となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「しぼ織」と一致するもの

2015年04月24日

紋で沈めるしぼ織のかたち

 

DSC05048.jpg

 

お太鼓にポンと鳳凰の柄。
となみ織物で昔に紬地で製作した意匠を今度は『しぼ織』に。

となみらしくないこの柄をしぼ織で作りたかったのと、
その『しぼ』に関しては、しぼを作るための織り、素材(御召緯)なのに、
それを紋で抑えています。

 

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『今までのしぼ』                   『今回のもの』

 

今までと書きましたが、これは御召緯の特長を捉えたモノで今後も使いたい地紋。
右の今回のモノに関しては、柄の表現として、使って行きたいモノです。

 

特に今回の様な鳳凰が中心に来るものは、地紋まで隆起させると煩い。
そう感じたので、今回は沈めました。それでも通常の帯よりもボリューム感は感じる地風です。

 

この二つを使い分けて帯を製作することや、一本の中でもしぼを付ける部分と沈める部分、
といった表現が新たにできるはずですので、この帯一本作ることで、『しぼ織』自体の表現力も
上がりました。

 

自分でも次の柄を考えますが、若手がこれらの地紋を使い面白い新しい帯ができることを
楽しみにしています。

 

 

 

先日もUPした牡丹桜はこの様に咲きました。

見事です・・・。

 

今年は残しておきたかったので、UPします。

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2015年04月07日

モノづくりスタッフと身につく能力 その2

 

年間、帯にするために何百何千と図案を見て検討、モノづくりをします。

図案展があれば、図案を意識して新しいモノづくりのキッカケになることも
ありますが、それがなくても社内の図案庫に行けば、何かしらのアイデアがあります。

 

今、企画中のモノも、アイデアが降ってこないと進まないので、
時間を見つけては篭っています。これについてはまた後日。

 

図案を見ながら時々走馬灯の様に思い出すのは、初めて落とした図案。

意味も分からず、『どの図案が好きか?』と聞かれて、『これ。』と答えたものです。
いま見ると『帯の図案』としては、そんな良い図案とはおもいません(笑)が、
目をつむっても自分で書けそうなほど、鮮明に細部まで覚えています。
(自分では帯にせず、紋作りを横で見ていました。。)

 

図案に対する記憶というのは、不思議なものです。
意識して図案を見ていなくても、以前見たことがあるか、ないか?
社内に無数にある図案と、見ている図案、製作しようとしている図案と似たものがあるのか?
覚えています。

 

先日の展示場にある箱からのぞいている一部の帯柄を見て、全体の帯が分かるのもそうですが、
これも社員としての能力なのかもしれませんね。


つい最近目出しが上がってきた帯も、帯づくりを始めた頃に見た帯のリメイクです。

DSC01743.jpg
『しぼ織目出し』

 

この時は経糸に紬を使った帯で、黒地。元々は正倉院宝物の柄ですので、珍しい柄ではありませんが、
その帯を結ばれた姿を見た時に、『自分だったらこうしよう』。

そう思った記憶が残っています。

 

まだ、写真のように手探り配色状態なので、偉そうなことは言えませんが、時々こういう記憶が表に
出てきて、モノづくりのキッカケにもなります。

 

この帯も完成した時はぜひ皆さんに見て頂きたいです。

2015年04月02日

さくらさくら。

 

今日の昼休み、会社近所周辺(寺之内通)を約20分ほど散歩してきました。

昼間は車で通りますが、景色は車目線でしか見れてませんし、夜は歩いたとしても、
寺社仏閣通りなので、灯りはすくなく景色は変わってしまいます。

 

明日からの天気が曇り雨とは考えられないくらいの晴天で、
桜はこんな感じでした。

DSC01807.jpg

 

帯の配色には最近使っていない配色ばかりですので、
目の前にそういう色が広がると少々とまどってしまいます(笑)。

僅かに白の入った単色の水色の空とのコントラストが本当に素敵でした。

 

光を受けている桜も色が輝いて好きですが、
光を背にした桜も、夜桜のような迫ってくる迫力があって、これもまた素敵です。

 

DSC01836.jpg

 

毎年見ていても飽きない魅力ですね。

 

