となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 南蛮七宝

2010年02月03日

『光琳大波』の場合。 好きもの

昨日は、『南蛮七宝』の袋帯を紹介しました。
今日も、唐長柄『光琳大波』です。

今までも帯の紋にはしていましたが、ある所で、
これと似た柄を見て(うちの帯ではありませんが)、
とても残念に思ったことがあります。

それで、もう一度製作し直したいと思って、
モノづくりに掛かっていました。

試作を織って手直し、また織って、
との繰り返しの中で、今回出来上がってきたものです。


先程上がってきたばかりです。

まず地の部分には柿渋を使った引箔を使い、
とにかくシンプルに色んなものを削いで削いで
削ぎ落として
作った帯です。
R0010249.jpg

作りながら思っていたことなのですが・・・

着物の世界には、織と染があって、
織の場合、表現にある面で制限を受けると言われます。
(経糸と緯糸(横糸)の交差した組織点が柄になるので・・・)

もちろん、その面はありますし、否定はしませんが、
ただ織の中にも染にはなかなか出来ない表現もあります。
それをシンプルな形で生かしてみたかった、ということが、
強く思っていたことです。

まず、昔からある柿渋染めを箔としてベースにする。
そのベースに、糸を乗せてシンプルに上げる。
書くとたったこれだけ。

いつものように『ここが拘りです。』と際立ったモノはありません。
ただ、引箔と糸が通るシンプルな紋作りに、キッチりと時間を掛け、
一色だけの色の配色に時間を掛けて、自分の感性に合う引箔を使う。

趣の違うモノづくりの中、仕上がったものは、
とても満足の行く仕上がりです。


R0010246.jpg

この裏も織り上がっていない帯を見ていたら、この大波と一緒に、
ゆらゆらとした良い空気が帯に漂ってきました。

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2010年02月02日

好きなもの+すきなもの

今日も少し下(しも)へ下がって、展示会をのぞいてきました。
とにかく、人だらけです。ちょっと人酔いしていますので、
ブログの内容は、いつも以上に静かな内容です。

さてさて、モノづくりの進捗状況です。
今現在は、春に向けて配色をしている柄が多く、
新しく立ち上げるシリーズもそろそろしないと、
マズイなぁという感じです。

機屋に締切はありませんし、あったとしても、たぶん、
良いものはできないと思います。(私の場合は特に)

ただ、
だからと言って『好きなときに好きなものを作る』のでは、
職業じゃなくて趣味なので、
『職業』寄りの立ち位置にいるように心掛けています。

ですので、まだ『仕事はモノづくり』です、
と言えるのかな?と思ています。
(ちょっと不安。。。)


そう書いておきながら、今日上がってきた『南蛮七宝』に
関しては、相当趣味に近い方に、針はあります。

そんな久しぶりに製作した、『南蛮七宝』を紹介します。
IMG_8007.jpg

何十回と紹介しているほど、好きな柄で、
唐長さんの『南蛮七宝』を麹塵の糸で織り上げたものです。

こだわりは・・・
というよりも、これは今までの日記を振り返った方が
より感じてもらえると思いますので、リンクを作っておきます。

 →http://senpukuya5.seesaa.net/pages/user/search/?keyword

おそらく、こだわりよりも、
思い入れの方が伝わるかもしれません。
それほど、良い柄だと思います。

今回の帯は
モスグリーンの濃淡で織り上げましたが、
麹塵染』という性質上、光の加減で、
朱の色が差し、丸と星が浮かび上がってきました。

実はこの『南蛮七宝』を麹塵染で織ろう織ろうと思って、
ずっと温めていました。
何度か試験織をしては、なかなか納得が行かず、
しばらく置いておいたものです。

100以上の柄(200もっとかも?)をこの麹塵色で配色しました。
それだけの柄を作るくらい、この色は着物との相性が良いのですが、
あとちょっとの配色際が、とても難しいです。

