となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「御召」と一致するもの

2012年08月24日

御召緯をつかう。

 

しぼみ過ぎから一ヶ月とちょっと。

今度はできる限り優しい感じの色目を使った薄地を配色、

織り上げてみました。

 

IMG_6770.jpg

『しぼ織』

 

柄の流れを柔らかく、濃い地で織った時よりも淡く、

地の部分には、土台は白ですが、僅かに暖色系のモノを足して、

全体が優しい流れになるように、心がけました。

 

御召緯のシボがある程度コントロール出来ます(以前よりも随分)

ので、それも柔らかい流れに貢献できるように、少し工夫しています。

袋帯は多くの場合、裏を仕立てた方が帯として、まとまりが出てくるので、

この帯もそうなった時がさらに楽しみです。

 

今では生産量が随分と少なくなった御召緯です。

 

IMG_6772.jpg

『御召緯』

 

こういうシボの付いた織物では、絹ではない繊維を使って織った後、

熱を掛けて、縮ませる(ナイロンを想像するのが良いかもです)という

方法もありますが、やはり生糸に撚りを掛け、お湯で縮ませる昔ながらの

技法の方が、言いようのない味があって、面白いと思います。

 

ただ織手さんとも同じですが、どんどん少なくなっていますし、

全く何も手を打たないと、これらの帯もいずれ作れなくなってしまう・・・。

と考えると、とても悲しいですね。。

 

 

 

2012年08月09日

もしかしてブームが来るかも・・・。

 

会社に来られていたお客さんコーディネート。

 

IMGP9056.jpg

 

下が畳なので、少し埋没していますが、

南蛮七宝の御召(薄ベージュ)と神坂雪佳の世界の布袋さん。

 

本社の3F、展示場で合わせていましたが、

 

この帯の中におられる方の力か、そこだけ一種独特の雰囲気が漂っていました。

 

IMGP6574.jpg

(ちなみに本社3Fです)

 

特殊な引箔を使った織物で、現在ではそう簡単には織れませんが、

とてつもなく面白い雰囲気でしたので、コアな人気が出そうな・・・。

 

特に、螺鈿も入っていたりと、結構見ればみるほど、

ハマってしまいそうな布袋さんです。

2012年08月06日

復刻!

 

というほど、全く昔のモノではないのですが、

『仙福屋の御召』で、以前織っていて、今は止めていたモノを

再度織り始めました。

 

IMGP8993.jpg

 

たまに帯でもありますが、『なぜ、織るのを止めていたのか』は不明なモノです。

おそらくシンプルな柄なので、モノの流れの中で、後回しにされていた、

そんな感じがします。

 

IMGP8991.jpg

『仙福屋の御召』

 

とてもシンプルで、用途も広い、良い柄ですので、

今度は忘れられないように、名前にはとっても覚えやすいものを

付けておきました。

 

柄がドットなので、名前も『・・・』。

 

IMGP8994.jpg

 

これでもう大丈夫ですね?

 

2012年07月18日

数日空いたので・・・。

 

今年は祇園祭の山鉾は見れず・・・。

と思いながら京都に帰って来ましたが、

今日の朝にはまだ名残が残っていました。

 

IMG_6200.jpg

(室町通りは通行止めと、遠くの方には鉾が見えます)

 

長めの数日、モノづくりから遠のいていましたので、

まだ頭のスイッチがオフの状態です。

 

すぐには新しいモノづくりには取り掛かれませんので、

まずは無地から。

 

IMG_6201.jpg IMG_6202.jpg

 

この無地は、御召緯を使っていて、お湯に付けると縮み、

柄が浮かんでくるという予定でした。

 

(かなり省略して言うと)織ってから染をすると、

お湯を掛けた時と同じようになるはず。

という予測を立てていたのですが、まず最初の段階、

『お湯』でつまずき、生地が縮まない、という問題にぶつかっています。

(というより、なにも進んでいませんが・・・。)

 

おそらく地紋の関係と、他の糸との組み合わせで、

思った通りの結果にならないのだと、思いますが、

いきなりブレーキですので、今週はこの地紋とじっくり腰を据えて、

格闘することになりそうです。

 

