となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「御召」と一致するもの

2016年02月18日

出張用に着物をつめる。

 

今日は半日打ち合わせ、残りバタバタと進めています。
書きたいことはいっぱいありますが、まずは明後日から行く出張準備。

着物はこんな感じで持っていく予定をしています。

 

上から、襦袢、羽織、着物。

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今回は着物は先に送って、身一つで新幹線という出張予定ですので、荷物を詰めて・・・。
とすると、しばらくして、ここに写っていない角帯を入れるのを忘れていました。角帯だけ手持ちです(苦笑)。

 

最近は私が着ているもの、そのものか色違いで後はコーディネートは任せます。という話を頂くことが多いです。その時は「この色目の組み合わせはどういう考えで?」みたいなことを聞かれることも多いですので、今までの様にある程度、適当ではなくて、それなりに理由を考えて、コーディネートするようにしています。

 

写真の着物は麹塵染めの南蛮七宝御召。コーディネートをし易い着物の一つです。もし、色の変化が気になる(そういう方は麹塵染めを選ばれないですが・・・)方でも、御召の立涌調の柄で全体のバランス、墨色とのコーディネートでそこまで気にならなくなります。
 

自分でよくする組み合わせです。

 

折角、忘れた角帯ですので、3本くらい現地に持って行って午前午後、夜とで変えたいですね。

 

 

 

 

 

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http://goo.gl/WFpZ1d

 

京都では、2月21日からデザインウィークが開催されます。
となみ社内では実施致しませんが、少しのブースを頂きましたので、いつもと違うとなみ織物を展示したいと思います。

 

この準備もまだまだ。。。

2016年02月08日

昨日の着物。海路/衿

 

昨日は本社にお客さんが来られていました。
一日の結構な割合で、階段を走り気味で1〜4階を駆け上がる。普段運動不足には結構こたえて、スタッフには怒られそうですが、少々足が筋肉痛気味です(苦笑)。洋服よりも足が上げにくい、着物の方が運動量は少なく見えますが、実際はどうなんでしょうね?階段を駆け上がることを想定するTPOは無いにしても、こういう時は御召か大島紬の裾捌きの良さに助けられました。

 

そんな昨日の着物は、こんな感じです。

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上から、羽織は南蛮七宝文様/御召←特別バージョンで紬糸を通しています。

着物は、大島紬。←女性物を男用に仕立てています。

帯は、写っていませんが、経紬で織った南蛮七宝。

衿には、御召で織った『神坂雪佳の世界/海路図』。御召で織った衿ではなく、御召を仕立てた後、余った生地で衿に持ってきています。南蛮七宝でももちろん出来ますが、ここに南蛮七宝を入れると、帯、羽織、襦袢、草履に南蛮七宝となってしまいますので、ここは譲って、海路図を。

 

全員が全員とも気付かれる、そんなポイントでは無いかもしれませんが、この海路図の市松意匠と色、経に見える経糸で作った縞が非常に良い感じにコーディネート出来たと思います。もし、仙福屋の御召を仕立てられて(特に単衣で)、余っている場合、衿として使ってみることもお勧めいたします。

 

久々にスマートフォンの万歩計が8,000を超えました。大した自慢になりませんので、もう少し運動がんばります。

 

 

2016年02月01日

2月、新たな期のスタート。しぼ織;花柄。

 

無事、棚卸しの勘定が全て終わり、あとは集計等の事務的な作業に入ります。昨日は社内が原料、商品、人も引っくり返って、お盆・年末の大掃除以上の掃除となりますので、今日はビシっとすっきりとした空気が社内には漂っています。まずは一息です。いつもビシっと空気が大事ですが、片付けるとともに、帯見本があっち行ってたり、していますし、もう一度散らかさないように気を付けながら(笑)、自分のモノづくりのモノを集めていきます。その中の一つ。

 

現在、試験を繰り返し、なんとか前に進んでいるモノが『しぼ織』の新しいアイデア。

この試験は(帯になればいいですが)、今後作って行こうとする『しぼ織の土台』、柄の一部になるようなモノづくりです。しぼ織に使う素材には、今では希少と言っても良い、『御召緯』を使って製織しています。その特徴は水分に浸けると縮むことです。織りの段階では、それを見越して帯巾を広く織り上げ、お湯に浸けて縮め、帯表面に隆起(しぼ)をつけ、帯巾として再度巾を整えます。

 

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ちなみに、これがベーシックなしぼ。
縦に流れる隆起になる様に、柄に沿って縮む様に設計。織りでは糸で止める様にします。何も考えずに、この糸を使って織ると、しぼが暴走して生地が捻れてしまい、帯になりません。←しぼ織の織り始めは、そんな感じです。

 

新しいアイデアは、しぼをある意味暴走させながら、周囲を深く括って、それ自体が柄になる様に糸で止めています。


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(花に見える部分は袋状になっていて、触れるとしぼが動きます。)

 