 

社内に帰るとちょうど『しぼ織り』目出しの配色確認。

 

DSC01750.jpg
『しぼ織り・目出し』

 

目が外の色を受けて、感覚がズレている様な気がしますが、
これから自分の欲しかった色目に近づけていく工程に入ります。

冬に図案を作っていたモノですので、目が元に戻しながら、自分の欲しかったモノに
修正を掛けていきます。

 

週末、もう一度桜を見たいので、最終の配色に決まるまで、
もう少し掛かってしまいそうですね〜。

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2015年03月28日

お湯に浸す数時間前。

 

最近はモノは紹介しても『モノづくり』自体はあまりここには出てきません。

ではモノづくりしていないのか?

というと自分個人としては、確かに『帯』や『着物』のような形に残りそうなことは、
あまり進んでいません。

どちらかというと、今は次の核になりそうな案のモノづくりや、
他社とのコラボレーションでのモノづくりを中心にしています。
(正直、こちらも進まん。。。でも、勉強になる。)

 

となみ織物全体としては、モノづくりに関わるスタッフが増えましたので、
一日一柄?という相変わらず、もしかして、それよりもさらにパワーアップしているかもしれません。

 

おそらく出張組が帰ってきたら、社内の情報を見ていなければ
間違いなく浦島太郎状態になります(笑)。

 

 

新しい帯の目出し(試験織)

 

さてさて、そんなとなみ全体のモノづくりとは違い、今回は個人のモノづくりになります。
『しぼ織』。おそらく作楽シリーズになる予定の帯目出しが上がってきました。

3色の候補で織ったものです。

 

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『しぼ織(作楽?)/目出しNo,1-3/経糸:白、ブルーを基調とした配色。』

 

このしぼ織は今では貴重になってしまった本物の『御召緯』を使って製織。
その後、お湯にくぐらせ縮め、それを再び帯巾に広げて、しぼを作る織物です。

上の写真は、そのしぼをまだ付けていない段階の最初期段階モノ。
(これくらいの目出しであれば、来週早々にしぼを付けたものを見ることができます。)

 

 

御召緯を使った帯

 

御召緯がお湯に浸かると、その特徴から縮む。
そのため、ある程度『紋』でその縮み具合を調整し、柄に見せることも出来ます。

帯にしても評判上々。
小物にすると、大方は『えっ帯?というよりも、その前に絹?』そんな反応が返ってきます。

スクリーンショット 2015-03-28 21.08.41.jpg
 

『しぼ』の隆起が地部分のメリハリになり、この帯独特の雰囲気を作ってくれます。

 

 

新しい試み

 

今、目出しとっているのは、この隆起をさらにコントロールしてしまうこと。

DSC04853.jpg

 

しぼ織の高いところが山、低いところが谷だとしたら、谷部分は平穏にまっ平ら。
反対にその分を山に持ってこれば、帯にはさらなるメリハリと、新しい表現が手に入る、
かもしれません。

 

 

これを書いている間、この帯に関して、いい案が出てきましたので、早速週明け試してみます!!

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2015年02月17日

むじおびづくり。

 

着姿の顔は『帯』と言われています。
帯を作る立場としては、とても有り難い言葉です。

その時できる最高の技術を詰めこみ、出来る限り手の込んだモノを作るというのは、
それは作り手として、最高の場面です。

ただ、そればかりし続けると、それが普通になってしまい、最高の場面もそうでなくなって
しまうこともあります。その時は、全く反対のことを考え、反対のモノづくりをすると、自分の中の
充電池に充電することができます。

 

そんな時、オススメは無地帯作り。

たとえば、こんな帯。

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着姿の顔は帯に違いありませんが、帯留めや帯揚げに少し助けられ、全体として『帯』になります。

 

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こちらは、帯締めの色が帯の柄のように加わり、帯揚げの縞も帯を『帯』にしてくれています。

 

これらの帯は、通常のモノづくりとは違った思考回路で、気をつけてモノづくりしていかないと、
本当に何も面白く無い、帯になってしまいます。

 

 

しばらく作楽シリーズで製作していたモノは込んだ柄が多く、気を詰めて製作していましたので、
今度は、写真の無地に近い帯を何柄か製作しようとしています。

 

今度は、どう表現するか?というよりも、
どうやって帯締や帯揚げ、帯留めたちに助けてもらうか?入り込めるスペースを作るか?