まだ、表だけですので、気を抜かず、裏も作って、仕立て上げて、
『帯』の形にしていきたいと思います。

そろそろ、新しく製作中の襦袢の見本も上がってきますし、
この『南蛮七宝』シリーズを動かしていきたいと思っています。


今日は、他にも変わった『なごや帯』が上がってきたりと、
今から配色確認に行ってきます~。

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2010年01月15日

温めたもの。

京都の空は早朝から、
寒空です。
IMG_7002.jpg
と、いつでもどこでも気候の話ですので、
今日もまた天気の話から入ります。

社内では、昨日と同じような話を、
(暖色系の配色を)繰り返していますが、
ここでは別の話です。


きものを着ようとすると、着物と帯、
帯締め帯揚げなどの小物、

それに、中に着る肌襦袢の他に、
長襦袢』があります。

今では、一部を除いて、
ほとんど生地は海外もので低価格のモノが主流です。
生産も大きいロットで発注を掛けて、染めも大量

ですので、もし作ろうとしても、
なかなか満足が出来るものがなく、
『う~ん』という状況でした。

そんな中、あるキッカケがあって、
温めていたものを作れそうな状況ができてきました。

それで今現在は、
南蛮七宝』柄でもう一度検討しています。
R0010150.jpg
 ↑参考の帯

以前、ほんの僅かですが、織で製作した所、
IMGP1385.JPG
とても好評でした。
今度は、染めで袷用を製作したいと思います。

類似で南蛮七宝柄の襦袢があるそうですが、
それはそれとして、生地と色目をキッチリとこだわり、
うちはうちらしく、唐長さんの柄を大事に
モノづくりをしたいと思います。

この『南蛮七宝』柄は相変わらず、
数を製作するのは難しいので、
見てもらえる場所、機会は少ないですが、
拘りたいと思います。

それに加え、今年は少しでも見てもらえる
機会を増やして行きたいですね。


風邪を引きましたので、
今日はまわりから人が逃げていく状況で、
書いています。
久しぶりに、しんどい風邪です。。

皆さん気をつけてください~。

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2009年12月15日

鳥肌・・・南蛮七宝

自分で配色したモノを褒めるのは、
そんなに好きではないのですが、
これだけは別です・・・

IMG_0148.JPG
やっとこの配色ができました。
ちょっと感動です。。。

紋図
自体の手直し、5回。
配色取り直し、???、そこら中失敗だらけ・・・

この時はまだ過渡期です。
 http://senpukuya5.seesaa.net/article/110503078.html

それでも、コツコツやっていましたので、
南蛮七宝』本当に良い柄だと思います。

IMGP2732.JPG
(ちなみに、『瓢箪』唐長マークが入ってますので、
 手に取られた方は、一度チェックをしてみください。)


この色以外は、少しずつ小物ができてきましたので、
これからの始動です。

続報は、また何度でもここに載せたり、
呟きたいと思ってます。

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2009年12月09日

唐長さん

久しぶりに唐長さんの修学院のお店へ
お邪魔してきました。

唐長へは年間数度お邪魔していますが、
行く度に内装や空気、調度品が変化していて、
驚かされます(楽しまされます)。

文様自体、根幹は、変わらないけれども、
それ以外全部変わる。
そんなイメージを受けました。

また、最近問題になる、
意匠盗用の話も含め、うちにとっても
参考以上になる話を聞くことがでました。

今は、南蛮七宝の小物を製作中ですが、
それに関しても、他の類似のモノと区別を
付けるために、下の瓢箪マークを入れていきます。

IMGP2733.JPG

人間国宝の方のデザインを帯のモチーフとしてモノづくりを
していますが、その際も
名を落とさないようにとことん質を上げる
ことだけを考えて、作ってきました。

今回のこのマークに関しても、
全く同じです。

キッチリモノづくりして、
自然と『となみだから・・・』間違いないものだ、
という認知度をさらに磨いていきたいと思います。

IMGP2741.JPG
今、私が使っている財布です。

以前モノよりも改善を図ったモノで、
喜ぶべきか微妙なところですが、出すのが嬉しくなる・・・
そんな財布です。。。

配色を変えたモノ、柄を変えたモノを揃えて、
財布の衣更(ころもがえ)も楽しいかもしれませんね。。

こちらは順調に進んでいます。

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2009年11月24日

『ここ数日』

今日は一日、京都にいます。
ここ数日でもらった話を整理しています。


IMGP2634.JPG
そのここ数日は、
しばらく、暖炉のある所にいました。

帯・着物を畳の無い所に置いて、
美術館感覚で見てもらえるようにと、
並べていました。

普段見てもらっていない、
南蛮七宝の帯や着物です。

会期中ずっとそこにいる、
とことはできませんでしたが、
それでも普段会えない方たちから、
モノづくりのヒントを多くもらいました。

ストレートで具体的な話も多かったので、
早速今日から、形にしている途中です。

コーディネートも、二つ上げていますが、
コラボ的なモノで、甦る帯があったりと、
新しい発見があります。

2つのコーディネートを載せましたが・・・
 ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/133602811.html
 ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/133608879.html