この地紋、氷割れ(ひわれ)という柄で、氷が割れた様子を小さな三角や四角で、

不規則に表したものです。

自然のモノを文様化されたものですが、昔のシンプルな図案力には、

本当に勉強になります。

 

ただし、このシボの付いた織物は、まだ縮んでいませんので、

今の段階では、あまり氷割れっぽく見えないかもしれません。。。

 

2012年07月03日

少し、しぼみ過ぎ。

 

半分、実験のような地紋を試したかったので、

作ってやってみました。

 

御召を緯を使った纐纈です。

『ROCOCO』や『しぼしぼ』と同じ組織ですが、

上記のように、上手くいっているモノを少し触っています。

 

IMG_5745.jpg

 

織り上がった後、御召緯の特徴を使って、お湯に付け、糸を縮ませています。

仕立てをするには、全然幅が足りないので、もう少し工夫が必要なのですが、

柄的に、色気が出てきたような感じがします。

 

通常の織物と違って、縮むという、完全には予想し切れない要素が入ってくる

のも、この織り方の特徴ですが、今回も楽しく振り回されています。

昨日に続いて・・・。

2012年06月27日

男物の依頼がきましたので。。。

 

とてもお世話になっている方から、

『男物デビューしたいから、一式作ってほしい。』

という依頼がきました。

 

自分のモノだったら、

それなりに選んでも自分らしくなりますので、

あまり気になりませんが・・・、そうじゃないと

とても難しい仕事中です。

 

羽織はちょうどイイものがあったので、

羽織から決まりましたが、後は着物に長襦袢に、衿、

草履、羽織紐・・・。

と自分じゃない、男物のコーディネート。

女性物と違い、世間に溢れている程の量はありませんので、

かなり難しいです。

 

というわけで、長時間悩んでいましたが、

世間にあるものでのコーディネートは諦め、

やはりその人の色に合わせて、御召で織ることにしました。

 

IMG_5660.jpg

 

こうしていると、そういえば、

『この色持ってないし、自分のも・・・』

となるのは、この業界にいて着物を良く着ている人に、

大変よく見られる病気ですね〜。

 





 

2012年06月18日

色の組み合わせ。

 

先日、紹介していた帯が一本上がって来ました。

この帯の地色は、いつもよりもさらに写真では出ない色目です。

 

IMGP8088.jpg

作楽/名前未定』

 

地色、葉のような黄緑、ブルーの輪、蹄鉄のような白。

組み合わせ的にも、あまり例の無い、配色にしていますが、

白地(大島紬でも御召でも)、黒地(泥でも藍でも)、ケンカせず、

帯として、すんなり落ち着いてくれました。

 

柄に特徴があるので、好き嫌いはあるとは思いますが、

現在の周りの評判はとても良い(着物と合わせると良い方向へ感想が変わる)です。

 

一本で帯を見ると、思っていたよりも色味が独特で、

予想していた裏無地では落ち着かず、まだもうちょっと掛かりそうです。

 

この日記上では、となみ織物で製作している、

モノづくりの変化の兆しの僅かな部分を紹介しています。

 

そのまま変化していくかもしれませんし、

踏みとどまって、違う方向へ行くかもしれません。

 

自分も楽しみにしています。

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2012年06月12日

松島にいます。

 

家を出てから電車で6時間ちょっと掛けて来ました、

松島です。

 

IMG_5412.jpg

 

ほとんどホテル内で夜遅くまで仕事なので、ちょっと観光というのも

難しいですが、それでも移動中は、とても気持ちいい景色をみれます。

(久々にいやされています。)

 

本当はもう一泊して、もう少し松島らしい観光をしたいのですが、

今日昼くらいここを出て、京都へ戻ります。

 

IMG_5421.jpg

 

着物はこんな感じです。

ケルティック御召と南蛮七宝の襦袢。

 

襦袢はお馴染みになりつつありますが、

このケルティック御召はとても評判がよく、

もうちょっと他の色も含めて織りたいとおもいます。

 

腰が痛いですが帰って、またモノづくりがんばります〜。

2012年06月06日

神坂雪佳の世界/海路/御召

 

