となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「唐長」と一致するもの

2007年11月25日

『うらも、おもても、ほそく』

『うらも、おもて』

うらも、おもて 紹巴 裏地 表地

同時期発表の『熊野古道』よりも、
少しだけ説明がいる帯です。

まず、『うらも、おもて』というのが、
タイトル兼テーマです。

この帯の特徴として、織りは紹巴織なのですが
となみ織物の『通常の紹巴』と異なり、

裏に渡る糸が少ないということがあります。
(場合によっては、全くない)

それによって、帯の裏と表、どちらも
好きな柄の中から、選択できる。

 ⇒裏も、表も区別が無い。

=『うらも、おもて』という帯になります。


簡単に上のように書きましたが、

袋帯の幅は、決まっています。


世間によくある普通の帯であれば、少し幅広く織り、
その後、広い部分を織りこみます(これが耳になります)。


そうすると、帯を結んだ際に、
耳の部分が何重にもなり、分厚くなる。


この帯シリーズは、
柄が込んだり、スッキリしたりと

様々な柄がありますが、
そのすべてを、
ほぼ帯幅に揃えます


そして、外かがり
をするので、みみがありません!

分厚くならないので、前から見た時も、お太鼓も
スッキリした着姿が出来上がる。


そんな
『魔法の帯』です。


となみの紹巴織りは、
すべてこの『魔法の帯』ですが、

今回は、どの柄を持ってきても、
ぴっちりと幅が合わせられる!


名前は、ひらがなでシンプルですが、
そんな
究極の職人技が無いと、出来ない

『うらも、おもて』という帯シリーズです。


柄は、大きい柄から、シンプルなもの、
色目も薄地から、濃い地、

特徴的な柄から、シンプルな空気のような柄まで、
幅広く、作り上げています。


今は、

『伊藤若冲の世界』

『唐長』

『神坂雪佳の世界』

『正倉院文様』

など、多岐にわたったものになりつつあります。


結び手も、
選ぶのが・結ぶのが楽しい帯だと思いますが、

作り手てが、
製作していても、楽しい帯シリーズの一つです。


余談ですが、

最初は、

『全部おもて』 『ぜんぶ、おもて』 『えらべる、おび』

などなど、色々なフレーズがあったのですが、


『うらも、おもて』という誰も主張しなかったものに、
決めてしまいました。


直観で、
惹きつけらるものがありました。。。

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2007年11月24日

とっておきの話。

堀川通りは、

イチョウの黄色が陽の光で、

金色に光っています。

そんな土曜日ですが、

『おっと書くのを忘れていました!』

ということがあります。

 

それは、 見てもらいたいモノです。  

この前、

発売された『きものサロン』に載っています。

(P.45です。)

 

  南蛮七宝の帯と着物。

『南蛮七宝の着物』は丸巻きで、

帯は結んでもらってます。

http://senpukuya5.seesaa.net/article/62052234.htm

(着物ですね)  

 

帯は、裏を結ばれているので、

蝶々

が見れませんので‥‥  

こんな感じの帯です。

南蛮七宝 光悦蝶 袋帯

唐長さんの版木として、 数百年残ってきた柄です。  

無駄なモノを徹底して、そぎ落とされて、

ずっと見ていても飽きがこない柄です。

類似品も出てきそうですが、

本物にしかない

上品さが柄から、伝わってきます。  

春ぐらいには、 シリーズとして 正式に、

発表したいところです。  

それに合わせて、草履も製作中です。

こちらも、生産数が限られていますので、

月数足という感じになりそうですね。    

↑ 上から見ても、変わらない?

南蛮七宝 草履 四分二半

横から見ると 南蛮七宝が現れます!    

きものサロン←できれば、見て下さいね!

きものサロン

きものサロン 2008年  01月号 [雑誌]

     

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2007年11月17日

雪をみて

先日、旭川では雪が降り、見事に積りました。

http://senpukuya5.seesaa.net/article/66853723.html

この冬、初の雪ですので、

少し嬉しくなりました。

そして、京都から一緒に来た、

初・北海道の若手スタッフは?