それ以外のものも、
すべて落ち着いた雰囲気で、
ずっと着ても、ずっと見ていても、
飽きの来ない素敵な合わせ方です。

下のコーディネートは、来店された方の中でも、
人気があったもので、ホワッとした優しい感じがします。

少し残念なのが、帯の色目が、
ちょっと色が白けています。

実物はもう少し暖色系の色が差して、
紬地の節がユラユラと出ています。
(そのバランスがとてもイイ感じです。)

IMG_0564.JPG

この帯を含め人気のモノは、見た目はシンプルでも、
素材・色目にとことん気を使ったモノに注目が
集まっていたような気がします。

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2009年11月24日

『ここ数日』

今日は一日、京都にいます。
ここ数日でもらった話を整理しています。


IMGP2634.JPG
そのここ数日は、
しばらく、暖炉のある所にいました。

帯・着物を畳の無い所に置いて、
美術館感覚で見てもらえるようにと、
並べていました。

普段見てもらっていない、
南蛮七宝の帯や着物です。

会期中ずっとそこにいる、
とことはできませんでしたが、
それでも普段会えない方たちから、
モノづくりのヒントを多くもらいました。

ストレートで具体的な話も多かったので、
早速今日から、形にしている途中です。

コーディネートも、二つ上げていますが、
コラボ的なモノで、甦る帯があったりと、
新しい発見があります。

2つのコーディネートを載せましたが・・・
 ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/133602811.html
 ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/133608879.html


それ以外のものも、
すべて落ち着いた雰囲気で、
ずっと着ても、ずっと見ていても、
飽きの来ない素敵な合わせ方です。

下のコーディネートは、来店された方の中でも、
人気があったもので、ホワッとした優しい感じがします。

少し残念なのが、帯の色目が、
ちょっと色が白けています。

実物はもう少し暖色系の色が差して、
紬地の節がユラユラと出ています。
(そのバランスがとてもイイ感じです。)

IMG_0564.JPG

この帯を含め人気のモノは、見た目はシンプルでも、
素材・色目にとことん気を使ったモノに注目が
集まっていたような気がします。

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2009年11月22日

山の上、1

attached.jpg


撫子の帯に、南蛮七宝の着物。
三分紐に硝子の帯留。

落ち着きつつも、華のあるコーディネートです。

この帯留が入る前は、シックだなぁ・・・
というイメージが強かったですが、入った後は、
印象が強く残るコーディネートになりました。

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2009年11月22日

山の上、1

attached.jpg


撫子の帯に、南蛮七宝の着物。
三分紐に硝子の帯留。

落ち着きつつも、華のあるコーディネートです。

この帯留が入る前は、シックだなぁ・・・
というイメージが強かったですが、入った後は、
印象が強く残るコーディネートになりました。

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2009年11月09日

北海道にいます。

札幌滞在中です(3日目)。

昨日までの着物は、『麹塵+南蛮七宝』でした。
 これです⇒今日の東京での着物

今日はちょっと静かな着物。

attached.jpg


ひげ紬にグレーの着物、
衿もグレーで、
角帯はベージュと茶の縞

というコーディネートです。
いかかがでしょうー?

ヒゲ紬は、着物に続いて2つ目です。
 ⇒一枚目は、黒地。。


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2009年11月09日

北海道にいます。

札幌滞在中です(3日目)。

昨日までの着物は、『麹塵+南蛮七宝』でした。
 これです⇒今日の東京での着物

今日はちょっと静かな着物。

attached.jpg


ひげ紬にグレーの着物、
衿もグレーで、
角帯はベージュと茶の縞

というコーディネートです。
いかかがでしょうー?