そんな所に気を払いながらのモノづくりですので、少々頭を切り替えながらになります。
どのように展開するのか、楽しみにしていて下さい。

 

同時並行で、しぼ織でヤヤコシイ物も作っているので、頭が鈍ることはないはずです!

 


 

 

 

 

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2014年12月06日

しぼ織帯、一つ完成です。

 

先日、目出し状態で紹巴織から『しぼ織』に織りを変えた途中まで
紹介していた帯が上がってきました。
 →
http://goo.gl/yzbvjI

 

IMG_3142.jpg
『作楽/しぼ織』

 

この帯は一度織ってから、お湯の中に通すので、その分色味が変わります。
イメージとしては、全体の色が馴染み、印象が濃くなる。どんな感じです。

 

色の組み合わせによっても、変化の程度が変わってしまいますので、
作り初め初期は、手当たり次第試行錯誤でしたが、最近はほぼ予想通り行くように、
なりました。それで今回です。

 

また、タレには無地採用しましたが、ただの無地とは違って、地紋を少し入れて、
七宝文様にしぼが行くように、誘導してみました。

上手くいくか?最後の心配するポイントでしたが、
これはこれでこの帯の面白さになったかな?と思っています。

 

2014年11月13日

色の深みを織組織でつけてみました。

この頃(お盆)に製作していたものが上がり始めました。
 →http://www.kyo-tonami.com/godaime/2014/08/post-1998.html

 

一つは、この柄。

 

IMG_1753.jpg
『作楽/しぼ織』


少し前に、紹巴織で織っていた『青』が頭に残っていましたので、
その色をベースに色が生きそうな柄付けに、しぼ織りという織り組織を変えてみました。

紹巴で織った時は、月がモチーフの柄で、自分の中では夜空の色を作ったつもりでしたが、
柄の空気感からか、透明感のある色の表現を沢山の方から、頂きました。

たとえば、

明け方になり始めた頃の青、とか、
宝の方の石の青とか、
月の明るい時の夜の海の色、

こんな感じで、いくつかはメモさせてもらっています。

 

しぼ織は、御召緯を使い広巾で織ってからお湯に付け縮めるという過程がありますので、
どうしても配色した色そのものとは、異なってきます。その辺りも考えつつ、作るのですが、

このモノづくりでしたかったのは、この色を使いつつ、しぼのメリハリによって、
『青』の濃淡ができる。ということです。

 

IMG_1754 -3.jpg
『タレ無地部分』

 

しぼが隆起していますが、この一番山の部分と谷の部分とでは、光や見る角度によって、
濃淡は変わりますし、また着物や小物、合わせる色によっても、おそらく変化してくれる
と思います。

その時、またこの帯を見た方がどんな色をイメージして下さるのか、
とっても楽しみです。

 

特にタレ無地部分は、とても良さそうな色に。。。

 

 

 

 

 

2014年10月30日

しぼ織でも作ってみました。

 

図案、意匠図、目出し、そして最後は『帯』となる工程上、モノづくりする際は、
図案の段階で、絵を見ながらこれはどんな組織が相応しいか?ということを検討します。

 

細かい表現で物理的に織れるモノが限られてしまう場合、ボリューム感がほしいから、
それに相応しい2つもしくは3つの織物から選ぶ場合、季節感を柄だけでなくて、
生地としても求める場合等があります。

 

また、今回の様に一度一つの織物で作ってから、その織物で結ばれた所を見たり、
帯にした所から、その柄の違う魅力を見つけた時などは、再度意匠図を作り直し、
同柄でも異なる織物の帯をつくります。

 

IMG_1313.jpg

『紹巴織⇒しぼ織へ』

それがこの柄(の一部)です。

 

むかしは、こういうモノづくりの際、元の織組織のモノよりも上手く作ろうと
ちょっと気負いながら、でしたが、今は元は気にせず、柄自体から見つけた、
新しい魅力を帯に出そう、そのことだけに意識を集中させ、作っています。

