となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 南蛮七宝

2015年06月08日

次の一歩。『輪宝紋様』

 

唐長さんとのコラボで製作している南蛮七宝文様。

取り組み始めてから気がつけば随分と月日も経って、
そこには(少なくとも)十数年のノウハウが蓄積されています。

帯で、紹巴織、総紗縫、紬、しぼ、千寿錦、秘錦、紗楽、上品綟で8組織。
着物も御召や大島、紗、三重紗、ブラタク×2等。
さらに、小物もバッグ、草履、財布、帯揚、ショール等。

 

好きにモノづくり?試作作り?させて頂いていますので、
同じ期間で比較すると、通常のモノづくりよりも、遥かに多くの経験値がたまっています。

 

次の一歩として現在は2柄目に取り組んでいて、今までの路線には、全く同じ様には
乗せられませんが、山ほどの失敗(苦笑)をしましたので、根気強く
それらを活用しながら、進めることができると思います。

 

2柄目は、この『輪宝紋』です。

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『輪宝紋』

 

この紋様は、11代目当主と奥さまとの打ち合わせの中で、
柄と色を幾つか選択して頂き、その中から、まずは・・・と選ばせて頂いた柄です。

 

この柄を選んだ理由はいくつかありますが、その一つは・・・。
南蛮七宝がありました。

となみ織物のモノづくり、スタートは当然帯からの製作です。
そうすると、関した帯に合わせたくなるものは、南蛮七宝の着物。

だったら、はじめに取り組むのは、南蛮七宝とは趣きが少し変わるもの。
候補となっていた数柄は、全て素敵でしたが、まずは2つの版木を使った
(その時点で趣きが異なります)この輪宝紋がいいのではないか?

そんなことから選びました。
おそらく何を選んでも間違いないから、余計に迷いました(笑)。

 

この輪宝紋は、七宝繋ぎと同じ様に、吉祥紋様の一つです。

意匠図を作る際に、この柄とずっと向き合っていると、柄の意味、配色関係なく、
柄に惹きつけれられるました。

なにか、あるな、この柄。
文章では説明できませんが、今はそんな感じを紋様から受けています。。

 

まずは頂いた唐紙の色に合わせた配色を行っていますが、
『糸』と『和紙』ですので、全く同じにはできません。

そのため、同じ空気を纏う位の雰囲気を近づけたいと思っています。
それを考えると、現状はまだ色を修正する余地があります。

今後、そのあたり詰めていきたいです。

 

 

この帯も、検品が終わり次第、となみ丸で他の着物との親和性を試したいと思います。
柄の大きさ、色味、やりたい要素は多くあります。

 

 

他の自分としてのモノづくりも、昨日の本袋も含め、山ほどあります。
一つずつ、確実に乗り越えていきたいです!

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2015年06月04日

とにかく軽い南蛮七宝の半巾完成しました。

 

上がってきました『南蛮七宝文様/半巾』。

総紗縫で織った帯地で半巾にしたものです。

 

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ただでさえ激軽の帯地を半巾にしたので、袋帯からすると半分の重量なので・・・。

こうなりました。

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本仕立て済で、198g・・・。

おそらく iphone6+と同じくらいの重さだと思います。

 

帯の全てが軽ければ良い、というモノでもないのは重々承知していますが、
気軽に結べる半巾の場合、軽い方がイイですよね。

そんな半巾の完成です。

 

長さも袋帯は短く、通常の半巾よりは長い1丈1尺(約4m16cm)。

 

10万前後で販売できるように、もう少し詰めたいと思っています。

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2015年05月29日

特殊台に合わせて

 

結構苦手なことの一つに花緒を合わせることがあります。
台と花緒の帯地だけ色を合わせるのであれば、そう難しくないですが、
柄にツボの色、裏側のビロード部分の色となってくると、時間かかります。

 