完成は、この6月単衣の頃には間に合いませんが、

9月単衣か袷には間に合う、今から楽しみしている御召です。

 

IMG_5237.jpg

『神坂雪佳の世界/仙福屋の御召』

 

今までは小さめの柄を敷き詰めたものが多かったのですが、

今回は大柄(紋丈の長い)なので、いつもと勝手が違ってきます。

 

柄には、神坂雪佳の『海路』をモチーフに製作していて、

今までの配色に加えてこの図案の由来でもある、

『表情の変わる海』を感じるような色目も加えて、

製作していきたいと思います。

 

帯でも人気のある柄で定番化していますし、これからも大事にしたい柄ですが、

その分、この柄に引きずられて着物の方へも影響しそうなので、ここは

切り替えて・・・。

 

IMG_5332.jpg

 

 

 

 

51NX0VQDHJL.jpg

 ⇒海路

 

 

2012年05月29日

超特急で。。

 

今月最初に仕立てに出した着物が、上がって来ました。

 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime/2012/05/celtic-1.html

 

 

凄いスピードで上がって来ましたが、

自分の場合、寸法が合っていて気易かったら、なにも言わないので、

ある程度無理も受けて頂いています。

全面的に、こちらも信用していますので・・・。

 

 

それはそうと、『ケルティック』シリーズ、『ケルトノット』の御召です。

 

IMG_5098.jpg

 

今までも同じ組織、素材で織っていたので、試し着というのは、

要りませんが、やはりこういうのが上がってくると、

どうしても着たくなりますね〜。

 

地色は濃いですが、織の上げ方(メリハリ)と、色糸の使い方で、

着物を着ると(立てると)、柄が角度によって、浮いたり沈んだりと、

表情が表れてくれるので、意外にも柄柄しないのが、この織物の特徴です。

 

とは言っても、まだ、羽織るくらいです。

 

真剣には着ていませんので、来月最初の方にバチッと着て、

『男物のとしての』周りの評判を聞いて行きたいと思います。

 

今までは角帯が先行していましたが、いつの間にか着物(単衣)が

増えましたので、角帯もなにか変わったものを考えていきたいです。

 

総紗とか、紗とか、紗紬ですかね〜。

 

 

 

 

 

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2012年05月23日

南蛮七宝大島紬、奄美で見る。

 

南蛮七宝羽裏.jpg

 

新たなチャレンジということで、この南蛮七宝文様を大島紬で、

手がけましたが、日常触れている帯や御召とは図案、紋図の考え方が

根本的に異なり、現在、とても興味深いモノづくりになっています。

 

よく周りから言われるのですが、

今、京都で織っている帯(御召)を含めて『細かい』織物、

それを大島紬のように『粗い』織物で製織する、

『簡単じゃないか?』。

 

正直言って、『簡単』ではありません、全く別物です。

 

平凡な言い方しか出来ませんが、お互いが難しいポイント、

(こだわるポイント)を持っていて、両方共

そこまで考え込まなくても、進んでいくポイントを持っています。

 

ただ、その2つのポイントは、ほとんど重なること無く、

両方に関わってしまうと、モノづくりの大部分でつまづくことになります。

すべて手探り状態でした。

 

IMG_5030.jpg

 

基本的な『糸』一つとっても、おおきく異なり、

『絣糸』は西陣で言う『緯』とは使い方は似ていても、発想や出来上がりに

対する役割が全然違ってきます。

頭では分かっていても、どうしても『緯』的な発想で、

手が動いてしまうので、最初から混乱です。

 

ただ、実際に奄美の現場に行き、紐をほぐすように、

モノづくりをしている方と話ができたので、

今はある程度クリアになっています。

 

間違いなく帯のモノづくりにもいい影響を与えてくれると

思いますので、それはそれで今後自分も楽しみです。

 

 

製織中の動画はこちらへ、

どれくらい進むか是非一度見てください。

 ⇒http://www.facebook.com/photo.php?v=397538936957718

 

2012年05月15日

出張週スタート。

 

最近は、短期の出張ばかりでしたが、

今回は一週間。

 