 

細かい変更点は山ほどありますが気に入っているのは、しぼ織のシボに埋没しそうな、
金糸の色をかなり当初のモノよりも黄色くしたところです。

 

最終帯になった際に付くシボが印象的に表に出るように、
タレ無地の地紋、黒の使い方、等々、他にもありますが、今回は細かいですが、
黄色の金糸がポイントになってくると思います。

 

まだ、織ってお湯に通して、再度帯巾を整える、という
大きな山場が待ち構えているので、どうなるかわかりませんが、
良いレールの上を乗っているようには思います。

 

2014年08月18日

お盆明け。

今年は長かったお盆休みも終わり、休み前のモノづくりを掘り返しています。

その一つが、前回に続いて『しぼ織』。

 

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七宝とドットを組み合わせたシンプルな柄ですが、横段に見立てて配色で動きを作ろうと
している柄です。

この短い目出し(試験織)で見ている限りは問題なく進みそうです。。

 

 

そしてもう一つが、単衣の着物、というよりも袷物も良い糸を使い、ハリを持たせつつ、
出来る限り生地を軽くしよう。という方向でモノを作っていますので、
生地自体には季節の境目がなくなりつつあります。

 

SDIM0035.png

 

写真は、『Kilim』単衣御召の濃い地で織ったバージョンです。

今の気温で実物を見ていると、少し暑いなぁという気持ちにどうしてもなってしまいますが、
これが段々似合ってくる季節になってくるので、それまで少し寝かしておきます。

 

これに続く柄も考えていきたいと思います。

2014年08月12日

お盆休み2日目。

 

会社的にはお盆休みに入ってますが、今年は出張がいつもよりも多い分、
持ち越している仕事がたんまりとあります。

 

配色の確認だけはちゃんとやっていても、通常であれば、上がってきた試験織りと、
しばらく対話しますが、それが十分にできていないです。

この休みにしようとそれらを大量に写真に撮って、この休みにはモニター上で、
(寝転びながら)チェックしています。

 

たとえば、しぼ織りの試験。

IMG_3756.png

 

しぼを作る手前、あまり細かい織りは苦手ですが、それの試験をしています。

 

FacebookにUPした、同じくしぼ織りの藤柄。

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御召緯を使って織り、お湯に浸けてしぼを作るので、多少色が変わります。
特に、『きれい』な色はその過程で少しくすんでしまいますので、それも苦手です。

 

などなど、これらはモノづくりをするための直接的な実験ですが、この最中に思っても
見なかったことがタマに起きることがあります。

 

そのための試験織りとの対話です。

 

生地が多く、そのものを持って帰ると、大変ですので、写真にしましたが、
こうやって、モニター上で拡大したり、回転させてり、しているだけでも興味ふかい収穫は
沢山ありました。

 

ちょっとしばらく休みたい気持ちもありつつ、早く形にしたい気持ちとに挟まれて、
もうしばらくお盆休みゆっくりしたいと思います。

2014年06月13日

中無地のしぼ地紋。

 

しぼ織』は御召緯の特性を使って、
広巾に織った帯地をお湯に付けて縮めた時に出来るシボを地紋に使った帯です。

 

Tonami2014.1-2.jpg
⇒FBへ

 

 

近頃は生産量も少なく、他のものと代用されてしまいますが、
見た目以上に触るとこの糸を使った帯の風合いは独特のものです。

 

日々、御召緯を本職に使う御召屋さん(着物)からも、
『よーこんなややこしい帯つくるよなぁ』と感心されている『しぼ織』。

(まあ、こちらから見ると着物の場合、帯より随分丈の長い着物をよ~織るなぁ
と思いますが・・・。)

 

 

シボの出し方を紋である程度操作することができますので、
伝統的な古典柄で作ってみました。

 

しぼ七宝。

IMG_2544.png

しぼ織/七宝地紋』

 

全く七宝に見えず立涌っぽいです。

 

IMG_2545.png

 

ちゃんと、裏を見ると七宝柄です。

 

こういう地紋は普通に中無地に使ったりしますので、あまり表には出てきませんが、
直接結び心地に繋がることも多いので、とても気を使います。

 

 