自分の私用草履は、南蛮七宝の花緒で無地的にシンプルに、とそんな逃げもできます。


が、陳列されるフラッグシップ的なモノ(今回は、となみ丸用です。)に関しては、
入念に、丁寧に(自分の時とは比べ物にならない)時間を掛け、
何百のモノ数の花緒からベストを探すようにしています。

 

しかも今回は特殊台。もう一つ考慮要素が増えました。

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『ツートン台』

 

 

花緒は悩みます。

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(台の白に負けないように、黒に銀色の箔引き箔を使った帯地・・・。)

 

 

ちなみに、南蛮七宝文様の花緒を使った際は、台天部分を挟む様にして、
オセロをイメージしました。

 

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たったこれだけでも時間かかりましたが、
まだ、この他にも色があります(笑)。

 

 

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2015年05月08日

何度目かの『味とキズ』

 

『味とキズ』
モノづくりをしていると常に問題となり、毎日の様に話に出てきます。

 

天然繊維を使うと・・・、特にうちではほとんどが絹です。
 

『シルクの肌当たり、光沢、発色、風合い、高級というイメージ。』

大変素晴らしい素材です。ただ、お蚕さんが糸を吐き出来た繭を使い、
糸を紡いで作るものなので、化学繊維とは比べれない程、糸には太細が付いています。

 

それを使い生地として帯や着物、などの『生地』を織ると、味とキズの問題は
常に生じます。

 

どれだけ頑張っても、おそらく『全くなんの問題も無いというモノ』は、作れません。

では全てそれを理由にするのか?となると、粗悪品が増えますし、技術は良くなりません。

 

簡単に言ってしまえば、『味とキズ』の問題はその間となるわけですが、その点について
先日、ある方からご意見を頂きました(その方ご自身の作品への考え方です。)

 

確固たる技術があり、そこに拘りと、自分の作品へのプライド。
そこに魂を込めたモノづくりした後のモノは、キズではなくて、それは『味』。

反対に全く味も何も無いモノは、面白みが欠ける。

 

いつもモヤモヤしていた所でしたので、なるほど。
と感じさせられました。

 

 

今日まず第一弾が上がってきた『南蛮七宝文様/帯揚げ(夏)』。
 

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『南蛮七宝文様/夏単衣帯揚げ』

 

 

以前はどうしても全く同じものに上がらない。
という意味の『難もの』が多く、困っていました。

 

ただ今回上がってきたものに関しては、そういう意味の難ものが大幅に減って、
一つ一つ生地へ向かわれる職人のプライドと気合いを感じました。

随分前から依頼していたので、やっとですが、
『納期は分からん。』と言われた意味がよく分かりました。

 

 

それでも数枚はどうしようも無いモノも上がってきます。
 

今までの過程を知っていて、ここまでしていたことを考えると、
この数枚のどうしようもない所が、味に見えてきます。

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2015年04月16日

ペーパーヤーンの草履と一緒に博多。

 

博多へ一年ぶりにやって来ました。

そこに届いた出来たてホヤホヤの草履。
『ペーパーヤーン&南蛮七宝文様』。

単衣と夏草履です。

 

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『真綿ペーパーヤーン南蛮七宝文様(仮称です)』

 

同じく仙福屋では夏草履として、網代とパナマも作っています。

が、この二つは、素材の質に草履の出来が左右されてしまいます。
良い時は良いですが、そうでない時、妥協したくないので、製作数は安定しません。

特に網代は昔の敷物に使われていて、年代や作られた職人によって、目の細かさ色が
大きく異なります。ですので本当に良い素材を見つけた時だけの製作にすることにしています。

 

場合によって、一年間全く作らないことも・・・。

じゃあ、そんな時に何を作るか?
そんな中、昨年試行錯誤して出来た草履がこの『ペーパーヤーン』です。

 

説明を書くと、こんな感じ。

真綿草履の夏バージョン、台の天部分にペーヤーン(紙布)を使用し、
足ざわりが良く涼感有り履くだけで気持ち良い。人によっては健康になりそう(笑)、そんな感想も。
また、ペーパーヤーンには撥水汚れ防止加工も施しています。

