となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 『日記』

2016年12月28日

今年も一年ありがとうございました。

今日が2016年の最終営業日でした。
この一年、本当にあっという間でした。


年末のモノづくりは抑え気味と言いながら、今年も最後の最後まで、
上がってくるものがあったり(苦笑)、結果締めてみると一年中、
何かしらのモノを作っていたように思います。

来年もこの調子でモノづくりを行っていくのに加え、皆さんがドキドキする様な
思わず手が出てしまう(笑)、モノづくりをしていきたいと思います。

  

また、来年からは『五代目日記2冊目』に移行していく予定をしています。
五代目日記2冊目


デザイン的に今よりもスッキリしたもので、検索やなんやらが行いやすい仕様と
なっています(12/28現在では、テスト中の記事のみです。)。

今年の後半は更新が減ってしまいましたけれども、
それも反省として来年パワーアップさせていきますね。

今後とも、よろしくお願い致します。
 

お正月休み中に色々試して見たいと思っています。

それでは、良いお年を!

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2016年12月20日

西陣織もイイけれど・・・。

西陣の名前は、京都を舞台とした応仁の乱で西軍の大将である山名宗全が陣敷いた場所が由来とされています。織物職人が集まる地域であって、特に業界にいると『西陣=織物』のイメージは強いです。昔、着物は2兆円産業でしたので、街の大きさ(約1km四方)から考えると、仕方がないかもしれません。


ただ、現在の着物産業は十分の一程度、段々と織物のイメージ減っています。そもそも、職人の数が減って、イメージだけで無く実際の生産者も減るにつれて、街の性格も随分変わってきています。

業界に一応いる自分も、西陣=織物。そのイメージは強かったのですが、今参加している、ある西陣の会では織物関係は、約30社中3,4社と割合的にも希薄です。食品関係、物販関係、作家等々と大変様々で、その会にいることで、織物じゃない発想での西陣の盛り上げ方、大変勉強になっています。

昨年の『デザインウィーク京都』もそうでしたが、なにか組み合わさることで、意外な面白いものが出来る(漠然ですね〜 笑)。また来年も実施されるようですので、その時は、もうちょい踏み込んだモノが出来ればと思っています。

どこまで書いて良いのかな?とまだ遠回りな表現ばかりではありますが、いろいろと見切り発車で制作もしていますし、会社としてか個人としての参加かも未定ですが、個人としては楽しみです。

来年は早々から盛り沢山。がんばります〜。

2016年12月16日

自分たちにも返ってくる仕事・・・。

400年のイベント準備のため、唐長さん(12代目工房)へお邪魔してきました。『来るのは何回目だろう?』と考えてもスッと回数が出ないくらい、今年は沢山お邪魔しています。本当にありがとうございます。


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イベントまでの期間、自分としては大きなテーマ、課題があります。それは『本物を作り出す、モノづくりをどう伝えるのか?伝えるために必要なモノは何か・・・?』を探すことです。唐紙だけでなくて、自分たちがいつも行う帯づくりもそう、普段当たり前の様にあって、そのことをどう伝えるのか?というのは、意識しなくてもできる呼吸のようで、改めてするのは非常に難しいです。

今回は唐長のモノづくりを通して、自社のことにも大きな気付きになるのではないか?と予想しています。そんなこともあり、となみスタッフは沢山巻き込んでいく予定をしています。簡単に上手く行くはずはなさそうですし、これから7年間ずっーと頭の中にある、仕事になってきそうです。

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さて、唐長さんでは(お忙しいところの)午前中を最大使わせて頂き、打ち合わせを中心に、南蛮七宝文様の原板!を使って、目の前で12代目の技を見せて頂く機会もありました。(これに関しては撮影させてもらいましたので、イベントの際に使わせて頂く予定をしています。)

一緒に行った中には『初唐長体験』の人もあり、その方の反応を見せてもらいながら、また12代目の文様ストーリーを聞かせてもらいながら、濃い半日を過ごしました。このあたりは皆さんにちゃん、と伝えれるようにしていきますね。

自分が少し関わった所は、(撮影される方は、全然慣れない 苦笑)12代目との対談。
こういうことです。
 →唐長12代目✕となみ織物5代目対談を撮影(お話は、楽しかったです)。

等々、これから行っていくイベントの土台作りでした。
徐々に積み上げていきますね。

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2016年12月02日

400年への打ち合わせ。

来年の1月から、400年に向けた唐長展示会を行うための、打ち合わせ。
(敢えて、この12月まで発表を控えていました)

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このイベントの大きな目的に『本物を知って感じてもらう。』ということがあります。また最終的には数多くの方に来場いただき、できる限り多くの人に伝え、そしてファンになってもらいたい、想いがあります。

ただ、簡単に『本物』と言ってみても、唐長さんの修学院工房であれば伝えられることも、場所や空気感が変わると、伝えにくい、伝わりにくいこともあると思います。また、単に陳列して、実施するだけでは、お客さんに『良いもの見たな。』だけぐらいしか伝わらない(それも難しい?)。それだけでなく『本物』を感覚として伝えたいですので、おそらく繰り返し、こういうイベントを実施して、試行錯誤と修正を加え続けていかなければ、満足する形にならないと思っています。