と探してみると‥‥

このベンチに、積った雪を丸めて、

一人でも雪合戦するぞ!的な状態で、

すぐ横にいました。

ちょっとビックリしましたが‥‥

雪を見ていて、

『雪の柄』が頭をフッと横切ったので

自分で紋製作に携わった『雪の柄』から

お気に入り2柄を紹介します。

両方とも、

『唐長』さんの柄を意匠としたものです。

普遍的な柄は、見ていて落ち着きを感じますね。

『雪輪に梅』

『雪の結晶』

上の少し柄の込んだ(雪がたくさん降った?)

方と、

パラパラ降っている?方、

さて、どちらがお好みですか?

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2007年11月05日

いよいよ、登場!!

以前、少し紹介していました、

『南蛮七宝の着物』

です。

唐長 南蛮七宝 男物 白生地

覚えている方もおられると思います。   これです↓
http://senpukuya5.seesaa.net/article/62052234.html


その男物です。


やっとこさ、上がってきました…


ちなみに、

男物なので、通常の着尺の幅よりも広いです


そのため、これを織る時は、少々手を加えます。

経糸を増し、幅を広くすればいい!

というものではありません。


本来、1の幅のモノを、1.1や1.15にすれば、

その分、柄が伸びます(横長に見える)。


ホンのたまーに、そっちの方が良かった、

ということもありますが、稀に稀です。


ということで、筬の巾を広げたりと様々な手を加えて、

織り上がってきた織物です。

『南蛮七宝着物・男物 by 仙福屋』

です。


まずは、自分用に染めます。

羽織か?着物か?両方か?

ちょっと楽しみです!


数本上がってきましたが、

第一弾、織り上げ分は、

完売になっています。
(皆さん値段も聞かずに、大丈夫なのでしょうか…???)

随時、女性物も含めて、

少しずつではありますが、織り上げていきます。


この南蛮七宝は大事にしていきたい柄です。

また、情報をアップしていきますね!

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2007年10月28日

新鮮に、唐長さん

http://senpukuya5.seesaa.net/article/62230251.html

先週は唐長さんの『サルヤマサロン』にも、

お邪魔させてもらったこともあって、

この本を紹介します。


常に目の前にありますので、

以前も紹介しましたが、

年を取る度に

『こんな配色あったっけ?』

というような新鮮さで開けます。


唐長 京唐紙唐長 京唐紙
販売元 : Amazon.co.jp 本
価格 :
[タイトル] 唐長 京唐紙
[著者] 千田 堅吉
[種類] ペーパーバック
[発売日] 2005-03
[出版社] ピエブックス

>>Seesaa ショッピングで買う


是非、帯とも比較して見てもらえると、

面白いと思います。

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2007年10月24日

『期待の着物』を持って行きましたが、そこは…。

昨日にもちょうど書いた ↓ 、
http://senpukuya5.seesaa.net/article/62052234.html


『南蛮七宝の着物』を納めました。


持って行った場所は…

唐長さんの『サルヤマサロン』です。
(オレンジよりも赤の方が良いかも…)

↓ドアを開けてもらい、入った所です。
サルヤマサロン1.jpg

この間、いい空気が流れています。

入った中は、写真で撮るのは勿体ない、

面白い空間がありました。


何か撮って残すのが勿体ない、

というか、

写真で見た後に、

その場所を知った目で見るのが勿体ないというか…


そんな空気の流れている場所でした。

もし、行かはる機会がるのであれば、

あまり前知識を入れずに

行くのが、個人的なお勧めです。


帰ってきたら、今日はモノがものすごく作りたい!

そんなテンションになっています。

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2007年10月23日

楽しみにしていた着物!

 

となみ織物で、長年手がけて、

製作している『唐長』より着物柄へ持ってきたものです。
 

白生地のお召地を落ち着いた色目に染めてみました。。
 

『南蛮七宝・仙福屋御召』 
南蛮七宝 着物 御召
 ↑色と柄がぱちっとハマりました。

唐長の奥様にも、

織り上がり一本目を着られるので、

今後、皆さんに見てもらえることも多くなると思います。


唐長さんはこの南蛮七宝を、

とても大事にされている柄です(何百年も!!)。


そのため白生地製作時においても、

柄の大きさはもちろんのこと、

細かい柄の配置から、柄のボリューム等

とことん、こだわりにこだわったので、

とても良い出来になったと思います。


他の柄ももちろんのことですが、

となみ織物も特に、大事にしていきたい柄です。


男物も製作中です!!
(もちろん、自分でも着ます!)

