となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > モノづくり業

2015年10月21日

草履の底を赤にしてみました。南蛮七宝文様モデル。

レッドソールの草履、とくれば撮るのはやっぱり底。【底】ばかりの撮影です。こちらが伝えたい雰囲気を上手く出せるように試行錯誤しています。(最初は恐る恐る)検討するために3足製作し、意見を聞いたところ、一部を除く、大絶賛でした。ありがとうございますm(_ _)m。Facebookでも中々の評判を頂いています。
 

 

12115922_906130849423701_4424638112187608399_n.jpg
 ⇒Facebookレッドソール初登場

 

 

正式にはまだ職人さんとの打ち合わせが出来ていませんが、納期的にはおおよそ5日、最大で10日ほど余分に頂ければ、製作できそうです。この辺りは詰めるとして、まずは南蛮七宝を使ったモノから製作して頂きました。

 

DSC07420.jpg
(撮影中です。)

 

花緒部分の帯地『白』とツボの『赤』。この2つがハマってくれましたので、できればこれは動かさず、レッドソールと白のダックジュエル、それと南蛮七宝の花緒。この組み合わせに関しては、この組み合わせ限定にしようと考えています。

 

DSC07318 (1).jpg

 

 

常務も気に入っていますので、一楽モデルも色を検討中です。

 

ちょうど上の文書を書いた後、この『一部を除く』の方に、見本を履いていただきました。『似合わないし、いいよ。。』と初めは言われていましたが・・・・。履くと、変わりますね(笑)。赤は女性を(さらに)魅力的に魅せますので、やはり見るもイイですが、まずは履くですね。

帯屋だけに、一瞬、真紅の裏地が思い浮かびました。ヒネリがないかな・・・?

2015年10月20日

海の波を帯に織り込みたい『海路』図の帯。本袋です。

 

『毎回、変わったものを特に作ろう!』そんな風に常々思ってモノづくりに入るわけではありませんが(笑)、確率高く、今回も変わった目出し(試験織)が上がってきました。

柄は雪佳/海路図をモチーフに製作したモノです。

IMG_2604.jpg
『本袋/神坂雪佳の世界/海路』

 

元々、この『海路』図は神坂雪佳がヨーロッパに渡航した際の海を元に図案したもの。今までも二重織や紹巴織では同じシリーズを織っていますが、今回のモノはそれらの柄とは雰囲気がころっと変わっています。もちろん、図案がありますので、それに基づいて意匠を作り(今回は縦に柄を流すように)、色を表現する部分(メートル)やボリューム感に気を付けながらの製作です。今回は作っている最中に、織物に近づくにつれ『なにか面白くなってきた・・・。』と、当初イメージからは逸れつつも意匠図までは完成し、試験織を作ったものです。

 

海路図は船旅の中、行く先々の変化ある海を図案されたモノだけあって、活き活きとしています。また、なにか生き物の様な存在感を感じるモノが多いです。そんなことも踏まえて、上がってきた試験織を見ると、(配色は今ある経糸を使いました配色は変更します。)『緩やかにゆったりとした波。でもなんか潜んでいる。』、配色次第で、その潜み方や潜んでいるモノの性格が変わりそうです。

 

まだこの段階です。当初のイメージから逸れたこともあって、もう少し試験を行わないと、最終どうなるか分かりませんが、設計的には上手く行ったと思います。後は配色を繰り返して、織ってみて、皆さんの評判を聞かないと、この帯の判断は難しいかな?それを聞いて、普段はあまりすることのない、一喜一憂したいとおもいます(笑)。

 

ちなみに、織り組織は、『本袋糸糸(いといと)』。波のゆったり感を織物の手触りから出したかったので、引箔の凛とした風合いとはまた違った、絹の柔らかさが際立つ『絹糸のみ』と素材はしました。完成まで、もうしばらく掛かりますので、まずは第一報を。。

 

 

51NX0VQDHJL._SY471_BO1,204,203,200_.jpg
神坂雪佳 蝶千種・海路―近代図案コレクション

2015年10月19日

試験織について

 

今日上がってきたのは、紬を使った試験織です。時々、機によっては、織るモノが一杯で僅かに織る試験織さえ、挟むことができず、さらに経糸が取りたいモノとは違ったときなどは、一ヶ月近く試験が上がってこないこともあります。上がってきたら上がってきたらで『えっ。ここからどんな風にやればよかったけ?』となることもあります。が、(今回のように)それ以外は大概予定通り、上がってきます。もちろん、1週間だとしても待っている間は、おもちゃの発売日を待つ子供の心境と変わりません(笑)。