これをこのままで進めてしまうと、生地的に弱くなるので、ここからはバランス。糸で所々止めながら、しぼが動けるスペースは残しておく(帯をお湯に通す→縮める、というのが前提なので、予測は難しく、やはり経験が重要です。)。

 

今後、帯にしていくためには、これをどの程度のバランスが良いのかを理解して、その時点で使う意匠と相談しながら実用的な地紋を作る、となります。考えているのは、従来のしぼと写真のしぼを共存させながら、しぼだけで出来た帯やこのしぼは意匠の無地部分を構成、あとはしぼを立てず、柄で見せるモノ。等々、完成すればしぼ織で作る帯の表現力は確実に上がりそうです。

このモノづくりのキッカケはある方から頂きました。上手く使えるように試験繰り返していきます。
ありがとうございました〜。

2016年01月30日

京都に帰ってきました。

 

奄美から今日へ戻ってきました。
帰りは奄美空港→伊丹空港まであっという間の1時間20分。(新幹線で京都→じるし東京よりも近いですね・・・。)明日は棚卸し、そして本決算です。。急速にグッと現実に引き戻されました(苦笑)。今頭のなかにある温かいアイデアとイメージを2,3日のうちにまとめて、大島のモノづくりを進めていきたいです。奄美初スタッフも2人いましたので、いい刺激になって、大島に限らず、帯も御召も盛り上がるようにしたいです。

 

下の写真は大島紬の糊張り。絣を作る工程の一つで海草糊を使って数本の糸をまとめる作業。糊を乾かすために天気が良くて、糸同士が擦れて切れないように風が弱い日にしかできないため、この場所では今年初めての作業日だったそうです。この日も天気予報的には雨・くもりで、多分だめだろうなぁと言われていましたので、嬉しいサプライズでした。

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そういえば自分も今まで7回行った奄美で見れたのが2回目。そんな幸運も含め、今後のモノづくりは楽しみです。

 

2月から新しい期が始まります。また一年よろしくお願いいたします。

 

 

 

2015年12月16日

しーぎの色にため息。

 

昨日、モノづくりの打ち合わせをしていました。となみ織物でも帯との相性を考えて、近頃益々力を入れている『大島紬』。もうこう書かなくてもご存知の方も多いと思います。西陣としての『御召』。それに加えて他産地のオシャレを中心とした大島紬。ここが今のとなみ帯を活かすために、モノづくりする着物です。

 

奄美から持ってこられた試作、試験を中心に打ち合わせで出てきたのは、染めの話。

最初の大島紬との関わりは、10年以上昔に遡って、まだその頃多くあった反物から、自分所の帯に合わせる着物を選ぶ、そんな普通の浅い関わりからでした。産地も奄美に限って言えば、1年間生産量が3万反近くから(10年前)から今は5千反。その中で合わせるものが減り、結果自社の帯に合う着物を作る、意匠や色のモノづくりに参加する、深いかかわりになってきました。

 

私は意匠から色までキッチリ関わったのは、南蛮七宝文様の大島。泥、藍、白等は各8反限定で、それ以上は再度作ることも無い、とても希少なモノづくりです。その中の一つが、昨日話題に上がっていた『しーぎ染め』。

 

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南蛮七宝文様/しーぎ大島紬(絣白)】

 

昔はあったそうですが、現在では聞かない、見ていない、昔もあったっけ?それぐらいモノとして世間に無いものです。このその染をして頂いている方も、非常に手間が掛かるから、そら続かないわ。と言われています。この南蛮七宝文様以外でも紋も作りましたし、無地物もあります。

 

この染め色は明るめのグレーをベースに僅かに時々グリーンがのぞいたり、光によっては少し薄いグレーが照ったりして複雑な表情を見せてくれます。その一つ一つがとにかく優しい色で、とくにこの優しさは羽織った時に顔を明るく見せる効果もあり、本当にいい色です。

 

南蛮七宝文様でのしーぎは、8本のみの製織です。そのことを知っている、みんなは『もっと織りたいなぁ。』ともどかしさを感じながら、良いため息みたいなモノをついていました。この前向きな空気を次のモノづくりへ活かしていきたいです。

 

2015年12月09日

ちょっと心持ち離れて横に座り、眺めていました。

 

自社の帯に合わせる『こういうイメージの着物が必要だ。』から始まった着物のモノつくり。(本格的に始めてから)20年以上は経ちました。それでも未だに『となみさん、帯屋でしょ?』とか『本業ってなに?』と言われることもまだまだありますが、この20年は経ったというと、『ヘェ~。』という声とともに、自分たちでも意外なほど経ったなぁと未だに思ってしまいます。

 

それでも生産量的にも、やはり本業は帯屋ですので、若手がモノづくりを始めるのもは基本的には帯から慣れていきます。その帯づくりが、少しずつ進むに連れて、個人レベルでも自分の作った帯には『こういう着物が必要。』という気持ちが芽生えるスタッフもいます。いきなり複雑なモノは心境的にもハードルが高く、周りからも『大丈夫かな・・・。』そんな空気が漂わないこともないので、まずはシンプルな御召から。