ヒゲ紬は、着物に続いて2つ目です。
 ⇒一枚目は、黒地。。


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2009年10月02日

無地場にこだわり。

明日発行予定のメルマガ。

恒例の柄説明の所(最近は帯紹介になっていますが)で、
今回登場させるのは、『作楽』から。

一番の新作です。

今年のテーマは、『つながり』です。

それに加え最近は、
帯の
『地の部分』を無地っぽくするのが、
拘りです。
IMGP1984.JPG

ちなみに、『地』とは、柄の空いた所や、
無地が広がっているようなイメージで、
問題ないです。

作る際の拘りは、
『いかに無地らしくしないか、
+無地に見せるか。』

というものです。

以前も紹介し、人気の南蛮七宝ですが、
地の部分には、同色で何色も重ねて
色深くしています。
(そのために、角度によって表情が変化

IMG_6004.JPG IMG_1064.JPG
撮り方が違うので、単純に比べにくいですが、
同じ柄でも雰囲気が異なります。

どちらが良いかは、好みもあると思いますが、
色目で言えば、左の方が、たくさん色が入ったように、
見えると思います。

実際は、左よりも右の方が、たくさん杼が走っています。

そんな風にして、
一見しただけの見た目でない所にこだわる。

最初の写真の無地も
『無地に見えて、無地じゃない。でも無地?』
というくらい微妙な所を狙っています。

そうすると、着姿に奥行きが出てくるのではないか?
そんな風に思って、やっています。

まあ、何とか表現しようとしましたが、
やはり実物を見てもらうのが一番ですね。

今しばらくは、この無地場にこだわって見ようと
思っています。

帯の柄に興味のある方は、
是非メルマガをどうぞ・・・
 ⇒http://www.kyo-tonami.com/FS-APL/FS-Form/form.cgi?Code=mailmaga

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2009年09月07日

きじじっけん。

IMG_1064.JPG
『南蛮七宝・唐長』

普段の『モノづくり』というと、
経糸の数、糸の質、緯糸の種類等々、
様々な組み合わせを考える作業が多いです。

織り上がったモノに対しては、絹の良さを生かすため、
『そのまま仕立て』をして、納めます。

ですので、基本的に、となみ織物では
織り上がった後の加工(『後加工』)といことはしません。

例えば、どんな加工があるか?というと、
絹等で織り上げた帯地に樹脂等をかけて、
ペラペラ・柔らかすぎる生地の風合いを固くする等。


となみ織物の加工に対する考え方は、
(雨よけ等の防水・撥水等が必要なものは除いて、)
せっかくの絹が勿体ない、という認識があります。

最近では技術も良くなり、生地を傷めることはほとんど
ないので、偏見といってしまえばそれまでなのかもしれません。

ただ、いまだに織の技術を誤魔化ための、
後加工もありますので、やはりやりたくないのが現状です。

そこまで書いておきながら、今何をしているのかというと、
帯以外の『小物』についてです。

小物に関しては、一部『雨草履の花緒』など、
帯で想定された使用方法とは全く異なり、
現在でも特殊な加工をしているものもあります。

雨草履の時も様々なモノを探し、提案もしてもらい、

現在の形がありますが、その他の小物にも・・・

と考えると、さらに
検討を余地がありそう・・・です。

『絹』という天然繊維は、色が独特(発色が素晴らしい)や
光沢、しなやかさ等の特性が飛びぬけて良いので、
それを失わないようなものを考えています。

まだ、ほとんど進んでいませんが、今後小物のバリエーションを
増やすためにも相当の時間を掛けてでも見つけたいと思います。

そんなことで、となみ織物では帯に関しては、
当面は『後加工』を使うことはありませんが、

生地が変化する様子を見ていると、
『あれもしたいこれもしたい』と
可能性がいっぱい出てきて、とても期待しています。

まだまだ遠いですが、
だれもしていない価値を作っていきたい、ですね。

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2009年06月30日

昨日の続き

昨日の、『世界に一本だけの帯』ですが、
評判はイイですよ。
attached.jpg
 ↑この柄です。 

この織り方は、経糸が表に出てきます。
(=経糸が配色を決める)

もし、配色を間違えると、経糸全部が無駄になる、
とても危険な織物です。

ですので、社内でも人によっては手を出さない、
出しても、今までの安全な配色で・・・

となってしまいがちな、織物です。

もちろん危険な分、いい所があって、
生地が手持ち糸の数から考えると、
信じられないほど薄い。

という特徴があります。
(他にも細かいイイ所も・・・)


