつつある。
うちの帯のコーディネート。。

今回は、個性的な柄の方に協力してもらました。

こんな感じです。

Photo 11月 17, 11 50 34 午前.jpg
『神坂雪佳の世界』

Photo 11月 17, 11 37 44 午前.jpg
『紹巴ペイズリー』

Photo 11月 17, 11 05 39 午前.jpg
『総紗縫』

最後に番外編の自分の着物です。
何度か出てきたましたが、女性ものの小紋を
肩で継いだものです。

Photo 11月 17, 11 47 52 午前.jpg

明日は、再び京都でモノづくりです!

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2010年10月06日

『いいのになぁ帯』 No.3 神坂雪佳の世界


今は京都で、モノづくりに割ける時間が多く、
少しずつですが、いい調子で全体が進んでいってます。

また、合間を見て展示場が静かな時に、
帯に囲まれる時間を作っています。

その時は、ほとんど気になる帯をじっと見ています。

毎回見るものが、一緒というわけではなく、
いつ見ても好きな帯と、最初は何とも思わなかったのに、
ドンドン印象が変わる帯。等があって、
同じ所に同じ帯があっても、イメージが変わったり、と
一人で楽しんでいます。

今日見てもらいたい帯はどちらかといえば、
そのなかでも、後者の印象が良くなるタイプの方です。

IMGP3631.jpg
『神坂雪佳の世界より』

織的は、経糸が紬糸でザックリと織り出したものです。
横糸は紬糸、通常の絹糸、そして薄い箔を通しています。

今日はその織ではなくて、柄の部分に注目です。

この図案は自分の図案の先生が描かれたもので、
神坂雪佳の図案の意匠をモチーフに、再構成したものです。

『図案』自体には、かなり思い入れがありましたが、
紋図を経て、帯にした時は、『あれっ』と特別、
気が行くものでは、ありませんでした。

それが、今では見る度にドンドン細部に目がいって、
惚れてしまう帯になっています。

この帯は、幾つかのテーマが合わさったものなので、
皆さん、それぞれ目の行き場所が変わると思います。

私的には、金の箔が各テーマを区切っていく中、
ちょっとだけ顔をのぞかせている、
銀の雪輪がとても好きです。


最近の自分のモノづくりは、スッキリなものが好みで
どちらかと言えば、図案の好みもそのまま偏っていますが、
こういう少し重めの柄付きも見て、頭の好みを
シャッフルすることも、時々してます。


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2010年08月14日

W金魚。


今日は、ちょっと涼し気なコーディネートをお贈りします。
IMGP3205.jpg
 神坂雪佳の世界より

このコーディネートは、以前に紹介したと思っていましたが、
探しても見つかりませんでしたので、紹介します。
(もし載せていたら、ごめんなさい)

この金魚のモチーフとなったのは、『神坂雪佳の世界/金魚玉』です。
080520_1523~0001.jpg
 →http://senpukuya5.seesaa.net/article/99612846.html

この帯の紋図を製作しているときに、頭の中に、ワーッと出てきた
金魚を帯にしたものです。

大きな方の金魚玉の紋をじっと考えていたから、
頭内が金魚だらけになったのだ思いますが・・・
悩んだおかげで、お気に入りの柄が出来ました。。


このコーディネートには、もう一匹、
前の藻部分に、金魚が・・・
IMGP3213.jpg

そんなコーディネートでした。

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2010年08月06日

夏バテ・・・?