 

 

その時頭をよぎるのが、格言の様に言われている『シンプルなモノほど難しい。』という言葉。知っていて、人から言われても『わかってるわかってる。』とそれぐらい染み付いていても、やっぱり最初はワナに引っ掛かってしまいます。(苦笑)。自分もそうでしたし、まだこれからも何回も落ちると思いますが、簡単なモノほど『見くびりやすい』ので、ワナから抜けにくく、どちらかと言えば、経験になるとしてもハマらないほうが良いです。そのためもあって、若手のモノづくり(御召の場合)には横にいて、プレッシャーにならない程度の見学をする様にしています。極力アドバイスも控え、口を出さない様にもしています(これもまた難しい。。)。

 

 

今日はそんなモノづくり。やはり横にいるだけにしていました。製作するモノも以前製作した意匠。織組織もカッチリとしたモノです。後、主に検討するのは配色。それのみです。さらに、その配色も、今まで山の様に試した配色を参照に、この中から選んで下さい的なレベルです。しかも、本人の意欲も『こんな着物が必要。』と思っているので具体的なイメージもある。

 

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なのに、いざ実際に織る色を選ぶ段になると難しいし、戸惑います。だから、モノづくりは難しんだ、もっと経験を積まないと・・・、と言いたいところですが、自分も最初のモノづくりは同じでしたし(確実に)、今は経験と慣れとで、悩み辛くなりました。でも、果たしてそれで新しいモノづくりが出来ているのかな?と考えると、そこはちょっと悩むところです。

 

 

今回の配色を中心とした組み合わせだけのモノづくり。モノづくりで言えば簡単な部類でしたが、今まで誰もその組み合わせで選択していなかった(思いつかなかった)ものです。おそらく仕上がりは、(彼のイメージ通り?)品のある春を呼び込む様なモノに仕上がると思います。

 

 

僅かかもしれませんが新しい感性のモノづくりです。ちゃんと探せば、まだまだ新しいモノが作れる空気は沢山落ちていますね。大変、勉強になりました。ほんと感謝感謝です。

2015年11月30日

新しい御召のネーミング。

 

となみが作る着物。いくつかある柱の一つが【御召】。
従来の細やかでシンプルな文様をデザイン・配色したモノが今後も主であることは間違いありませんが、その中に一つ+出来そうなものが、上がってきました。まだ、試験で織り配色含め実験レベルではありますが、充分可能性を感じるモノです。

 

特長は、ベース部分。緯糸の色数が従来品の倍織り込みます。経と緯との関係を見直し、御召・『織』で柔らかな色を表現しようとしています。一反目が、もうしばらくすると反物で上がってきますが、その前にやってしまいことは、『この織物に名前を付けること。』

今後のモノづくりのイメージを膨らませたりするため、でもありますし、スタッフ間で付けた名前で呼び、できるだけ愛着を持つために、できるだけ早くしてしまいたいです。そう思いながら、新しいモノができそうな時(帯はまだマシですが)、バッグなどの小物は特に毎回困っています。

 

その名前を決める最中、この試験織を囲んで、

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いくつかの候補が上りました

 

 

その中で全員が『あっ、それやわ。』と頷いたのが、『木花(このはな)』。

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柔らかな中間色やパステル色でまとめた帯シリーズです。

 

まだ、仮でありますし、一反も織り上がっていませんので、何ともいえませんが、来年の桜(木花)の時期にお披露目が出来るようにモノづくりを進めていきたいと思います。

 

 

京都堀川通のイチョウ並木はそろそろ見納めになりそうです。今年は一斉ではなくてジワジワとした色変わりでした。

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2015年11月13日

御召緯は細かい地紋でどこまでボリュームを作ってくれるのか?

本物の御召緯(風が多い)を帯の地全体に使って製織する『しぼ織』。今まで、これで良いと思っていたところにある打ち合わせの最中、パッとでてきたアイデアがあります。

いま、しぼ織の中で一番多いのはこの様な地紋による隆起。それが柄によって少し変化が付いたモノ。

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帯一本を通して、上から下に流れるように織り込んでいます。今考えているのは、このしぼ自体を①さらに細かく②しぼだけで柄を形成することができないか?という2点です。それを実験するに当たっての前実験では、細かく織ること自体は可能。その後の御召緯で織った生地を、湯に通し、全体を縮めた際、どこまで縮んでしぼが作れるのか?そこが大きな問題です。

細かく柄を綴じると、お湯に通し時に、その綴じた糸が御召緯の邪魔をして、縮まないのではないか?等々、想像できますが、その程度は予測できず、実際にやってみないと分かりません。そのため、今日は、お湯に付けるための紋を作るところまで、進めました。

 