 

今回上がってきた試験は、紋丈(柄の長さ)はおそらく最短。こんなに短いです。

IMG_2612.jpg

 

図案と意匠図を元に、糸を出し配色していきます。頭の中にイメージするモノはお太鼓もしくは陳列の姿。そのため、写真のようにこれだけ短いと、ただ単にこの生地を見ても、可否の判断は至難ですので、頭の中で、この柄の先をこの配色でザーッと織っていきます。その後は、お太鼓を作る様に(頭の中で)折って、イメージ通りか?のチェック。ベテランになってしまうと、そんなことをせずとも自動的にイメージができますし、時間も短縮されたように気になりますが、それでも上記作業を(時間は短くても)毎回丁寧に行っていくと、最終の帯の仕上がり具合が変わって来る様な気がします。最初に試験織りが上がってきた際は、時間を取って、その前でじっとにらめっこをする、結構大切です。

 

一昨日、機織り職人さんに言われたのは、『大事な絹を使ってこれだけ試験を繰り返し取ってするのは、日本人くらいだ。と海外の方から言われたよ。』と。その時織っていた端切れを使って何か作らせて欲しいともお願いされたらしいです・・・。それは難しいお願いですが、そう言って頂ける、帯地の試験織と端切れ。もっと何か活かして作れそうです。利用方法も考えていきます。

 

ちなみに、今日の試験織は『太子間道』の一部。わかりました??

2015年10月18日

もう一つ

 

これもちゃんと伝えていかないと、すぐにでも無くなってしまいそうな技術【引箔】。となみ織物でも織れる職人、数人。織れる機も数台と、あることはありますが、20年以上昔からすると、本当に無くなりそうな技術です。織物の表現力を上げる為には、本当に大事な技術ですが、手間とコストが掛かります。そのため、(残念ながら)似た素材と技術を使って、本物と偽物が混ざり、問屋でも分からなくなってしまい、結果的に値段が下落、メーカーと織り手にしわ寄せが来る。簡単な織物へ人も機も移ってしまい、つくり手が減る。そんな状態です。

 

これが引箔の織物でこれはそうでない、という話も帯を並べて比較する。そういったことも今後は行っていきたいですが、まずこの技術を使った織物は他のモノと全く異なる表現ができる。そういうモノづくりをして行きつつ、それをちゃんと説明できるスタッフを育てて、お客様には実際に見て触って頂いて、違いを感じて頂ける。伝える技術も社内で磨いていきたいと思います。

 

DSC07210.jpg
『本袋に使う引箔』

この織る前の引箔にしても、和紙を作る人、その上に漆、金箔をのせる人、それをカットする人と、多くの職人の手を通っていきます。その引箔を織る職人が無くなってしまうことも問題ですが、作る方も同じように需要とともに、本物が減ってきています。無くなると復活させるのは、継続する何倍もの労力と手間、それはまだしも、元に戻らないことも考えられます。

 

帯つくりをしていく上で本当に大事な根底の部分ですので、伝えれるようにこちらも頑張っていきます。

2015年10月14日

勝手の違うモノづくり。続き

 

防寒用のコートを作ろうと製作中なのが、南蛮七宝文様のビロード。今は大まかな規格づくりが終了し、具体的な中身に入っています。たとえばビロードといえば、製織段階で輪になるように織り上げ、製織後『輪の部分』をカットして、柄が立つように作ります。ここが最大の特長なので、柄の流れを意識して進めていきますが、それ以外にも・・・。

 

帯は図案、紋図(意匠図)を職人さんと作り上げて、モノづくりしていきます。モノによっては図案に自分が関わる重点を増やしたり、その反対であったり。スタッフの関わり方で同じ図案・職人が関わっても、そうならないのが、帯づくりの面白いところです。

 

そんな帯づくりと同じ様に構えていると、今回に関しては検討する箇所が帯よりも少ないものの、話の展開が早く、こちら予想よりも早く、次、はい次と、課題が飛んで来るので、手探りする間もなく進んでいます。今は、紋図段階。元の図は『南蛮七宝文様』ですので、後は一ドット単位で文様の①サイズ検討と②一見では気づかないかもしれない極細部の手直しをしています。サイズはその通り、柄の大きさ。版木のサイズを原寸に、織り上がった時もそう見える様にします。今までの経験上、織物にすると少し小さく見えることが多いです。