先ほど、東京から帰ってきました。
向こうも暑いと思いましたが、新幹線から降りた瞬間の熱風を感じたら、
やっぱり京都の方が暑いです・・・

ちょっと夏バテになりそうな感じでしたし、海辺のような太陽を
感じながら、うらめしそうに、見上げると・・・

イイ雲が・・・
IMGP3105_2.jpg

じっくり見ると、
IMGP3108_2s.jpg

段々と『雪輪』に見えてくる・・・。
071011_1010~0002.jpg
『紹巴織/雪輪』
というのは、職業病かもしれませんね・・・。

ちなみに、今日上がってきた帯は、雲に見えたりして、

IMGP3080.jpg
『神坂雪佳の世界より/Sekka (八寸)』

やっぱり、夏バテかもしれせんね。。


好きな帯の雰囲気に上がってきました。
柔らかい、優しい色目が上手く行きましたよ。。


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2010年05月20日

10’夏 美しいキモノ


今回の発表柄は・・・

516VObdhrnL._SL500_AA300_.jpg
 →美しいキモノ10’夏


オールシーズンに結んでいただける帯ですが、
夏号に恒例掲載の『総紗縫』。
となみ2010美しいキモノ夏号.jpg

柄詳細に関しては、後日。
ヨットやカラフルな千鳥、渦巻、蜘蛛の巣など、
総紗縫の中でも個性的なものばかり、選んでいます。

両面結べる袋帯ですので、一つは無難な柄、
もう片一方は、写真のように個性的なもの。

私だったら、そんな合わせ方で結ぶなぁ。。
と思いながら、この帯たちを作りました。

また、大きな紙面で是非見てください。
(蜘蛛の巣は密かに一番右に隠れています。)

それと今回は、
『日本のきものブランド55』ということで、
雑誌社から声をかけれらて、載せているものもあります。
b.jpgc.jpg

『神坂雪佳の世界』や『伊藤若冲の世界』、
『南蛮七宝』に小物類と掲載したいものを載せました。

こういう感じで各シリーズがバラバラに並んで、
見開きで見ると、いつもと違った趣きで面白いですね。

この掲載は、毎日コツコツとモノづくりしている、
ちょっとした集大成みたいなもので、ここで発表が終わると、
一瞬だけですが、ホッとします。

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2010年03月02日

財布人気投票。

南蛮七宝を中心に、神坂雪佳の世界『海路』や
その他、ケルティックなどなどを含めて、
財布を製作しています。

まだ販売していない南蛮七宝の
人気投票を密かにしていました。

めでたく一番は、この色です。
IMG_0514.jpg
南蛮七宝』、書いているので、
良い柄です。

色目もシックな方が良いなぁと、言いながらも、
しかも、私はシックなのを持っていながらも、
このトルコブルーには惹かれます。

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2009年12月14日

京都で・・・

今日は、京都です。

色んな事情から、海外の方が
伊藤若冲の世界』を見に来られます。

若冲というと、海外の評判が日本に入ってきて、
ブームを起こしたものです。

それを意匠にしたモノを装うことに対して、
どんな反応が頂けるのか、
西陣にいると、なかなか無い機会ですので、
楽しみです。

それ以外にも、神坂雪佳唐長の文様も、
世界的にも評価されています。

それらを織で表現した『モノ』
いつもとちょっと違った楽しみです。

また報告しますね~。


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2009年11月27日

『木田安彦の世界』

無数にある、となみ帯の中には、
古典柄からシンプルな幾何学柄、
かなり個性的な柄等々、様々あります。

その中で、人間国宝の作品を意匠としたものなど、
帯を目的に作られていないモノ

(図案として描かれたものでないもの)をモチーフに
製作した帯は、他とは違った存在感を持っています。

ただ、帯にするまでの段階で、相当考えます。
『そのまま使えるし、楽そう。』と言われることも
ありますが・・・、全然そんなことはないです。。。

まず構図がそのままで使えたとしても、
ピタッとくる大きさを決めるだけでも、
微調整に相当の時間がかかります。

上手くクリアしても、必ず問題になるのが、
表現の部分です。

織物ですので、普通に考えても、
色数は大きな問題です。

また、その絵の味を表現する際にも、
作者の意図・表現自体も考えて、進めないと
織物として『何となく気が抜けた』ような帯になります。
これは、完成しないと分からないこともありますし、
すぐに気が付くこともありますし、とにかく気が抜けません。

そんなこんなしながら、すべてクリアして完成した帯は、
やはり愛着がありますし、並べても個性が際立ちます。

例えば、『若冲』の亀図、蟹図、涅槃図、鸚鵡図等々
662282943943577566699541397412730d1.jpg
 ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/105057657.html


雪佳』の金魚玉
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 ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/97441850.html