理科の実験の様なモノづくりになっています(笑)が、もしかして『しぼ織』の次の大きなモノづくりへのキッカケになるかもしれませんし、ここでは充分な試行錯誤を繰り返して、横道に逸れながら、しぼの細かさの限界点を探りたいと思っています。

紋が上がり次第、その2で報告しますね。

 

 

明日からは奄美大島(←仕事です。)へ。目的は、奄美大島の職人さんと一緒にモノづくりをしている『りんぐ大島紬』について。となみで製織する帯のためにも、もっともっと力を入れていきたいです。それはご報告できると思います。ここ一ヶ月で沖縄⇒鹿児島⇒奄美と3つ続けて南国です。『南国風の良いデザインが上から舞い降りてこないかなぁ?』と、そんな期待も持って行ってきます。ちなみにまだ風邪は治っていません〜

 

2015年10月30日

ほぼお任せで注文を頂いた着物の納品です(男物)。

日頃から大変お世話になっている方の着物(男物)が仕立て上がってきました。『基本的に全部任せるし、色は黒、グレー系で。金額はだいたいで良いし、あとでざっと教えてね。』そんなザックリとした注文です(笑)。

ご自分で色を見て、生地を触って、顔に合わせて選ばれる訳ではないので、こちらで顔を思い浮かべて、その方の雰囲気を考え、着て行かはりそうな場所も想像し、最後にご要望の色に合わせて、生地選びとコーディネートを行いました。

 

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『左から襦袢、着物、羽織』

ちなみに、前回もお任せ頂きましたが、その時は全体西陣御召でしたので、今回は違った産地の生地にしようと、羽織には泥大島の無地(ほぼ黒です)、着物が綿薩摩(東郷大島)。を選びました。おそらく、この二つはイメージ通りだと思います。ただ、『ちょっと遊ぼ。』と思ったのが中の襦袢。綿襦袢(東郷)でカラフルな横段のモノです。シックな南蛮七宝文様襦袢(坪金)をお持ちなので、敢えて遠い感じのモノを選んでいます。

ある程度枚数が増えてからは、自分の着物を選ぶ場合、①面白そうな生地やし、とか②新しい織り組織できたし、とか③今まで着たことのない所の織り手さんのやし、と通常とは違った基準で選ぶようになっています(笑)。さすがに依頼されたものに関しては、そんなことはせず、自分のモノの時の何倍(何十倍?)も気を使います。
ですが、その人の雰囲気を見る勉強にもなりますし、もっとこんな感じのモノを作れば、次面白いかも?と色んな気付きをもらえますので、このコーディネート依頼され業も、楽しくなるまでやってみたいと思います。

次は、『超入門用をお任せします。』と女性の方のも言われていますので、一応信頼さている様ですのですね(笑)。
モノづくりしながら、こちらも頑張ります〜。

 

気に入られるかは判りませんが、気楽に着るための羽織紐はプレゼントしようかな?と思っています。

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2015年10月16日

見せ合うわけではありませんが・・・。

 

着物(男物)会をしました。男だけですが、着物を着て美味しいものを食べる。それだけの会ですが、妙に楽しく長く続いています。全く着物と関係の無い業種の方も、言葉に出来ない魅力を感じておられる様です。気づいておられるか判りませんが、極力同じもの着て行かないようして、もし興味を持って『何の生地?』となった時には、できるだけ織物についての話(産地や糸、歴史的な話)に触れるようにしています。

今回はこんな着物を着て行きました。

 

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羽織:紋紬南蛮七宝(緯糸にはターコイズ)、着物は神坂雪佳の世界(海路)/御召、角帯は南蛮七宝文様(600経紬)です。羽織紐は触れてもらえませんでしたが(笑)、モレッティ硝子を使った土星の羽織紐。物凄く重いです。

 

沢山のルールもありますが、まず着姿を見て面白いな、着てみたいなと思って頂ければ、ある程度OKで、それから織物の知識や細かなルールを自然に身に付けていく(自分もあまり自信が無いところもあったりしますが・・・。)。これからも会を続けていって、どんなモノが自分に似合うのか?似合う様になっていくのか?参加のメンバーで楽しんで着物を着て、美味しいものを食べたいと思います。最近は、着物を着て集まるのが自然になってきましたので、とても良い方向に進んでいます。また、自分の着姿とともに紹介していきますね。

2015年10月10日

こだわれるのは・・・。


長年酷使していたMacの調子が悪く、今日はブログ更新には慣れないiPadを使っての更新です。出張へ行った時など、これで更新できれば荷物も減るし・・・。と思い続けて何年も経ってしまいましたが、この様に強制されないと、なかなか環境は変わらないものですね(苦笑)。帯屋ですが色々できるように、こちらも頑張ります。


さてさて、この写真は来年8月末で製織終了の塵よけ、後10ヶ月ほどですね。。。月産を考えると、総数も想像できますので、ホントに寂しいものです。つい最近上がってきて、これは!と思った色目です。この塵よけは何年も作ってきたのに、初めての系統のモノ。写真では少しグリーンが立って見えますが、実際にはベージュが主になっています。