 

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2014年04月07日

御召緯を使いしぼ織の袋帯、製作途中。

 

週末は、雪の中から桜満開と、
たっと一日違いとは思えない移動をしてきました。

 

IMG_1615.png

 

IMG_1667.png

 

今年は桜を見る機会がなかなかありませんでしたので、
偶然通った、道路ですが、車をいつもよりもゆっくり進めながら見入っていました。

一度見ると、春のスイッチが入るので、今年も次のモノづくりへ進めれそうです。

 

出張行く前に、検討し切れなかった裂地。

IMG_1491.png
しぼ織目出し

 

御召緯を使った『しぼ織』です。
柄は、遥か昔のモノを引っ張りだしてきました。

 

しぼ織は、御召緯の特性を使い、お湯に浸けた際の縮み具合を使い、
地のしぼを作ります。その際に多少ですが、紋で誘導して上げると、
ある程度はこちらの思いを汲んで縮んでくれます。

 

今回は、そのしぼがどこまで誘導できるか?という実験をしました。
縦しぼも横しぼもやりましたし、『次、なにがいいかな?』と、少し考えましたが、
思い切って渦状の地紋にして、誘導してみると、写真のように上手くガイドされ、
渦状のしぼが出来上がりました。

 

『これでどうした?』と自分でも少し思いましたが、ある程度御召緯を使い、
面白い地紋もできることが判りましたので、次に繋がりそうです。

 

この柄もこれはこれで、織っても面白いような気もします。。。

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2014年04月03日

夏・襦袢/南蛮七宝

 

今月末から南蛮七宝を持って、長期間京都を空けますので、
当面は南蛮七宝モノづくり紹介が多くなると思います。

 

ちょっと面白くなりそうな模索中の『しぼ織』実験等もやっていますので、
来月分モノづくりも行いたいので、今月はピッチを上げて、モノづくり頑張ります。

 

今日は、新しい夏・襦袢です。

夏襦袢は世間に、数多くありますが、夏は何を着ても暑いので、
汗をかく、汗をかかなくても、着ていてサラサラしているものが基本です。

 

南蛮七宝文様で、夏というと『紋紗』襦袢ですが、生地製織の予定分は全て終ってしまい、
その生地を使い切ったら、次がない・・・そんな状態でした。

 

また、自分が夏着る襦袢としては、麻白無地と紋紗/南蛮七宝襦袢中心に着回していますが、
夏着物の着る機会が、今後増えていきそうな気配がしていましたので、もう一枚と、
じっと待っていたお襦袢でもあります。

 

今回は涼しさ、着心地、耐久性に特化した、南蛮七宝の夏襦袢です。

 

IMG_1567.png

『夏・南蛮七宝襦袢』

 

自分で着ていないので、今のところ着心地は伝聞状態で絶賛はできませんが、
(現在仕立て中)触った感じでは、相当いい感じの仕上がりです。

2014年02月01日

棚卸し

 

今日の京都本社は棚卸しです。

社内モノづくり部門は臨時に休業日に。
社内業務を止めて、帯や着物、小物を一斉にチェックしていきます。

この日記でも何回か取り上げましたが、年に2回行って、その間社内は
ひっくり返った状態になります。

 

やる仕事としては、一本ずつ商品の数を数えて、台帳に記してあるモノと照らし合わす。
というものですが、経理部門以外のスタッフ、特に営業等は、面白い帯を探します。

たとえば、最初の一本に織ったもので、それ以降は配色の全く違ってしまったものや、
織物自体がレアで、『帯シリーズ』になるほど続けれなかったもの。いわゆるお蔵入り。

そういうものを意識して探し、もし見つけるとテンションは相当上がります。

ある程度時間が経ってから、(客観的になってから)そういったものを見ると、
次のモノづくりのヒントがありますし、僅かの手直しのみで物凄く面白いものができそう、
になることも多いので、この棚卸しの時間をただ漫然と過ごすのは、非常に勿体無いです。

 

そんな今日の業務を終えれば、気分一新で次の期に入っていきます。

 

さてさて、この棚卸し、もちろん帯以外にも図案も一緒に総チェックしていきます。
今回の棚卸しの収穫は、その図案庫の中にずっと眠っていた数柄です。

それが作られた時代、ほとんどの帯は、花鳥風月で、色数も最大限使ったものばかり、
でしたが、見つけたの数柄だけは、色数3〜4色、他とは柄取りも大きく違ったもの。

おそらくその時に作っていたら、物凄く浮いたであろう、という図案がありましたので、
何ヶ月か掛けて手直しして、帯の形にしたいと思います。たぶん、しぼ織り?