 

IMG_2396.jpg
ちなみに、こんな意匠図(コピー)です。

 

もう一つは、織物の特徴でもあるデジタル的な問題。織物は経と緯糸との交差点で柄を作ります。そのため、イメージとしてはドットの世界、デジタル的なものです。いくら丸柄に見えても、近くまで寄って、もしくはルーペで見ると、階段状のギザギザになっています。反対に図案や版木を使って作る唐紙は、どれだけ近づいても丸の線はなだらかな曲線。

この差を意識して埋める仕事をしていきます。言ってみれば人間の目でみて自然に見える、細部の調整です。真円よりも、かすかにゆがんだ丸の方が『きれい』。そんな感覚の調整をしていきます。

2度目に書きますが、それを帯でするのは経験で掴んでいますので、気がつけばやっている。そんな感覚ですが、今度はビロード。しかも初めて組ませてもらう職人さん。ちょっとやそっとでは上手く行かないと思いますので、長期戦の覚悟をしながら、それでも一回で決める。そんなつもりで、やっていきたいと思います。

全て上手く行けば、一本目は来月初め。この頃にまた報告ができるように頑張ります〜。

 

通常、冬に向けての『防寒用』だと(仕立も含めて)、先月くらいには完成していないとダメですが、規格や設計に時間を十二分使いましたので、早くても一本目が冬の入り口に上がってきます。『作って直ぐに販売。そんなモノづくりがいま時代多いのに、ほとんど来年の冬用になるかもしれないモノづくりって、珍しいな。皮肉抜きで、ほんとに。』と言われました。たまたまのタイミングもあって、納得できるように進めていたら、冬になってしまった。急がずちゃんと納得を重ねて作っているモノですので、予想よりも進度は早いですが(笑)、いいモノを仕上げて行きたいです。

 

2015年10月13日

昨日の続き。

 


『作楽 コスモス』袋帯を持って来て撮影しました。

 

DSC07017.jpg

 

自然を織物にする際に、そのまま図案⇒織物として作るのではなくて、織物らしさを持たせつつ、どう表現するのか?はこういう帯を作る際はいつも悩む所です。写真と全く同じであれば、織物で織る意味があるのか?とか、イメージをどの様に消化・デフォルメ?すれば帯として成立するのか?年に何度もそういう検討をして、試行錯誤していますので、成長したのか、平行移動しているのか、判りませんが、少しずつ帯にする際の表現方法は変化していっています。

 

昨日撮れた写真ですが、このまま帯にするかは置いて、花びらの透けそうで透けず、空が映っている様な透明感は何かどこかで(できれば柄で)やってみたいです。写真の帯を作った時のメモ書きを見ていると、透明感は糸同士のミックスでどこまで透け感を作れるのか?そういうことをやっています。

 

IMG_2364.jpg

 

改めて見ると、もう一度違った方法で帯にしたくなりますね。

 

 

IMG_2387.jpg
『京都国立博物館』

 

夕方前まで少し時間がありましたので、京都国立博物館『琳派 京を彩る』へ。『連休中はエグかった・・・。』という話を周りから聞いていましたが、今日は招待状客のみ。光悦、宗達、光琳、抱一等々。足早ではありましたが、1時間ほど満喫してきました。。。

 

2015年10月09日

紬〜。

 

明日から会社は(出張組をのぞく)一応の三連休です。職人さんや工房はほとんどがお休みですので、モノづくりが止まります。今は、それが惜しいくらい、並列してモノづくりが進んでいますので、止めておきたく無い、です。近々、『おっ面白い!』と思って頂けるものが、今年の終わりに向けて、連発で上がり始めるので、楽しみにしていて下さい。

 

帯や着物づくりも同じ、小物も同じ、まずある形を決めて、そこに具体的な柄や色を考えていく(たまに反対もあります)。のが、大まかなモノづくりだと思います。今の状態は、形が先にドンドン出来てしまって、まだそこに具体的なモノが追いついていないので、最近は追われながらのモノづくりになっています。『何かないかなぁ?』と煮詰まるよりは、遥かに精神的に良い状態です。だから、この休みはできれば欲しくない〜。そんな状態です。

 

ですので、できる部分は進めていきます。また形が先に決まっている部分は、本当は中身も一緒に作って、完成させて行きたいのですが、それが難しいので、まず試作を作っています。何か形がないと、最悪の場合イメージが崩れてしまって(忘れてしまうことも・・・)、結局作るのを止めてしまうこともあります。