 
ある方から『先染めの御召を染めたモノと同じ様な色に染めて欲しい。』という依頼を頂いて、挑戦したモノです。そういう依頼を受けても大概は腕の良い職人のお陰で、そこまで無理なくできるのですが、今回の元になったものが、一度先染めで織ったものの上に色を加えて、下の色と混ざらない様にした、そんな複雑な反物です。それを参考に色出ししましたので、生地を何反がダメにするつもりで、色を作り染色しました。職人の数が激減していますし、手間の掛かり、ややこしい仕事は『コンピュータと違うし、無理無理。』と言われる所もありますが、ここの職人は納得いくまで、トコトン色あわせして頂けました。
それで上がってきたのが、写真の反物。これ以上やると、生地がダメになる、ギリギリでの完成です。自分たちがトコトンこだわり抜くと言っても、それに賛同して一緒にモノづくり出来る職人さんがいるからこそ、出来るわけで、今は本当にありがたい環境にいるんだな・・・、とこの反物の写真ですが見ながら、感謝しています。
もちろん帯づくりの職人さんも同じで、間違いなく、となみ織物のモノづくりの生命線です。
 
 

 

2015年10月06日

一式着物がほしい(男物)。

 

仕事の様な趣味の様な風で『男物を着て集まる会(少人数)』を1ヶ月または2ヶ月に一回実施しています。全く着物に興味を持たれていない、お付き合いの方もおられましたので、『いつまで続くだろ?』と少し不安に思いながらも、今月も含め結構な回数を重ねています。最初は美味しい食べ物につられ、最近は着物を着て歩くこと自体にも楽しみを感じてもらえるようになったのかな?

 

着物業界は、お客様へ着物を勧めるのに、なぜかスーツだったりと、ちょっと不思議な所もあります。実際、販売する方の着物に対する思いは『着物は着るものではなくて、売るもの。』(非常に残念ですが)そんな考えを持っている方も少なくありません。そんなこともあって、男物を着て集まる会が続くというのは、不思議な目で見られたりもします。

 

最初は、『今日は雨降りそうだし』とか『着る時間が・・・』だから、スーツ?最初の何回は毎回、そんな話も出てきました(気持ちは分かります(笑)。また実際に作られた着物も『一着で夏も含めて、ずっと行けるのが欲しい。』(未だに着物は難問です。。)と言われていました。ただ、会が回数を重ねるうちに、段々と目が肥えてきて、要望も出てきて『やっぱり、自分にはグレーが似合うから、次はグレーで。』『それに合わせて羽織は・・・、任せるわ。』そんな話になって、今では明らかにハマって来られました。

やっぱり、まず自分着てみて少しでも興味が出ると、日常もそれが目に入る、人の物を見て比較する。目が肥えて、自分に似合うものが判るようになる。そして欲しくなる。私も同じで、自然の流れです(笑)。着てイマイチと言われると、どうしょうもありませんが、値段がはるもので、しかも仕事の様な趣味の様な世界です。それでもハマって頂けると、これ以上嬉しいことはありません。

 

そんなこんなで、『新しい着物が一式欲しい。』と要望を頂きました。しかも、今回は前回のオールお任せと違い『色味の要望』(嬉しいです)を頂きました。それに沿って、お作りしようと思います。色味以外は基本的に全部任せる、と言って頂いています。

それを受け選んだものは『次自分が欲しい物リスト』の中から、その方の要望に応じ、かつ似合うモノを選びました。前回は、着物、羽織共に『御召』。それを踏まえて、選択したモノは・・・。

 

 

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【左:東郷織物、右:大島紬無地】
色目は要望を頂いた通り、黒×グレー。

 

とかなり落ち着いた感じに。両方の反物とも語りがありますので、納品の際にはどういう思いで作られたモノなのか、それをお伝えしてお納めしようと考えています。いまは要らないかな?とも思いましたが、いずれ必要になる、なって欲しいですので、まず(右から左に抜けても)言葉で伝えるのと同時に紙に書いてでも、伝えておきたいです(笑)。

知っているのと知らないのとでは、着る時の思いの入れようが変わってくると思いますし・・・。

 

さらに、長襦袢は任された強みで、ちょっと個性の感じる特別なものを入れる予定をしています。

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【希少な東郷織物の綿長襦袢】

 

リストに入れているモノではなくて、その上のリスト自分の取り置き分です(泣く泣く譲ります)。。。今回の着物と羽織は今お持ちモノとのコーディネートはし易く、どこにでも着て行き易いモノです。たくさん着て頂いて楽しんでもらいたいです。

 

世間一般には、なかなか普及しないと思われる着物、その中の男物。和気あいあいと一緒になって楽しみながら、じりじりと着物ファンが増えればと思います。この会の話をすると、異なる業界の方からは『ぜひ参加したい!』と言われる方も結構おられますので、長く続けていきたいですね。