 

そんなことで、今日は写真がありませんが、新しい期もどうぞよろしくお願い致します。

 

 

 


2013年12月13日

しぼ織つづき

 

なかなか進まない帯・組織もありますが、ある程度順調に進んでいるのが、
『しぼ織』。なんやかんや言いながら手堅く柄が固まっていきます。

 

以前、何度紹介した『Rococo/しぼ織』。

 

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Rococo

 

この帯は箔と色糸、地色が上手くハマってくれたので、お太鼓にした時に力強く、それでいて
綺麗にまとまってくれます。

 

似た帯を作っても面白く無いので、配色自体は似てしまいましたが、柄と地色が下から
湧いてくる、そんな流れを帯に持たせてみました。

 

基本的に立涌っぽい柄ですが、葉の葉脈や色の抜け方を工夫して、流れが出ていると思います。

 

IMG_4178.png

『作楽/しぼ織』

 

もう少し配色に透明感を持たせて作りたいので、地に僅かブルー系で沈ませるつもりですが、
全体のイメージはこんな感じになると思います。

 

しぼの作り方も地の紋次第で面白いことが出来そうなので、遊びながらやってみたいと思います。

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2013年12月02日

しぼの色味

 

今、しぼ織の配色を行っています。

 

その中にも、複雑な紋意匠で緯を交えながら、作り上げるものもありますが、
今掛かっているのは、シンプルに地と上にのる箔の色を決めるだけというものです。

このシンプルなモノというのは、色によって随分と雰囲気がかわりますので、
結構帯や柄を見慣れた方でも、『違う柄?』と間違えられて、横に並べてジックリ比較して
みないと気付かれない、そんなものでもあります。

 

柄の目出しを何色か取ってみましたが、恐らく違う柄に見えてしまう。
というのが分かってもらえると思います。

 

shibo.jpg

しぼ織

 

配色は、この目出しを見て、この中からそのものを選ぶというのではなくて、
この中から方向性を掴んで(今回は例外的にバラバラですが・・・)、その選んだものを
トコトン詰めて、微修正して完成へと持っていきます。

 

今回は、右の柄でほぼそのまま行けそうなモノがありましたので、織り進めて行きたいと
思っていますが、この巾で見るのと、帯一本で見るのと、これまた雰囲気が大きく変わるので、
またそれはそれで、帯づくりならではの面白いポイントです。

 

もうどうしょうも無く、アイデアに詰まった時は、この何色も配色をした目出しを見ていると、
とんでもない物とか出てきますので、それがキッカケになって突っ切れることもあります。

 

今回のしぼ織配色は、普段使わない箔を沢山使いましたので、写真だけでは微妙なモノも
多いですが、今後色んな芽が出てきて、面白いモノづくりの元になってくれるかもしれません。

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2013年11月19日

とっとり

 

日頃から、とてもお世話になっている方のある会で、
鳥取へ行ってきました。記憶にある限り、初鳥取です。

砂丘にもちょっと寄れました(初砂丘です。)。

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以前行ったサハラは360度見渡すかぎり砂、砂で、それにピラミッド。

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最初に持っていた『砂漠』というイメージからも全く違和感が無かったのですが、
この鳥取砂丘は道路を渡ってから、区切られた砂漠。

 

一瞬で非日常の砂漠に入れるという不思議な感覚は、こちらの方が好きかもしれません。

 

この日は、強烈な風と寒さで、過酷でしたが、
それがなければ、しばらく滞在して、ゆっくり砂を眺めながら、
数柄地紋を作れたかもしれません。

 
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そこの象を見て、そう言えば今回の美しいキモノに象の帯載せたなぁ、
思いながら象の砂彫刻を見ていました。

 