札幌⇒奄美大島と日本ほぼ縦断です。

 

昨日からは札幌です。

 

IMG_4910.jpg

『木花七宝×仙福屋御召』

 

新しく作ったものを見てもらって、

色々な意見を聞く。

 

意見そのままにモノづくりというのは、

自分の性格上なかなか上手く行きませんが、多くの人から頂いた意見を

消化して、上手くモノづくりに持ち込んでいく。

 

ずっと行なっている自分のモノづくりスタイルです。

 

今回の縦断も環境も大きく変わりながらなので、

色々と吸収して行けそうです。

 

 

 

 

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早速かどうかは判りませんが、

いつも少し早めに起きて、朝からランニングしてきました。。

(相当ひさびさの運動で気持よかったです。)

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2012年05月11日

Celticの御召

 

ケルティック御召が4色上がって来ました(今日の朝です)。

IMGP7785.jpg

Celtic/ケルトノット柄』御召

 

となみ織物(仙福屋)定番となっている織りで、

組織的にとても生地を薄く上げることができるため、

袷、単衣と盛夏以外どちらでも、お好みで仕立てできます。

 

私も袷着物×3、袷羽織×1、単衣着物×2,羽織×1、

この生地で持っています。枚数を見ても判るように、とっても重宝しています。

 

この柄ではどうなるか、分かりませんが、

今までの傾向として、この薄地が季節を問わず人気です。

 

IMGP7791−2.jpg

 

今までと同じように、織と上げ方に一工夫しているので、

この文様のように、柄が詰まって見えたとしても、

角度や陰影で柄が浮き沈みします。

そのため、色々な帯にコーディネートし易くなっているはずです。

 

私は、早速濃い地で単衣を仕立ててもらっています。

超特急で・・・、と仕立ては無理を言っていますが(すみません)、

仕立て上がりが、とても楽しみです。

 

2012年05月08日

単衣に袷で。

 

IMG_4859.jpg

(御召をほとんど洗いに出してしまったので、今日は大島×大島です。)

 

今日は、こういう着姿で仕事をしています。

羽織は袷、着物は単衣と少し変則ですが、結構バタバタと動きますので、

それには、ちょうど良いところです。

 

 

 

明日、京都に帰りますので、

モノづくりのためにも、とってもリフレッシュできました。

 

IMG_4847.jpg

 

 

2012年04月28日

砂糖鳥のその後・・・。

 

今日も新潟です。

 

以前、

製作した『若冲の世界/砂糖鳥』の帯留めをコーディネートされていたので、

写真を撮らせてもらいました。

 

IMGP7514.jpg

『大島紬×真綿紬×砂糖鳥』

 

こういう帯留めは一品物なので、一度手を離れてしまった後、

こうやって帯と合わさって、会えるととても嬉しいです。

 

帯の緑とあって、いきいきとしていました。

 

 

また、レアの総紗縫とも遭遇できたり、となかなか充実した

出張です。

IMGP7517.jpg

『総紗縫×仙福屋の御召』

 

 

2012年04月19日

織って水に入れて、また伸ばす。

 

 

昨日も書いていましたが、新しい『しぼ織り』のしぼができそうです。

IMGP7266.jpg

 

ちなみに、上の写真は織ったばかりの状態。

 

そこから、しぼを付けていきますが・・・。

この工程は『御召』と同じで、まず特殊な糸(御召緯)を使って

織ります。(この時、帯幅は九寸の名古屋帯よりも広い)。

 

水に通す。

 

この糸は水に触れると縮むので、生地も同時に縮みます。

その後、帯幅に戻していきます。

 

そうすると、縮んだ所がしぼになり、柄の一部となります。

こんな感じに・・・。

IMGP7324.jpg

 

と完成例を見せようとしていたのですが、

まだ少し予想と違ったので、職人と打ち合わせして、

調度良い頃合いのしぼを作って行きたいですね。。。

 

もう少し時間が掛かりそうです。。。

2012年04月18日

うえに羽織るもの。

 

今日の京都は快晴。

IMG_4553.jpg

 

久々に暑い、という感覚を思い出しました。

一日中、良い感じです。

 