台巻部分にはダックジュエル。見た目にも涼感を作りました。さらに巻に総紗縫の南蛮七宝を挟み込み、
見た目にもメリハリを。

ちなみに、ペーパーヤーンは北欧産のモノを使っています。
耐久性に優れヒネた色も今のとなみ帯地の地色に寄り添ってくれ、
全体の雰囲気もとなみ&仙福屋らしさも出たように思います。

 

この草履は南蛮七宝文様を巻に入れたので、当然花緒にも・・・。

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ツボ通しの花緒、ツボの色もペーパーヤーンに合わせて。

と、ちょっと特別な夏草履でした。

 

土曜日までの滞在です。

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2015年04月09日

上がってきました『南蛮七宝文様/三重紗』

今日は一日打ち合わせ。

珍しく一日絹に触ることがなかったなぁと思っていた矢先、
塵よけが上がってきました。職人さんがこの仕事を最優先にして下さった様で
(そんな素振りも見せはりませんが)、予定よりも随分早い上がりです。

本当に有難いです。

 

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『南蛮七宝文様/塵よけ(三重紗)』

 

前回は問題があり、4歩進んで5歩後退してしまいました。
一番最初の白生地状態『0』よりも、戻ったことになりましたが、
今回の仕上がりを見ると、その5歩戻った分も結果、色の深みになりました。

この染め屋さんが扱う初めての生地だったので、最終の詰めと確認をしたいとの
ことで、生地はもう一度持って帰られましたが、本当に完成度です。

 

最初の失敗はもちろん偶然でしたが、そのお陰もあってできたモノづくり。
次ねらって行うと間違いなく失敗そうなのでやりませんが(笑)、
皆さんにその辺りの話もしながら、この反物を見て頂ければ、と思っています。

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2015年04月01日

先日の三重紗。見事に失敗。

 

先日の三重紗白生地

引き染めでやってみましたが、見事に失敗。

そのまま行けないことは無いけれども、僅かにムラになる気配(←結構大事です)があったので、
今後はこの手法でやらず、この反物では深入りせずに、この段階で止めて、引き返してきました。

 

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南蛮七宝文様/三重紗』

 

染屋さんとは前回の打ち合わせの時に、完成した姿を話し合っていましたが、
少し焦りながら、次回は違う方法で色を入れていきます。

 

(最初の引き染めが下染めになり)何度も色を掛けることになります。
結果、同じ色だけど深さのある色となる、そんな予想をしています。

色見本と比較しても同じ色だけれども、反物を立てたり、
仕立てて着るとなにか存在感が違う。

災い転じて・・・となることを祈っています。
 

同時に違う色を5反染めましたので、
これらの反物だけ特別バージョンにしたいなぁ。。。

 

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『となみブルーに近い色味も』

 

4月中旬にはいずれかの一反は上がってくる予定です。
こういうことがあると、この5反は愛着が湧きますね〜。

楽しみです。

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2015年03月07日

敢えて雑に扱う、長襦袢。

Facebookに載せているお襦袢をさらに2回目、今洗いました。 
http://goo.gl/pPOY4u

 

 ※南蛮七宝の夏襦袢(絹の風合いの変わらない洗える加工済)
       →このお襦袢自体も、想定よりも濃い色で染めた物を使用しています。

 

初回と違って、洗濯機。
さらに、ザックリと自宅でネットに入れて・・・

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『ネットに入れて洗濯機の上』

試験ですので出来る限り丁寧に扱わない。それを肝に銘じて扱います。
いつもと言っている、やっていることと正反対です(笑)。

 

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『ドラムの中』

 

行ってらっしゃい。
と脱水までの設定をした所です。

 

洗濯機から出すのを少々忘れたことを想定して、しばらく放っておきます。

 

そして、ゆっくり歩いて取りに行き、出来るだけ手遅く干します(笑)。

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イメージとしては『しまった!衿付けたまま、色落ち大丈夫かな・・・。』です。