そのための、今は打ち合わせです。協力するメンバーで案を出し合い、今なら出来ること、自分たちがやりたいこと、見せたいものを決めていく。現状は、今から自分たちが、皆さんにも楽しい、何かができるかもしれない。そんな漠然とした期待いっぱいのふわふわした状態です(もしかして一番楽しい時期かもしれませんね。 笑)。

そんなこともあって、来年に関しては、まずイベントをプレ開催をしていきます。
場所も色々、意外性も含めて試行錯誤します。

お客さんに関しては、今回は『唐長の世界』に興味を持たれていて、来場を希望して下さる方を対象とする予定をしています。現段階でファンの方には、今回でさらにハマってもらって。周囲の方々へ伝播して頂ければな、と思っています。そんなことを繰り返していって、7年後の400周年には大きな流れを作りたいです。

今のところ、想いも人数分あります。
それがまとまって、集約されて、進む。

漠然としたイメージではありますが、これから楽しみなイベントになりそうです。

2016年11月30日

本社向かい

本社向かいにあるショールーム。
となみ本社では敷居が高く、企業秘密も満載で、『気軽に来てください。』と気軽には誘いにく(実際も業者さん向けですし)のもあって、向かいのショールーム、役に立っています。


役割としては、小物を中心に、その季節の帯や着物を展示を行って、実際に見て頂く。
字の通りのショールームです。

今の時期はクリスマスモードに。
少し前の準備段階ではありますが、こんな感じです。


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(撞木の上に帯をのせてイメージを見ている図)

他にはクリマス小物。

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防寒草履。
雪の結晶(左)、鏡裏(右)

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小物は別として、特にクリスマス専用の帯では無いのですが・・・。上記の小物にそれらしい雰囲気を持った帯を固めて展示すると『あっなんかクリスマスや(笑)。』。そんな展示を試行錯誤しながら、楽しんでいます。

陳列はまだまだですが、今年のはじめ『何を置いてイイのか、わからない・・・』と停止知ていたことから考えると『楽しめる』だけ、成長したと思います(苦笑)。

来て下さったお客さんを見ていても、自分たちの楽しさが少しでも伝わったかな?そう感じることもあります。これからも、できる限りハードルを下げて、来やすい、触れて頂きやすい環境つくりをここではしたいな、と思っています。

2016年11月26日

CandyCircus3のお腹『作品』

明日からの『打ち合わせ中心』出張に備え、モノづくりはこの数日間、少々滞り、それ以外の仕事、撮影や会議、資料作りなどを中心に行っていました。


『撮影』はカメラ好きなので、ストレス無く、(そんなこと、しなくても良いのに 笑)敢えて課題を課しながらでも、楽しめるものの、それ以外は、特に資料作りなんかは困難に困難を極めています(苦笑)。


何か頭の中にあるものを喋って、自分の思った通りに伝えることや、メールや紙にでも、文字、絵、何でも良いので書いて、伝える。いやー、なかなか難しいですね。

帯だったら、(絶不調なとき以外であれば)頭の中にある形にするのはそう難しくないのに、う~ん・・・。と呟きながら、ちゃんとすることはした数日間です。


そんな真っ只中、届けて頂いたのが、


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CandyCircus3の『蝶々』柄、お腹部分の元になった作品。


それをしばらく見て、お腹だけでなくて、お太鼓に持ってきたいなぁ。そんな帯には、今作っている名古屋帯の織組織がイイかなぁ〜。それか紗にしようかなぁ。このまま利用して、半巾もおもしろかも??

と今ある問題をちょっと横に置いて、帯を想像しているだけで、少し気が楽になりました(笑)。
やっぱり、わたしには帯作りが向いているのかもしれませんね〜。

2日間ですが、明日から行ってきます〜。

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2016年11月18日

唐長さん打ち合わせ。今月その2 2017〜の打ち合わせも

今月は2回目となる12代目との打ち合わせ。

机の挟んで瓢箪や雀形、南蛮七宝などの唐紙や帯を目の前にしながら、話すべき点が数多くフワフワと出てきて、それを一つずつ片付けていきながら、最後にわーっと一気に集約する。そんな濃い2時間です。


世間話の雑談が、いつの間にか今後の重要なモノづくりの話になり、少し俯瞰してみた戦略的な仕事の話が、気付いたら趣味の話にもなりながら、結局そこにいる全員が見ている部分は、本物を来られた方に伝えること、そこに向いています。


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例えば今回は、名古屋帯で登場する予定の『雀形七宝』を帯と唐紙、同じ空間に展示したいため、唐紙制作をして頂くことになりました。ただ単に文様がある、それを帯にした、のではなくて。大きさも色も雰囲気も様々あるこの雀形七宝、その中から着姿に映える大きさ、雰囲気、帯であれば織組織、それが様々な雀形の唐紙を見て、感じて頂きたい、このコラボだからできる帯、それが伝わるようになれば、と考えています。