桜も少し残っていて、絶好の着物日和だったので、

きものの上に羽織るものを撮ってみました。

 

前回の評判も良かったので、今度はもう少しカメラを引いています。

 

IMGP7295.jpg

南蛮七宝三重紗→羽織』

 

動くと、真価が出る三重紗。

これはホントに素晴らしい組織です。

 

 

IMGP7237.jpg

『御召機の紗+防水→雨ゴート』

 

Facebookでもとても人気のあったコーディネートで、

帯の柄がチラッと見えるのが、素敵です。

 

 

 

IMGP7303.jpg

『御召ちりよけ』

 

次回メルマガ用のついでで撮らせてもらいましたが、

帯が見えて、個人的にはとても好きな塵除けです。

 

抜染の白い柄が帯の上に乗って、チラチラ飛んでいるいるのも、

特徴的です。

 

今日は、そろそろ先日の『しぼしぼ』がしぼしぼになって、

上がってくると思います。

 

楽しみです。

 

 

 

2012年04月10日

まだ乗り遅れていますが・・・。

 

自分的にいまだ乗り遅れている帯です。

 

前回はこちら

 →http://www.kyo-tonami.com/godaime/2012/03/post-1611.html

 

今回もとってもシンプルに仕上がっています。

 

IMG_4373.jpg

『御召とのコーディネート』

 

この織物に関しては、全くと言っていいほど関わっていないので、

遠くの方から、そっと見ていますが良い帯びですね〜。

 

いずれ何か作るとしても、社内で他スタッフがつくる帯を、

じっと見ているのも、普段はしないですが、たまにはいいもんです。

 

私の今作っているのは、ややこしく作って、簡単に見せるというモノで、

似通っている部分は、とても勉強になります。。

 

 

 

2012年03月26日

十字十、本仕立て

 

2月に本仕立てした帯を結んでもらいました。

 

IMG_3942.jpg

しぼしぼ十字十

 

御召糸を使って、しぼを付けています。

十字柄の部分と白地の部分とは、しぼの具合を変えています。

 

タレ部分が一定したリズムのしぼ、十字部分はランダムに見えるような、

しぼを糸や紋、で表現しています。

 

そうすることで、お太鼓にした際、十字柄が浮いた筏のように見えて、

しぼの川を漂うようなイメージになったのでは?と思います。

 

あまりとなみ織物らしくない柄なので、『それって、どこの帯?』

と聞かれたそうですが、これからも時々はこういう帯も

作っていきたいと思います。

 

IMG_3943.jpg

 

大島紬と反対色で合わせても、しぼが効いているせいか、

この写真以上に、馴染んでいます。

 

帯留めは漆を使ったもので、桜の花びらモチーフです。

これもまた、しぼの川を流れていっているような感じになっています。

 

 

 

 

 

 

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2012年03月15日

しぼ・しぼ

 

織ってみたい柄を作ったので、新しい『しぼ』を考えています。

『しぼ』というのは、織物表面に見える、立体感のある目を言いますが、

経と横を交差させて織る織物(2D)から考えると、

奥行(3D)というのは別世界です。

 

IMG_3822.jpg

(経て方向にしぼを付けた織物)

 

今、製作しているのは、

1,御召緯という糸を使って通常よりも広幅に織っる

2,織り上がったものをお湯につけて、縮める

3,縮んだものを今度は帯幅に広げていく。

 

というものです。

 

この工程だけ聞くと、しぼの目は偶然の要素で縮むので、

経や横で柄を作る緻密さとは異なるように見えます。

 

たしかに、その通りなのですが、いま進めているのは、

伸縮率の違う糸を使い、しぼ目を上手く使いこなせるように、

モノづくりを考えています。

 

図案を考えて、紋を打ち合わせして製作、後はどう縮むのか、

実験。

 

という風にいつもよりも上手く行ったという手応えが感じられにくい

モノづくりを淡々としています。

 

随分とやってきましたが、90%までは簡単に進みますが、

そこからは後ろに下がるような錯覚を感じるモノづくりです。。。

 

次で多分、ちゃんとした形になると思うので、今日は書いてみました。。

 

 

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