 

衿も濃い衿を付けたまま、絹の衿です。
(色落は全く大丈夫でした。でも薄い色の衿をオススメします。)

 

吊ったまま、縦方向に少しシワを伸ばします。
ここは丁寧にしました。

 

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『まだ少し湿っています。』

 

濡れた絹は、紙を触っている様にパシパシしていますが、
意外に乾燥が早く、乾くと一緒に風合いが戻っていきます。

 

現在のところ、衿元などはまだ湿っていますが、生地が固くなるわけでもなく、
全体的なシワは、着るには問題ないです。

 

袖に少しアイロンを掛けましたが、それでほぼシワは消えました。

 

 

おそらく3回目も、南蛮七宝の襦袢を洗濯機に・・・。
と気持ちにブレーキが掛かると思いますが、実用的です。

 

生地も非常に強いので何十回洗えば、ダメになるか?
という実験もするべきかもしれませんが、お襦袢が可哀想になってできません。

裁断した裂地を15、16回洗っても全く変化ありませんでした。
365日、毎日洗い続けることを想定していないお襦袢としては、強度も充分過ぎると思います。

 

ただ、実験しないとも言ってられないので、着ながら限界まで挑戦していきますね。

袷の時期でも、このお襦袢を着ているのを見かけれたら、それは実験だと思って下さい(笑)。

 

 

 

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2015年02月28日

想像する、青と藍。

南蛮七宝文様/大島紬、泥藍。

語るところ満載の着物の上に、バームクーヘン名古屋帯を置いてみました。

 

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『南蛮七宝文様/大島紬・泥藍×バームクーヘン(となみブルー)/作楽名古屋帯』

両方とも好きで、思い入れのある柄なので、このコーディネートがどうだ、
とか、どちらが青いか?そんなことは
横においておき、しばらく見ていました。

 

はじめ、このバームクーヘンでは負けそう?そんな感じもしました。
ただ今回は、本仕立てした名古屋帯です。
(キズ
物が最近になって一本出たので、手元用に仕立てました。

 

袋も名古屋も、その帯に合った芯(それが綿であれ、カラーであっても)入れば、
まるで木彫の置物に魂が入ったかのように、風合いや変わるはずの無い色目までも、
かわります(もちろん良い方向に)。

その魂がプラスされた帯を置いたので、当初の心配と違って、
イイ感じに収まってくれたと思います。

 

 

柄を見ると両方これ以上、引き算のしようが無いです。


帯締め入れてみようとも試みましたが、『何色のどんな組を入れて写真を撮ろう?』
と考えてみると、相当悩みそうだったので、このまま、想像する余地を沢山残すことにして、
UPしてみました。

とっても好きな組み合わせです。

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2015年02月25日

神頼みの偶然配色で。

 

帯つくりには要素があって、それは『色・柄・組織』といいます。

今回はそのうちの『色・配色』です。

いつもは原画となる図案を見ながら、紋図の横に糸を置き、見比べながら、
帯色を決めていきます。大体、それが一色目。それ以上どうもならない柄もありますし、
配色を替えて、元の色以上に上手く行くことも少なからずあります。

 

図案そのままに配色をする場合でも、糸には絵の具と全く同じ色はありませんし、
前者も後者いずれの場合も、大小それなりの配色を行う人間の意思が入ります。

 

今回はその場合とは違って、ちょっと珍しい、
ある意味人の意思があまり入らない配色です。

 

上に挙げた3つのうちの組織『経錦』。

経錦は元々中国の漢代(今から2000年以上前)から存在していた織物で、
日本では飛鳥時代にはあって、緯(ぬき)で柄を作る織物の普及とともに取って代わられました。

衰退した理由の一つとして、経糸で柄と配色を作るため、それに全てが左右されてしまうこと。

 

基本的に経3色で柄を作るので、一度整経した後は、その三色は変更できない。
そういうこともあって、非常にリスクの高い織物です。

 

