となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「麹塵染」と一致するもの

2016年11月17日

堀川通のイチョウ並木

今年も恒例、会社近所の堀川通のイチョウです。

いつもと様子が違うのは、
現在、水道工事中ということで赤いコーンとイチョウがずらーっと並んでいます。


DSCF2142.jpg

『なんでイチョウが黄色くなかというと、元々葉の中ある緑と黄色の物質のバランスが崩れて、
本来強いはずの緑が薄くなって、黄色が表に出てくるんやで。』と、
こないだ聞いた知識を確認しに(笑)イチョウの中を散歩していました。

そして、ちゃんと、じっと、よくイチョウを見みると、
黄色で地を染め、上から緑を置いた反物の様に下から黄色が滲み出てきたかの様に
表に来ようとしています。

DSCF2132.jpg

そんな時考えることは、紹巴織で織るんだったら・・・とか、

そう言えば、麹塵染めをした糸も、元々色はあるけれども光の波長で見える色が・・・。
等々書いてしまうと『帯関係の話で、何かを例えてばっかりやな。』とまた言われてしまうので、
止めておきます(苦笑)。

そういえば、唐長さんのはんなりとした色づくりの話も、
何色かを混ぜて、色通しのバランスで表現すると言われていました。

自然の色は配色時には、いつも意識して取り入れる様にしていますが、
新しい知識を入れて見てみると、新しい表現が作れそうな気がしてきますね。

また、頑張ります〜。

タグ: , ,

2016年02月18日

出張用に着物をつめる。

 

今日は半日打ち合わせ、残りバタバタと進めています。
書きたいことはいっぱいありますが、まずは明後日から行く出張準備。

着物はこんな感じで持っていく予定をしています。

 

上から、襦袢、羽織、着物。

L2120028.jpg

 

今回は着物は先に送って、身一つで新幹線という出張予定ですので、荷物を詰めて・・・。
とすると、しばらくして、ここに写っていない角帯を入れるのを忘れていました。角帯だけ手持ちです(苦笑)。

 

最近は私が着ているもの、そのものか色違いで後はコーディネートは任せます。という話を頂くことが多いです。その時は「この色目の組み合わせはどういう考えで?」みたいなことを聞かれることも多いですので、今までの様にある程度、適当ではなくて、それなりに理由を考えて、コーディネートするようにしています。

 

写真の着物は麹塵染めの南蛮七宝御召。コーディネートをし易い着物の一つです。もし、色の変化が気になる(そういう方は麹塵染めを選ばれないですが・・・)方でも、御召の立涌調の柄で全体のバランス、墨色とのコーディネートでそこまで気にならなくなります。
 

自分でよくする組み合わせです。

 

折角、忘れた角帯ですので、3本くらい現地に持って行って午前午後、夜とで変えたいですね。

 

 

 

 

 

スクリーンショット 2016-02-18 17.47.37.png
http://goo.gl/WFpZ1d

 

京都では、2月21日からデザインウィークが開催されます。
となみ社内では実施致しませんが、少しのブースを頂きましたので、いつもと違うとなみ織物を展示したいと思います。

 

この準備もまだまだ。。。

2016年01月25日

麹塵染めも面白いかも・・・。今思いました。

 

ベースがしっかりとしているモノ(今日は図案です)は、完成度が高いのでイジりにくいのはあっても、一度突破口を見つけると、多くのモノづくりの土台となってくれます。今日あがってきた試験織(一本目)を見てそういう気持ちを強くしました。

 

あがってきたモノは、過去の紋(デザイン)を修正&リメイクしたものです。

IMG_1948.JPG

 

元の図案から製作した一つ目の帯を含めて、4つほどの種類を見た記憶があります(実際の製作はもっと多いかもしれない)。ものすごく人気のあったモノが時代の流れや好みに合わせて、色や柄のサイズ、織物を修正して作りなおすのであれば、分からなくないですが、この柄は、そこまでの人気があったわけではありません。それなのにリメイクをする、何かが隠れていそうな柄です。おそらく今後も5,10年単位で大ヒットになるまでリメイクを繰り返しそうです(当たれば、かえって止めてしまうかもしれませんね?)。言い換えれば、図案にあった帯がもっとできるはずと、さらなる可能性を図案から感じているのかもです。

 

社内にはこんな図案、過去に作った帯があります。一度でも帯になったものは、壁として残っていますので、ここを乗り越えるモノづくりも今年は力を入れていきたいです。頑張ります〜。

 

 

今日の朝。全国的に話題になっているので触れておかないと・・・。
会社のある寺之内通まで南北に通る堀川通もしくは烏丸通を北上していくと、数キロ走るだけで、気温がドンドン下がっていきます。(会社よりも北に行くと、北大路通り1度、北山1度、御薗橋1度、下がる感じです。)そんなこともあって、職人さんとの会話の出だしは(同じ地域だと思われる様な狭いエリアでも)、『雪ありました?』です。