(男物はすでに織る前から第一弾完売。。。)

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2007年06月06日

報告まで

昨日、唐長さんへお邪魔して、


本当にいろいろな話を聞かせて頂いて、


できそうな帯があります。
(もちろん、頭の中だけですが…)

紗2裏.JPG
 ↑ 今の頭の中です… ↑


今から、いい帯になるかそうでないかの


瀬戸際です。。。。。

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2007年06月05日

襦袢プロジェクト

 
 

今日から、『襦袢プロジェクト』

をはじめました。


帯・着物製作とは、また別の動きですが、


帯や着物に拘ったのに、履物は?

じゃ、帯締めは?帯揚げは?

帯留めは?

バッグは?


と来て、『襦袢』まできました。


となみらしさ、こだわりを出せるようにと、


今から、製作にかかりますが、

 
画像-0264.jpg

 

色や柄等は、打ち合わせの段階です。


一つ、生地は普通にあるものと違い、


触っただけで、

『あ~、なるほど!』

と違いが分かるものです。

帯とは、違う世界も楽しいですね。。

今日は、

唐長さんの両替町三条のお店にも行ってきて、

新しいモノづくりの光が見えたので、

明日掛かります。

 

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2007年04月12日

着物を作る その1 土台作り

 

 
製作にかかり始めた着物です。
 
 
となみ織物では、ご存知の方も多いとは思いますが、
 

縮緬、お召から、紬(大島やおじや等々)、多種類の着物を扱っています。

 

今は、今まで通りのモノ作りに、プラスして、進めているモノがあります。

 

 
それは、シンプルな小紋。

 

 
今までの無地感覚着物と同じコンセプトで、

 
 

『シンプルでシックで着易く、飽きのこないもの』 
 

 
唐長反物.jpg
 ↑ まだ、こんなイメージが頭の中にあるだけですが…。
 

 

現在は、ざっとした柄は決まりましたので、後はその柄の置き方と、色目、です。

 

他にも生地選定等、大事なものも残っていますので、

 

少しずつ詰めていきたいと思っています。

 

秋のはじめから少しずつ皆さんへ紹介できた時は、
 

順調にものづくりができたな~。思ってやって下さい。

 

 
若冲の帯も徐々にしか進んでませんが、ぼちぼちがんばっていきます!
 
 
 
 
 
 

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2007年04月12日

着物を作る その1 土台作り

 

 
製作にかかり始めた着物です。
 
 
となみ織物では、ご存知の方も多いとは思いますが、
 

縮緬、お召から、紬(大島やおじや等々)、多種類の着物を扱っています。

 

今は、今まで通りのモノ作りに、プラスして、進めているモノがあります。

 

 
それは、シンプルな小紋。

 

 
今までの無地感覚着物と同じコンセプトで、

 
 

『シンプルでシックで着易く、飽きのこないもの』 
 

 
唐長反物.jpg
 ↑ まだ、こんなイメージが頭の中にあるだけですが…。
 

 

現在は、ざっとした柄は決まりましたので、後はその柄の置き方と、色目、です。

 

他にも生地選定等、大事なものも残っていますので、

 

少しずつ詰めていきたいと思っています。

 

秋のはじめから少しずつ皆さんへ紹介できた時は、
 

順調にものづくりができたな~。思ってやって下さい。

 

 
若冲の帯も徐々にしか進んでませんが、ぼちぼちがんばっていきます!
 
 
 
 
 
 

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2007年02月16日

京都らしさ。。

 

 

 

 

今日は、唐長さんからの招待を頂き、

  ⇒http://www.karacho.co.jp/

 

 

 

少し京都らしい?環境にいました。

 

 

 

 『駒井邸

 

 

 

 

 

今まで、聞いたことのあるくらいでしたが…

 

 

 

 

 

 img375.jpg

 

 

なかでは、建物もそうですが(昭和2年のもの)、何となく懐かしい感じが漂っています。

 

 

 

2階のサンルーフ等、普段感じるの建物とは全然違う開放感が素敵です。 

 

 

 