逆にいうと、経錦で配色をする際には、先に経糸三色を決めますので、
その三色を使って、違う柄を織るのもそう難しくありません。

 

そこで、新しい経を整経をする度に、常に南蛮七宝を挟んで数センチ織ってもらっていました。
(ある意味自動的に)自分の感覚とは違った配色を見ることができます。

 

製品になるのは、何分の一?数十分の一?かもしれませんが、数センチで織り上がってきたものは、
こんな感じです。

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この裂地を見ていると、柄同士がぶつかって、
何か新しいアイデアが出てきそうな時もあります。

 

その中から、拾い上げれたのは下の二色。
ほんの僅かしか影響はもたせられませんが、緯糸で最後の最後の味付けを行いました。

 

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『南蛮七宝文様の経錦』

 

配色をサボった様に思われるかもしれませんが、途中の工程は色々あっても、
結果が納得いくまでやり続けるのも、モノづくりの楽しい所です。

 

異なる柄の間に挟んだため、各色3本限定の袋帯です。

 

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2015年02月15日

消えた絣、泥藍南蛮七宝。

 

とうとう上がってきました。

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南蛮七宝文様/大島紬・泥藍』

 

この『南蛮七宝の大島紬』では泥茶から始まり、白、リングしーぎ&しーぎ、夏、
そしてこの泥藍です。

今までの南蛮七宝文様の大島紬は、常識的な最小ロットで限定生産しています。
この藍も8反のみで終了です。

 

一番、取っ掛かりの泥の時も様々なアクシデントがあり、白も、しーぎも夏も、
ひと通りハプンニングがあったモノづくりでした。一応、これが最後となる予定です。

 

織り上がると大島紬は証紙を付けるために、検査場に行きます。
そこで、今は泥と藍の大島はほとんど織られていないため、まだ織ってたんだと絶句されたそうです。

 

そんな希少なものですが、それはこの絣糸を見て頂ければ理由がわかります。

 

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この写真は絣糸ですが、あるはずの絣が見えません。

通常は、『泥染めした部分の茶』×『染まっていた無い糸の白』、『同じく藍×白』なので、
絣糸の濃淡は、白く一際目立ちます。


それがこの泥藍では、極端に見難いです。

 

これらの糸を機に掛けて、絣をタテ・ヨコで合わせながら織っていく。
やはり高齢化が進んだ現場では、非常に合わせづらく、通常のものよりも時間が掛かる、
もしくは進まない織物になっています。

そのため、職とするには、今では織れても織りたいと思う職人が減ってしまった・・・、
そんな大島紬です(それでも織って頂けるので、最後を飾るのに相応しい。)

 

去年前半は、南蛮七宝を見て頂く機会が展示会等でも何度かありましたが、途中これら大島紬やその他
限定のモノが見て頂けるほど無かったので、中止または延期となりました。

そこから少しずつモノづくりをして新作も出来ましたので、今年の春過ぎくらいから、
この泥藍染めはじめ南蛮七宝の世界を、また見て頂ければと思います。

 

この反物は、しばらく京都に陳列して眺めていたいです。

 

 

 

 

 

 

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2015年02月11日

バッグの製作をしていく。

 

先日、南蛮七宝文様の帯で製作したバッグをUPしたところ、
『美しい』とのご意見を数多く頂けました。
 →Facebook上でUPした記事へ

 

ありがとうございます。

 


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仙福屋の利休バッグ

 

むかしから『着物』というと、草履バッグセットが付き物となり、
自然、当たり前の様にありました。形も大体同じようなものが多いので、
今回のバッグの様に、バッグ単品を見て、『美しい』と言われたのは、やっとここまで出来たと、
一区切り、作っていて良かったと思いました。

 

着物の定番バッグといえば、この形となりますが、仙福屋で製作しているモノは、
元々の利休バッグから数年改善を加えて、随分変化しました。単品で見ると、そう思いませんが、
比較すると、形のバランス、手の長さ、また、縫製も耐久性を考え、洋バッグをベースにしました。