詩情夢二』より、カマキリ

080617_1211~0001.jpg
http://senpukuya5.seesaa.net/article/100822713.html

となみ織物の中には、そんな柄達が相当数あります。
それらは、全部大好きな柄です。


もう一つ、
今回京都文化博物館で行われているのが、

『木田安彦の世界』

20091126_170856.jpg

帯も、一度紹介しましたが、
とにかく圧倒的な存在感です。

kida120080821174726349.jpgkida220080821174730831.jpg
 ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/105158564.html


博物館では、木田先生の作品を見てもらいつつ
帯も見て頂けるので、ちょっと普段できな体験ができます。

もし、京都来られることがあれば、
是非足を運んでもらえれば・・・と思います。
(帯の陳列は期間限定です。)

明日この帯を製作した時の紋屋さんと
一緒に行く予定なので、詳しくは報告をします~。



61Q4mInxEQL._SL500_AA240_.jpg
木田安彦 木版画集 西国三十三所

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2009年11月27日

『木田安彦の世界』

無数にある、となみ帯の中には、
古典柄からシンプルな幾何学柄、
かなり個性的な柄等々、様々あります。

その中で、人間国宝の作品を意匠としたものなど、
帯を目的に作られていないモノ

(図案として描かれたものでないもの)をモチーフに
製作した帯は、他とは違った存在感を持っています。

ただ、帯にするまでの段階で、相当考えます。
『そのまま使えるし、楽そう。』と言われることも
ありますが・・・、全然そんなことはないです。。。

まず構図がそのままで使えたとしても、
ピタッとくる大きさを決めるだけでも、
微調整に相当の時間がかかります。

上手くクリアしても、必ず問題になるのが、
表現の部分です。

織物ですので、普通に考えても、
色数は大きな問題です。

また、その絵の味を表現する際にも、
作者の意図・表現自体も考えて、進めないと
織物として『何となく気が抜けた』ような帯になります。
これは、完成しないと分からないこともありますし、
すぐに気が付くこともありますし、とにかく気が抜けません。

そんなこんなしながら、すべてクリアして完成した帯は、
やはり愛着がありますし、並べても個性が際立ちます。

例えば、『若冲』の亀図、蟹図、涅槃図、鸚鵡図等々
662282943943577566699541397412730d1.jpg
 ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/105057657.html


雪佳』の金魚玉
080520_1523~0001.jpg
 ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/97441850.html


詩情夢二』より、カマキリ

080617_1211~0001.jpg
http://senpukuya5.seesaa.net/article/100822713.html

となみ織物の中には、そんな柄達が相当数あります。
それらは、全部大好きな柄です。


もう一つ、
今回京都文化博物館で行われているのが、

『木田安彦の世界』

20091126_170856.jpg

帯も、一度紹介しましたが、
とにかく圧倒的な存在感です。

kida120080821174726349.jpgkida220080821174730831.jpg
 ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/105158564.html


博物館では、木田先生の作品を見てもらいつつ
帯も見て頂けるので、ちょっと普段できな体験ができます。

もし、京都来られることがあれば、
是非足を運んでもらえれば・・・と思います。
(帯の陳列は期間限定です。)

明日この帯を製作した時の紋屋さんと
一緒に行く予定なので、詳しくは報告をします~。



61Q4mInxEQL._SL500_AA240_.jpg
木田安彦 木版画集 西国三十三所

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2009年08月25日

昨日の予告です。

昨日、予告していた帯

IMG_0994.JPG

丸巻の重さで100グラム台。
ほぼ、総紗縫と変わらない重さです。

柄は『藤』で、
私個人的に大好きな柄です。

暖色系の横段に
ぼかしを入れています。

総紗縫は現在、大人気で今すぐ注文を頂いても、
2か月以上納期を頂いています。

そのため、それと同じか、総紗縫と住み分けが
できそうな
(できれば結ぶ人の好みで分かれそうな)、
帯作りをしていました。

様々な条件があったので、製作は、
(オールシーズン、軽い、両面などなど)
かなり障害がありました。

例えば、経糸や横糸の太さ、種類。
だけでも、組み合わせは膨大にあります。

それに、素材で制限される色。。。
を含めて、3か月以上試作に埋もれていました。

上の写真がつい最近入ってきた、一本目です。

他にも、理論上織れる(はず・・・)
4~5柄が待機していますので、
秋以降、皆さんに少しずつ見てもらえるかな?