知れば知るほど、世界にハマりこんでいきますが、
それを『柄だけ』の上辺でなく、織物の組織から活きてくるように、
今までも意識しているのですが、知れば知るほどやりたいことが山ほど出てきます。

ちなみに、雀形七宝は帯にするとこんな雰囲気になります。
(着物の上から身体にあててみた状態です)

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2016年11月17日

堀川通のイチョウ並木

今年も恒例、会社近所の堀川通のイチョウです。

いつもと様子が違うのは、
現在、水道工事中ということで赤いコーンとイチョウがずらーっと並んでいます。


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『なんでイチョウが黄色くなかというと、元々葉の中ある緑と黄色の物質のバランスが崩れて、
本来強いはずの緑が薄くなって、黄色が表に出てくるんやで。』と、
こないだ聞いた知識を確認しに(笑)イチョウの中を散歩していました。

そして、ちゃんと、じっと、よくイチョウを見みると、
黄色で地を染め、上から緑を置いた反物の様に下から黄色が滲み出てきたかの様に
表に来ようとしています。

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そんな時考えることは、紹巴織で織るんだったら・・・とか、

そう言えば、麹塵染めをした糸も、元々色はあるけれども光の波長で見える色が・・・。
等々書いてしまうと『帯関係の話で、何かを例えてばっかりやな。』とまた言われてしまうので、
止めておきます(苦笑)。

そういえば、唐長さんのはんなりとした色づくりの話も、
何色かを混ぜて、色通しのバランスで表現すると言われていました。

自然の色は配色時には、いつも意識して取り入れる様にしていますが、
新しい知識を入れて見てみると、新しい表現が作れそうな気がしてきますね。

また、頑張ります〜。

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2016年11月16日

紅葉にハマる。

昨日の午後、橋本関雪さんゆかりの月心寺で着物撮影をさせて頂きました。
場所は京都市と大津市の間、逢坂の関です。


IMG_8973.jpg
大津絵の帯も制作していますので、思わず反応してしまいます。)

ここで撮らせて頂いたのは、結城紬にしぼ織『Rococo』を合わせたコーディネート。
お茶席ではD型バッグ(だて)や数寄屋袋。それと羽織も・・・。

京都市内の紅葉がおそらく来週くらいが一番のピークだと思いますので、
車の中では『もう一週後だったら、最高やのになぁ・・・。』と言っていたら・・・。

この通り。

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午前中は雨だったお陰で、苔の濃いみどりに、オレンジ、赤。
空気中の塵も落ちたのか、濃厚な紅葉に囲まれてしまって、しばらくは本目的の撮影を
忘れて、パシャリパシャリ。完全に紅葉に呑まれていました。

池の中の鯉と水面に映る紅葉を眺めたり、見上げるお茶席と紅葉の赤に見とれたり・・・と。
しばらくは違う方向へカメラが向いていましたが、ちゃんと気を取り直した後は(苦笑)、
帯、着物、小物の撮影も十分に撮らせて頂きました。

いやー、ホントに秋ですね。
昨日撮った諸々は、後日少しずつ紹介させて頂きますね。

2016年11月05日

この前の続き/南蛮七宝の上に(下に)来るもの。

唐長文様『南蛮七宝』のモノづくりとして、帯、着物、襦袢、小物があり、
帯・着物でも、どちらか一方を南蛮七宝にすると、もう一方をどうするか?


自分が着物を着るときも、(軽く悩んだり)考えるところです(笑)。
南蛮七宝が好きなので、着物も帯も襦袢も、羽織も草履もそれで行こう〜。
もちろん、そんなときもあります。

ちょっとそれは、やり過ぎ・・・。の声もあるし、じゃ次は一箇所くらいは遠慮して、
他の柄で。そんなときもあります。(もちろん、全くどこにも入らないことも。)

南蛮七宝を一箇所でもコーディネートに入れるのであれば(それが多くても少なくても)
できれば、着姿全体を唐長の文様の中で、解決させてしまうこと、できないかな?
と思っています。

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そんなことをして絶対に欲しい、ではなくて、これからのモノづくりのキッカケとしても、
面白いですし、同じ世界観の中で、完結させる。結構なチャレンジになります。

今まであれば、帯と同じモチーフの着物を帯着物のセットで、はありました。

そこを進化させてしまって、
同じ世界観で、できれば唐長さんの様な根っこがしっかりした意匠と考え方に基いて、
帯や着物、小物を制作していく。(大変でしょうが)かなり楽しそうです。

DSCF1060.jpg

つい先日上がってきた『光琳大波』帯バージョンを南蛮七宝文様の御召の上に
乗せたとき、少し感じた事が、昨日唐長さんのお話を聞いていて、より強く、
思ったところがあり、こんな風に書いて残しておきます。

さてさて、どうなるでしょうね(笑)。

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