そんな自信作になっています。

 

帯を作る際は、帯の中の調和で配色を考え製作していきますが、バッグとなると、
完成している帯の中に色を足す、小物の帯締めや帯揚げに近い感覚で、配色をします。

 

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最初は、革やダックジュエルの色見本や切れ端では、全体のイメージが難しく、
出来上がりも、帯を使ったバッグとしかなりませんでした。
(そこに帯地を入れる必要性がない、という感じです。)

 

それはそれで、当初の目的としては問題ありませんが、作りたいのはそうではなく、
『着物』という冠を外しても、一つのバッグとして見れるもの、そういったモノを作りたいです。

 

帯の作り手として、その帯を裁断して一つのモノを作るには、付き物としてのモノではなくて、
一つの独立したものになるように作っていかないと、帯に申し訳が無いと思います。

 

帯づくりもそうですが、帯地を使うモノ全てを大切にして、進めていきたいですね。

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2015年01月06日

新年の挨拶回りでの着物。

 

昨日の新年の挨拶回りはこの着物で行きました。

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『着物:御召(南蛮七宝)、羽織:御召、襦袢:南蛮七宝(坪金生地)』

 

紋付きを着る機会があるので、紋付きで袴履いて練習するか?という気持ちを
ありましたが(袴は久々なので直ぐに履けるか微妙・・・)、やはり新しい年の初めは『南蛮七宝』。

ということで、上の格好です。

 

毎年、仕事始めの西陣の智恵光院通は午前中、挨拶回りの車で一杯になりますが、
不思議なことに殆どの方は、白いネクタイにスーツの方ばかりです。

そこにいる皆さんが、ビシッと紋付きばかりだと、京都(西陣)の密かな見どころにも
なりそうなのですが、今のところとても残念です。

 

少し減りましたが、着物は年間通じて、相当着ます。
今年気をつけたいなぁ、と思うのは着物整理。

色んな所に置くためか、着たい時に手元に無いことがとても多いです。
(全く自分のせいですが・・・。)

 

それに加えて、特に羽織紐は羽織に付けたまま、畳んでしまいますので、
羽織一つ一つ、開けて見ないと、その時付けたい紐が無かったりすることも、
よくあります・・・。

 

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(二つの石が磁石で引っ付きます。)

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(もの凄く重い土星です。)

 

個人的な今年の目標は、着物の大整理。
 

 

ちなみに、行方不明中のお気に入り羽織紐です。。。

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これはどこかの羽織に付いているのを見た様な・・・。

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整理、がんばります〜。

 

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2014年10月09日

経錦の南蛮七宝文様

 

漢代(2000年以上昔)より織られていた経錦。

名前の通り、経糸で柄を作る織物ですが、色や柄の制限、複雑な設計等々から、
その後に来た緯錦によって、ほぼ置き換えられた織組織です。

 

西陣でも『経錦織れますよ。』というと、『おっ。』となる少し珍しい織物ですが、
持った感じの風合い、結んだ時の絹の感触は本当に独特で、この織物のファンもおられます。

 

となみ織物では、以前典型的な経錦を織っていて、現在はそこから改良を重ね、
経錦の制限の一つ、柄に関して克服した新しい経錦を織っています。

それが、『漢錦』です。

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織れる機も少ないので、意匠図を起こしても、なかなか織れない状態が続いていますが、
やっと待機していた『南蛮七宝文様』の経錦が機に掛かりました。

 

この織物特長でもあり、非常に悩む点でもある、現在進行形で悩まされていますが、
まずは第一歩すすみました。

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とことんシンプルな紋で経錦を上げていますの、独特の風合いを南蛮七宝でも感じてもらえればいいな。
と思っています。

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2014年05月16日

仙福屋御召の新作(経無地御召)


京都に帰ってきて、一番最初に触ったモノが、
御召、袷単衣用の着尺の新作です。

元々のモノは、風合いシャリッと生地には手持ちもしっかりとして、
さらに透け感すらある。そんな織組織で織ったモノです。

 