 

そんな見切り発車的に、糸使い等の実験を繰り返して形になったのが、この紹巴織×紬を南蛮七宝文様で織ったモノ。

IMG_2013.jpg

 

以前も書きましたが、試作を作るときに『試作だから・・・』と面白くない柄でやってしまうと、潜在的には素晴らしいモノを持った新しい技法でも、陳腐に見えたりします。そのため、試作ですが自分のお気に入りの柄でやるのが一番と思っています。だからこの柄。

 

まだ、ほとんど見本に毛が生えた位しか形に出来ていませんが、この紹巴織×紬という素材は、発色や風合い、絹なのに絹の良さを持ちつつある耐久性など、ホントに面白いと思います。しばらくどっぷり紬素材と織組織の関係性にハマりたいと考えていますが・・・、今週はそこまで出来ていません。来週もバタバタしそうだしなぁ、とこれも忘れてしまわない、熱いうちになんとか、まずは形にしたい、モノづくりです。

2015年10月08日

畦織の帯。

『畦織』
教科書みたいになりますが、西陣で三大織組織というと、①平織②綾織③繻子織(しゅすおり)があります(これを覚えておくだけでも、おっとなりますよ。)。素材の違いではなくて、織物の経糸・緯糸がどう交差させるか、ということです。この関係性で風合いや得意とする表現方法が変わってきます。

今、となみが織っている大部分の織物はこの三大組織そのままではなく、改良を加えたもの、組織を複合させたモノなど、複雑化した織物を織っていますので、『この帯の織物は三大組織の中で何?』と聞かれる、と実は返答に困ります(笑)。例えば、この織物は平織りを2つ引っ付けた様なモノとか・・・。とういう風に歯切れが悪くなるとおもいます・・・。

 

今回のものは、その中でも3大組織の原型に近い①平織を僅かに改良を加えた『畦織』です。通常想定されている畦織よりも、緻密な表現ができる様に改良を加えたため、織れる意匠の幅が大幅に広がっています。柄や配色によっても、大きく異なりますが、どちらかというと素朴な表現が大の得意としています。

その織組織を使って、今回製織したのは、横段の帯。

IMG_2142.jpg

 

先日も登場したものですが、どちらかというと、こういう配色の傾向に重きを置いたモノづくりを検討しています。糸の綴じを粗くし、ベースとなる地部分との落差を付けることができる織物なので、ボリュームのある意匠等には最適です。柄も素朴な横段ですし、さらに活きてきます。

 

普段の自分のモノづくりとしては、この畦から遙かに進化した紹巴織を中心に行っていますので、比較すると細部の表現は緩やかな検討で済みますが、その変わりに綴じの高低差、3Dの様なイメージをしながらものを作ることが必要です。同じ帯づくりでも、脳の使う部分が違いますので、長時間、何日もやっていると、鍛えられるのか頭が良くなった気がします(笑)。

そのため、同じ織組織に留まって、じっと同じ様なモノを作っているよりも、他の織組織に目を向けて、色々と行った方が良いことも多いです。となみ織物は、この部分(帯の織組織)を一番多く織れる会社だと思います。そのため、多くの織組織にふれることで、違う角度から様々な発想のモノづくりができ、多様な商品群につながっているのかもしれません。

結ぶ方が惚れる柄付に配色、結び易さ、結んでいて楽だと感じる重量面、それらを実現させる技術がメーカーとして大事です。日々のモノづくりは、本当に微々たるモノしか進んで行きませんが、その集大成で出来たモノが帯や着物、小物ですので、完成品としての商品を紹介するのと同時に、それまでの工程や過程、思いも伝わるように今後も工夫していきたいです。

 

この写真の帯は色の出方も紹巴とは異なるので(こちらの方が生々しい色になります)、加減をもう少し試験して覚えていく必要がありそうです。そこに慣れ過ぎると、また紹巴織に戻った時、また・・・。となりますが、それも勉強ですね〜。

2015年09月30日

もうちょっと先に作りたい織物候補。

 

今月の締めと来月の準備で今日はバタバタと(さらに図案展までありました。。。)。商品や図案の整理をしながら、それでも少しだけ時間がありましたので、モノづくりを振り返ってみました。