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スクリーンショット 2013-11-19 11.16.50.png(一番左です)

『しぼ織』 →facebookへ

象のコーディネート』へ

 

 

バスに揺られながら行ったので、少々の腰痛ですが、
気持ち的に詰まっていたものも、随分解消されて本当に行って良かったと思いました。

2013年08月20日

秋に向けて

 

お盆明けから、会社的には

秋に向けて皆さんに見てもらう商品の最後の仕上げと、

来年春、夏向けのモノを製作しています。

 

個人的には、ほぼお盆休み前に紋上げは出来ていますので、

配色と最後の微修正が、今からの多くなってきます。

 

それと、もう一つは今年なんやかんや言って、触ってる機会の多い、

しぼ織り。それの南蛮七宝バージョンです。

 

IMG_1419-2.jpg

 

完全に試作段階なので、丸と星に入っている縦しぼの出方や、

それ以外の部分の大人し目のしぼは、まだ予測できずにいる段階です。

 

配色くらいは参照にできますので、一番上もしくは上から3つ目がいいかな?

とは思いますが、今後、詰めていきたいと思います。

 

まだ、糸合わせを変えたり、配色の微修正は行いますので、

雰囲気はかわると思いますので、期待していて下さい。

 

IMG_1418-3.jpg

 

この南蛮七宝シリーズ、諸事情からお見せできる機会自体が少ないですが、

その中でもまず入門編の襦袢も、再度染め上がってきました。

 

先日、この襦袢を着られている方が、

『今日は、この襦袢を見せたいために、洋服じゃなく着物を着てきました』

と言われていたのが、とても印象に残っています。

 

こちらのモノづくりへのモチベーション上げてくれる、南蛮七宝シリーズです。

 

 

 

2013年04月24日

しぼで。。。

 

今月は、ずっと『しぼ』について書いているような気がしますが、

それくらいこのしぼに時間を取られています。

 

もうすぐ一本織り上がってきますので、非常に楽しみなのですが、

以前も紹介していた『しぼ織』。最大限検討、色も最後の最後まで、

ベストを尽くしたと思うので、こういう時は楽しみです。

 

ちょうどしぼ織を結んでいてもらったので、写真を撮らせてもらいました。

 

L1231415.jpg

『しぼ織』

 

頭のなかが『しぼ』の時は、目に入ってくるのは、そういうものばかりです。

 

L1231409.jpg

 

同じような紋で作った『しぼ』でも光が入ると、表情が変わり、

次の柄を作る時は、どうしょうかな?と考えられるキッカケになるので、

これもまた良いモノづくりのベースになってくれます。

 

頭のなかをしぼの象がのっしのっし通っています。。。

2013年04月11日

引き続きモノづくり。

 

糸の染めのところで、少々詰まっていましたが、

一つ作っていた帯が動き出しました(やっと・・・)。

 

IMGP0097.jpg

『しぼ織り/作楽』

 

写真を見て頂くと恥ずかしいですが、迷っています。

通常、試験織り、目出しというのは、ある程度焦点を絞ったもので織りますが、

ここまでバラバラな色目を取る時は、(今までも何度かUPしましたが)

大概は迷っています。

 

この帯は最後にお湯に通し、シボを作るので、多少色と雰囲気が変化しますので、

その辺りを考えつつ、最終決定したいと思います。

 

茶も、グリーンも、黄も、ピンクも捨てがたいなぁ・・・。

 

しばらくは京都から出たり入ったりとしていますので、

溜めた図案を色々と考えてみます。

 

 

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今日が2016年の最終営業日でした。この一年、本当にあっという間でした。 年末のモノづくりは抑え気味と言いながら、今年も最後…

来年に力を入れていきたい、襦袢があります。さざ波の様な細かなシボが、生地全面に入った、手触り風合いの優しい白生地を使います。(生…

2ヶ月に1度位の割合で着物姿を撮影しています(前回は月心寺)。今回も本社向かい、徒歩3分圏内での撮影でした。 天候は曇り、たまに…

今年中には間に合いませんでしたが、間もなく完成の帯揚げです。 帯の意匠を使い、帯揚げらしく修正を掛けた図案の段階です。 ここから…

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