仕立てをお願いしている超ベテランの職人さんからも
『わたしの触った着物の中でも一番。』と言って頂いたこともありました。

 

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仙福屋御召/経無地御召』

 

そんな反物から少し経糸に変化を付けて、スッキリと文様を表に出しつつ、
地色の色味を柄の濃淡をそこまで付けず、あっさりと無地感覚に近い形で配色
したものです。

 

これに合わせる帯は・・・と考えると、総紗縫が真っ先に思い浮かびましたが、最近織った『南蛮七宝』のブルー無地もおもしろそうかな。。。?

 

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Pinterest
 ⇒http://www.pinterest.com/senpukuya5/唐長文様南蛮七宝/

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2014年04月01日

夏・南蛮七宝大島紬/限定8反

 

普通でも時間の掛かるモノづくりですが、
その中でもさらにもう一つ時間の掛かる他産地とのコラボレーションが、
たった今、上がってきました。

 

泥茶の大島紬から始まって、
 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime/2012/05/post-1670.html

 

『白大島』
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山奥に原材料を探しに行った『しーぎ』(今、織ってます)、
 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime/2014/02/post-1959.html

 


そして、今回の夏大島紬です。

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(織り上がり、ハサミを入れる所です)

 

今までのこともあり、こちらのイメージやこの南蛮七宝文様にも慣れてもらっていましたので、
立ち上げ自体は、今までよりもすんなり行きましたが、一番大変だったのは、『織り手』。

 

原材料が出来てからも、しばらく探した職人さんに織って頂きました。

実際、まだ反物は手元に届いてませんので、風合い色味等の細かい部分は判りませんが、
この写真を見ているだけで、想像が膨らんでいきます。

 

予定では明日到着です。
 

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2014年02月08日

『配色×配色』 南蛮七宝/絵羽シリーズ

 

『南蛮七宝』の帯や着物をもって、お客さんやスタッフの話を聞いていると、
かならず一度言われるのが、『色が変わると違う柄みたい』ということです。

 

まず柄の段階で、花に見たり、星と丸に見えたり変化しますし、
さらに色の要素が加わると、また違った柄に見える。
物凄くよく分かります。

 

そんな南蛮七宝の『色』は、本番を織るときには、通常の帯よりも沢山の色の組み合わせを
試験で織ります。特に御召の場合は、地部分と上に乗る色との組み合わせに、時間を掛け
さまざまな配色を作り、色サンプルを織ります(反物が出来そうなくらい)。

 

そんな打ち合わせの中、生地同士2色を組合わせて織ったものが、この『南蛮七宝/絵羽シリーズ』。
以前も2反分織りましたが、今度もまた異なった色味で新作を作りました。

無数の色糸の組み合わせで織った多くの生地(サンプル)があり、中から
自分のイメージに合った、二色を選びます(色糸の段階、一から作ることも。)。

 

そして出来上がったのが、この絵羽。

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『ベージュとグレー』を合わせたモノに、『淡グレーに薄青』を合わせた絵羽です。

 

もう一枚が、

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『濃い墨に藍』×『紫濃淡』

 

まだ上がりたてなので、あまり意見は聞けていませんが、このシリーズに関しては、
同じ配色のものを作るつもりは無いので、全て一点モノの配色にしています。

 

折角なので、このモノづくりに関しては色の組み合わせの組み合わせを、
ずっと追いかけておきたいと思っています。

 

次は、『横段のもう少し色を増やしたものを』と考えたりもしていますが、
2色でも、相当悩みましたので、それ以上の3色バージョンはもう少し時間を掛けで、
考えていきたいと思います。

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2014年01月21日

『しーぎ』南蛮七宝/大島紬。

 

予定であれば、取り掛かるだけでも随分と先になるはず(夏予定)だった、
モノづくりが、『しーぎ』という染糸の調子を見るためにも、ということで、

他の仕事を全てすっ飛ばして、こちらから進めて頂いています。
(本当に本当に有難いです)。

ちなみに、『しーぎ』完成形の一色はこんな色です。

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纏まると温かな色味、一本ずつだと静かな色になったと思います。