 

 

2015年09月29日

唐長さんへ

 

今日は午前中丸々、唐長さんへお邪魔してきました。

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3時間以上(とっても濃い時間)お邪魔していましたので、話は多岐に。モノづくりのヒントも沢山頂いてきました。まだまだ内緒のこともありますが、まず自分がこだわる南蛮七宝文様について、11代目からは『もっと突き詰めれば、もっと面白くなるんじゃないか?』という視点でのヒントも頂けました。南蛮七宝を核に据えての次の具体的なモノづくりや、今すぐにはを形にするのは難しいかもしれませんが、少しずつ具体化できそうなモノ。霞を掴んでいるようでいて、やってみれば何か掴めそうなヒント等、これからやれることは山ほどありそうです。

まずは・・・。となにから手を付けるか、ここで書きたかったのですが、一度今日出た話を整理して、一つずつ自分なりに分解しながら、モノづくりしていきたいと思います。またそれは進めながら、みなさんに紹介していきますね。

 

本社に帰ってくると、こういう時、不思議と上がってくるのが南蛮七宝文様の新作。今日は新しい配色の御召でした。

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『紋紬/南蛮七宝文様』

 

この反物は緯糸には紬糸、経糸を紋で遊び、ザックリとしつつ、お洒落着になり過ぎないよう(もちろんお洒落着なのですが・・・)に最後の線を超えるのは止めている紬の着物です。『どういう織物か?』を説明するのは、とてもヤヤコシイ反物なので詳しくは、ここでは避けますが、今日上がってきた配色のものは、とても面白い雰囲気を持っています。この反物の場合、緯に通る多くの色糸のうち、一つには『水色』を入れて、くすみつつもスッキリ感も感じます。

 

他にも『黄色』を通した配色違いのモノももう間もなく織り上がってきます。ここに入れる帯をどうするのか?とても楽しい課題をこなすモノづくりも進めていきますね。

2015年09月12日

コート用に

 

生地を織ってみました。

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この見本裂と同じく南蛮七宝文様では、『三重紗』という織物を夏の塵除けとして、製織いてして(もう織れなくなりますが・・・)季節限定ながら、とても人気です。これはその冬バージョンをと考えて製織しているモノです。ベースは御召でそこに紬糸を緯糸で織り込み・・・、そこへ少しとなみらしさをプラスして、見本で織ったのが上の写真。

 

折角なので、形も提案できる様に現在仕立て屋さんとも打ち合わせをしています。織り手、メーカーとしてのイチオシはこれ、そう言えるように詰めます。またその際、別件でもう一つ、『自分がほしい!』と思えるモノも出てきましたので、それはそれでまた改めて、紹介したいと思います。そのような感じで、今のところ、漠然とした話がふわふわと2,3つ周りに浮いた状態です。

注文を頂いてから納品時期を考えると、もう反物が目の前に無いとそろそろダメな時期(やばい!と実は焦ってますが・・・)なので、ここからは寄り道せず進めていきます。

なんやかんやとバタバタと過ぎて行く9月です。

 

 

2015年09月10日

目標。

 

昨日は久々に唐長さんの両替町ギャラリーにお邪魔してきました。あっという間の2時間でしたが、少しずつ新しいコラボの話が進んでいます。最近は唐長モノづくりがここでは話題として多いですが、実際に今一番多くの時間を割き、優先順位も一番と考えています。そこから得られる感覚、具体的には配色や柄の組み合わせ、(ですが言葉にしてしまうと何かちがう?)をいつも得させて頂いています。

 

今、モノづくりとして自分のブランドの作楽もあり、銅板作家の舟田さん、(言葉にしにくいですが)新しい配色を模索、新しい織組織を検討してみたりと書き出すと、『あっこれだけ?』と自分でも思ってしまう(苦笑)のですが、どれ一つ取ってみてもある程度でも形にできたと言う為には、何年も掘り下げないとダメなモノばかりです。一つ一つを大切に、それに関わっている時は最大限絞って集中して、モノづくりを進めていきたいと思います。

 

作楽、一つ取ってもその中に小休止中のモノがあったりと、忘れてはいませんので(資料も山ほどデジタル、アナログとも溜まっていますし・・・。)あー今日は無駄な時間を過ごしてしまった。とならないようにしたいと思います。気が付くと、他の仕事も増やしてしまいがちですので・・・。

 

さてさて、唐長さんに関しては、11代目の奥さんとのコラボ(唐長-Ikuko)での新柄製作のため、今度は修学院の工房へお邪魔させて頂きます。自分の中では、今まで製作してきた南蛮七宝文様の御召と、これから製作する南蛮七宝以外の唐長文様帯とのコーディネート。さらに、そのコーディネートにはこれ。といえる帯締め、を製作する。そして、そんなコーディネートを幾つものパターンが出来た時、本当にモノづくりやっていて良かったな、と思える瞬間を味わえそうです。当面の目標です。

 