と思っていて、楽しみにしています。

総紗縫は上品系が多いので(例外も多いですが)、
ちょっと個性的な柄を作っていきたいと思います。

他にも『神坂雪佳の夏物』が結びたいとの声も
良く聞きますので、この辺りも今紋を製作中です。

オールシーズンのものなので、もちろん袷時期にも
結んでもらえますが、今のちょっと暑い時期に考える
と、柄に関しては順調に進んでいます。

ここ数カ月苦労した柄なので、まだ発表前から、
早く結ばれている姿を見たい、帯です。

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2009年06月30日

昨日の続き

昨日の、『世界に一本だけの帯』ですが、
評判はイイですよ。
attached.jpg
 ↑この柄です。 

この織り方は、経糸が表に出てきます。
(=経糸が配色を決める)

もし、配色を間違えると、経糸全部が無駄になる、
とても危険な織物です。

ですので、社内でも人によっては手を出さない、
出しても、今までの安全な配色で・・・

となってしまいがちな、織物です。

もちろん危険な分、いい所があって、
生地が手持ち糸の数から考えると、
信じられないほど薄い。

という特徴があります。
(他にも細かいイイ所も・・・)


前置き長くなりましたが、そんな織りを使って、
やってみたくなるのが、

『失敗しても、(気にせず)好きな色を使う。』

ということです。


そして、好きな色というと、
『南蛮七宝+光悦蝶』 蝶々の色、
C6EEC8DABCB7CAF5A3B3CBDC.JPG

『作楽:水仙』の色です。
ssImage2601.jpg


今まで、試し織しながら、合う柄を見ていましたが、
 ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/122289164.html
昨日の柄と、もう一つがピッタリときました。

結ぶとなると、(配色の好みで)、好きな人にしか、
興味は持ってもらえないかも
しれません。

ただ、この帯で歩かれている姿を見てみたいです。

柄は、雪佳『海路』より。
自分の中で大事にしていきたい柄になっています。

一本だけなので、普通の配色よりも
少し割高になってますが、
それだけの価値はあると思ってます。


今日は、昨日大阪でもらったアイディア
形づくりをしていきます!

それについては
また、後ほど報告しますね~。

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2009年06月27日

八寸の帯。

静かーに、織り続けている帯の種類があります。
タイトルにある『八寸』帯です。

お洒落モノ専用の帯で、となみ織物も
昔から織っていたモノです。

ただ、うちは袋帯がメインなので、目立たず、
なごや帯や小袋、丸帯など、の影に隠れています。

織り上げる数的にも、『八寸?』
というほどの、ほんの微々たるものです。

ですので、私一人で担当として、
自分の好きな柄だけを作っています。
(ですので、柄は偏っているかもしれません)

柄はシンプルなもので、多色使いでなく、

抑えたモノがほとんどです。

以前も少し紹介しています。

 ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/104035476.html

   (これは南蛮七宝です。)

作っていて嬉しいことは・・・

『八寸を褒めてもらえる』
       =
『全部自分で関わった帯!』と思えることです。
(ちょっと心が小さいかもしれませんが・・・)

つい最近、来られたお客さんから、
この八寸については絶賛を頂きました。
(ありがとうございます)

今製作しているのが、下の織のモノです。
シンプルながらですが、織の状態を見て、
IMGP1867.JPG
(ケルトノット:ケルティックより)

『八寸やのに、きっちり織ってある・・・』
と言って驚かれていました。

初めてそんなことを言われたので、
こっちも驚きましたが・・・

とても微妙な褒め方で、
『他の八寸はどんなんやろ?』

と興味もありますが
とりあえずは褒めて頂きました。

『雪佳の海路八寸』もありますし、
このモノづくりはコソコソと育てて、
IMGP1868.JPG
いつの間にか、浸透している・・・
みたいな、シリーズに育ってほしいです。