前置き長くなりましたが、そんな織りを使って、
やってみたくなるのが、

『失敗しても、(気にせず)好きな色を使う。』

ということです。


そして、好きな色というと、
『南蛮七宝+光悦蝶』 蝶々の色、
C6EEC8DABCB7CAF5A3B3CBDC.JPG

『作楽:水仙』の色です。
ssImage2601.jpg


今まで、試し織しながら、合う柄を見ていましたが、
 ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/122289164.html
昨日の柄と、もう一つがピッタリときました。

結ぶとなると、(配色の好みで)、好きな人にしか、
興味は持ってもらえないかも
しれません。

ただ、この帯で歩かれている姿を見てみたいです。

柄は、雪佳『海路』より。
自分の中で大事にしていきたい柄になっています。

一本だけなので、普通の配色よりも
少し割高になってますが、
それだけの価値はあると思ってます。


今日は、昨日大阪でもらったアイディア
形づくりをしていきます!

それについては
また、後ほど報告しますね~。

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2009年06月27日

八寸の帯。

静かーに、織り続けている帯の種類があります。
タイトルにある『八寸』帯です。

お洒落モノ専用の帯で、となみ織物も
昔から織っていたモノです。

ただ、うちは袋帯がメインなので、目立たず、
なごや帯や小袋、丸帯など、の影に隠れています。

織り上げる数的にも、『八寸?』
というほどの、ほんの微々たるものです。

ですので、私一人で担当として、
自分の好きな柄だけを作っています。
(ですので、柄は偏っているかもしれません)

柄はシンプルなもので、多色使いでなく、

抑えたモノがほとんどです。

以前も少し紹介しています。

 ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/104035476.html

   (これは南蛮七宝です。)

作っていて嬉しいことは・・・

『八寸を褒めてもらえる』
       =
『全部自分で関わった帯!』と思えることです。
(ちょっと心が小さいかもしれませんが・・・)

つい最近、来られたお客さんから、
この八寸については絶賛を頂きました。
(ありがとうございます)

今製作しているのが、下の織のモノです。
シンプルながらですが、織の状態を見て、
IMGP1867.JPG
(ケルトノット:ケルティックより)

『八寸やのに、きっちり織ってある・・・』
と言って驚かれていました。

初めてそんなことを言われたので、
こっちも驚きましたが・・・

とても微妙な褒め方で、
『他の八寸はどんなんやろ?』

と興味もありますが
とりあえずは褒めて頂きました。

『雪佳の海路八寸』もありますし、
このモノづくりはコソコソと育てて、
IMGP1868.JPG
いつの間にか、浸透している・・・
みたいな、シリーズに育ってほしいです。

こないだも、『あ~これこれ』
とこちらが、怖くなるくらい

褒めながらこの帯を買って行かれました。。。


八寸は細々とモノづくり、と思っていたのを、

『盛大にモノづくりしよかなぁ~』
と思ってしまいそうですが、

やはり細々と(特に海路は)、
初心でモノづくりしたいと思います。


タグ: ,

2009年06月20日

今作っているものなのですが・・・

ここ最近、書いているモノづくりのほかに、
(例えば、ケルティック南蛮七宝

こんな織物があります。
Image5591.jpg
 ↑細かい地紋を敷き詰めています

今まであった織り方で、長い間織られていたものです。

『ただ、糸の種類と配色を何か変わらないか?』
と思って、アイディアを思い付くたびに織っていました。
(足かけ3年くらい・・・)

(毎日していると、織りたいものが織れないので、
途中に織物と織物の間に挟んだりとしていました)

帯の幅が出なかった、全く織れなかったり、
キズだらけだったり
、でした。
(おかげで織物の知識が相当増えましたよ~)

なかなかこの場でも、途中を見せれなかったのですが、
今回は無地に近いのですが、上手くいきました。(!)


これで前に進めるので、
進んでいきたいと思います。
090619_1210~0001.jpg
機場さんからもらった、白いたいやきの鱗が、
いつものように今回の帯の柄に見えます。
(しかも白いし・・・)

今回の柄は、配色にこだわりたいので、
相当気を入れて、資料集めて、勉強します!