自分も楽しみですし、皆さんも楽しみにしていて下さい。
ひとつずつ進めて行きたいと思います。

2015年06月19日

ひそませる色

 

唐長文様のモノ作り。
新しい文様は帯地で順調に進んでいますが、ベースとなるのはやはり南蛮七宝。
 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime/2015/06/post-2156.html(参照、輪宝文様)

一度完成させた織や技法を後に他の柄へ応用を効かせることは、
その柄特有の問題(大きさや雰囲気作り)を除けば、そんなに難しくありません。

ですので、今は良いと思うことを南蛮七宝文様で、試行錯誤、繰り返しやっています。

 

今回、目指すモノづくりは、生地に色を潜ませること。

唐長さんが良くお話され印象に残る『色』は、シックや渋く見えてもきれいな色を潜ませることで、
はんなりとさせることができる。簡単そうで深い言葉です。

糸と染めでどこまでの表現が出来るのか、わかりませんし、自分なりの勝手な解釈になることも
ありますが、まずは『あ、これか。』と自分のお腹の中に落ちるまでは試行錯誤の連続です。

じつは、昔にほぼ同じ目標でモノづくりへ取り掛かりましたが、少々中途半端に終わりました。
失敗とは言えず成功の部類に入るとはおもいますが、落ちる所まで行っていませんでした。

文字で書くとこんな感じです。
白生地には白(もしくは生成り)が潜んできます。ただ、染めて色を乗せても、
見慣れているせいか、その白は目には入ってきません。

以前の時は、敢えて生地に白色を潜ませようと、
生成りではなく、白に染めた糸を使った先染め御召を使い、白を潜ませようと染めてみました。

結果、奥行きを感じる、とても良い雰囲気を持った反物になりましたが、
狙っていた目標までのホンの僅かに届かなかった、勿体無さも感じていました。

 

失敗というよりも成功だったので、それ以上直すところも見つからず、それはそれで。
だったのですが、今回はある所からヒントをもらい、ベースに使う御召を変更。

色は、『白⇒萌黄色』です。
 ※春先に芽吹く若葉の様な明るい黄緑です。

 

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経も少し変えて、上から引く染料に馴染みきらないように、工夫もしています。

 

ちなみに、引き染めで上から引く色は『少しひねたグレー』。

最終の目指す所は、正面から見ると、ひねたグレーが、ふとした拍子に、もしくは光の加減で、
底から萌黄が浮いてきて、薄い地色の着物を着ているような透明感、きれいさを感じることが出来る。

そんなイメージです(文字は難しいですね〜(苦笑)細かい話ではなく、清々しい綺麗さを感じるけれども、
見た方はそれがどこから来ているのか不思議に感じる。そんなイメージです。)

 

 

そして、完成した染め上がりはこんな感じ。
写真でその萌黄を出そうと色々してみたので、upしておきます。

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この手法ではまだ数反程度の経験しかありません。
まずは一つ目の『おっ』と思えた、成功作です。

今後は、どんな底の色に、どんな色を掛けるのが、きれいなのか?
まだまだこれから試行錯誤して、その感覚を磨いていきたいです。

 

 

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2015年06月18日

自社の強み。御召から見てみる。

『となみさんは〜』と始まって自社の強みに気づいていないと、
昔から・・・特に最近はよく言われます。

反省しながら『この織物の強みって?』『じゃ、この小物は?』
『となみ織物って?』と、事あるごとにスタッフと話をしているので、
今日はその流れを汲んで、自分の頭の中の独り言のような感じになりそうです。

 

『仙福屋の御召』⇒オリジナルという軽さが目について、個人的には
あまり好きな言葉ではないのですが、それ以上いい表現を思いつかないので、
となみ独自のオリジナル御召です(これから上手くなるように努力します)。

 

何がオリジナルなのか?というと、この織物自体、糸種、糸の使い方、織組織、
意匠。すべてが独自のモノを独自の組み合わせでモノづくりをしています。

自分たちが考える一番着やすく、意匠が美しく見えるように。
また、意匠に関しては時間とコストを相当掛けた帯のモノを利用し製作します。

 

じゃ、もしかして手抜き?
と思われるかもしれませんので、使用前後を乗せておきます。

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Kilim経錦帯✕御召』

 

この帯の意匠を使い、着物として一番美しく見える(もちろん仕立てした時を想定)様に
再構成し、製織しました。

 

元の図案に力があるため、変化を加えすぎると良さが消える恐れがあり、
そのまま使うと、着物として成り立ちにくい。

そのバランス感覚も帯の意匠をオリジナルの着物として使うには、大事な要素です。

 

こんなことが出来る様になったのは、となみの歴史からすると、そんな昔ではありません。
今では、大きな大きな強みの一つですし、同じことをずっと同じままするのではなく、
新しい分野でモノづくり出来るように会社が変化できる、それも一つの強みかもしれませんね。

 

 

2015年06月08日

次の一歩。『輪宝紋様』

 