 

この元の素材を探すのに、奄美の山奥に入っていて、色々なこともありましたが、
職人さんの大きな大きな助けを頂いて、ここまでは順調すぎるくらい上手くいきました。
(染めはじめから、振り返ると約4ヶ月ほどです。)

 

ここからは織りの工程です。
柄はもちろん南蛮七宝。

IMG_0989.png

 

 

まだ織り出したばかり、なので柄部分は僅かです。
ここまで来ると、あとは上がってくるのを待つのみです。

今からとても楽しみです。

 

以前に織った『泥と白大島紬』は、原材料がありませんので、今後は織れません。
この『しーぎ』染の大島に関しても、糸の染めの量、その他の原材料からしても、
数反織って、終わりの商品になると思います。

 

とても贅沢で、常に頭のどこかに残っていたモノづくりでしたので、
これでやっと、ちょっとホッとできそうです。

 

IMG_0384.jpg

『意匠図と絣糸』

 

自分の誕生日に、この着物の途中報告ができて良かったです。
 

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2014年01月16日

革と帯の配色。〜丸型ボストン製作

 

新しいバッグを製作しました。

ほぼ帯の配色をしているのと同じような感覚でした。

 

DSC01117.jpg

帯地は『CelticKnot2』

 

いつもであれば、帯地と共感で配色をすれば良いだけ(それでも悩みます・・・)でしたが、
今度は、さらに配色の上からの配色、という感じで、帯の配色を邪魔せず、革の色が浮きすぎず、
それでいて、せっかく色を挿すので『かわいい』と感じるもの。

織り上がった帯地の上に革を置いて、配色をチェックしながらでしたが、
出来上がった時、バッグの立体感が入ると、イイ意味で少しイメージが違いました。
 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime/2013/12/post-1943.html(革と合わせています。)

 

南蛮七宝の時とも、違うイメージを持って取り組まないと、面白いものになりませんので、
楽しみつつ、真剣に配色等して行きたいと思います。

 

昨日、CelticKnot1の方をFacebookにアップした所、評判も良いようですので、
色々製作してみたいと思います。
 ⇒CelticKnot1バッグ記事へ

 

※このCelticKnot2ですが、最後に付いている『2』を×2だと思われた方いて、
『ケルティックケルティック』と呼ばれていました。

どうもそちらが定着しそうな雰囲気です。

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2013年12月24日

帰ってきました。

 

4日間ほど出張へ行き帰ってきました。
行った先でも、『風邪大丈夫ですか〜。』と歳の割に物凄く心配して頂きましたが、
ほぼ完治です。ありがとうございますm(_ _)m

 

普段社内ではあまり喋りませんので、出張へ出た時はその分頑張って、モノづくりの話を
持って行かせてもらっています。

最近は、南蛮七宝を中心に、後は作楽シリーズです。

 

自分で製作に携わっていますので、自分だけしか出来ない話があります。

柄の由来やその他、自分以外でも勉強したら、なんとかなることは極力話さず、
伝聞やそれらしい話では伝わり難い話、そんなモノばかり持って行って、見てもらっています。

 

おそらく来年もちょこちょこ気分転換も含めて、出る機会があると思いますので、
折角話す機会を作って頂ける限りは、興味を持って聞いてもらえうように、
頑張りたいと思います。

 

今年、『南蛮七宝』の中で思っていたよりも、多くの良い評判を頂けたのが、
この『南蛮七宝/イチョウ染め』。

 

IMG_4375.png

『南蛮七宝/草木染め100%/Wブラタク』

 

生地自体もあまり上がってこないし、染めに出しても、忘れた頃に上がってくる着尺。
僅かの草木染料ではなくて、100%使うからこそ出来る色。

 

来年はこういう感じの何処まででも、喋りたくなるモノが沢山出てきそうです。

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