主の作品は、今までとは違い全く版木を使わない新しい『唐長』さんがみれました。

 

 

 

 

 

唐長さんが言われるには、

 

 

『普段、身近にありすぎる版木を使わないのは、手を後ろで縛られたみたい』 

 

 

 

 

 

 

その作品は、1階2階のその場の雰囲気に応じて、ピッタリ合うので、

 

 

 

建った当時から、ずっとその作品がそこにあった、という錯覚を起こしてしまいます。

 

 

 

 

 

建物・作品の雰囲気とも、伝えたかったのですが、 

 

 

 

写真は、非常に撮りづらい(多分、ダメ)だったので、撮っていません。

 

 

 

 

もし、京都へ寄られたときは辺りの散策も兼ねて、おススメです。 

 

 

 

 

駒井邸1

 

 

 

すぐ横には、疎水が流れ、椅子でも持ってきて読書がしたくなるほど、静かな環境です。 

 

 
 
 
 

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2006年08月26日

唐長さん

 

昨日は修学院にある唐長工房にお邪魔しました。

http://www.karacho.co.jp/contents/syugakuin/syugakuintop.html

 

最近は両替町三条へお邪魔することが増えてきて、

こちらへはご無沙汰気味です。

 →http://www.karacho.co.jp/contents/sanjyo/sanjyotop.html

 

ですので、久々にお邪魔すると、大きく模様替え?されていました。

 

最初から圧倒されつつ、その後2時間近く、

当主とお話をさせて頂いて、モノづくりという面も、

心構えにもいい刺激を受けました。

 

その頂いた勢いでそのまま

残り半日、モノづくりに突入です。

 

今後のモノづくりの方向性という意味も含めて、

唐長柄でのいいモノづくりもできそうなので、

これからも非常に楽しみです。

 

本当に勉強になります。

 

時々こうやって自分に刺激(感動)を与えないと、

なかなか満足できるものは、出来ないので、充電完了。

気を入れて頑張ります。

 

417AS5MS9KL._SL500_AA300_.jpg

P.S DSCF0144.JPGP.S ↑唐長さんの柄の中で、 南蛮七宝は好きですね!

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2006年06月15日

ギャラリーです。

ネット上のとなみ帯です。


まずは、となみ織物HPギャラリー
 →http://www.kyo-tonami.com/gallery.html

ここから下は「となみ織物の各ブランド」へのリンクです。


○人間国宝

   「大場松魚」
      HP→http://www.kyo-tonami.com/artists/ooba.html
     ブログ→http://ameblo.jp/sousuke5/entry-10008235690.html
 

   「神坂雪佳」
      HP→http://www.kyo-tonami.com/artists/kamisaka.html
   ブログ→http://ameblo.jp/sousuke5/entry-10008210193.html


   

   「平田郷陽」
      HP→http://www.kyo-tonami.com/artists/hirata.html


   「前史雄」


○唐紙

   「唐長」
     HP→
http://www.kyo-tonami.com/artists/karacho.html

○プライベートブランド


「麹塵染め」http://www.kyo-tonami.com/artists/kikuzin.html

ブログ→http://ameblo.jp/sousuke5/entry-10008379668.html

「麹塵染め着物」http://www.kyo-tonami.com/artists/kikuzin-kimono.html

「総紗縫」http://www.kyo-tonami.com/artists/sousya.html


「詩情 夢二」
      HP→http://www.kyo-tonami.com/artists/yumezi.html
     ブログ→http://ameblo.jp/sousuke5/entry-10008721244.html

「作楽」

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2005年09月03日

★いいものづくりができてる、ここ最近☆

前回もこのブログで書きましたが↓

http://blogs.yahoo.co.jp/senpukuya5/10073222.html

シンプルなほど、難しいな、と思います。

四条烏丸の「ココン」にある「KIRA KARACHO」に行かれた方は、

同じ思いで感じていただけると思いますが、配色を変えただけで、

雰囲気から受ける印象まで変わってしまいます。

特に、何百年も様々な淘汰から生き残った「柄」なので、余計にそう思います。

今、唐長さんと打合せをしている柄も、まもなく発表できそうなので、

またここでご紹介したいと思います。

最近は、こういった、いいモノづくりができてます。。

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