タグ:

2009年06月16日

試作中で、投げては見たものの・・・

今日の京都は、動いていると風が来て、
いいのですが、止まると、じわ~っと暑くなります。

そんな中、今試作している織物があります。

名前は、『しょうはうら』
漢字だと、『紹巴裏』。

『紹巴織』の親戚のような名前ですが、
ちょっと製作するのに、クセのある織物です。

例をあげると・・・

1、今の所思い通りに配色でない。

2、多くの色を使うと色糸、混ざって、
  さらに複雑な色に。

3、色が滲んだようになる。

と、少々やっかいな織物です。


ただ、上手く配色、紋作りができると、
今までに、無い見た目に上がりそうです。

そこまで、一歩ずつ失敗しながら、
製作していたいと思います。


ちなみに、今進めている『柄』は、
『南蛮七宝』です。
南蛮七宝1.jpg
 ↑ この柄です。

唐長さんから、頂いた話でこの組織に
しようと思いました。

この組織は、今まで『あったけど』触らなかった、
というモノですので、ある意味再挑戦です。

『紋』は出来ていて、先ほど配色しましたので。
まずは、見本で試験を織りたいと思っています。

絵の具を塗るのと違い
色糸を織っていきますので、糸の重なり方等で、
『出来上がり色』の予想を大きく外すことがあります。

しばらく外さなかったのですが(良く知った織物なので)、
今回は、遠くに思いっきり投げたボールのように、
どこに着地するか、わかりません。。。。

今後、長く付き合っていくかもしれない、
織り方ですので、今から気長にします

タグ: ,

2009年06月06日

漠然とした話ですが、進んでいます。

『南蛮七宝』、『海路』というと、

その原本だけでなく、『織』のファンも、
ホンの少しずつ増えています。

現在、この柄に『となみらしさ』を持った柄を
加えようと、様々な文献を元に考えています。

その中の大きな候補に考えているのが、
モノグラム(monogram)です。

=『ルイ・ヴィトン』と思われるかもしれませんが、

元々は、複数のいくつかの
文字や記号を交えたデザインのことです。

『らしさ』、ということですが、
思っていたよりもとても難しいことです。

ただ単に並べ替えたり、
形を変えてみたり、
今製作している柄と組み合わせしてみたりと、

とにかく、
しっくりとくるまで、続けています。

今は、『しっくり』のかけら候補が2つありますので、
それを大きく育てようと思っています。

今日は、土曜日で職人さんも休まれる方が多く、
社内はいつもより静かなはずなのですが、

バタバタとバタバタとしているので、

パンフレットやHP用の撮影チームに同行して、
環境を変えながら、柄を思い浮かべようとしています。

こういう集中時には、

『今まで詰まっていた他のこと』

『考えている帯の完成時の名前』
は、
先に決まったのですが・・・。

もう少し、出てくるまで動いてみます。

51nIWkfxaeL._SL160_AA115_.jpg

映画上で、主人公がある小説家の話通りに、
(現在進行の執筆中)生活が進んでいく話です。

この映画の思いつきそうで、
でも出てこないアイディアが好きです。

夜一人で、ボーっと見ていましたよ。

タグ:

2009年05月22日

見た目に分かり易い履き物2。 『完成』

先日の草履が上がってきました!
『見た目に分かり易い履き物。』

Image368.jpg←こんな台でした。

花緒を挿げ上げると、
こうなります。↓
南蛮七宝 草履 
 ↑久しぶりに登場の南蛮七宝の花緒。
  (バイアスバージョン)

この草履、
相当のお気に入りになっています。

もちろん、
裏には
『made in 仙福屋』です。
090522_0926~0001.jpg


もう一つ、母の草履も上がってきたので、
紹介しておきます。

『おたま』という名前が付いた台です。
090522_0927~0001.jpg
 ↑左が通常台で、右が『おたま』

職人曰く;『初めて草履を履く人はこけそうに
      なるけど、慣れるとモノ凄く履きやすいよ』

という草履です。

形から、
『おたま』
という名前がしっくりきます。。

タグ:

2009年04月29日

今日の着姿。 全部統一してみました。

念願の御召が上がってきました。

となみ織物の定番として、
織り続けてきた御召

南蛮七宝の柄もありましたが、
その生地に、紬糸を通しました。

通常より生地は厚手で、袷用です。
羽織にして、コーディネートすると↓

090428_1005~0001.jpg
よーく見てもらうと、角帯も着物も
『南蛮七宝』
柄です。

ふつうは、同じ柄でまとめてしまうと、
ちょっと柄々してしまいそうですが、

この柄は、特別ですね。
キッチリはまります。

まだ、数人にしか見て頂いていないですが、
早速、お気に入りの羽織になってしまいました。

しばらく、京都は涼しいので
まだまだ今年の出番は多そうです。

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