『Nord』:北欧の空気と和を融合させたモノづくり。このシリーズに関しては、最近は新しい意匠を作っていませんので、久々の登場です。ただ、作っていない割に、今のちょうど今の空気に合うのか、根強いファンからお話を頂くこともあります。以前blogで(紹介したばかりの頃だと思います)見て欲しかったけど、まだ織ってますか?と。このシリーズは10柄ほどありますが、元々が(少ない方の)数本レベルでしか織っていませんので、ご依頼頂ければ織ることもできます。と返事させて頂きました。

 

今のところ、まだ動かせませんが、『Nord』シリーズにする予定の図案はストックしてあり、macの中にも『最初はこうしていく、それが上手く行けば次はこう。』とする案が大量に貯まっています。この頃はメモ書きが多かったのですが、このデータを見ていると、デジタルで残しておいて良かったと思う一瞬でした。

 

ちなみに、残しているアイデアの中心は錦織のモノ。以前それで織ったモノは、こういう感じです。

DSC06921 (1).jpg
【Nord】

 

この帯が織り上がったばかりの頃よりも、周りから聞こえてくる評判が良いですので、今の声も聞いてみたい。そう思ってFacebookには近々流してみたいと思います。この織物=『千寿』は、紹巴織りよりも細密な表現力は苦手な織物ですが、ボリューム感を持った『帯らしい帯』の表現ができます。風合いは織組織がカチッととした綾織ですので、昔ながらの良さを持ったしっかりとした手持ち感。ずっしりとした重みに関しては今の時代と合わないと思っていますので、経・緯糸使いでその辺りに関してはクリア。そんな織組織です。

 

この辺りも動かして行けるように頑張っていきます〜。来月もモノづくりやること沢山あるなぁ〜。有難いなぁ、というのが9月最終日の感想です。

2015年09月29日

唐長さんへ

 

今日は午前中丸々、唐長さんへお邪魔してきました。

IMG_1836.jpg

 

3時間以上(とっても濃い時間)お邪魔していましたので、話は多岐に。モノづくりのヒントも沢山頂いてきました。まだまだ内緒のこともありますが、まず自分がこだわる南蛮七宝文様について、11代目からは『もっと突き詰めれば、もっと面白くなるんじゃないか?』という視点でのヒントも頂けました。南蛮七宝を核に据えての次の具体的なモノづくりや、今すぐにはを形にするのは難しいかもしれませんが、少しずつ具体化できそうなモノ。霞を掴んでいるようでいて、やってみれば何か掴めそうなヒント等、これからやれることは山ほどありそうです。

まずは・・・。となにから手を付けるか、ここで書きたかったのですが、一度今日出た話を整理して、一つずつ自分なりに分解しながら、モノづくりしていきたいと思います。またそれは進めながら、みなさんに紹介していきますね。

 

本社に帰ってくると、こういう時、不思議と上がってくるのが南蛮七宝文様の新作。今日は新しい配色の御召でした。

L1930195.jpg
『紋紬/南蛮七宝文様』

 

この反物は緯糸には紬糸、経糸を紋で遊び、ザックリとしつつ、お洒落着になり過ぎないよう(もちろんお洒落着なのですが・・・)に最後の線を超えるのは止めている紬の着物です。『どういう織物か?』を説明するのは、とてもヤヤコシイ反物なので詳しくは、ここでは避けますが、今日上がってきた配色のものは、とても面白い雰囲気を持っています。この反物の場合、緯に通る多くの色糸のうち、一つには『水色』を入れて、くすみつつもスッキリ感も感じます。

 

他にも『黄色』を通した配色違いのモノももう間もなく織り上がってきます。ここに入れる帯をどうするのか?とても楽しい課題をこなすモノづくりも進めていきますね。

前の10件 8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18

カテゴリ

バックナンバー

  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介

となみ帯

Facebook

LINE@はじめました
友だち追加

新着記事

五代目日記2冊目は、こちらです。 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime2/…

今日が2016年の最終営業日でした。この一年、本当にあっという間でした。 年末のモノづくりは抑え気味と言いながら、今年も最後…

来年に力を入れていきたい、襦袢があります。さざ波の様な細かなシボが、生地全面に入った、手触り風合いの優しい白生地を使います。(生…

2ヶ月に1度位の割合で着物姿を撮影しています(前回は月心寺)。今回も本社向かい、徒歩3分圏内での撮影でした。 天候は曇り、たまに…

今年中には間に合いませんでしたが、間もなく完成の帯揚げです。 帯の意匠を使い、帯揚げらしく修正を掛けた図案の段階です。 ここから…

携帯サイトのご案内

QRコード

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...