こないだも、『あ~これこれ』
とこちらが、怖くなるくらい

褒めながらこの帯を買って行かれました。。。


八寸は細々とモノづくり、と思っていたのを、

『盛大にモノづくりしよかなぁ~』
と思ってしまいそうですが、

やはり細々と(特に海路は)、
初心でモノづくりしたいと思います。


タグ: ,

2009年05月26日

財布使用感。

ここ2か月、この財布を使っています。

Image472.jpg
現在人気作で、
品薄になっている柄もチラホラ出てきて、
早速追加で製作しています。

今までの2か月のうち、
最初は新しいモノ好きとして、

『この財布が~。帯地で・・・』

周りに見せて見せて見せて、

いたのですが、最近は普通
持っています。

そうすると、不思議とその方が
反応良く、コンビニの店員さんからも

『どこの財布ですか~?』
と聞かれたりもしました。

この前は、
『えっ』とビックリしてしまいました。。

『これ作りましたよ~』とアピールした時の方が
反応薄だったので、

自分のCMの下手さをかなり感じています。


素材は、100%絹なので、手触りは
『なめらか』です。

ただし、帯とは用途が異なりますので、
帯の機で織るのは同じですが、

横糸に通常の3倍の糸を通しています。
(生地もなかなか上がってきません)

財布を作る職人さんも、
丁寧な仕事をして頂いているので、
Image473.jpg
 ↑ 今まで色んな職人さん見ましたが、一番です。

生地から始まって、上がってくるまで、
トータルで早くても一か月半、
普通に約3か月近く掛かります。

今後、こういった小物を通じて、
『和』を身近に持ってもらいたいのと、

雪佳という大家が創作した『海路』をゆっくり
育てていきたいと思っています。
世界のどこにも負けない素晴らしい柄です。)


この次に、自分で欲しいものは、
普段の生活で良く触るモノとして・・・

やっぱりブックカバーかな?

タグ:

2009年04月21日

雀⇒海路

恒例になりそうな、着姿シリーズ。
 前回は『百樂』
  ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/117408110.html

今回は、『神坂雪佳の世界』より・・・
Image296.jpg

着物は、無地の藍染大島

写っていませんが、
帯締めは春らしい淡いグリーンの帯締め。

なかなか春らしい装いです。

この雪佳つながりで、先日言っていた
小物も紹介しておきますね。

この小物は、念願のモノです。
IMGP1691.JPG
現在、まだ小ロットでの製作ですので、
販売は限定的になっています。

『海路』シリーズ。

すでに受注上がり待ちとなっていのも
ありますので、興味ある方は是非!
 ⇒『仙福屋online』で近々並べる予定です。

『海路』の更紗ペイズリー調を自分用に、
持とうと思っていますが、
IMGP1690.JPG
先に取られてしまったようです。。。

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2009年01月31日

試作の試作の試作。

帯地の小物を今作っています。
(いつもとは、一風変わったモノづくりです。)

作っているのは、
『帯地革』を合わせたモノです。

帯地×帯地というのが今までの小物作りの
大部分でしたが、

大きく革を入れると、好みはあると思いますが、
全く別のモノに仕上がってきます。

特に、となみ織物の中にある織組織に関しては、
革との相性が抜群に良いようです。

何度か製作した中で、帯を生かしつつ、
革も生きつつ、というモノづくりになりましたが、

ようやく形になって、紹介できそうです。

写真は『試作の試作の試作』を
南蛮七宝の帯地で製作したもので、

今、使っています。
(使い勝手・縫製や生地の耐久性などチェック)

090131_1359~0001.jpg
今『海路』シリーズで製作中です。

絹糸の風合いを普段から、いつも
(スーツを着た時でも)手に持っていられます。

自分や普段着物をそこまで着ないスタッフでも
『欲しい!』と言います。

『和』普段の生活にも入っていけるように
少しずつアイテムを増やしていきたい、と思います。

そのうち、着物だけでなく洋服の生活で
持つモノも

made in tonami になれば。。。

と思っています。

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