唐長さんとのコラボで製作している南蛮七宝文様。

取り組み始めてから気がつけば随分と月日も経って、
そこには(少なくとも)十数年のノウハウが蓄積されています。

帯で、紹巴織、総紗縫、紬、しぼ、千寿錦、秘錦、紗楽、上品綟で8組織。
着物も御召や大島、紗、三重紗、ブラタク×2等。
さらに、小物もバッグ、草履、財布、帯揚、ショール等。

 

好きにモノづくり?試作作り?させて頂いていますので、
同じ期間で比較すると、通常のモノづくりよりも、遥かに多くの経験値がたまっています。

 

次の一歩として現在は2柄目に取り組んでいて、今までの路線には、全く同じ様には
乗せられませんが、山ほどの失敗(苦笑)をしましたので、根気強く
それらを活用しながら、進めることができると思います。

 

2柄目は、この『輪宝紋』です。

DSC05461.jpg
『輪宝紋』

 

この紋様は、11代目当主と奥さまとの打ち合わせの中で、
柄と色を幾つか選択して頂き、その中から、まずは・・・と選ばせて頂いた柄です。

 

この柄を選んだ理由はいくつかありますが、その一つは・・・。
南蛮七宝がありました。

となみ織物のモノづくり、スタートは当然帯からの製作です。
そうすると、関した帯に合わせたくなるものは、南蛮七宝の着物。

だったら、はじめに取り組むのは、南蛮七宝とは趣きが少し変わるもの。
候補となっていた数柄は、全て素敵でしたが、まずは2つの版木を使った
(その時点で趣きが異なります)この輪宝紋がいいのではないか?

そんなことから選びました。
おそらく何を選んでも間違いないから、余計に迷いました(笑)。

 

この輪宝紋は、七宝繋ぎと同じ様に、吉祥紋様の一つです。

意匠図を作る際に、この柄とずっと向き合っていると、柄の意味、配色関係なく、
柄に惹きつけれられるました。

なにか、あるな、この柄。
文章では説明できませんが、今はそんな感じを紋様から受けています。。

 

まずは頂いた唐紙の色に合わせた配色を行っていますが、
『糸』と『和紙』ですので、全く同じにはできません。

そのため、同じ空気を纏う位の雰囲気を近づけたいと思っています。
それを考えると、現状はまだ色を修正する余地があります。

今後、そのあたり詰めていきたいです。

 

 

この帯も、検品が終わり次第、となみ丸で他の着物との親和性を試したいと思います。
柄の大きさ、色味、やりたい要素は多くあります。

 

 

他の自分としてのモノづくりも、昨日の本袋も含め、山ほどあります。
一つずつ、確実に乗り越えていきたいです!

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2015年06月03日

定番の御召作り。

 

一箇所に留まってしまいそうで『定番』という言葉はあまり好きではありません。
が、『仙福屋の御召』に関しては、敢えてそうなっていいと思っています。

 

世の中に着物地が減ったといっても、まだまだ選択するモノは沢山あり、
その中から最適な一枚を選ぶのは、楽しいですがなかなか困難です。

そんな時に初めて手に取る着物として、もしくは手持ちのほとんどの帯に合わせ
ることのできる着物として、定番は必要だと思います。

 

先日紹介した『Kilim菱』(一番左)。
今日は他の2色が上がってきました。

 

Kilim菱.jpg

 

今まで製作した御召の柄は30ほどありますが、こうやって全ての柄に
別配色を作ります。ものによっては8色、少なくても4色。

 

いつもは新しいモノ、面白いモノをイメージしながらのモノづくりですが、
この時ばかりは、無数の色糸から柄とケンカしなさそうな色を選び、見本で織って、
ひたすらピンと来る色を探す、そんな静かなモノづくりです。

 

となみ織物の着物といえば・・・。
段々と定着してきましたので、ここはこれからも堅実にやっていきますね。

 

 

2015年05月21日

Kilim夏。

 

今日は待望の夏御召が上がってきました。

夏だけど・・・。
帯の総紗縫の様に、透けすぎない透け感を追求し続けて織っているものです。

 

IMG_5560-3.jpg
『夏単衣/Kilim菱(キリムビシ)』

 

ぱっと見た感じ白大島?そんな雰囲気も持っていますが、
持った感じはもう少しフワッとした絹らしい風合いを持った織物です。

 

帯『Kilim』の柄を多少変化させ、モチーフにしたものですが、
そういえば、龍郷柄にも見えなくもないですね。

 

色自体は、ほぼ2色で構成されています。
今から慎重に配色を行い、このKilimシリーズ(今2柄)を充実させたいです。

 

 

 

ここまで柄が詰まると、自分で着ても大丈夫そう・・・。
 

最近は毎日(小さくない)大・中のハプニングだらけで、
今日は、iPhoneが突然動かなくなりました。

これが続いたハプニング最後の締めだということを祈っています(苦笑)。

 

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