 

今日は、珍しくマイナス気温でしたが、まだ業界的には若い僕らよりも、60後半〜70代の職人さんのほうが遥かに元気よく、全く普段と変わらないペースでした。織り上がりの商品を持って/糸を取りに、来られる等々。今日は本当に寒かったです。。。見習わないとダメですね・・・。

 

IMG_1949.JPG

2015年10月31日

帯のベストセラー。麹塵染め/竹林について

帯でも『ベストセラー』はあります。本やCD等々とは何万というような数字が一気に上るわけではありませんが、長い期間掛け、注文を頂いてコツコツと長いこと織っている帯です。とは言っても、糸は絹、天然繊維ですし、染めも一色辺り糸の一塊(片手で持てる程度)ぐらいしか一度には染めないので、同じ柄と言っても、風合いも雰囲気も少し変わり、全く同じモノではありません。

もしかして、同じ意匠を使っていてもワインの様に、配色のノリが良い年、生地の風合いが良い年があるのかもしれません(面白いかもですね・・・。。。

 

そのベストセラーの一つがこの帯、『麹塵染/竹林』。

L1930292.jpg

 

となみ織物で紹巴織を織り始めて、少ししてから織った帯です。紹巴織の歴史を100とすると初期の5くらいの時期に意匠が作られたもの。当初は麹塵ではなく、通常染料で製織しました。様々な配色が織られ、紋もその時期に応じて修正を加えながら、麹塵染めとなりました。


帯の意匠は『古典柄』と言われる様に、使い捨てではなく、大事に残していきます。時間が経つと、その中の多くの柄は時代に合わなくなってしまったり(それでも意匠としては凄いモノが多い)、同じ様なコンセプトでその時代に合わせた柄も製作しますので、過去の意匠を復刻することは、となみ織物ではそんなに多くありません。

 

そう考えると、この竹林の柄が今も注文を頂き、織り続けることができるのは、本当に稀なことです。モノづくりをするスタッフは全員、新しいモノ作る際は、そうなる様にと集中して製作します。苦心してできたもの、案外すんなりと進んだもの、関係なく、いつの間にか稀にベストセラーになっている。努力時間と比例してくれると、大変有り難いのですが(笑)、そうならないのもモノづくりの面白いところです。

 

また、この竹林柄は今ではやらない配色上の禁じ手が使われていますので、若手がこの柄の意匠図をお手本にすることは、本当に勉強になります。モノづくりまで貢献してくれている大変親孝行な帯です。感謝感謝です。

 

 

昨日の晩にFacebook上でもUPしました。
とても良い評判を頂いています。

 

タグ:

2015年09月25日

いま出せば間に合うタイミングで。

 

『いま出せば、バッグ、花緒、丸ぐけが欲しい時期に間に合う。』と今日の午後、まとめて時間を取り帯地の選別をしました。帯地を使った小物を作る場合、その都度必要に応じて製作することもありますが、ほとんどの場合、年に何回か時期を決めて、職人への依頼を行います。その際の生地も、①それ専用に織ることもあれば、②製織時のキズが直せない場合の反物を使う場合もあります。ですので、ギリギリまで織上がりと検品を待ってからの発注となります。直らないキズ物は出てほしくない気持ちで、良い柄が出てくるを待っている。書いていても不思議な感覚です(苦笑)。

 

さてさて、②の場合には、約4m40cmの帯地にハサミを入れることになります。『手にハサミを持って、引箔の帯を手に取り・・・。』とイメージすると、今でも身震いしてしまいそうになりますが、おそらく帯作りの事を全く知らない方もハサミを入れることは難しい、と思います。糸を染めた人、織り手、整経等々、知っているとさらに難しく慣れたはずなのに、未だに緊張します。

また職人への依頼の際は、一本ずつ帯の顔を見ますので、それを使った小物が上がってくる。それがイメージ通りかそれ以上だと、ホッと報われた気持ちになります。花緒の様に生地を使う部分が少なくても、それは同様です。

 

仙福屋の小物は、裁断から縫製のすべてを日本で行います。そのため、数を大量に作ってコストを下げる、というのは今のうちのモノづくりには合いません。バッグで言えば、一つ一つ帯地の織り組織と色、柄の大きさに合わせ、10種類近くある中から型を決め、革を使うのであれば、それを帯締めをコーディネートするように合わせていきます。一つ一つそうやって制作していくので、正直大変な手間が掛かる製作方法です。

沢山は作りませんが、それでも帯地を使った仙福屋のバッグは徐々に認知されてきました。その考え方は貫きつつ、そこからもう一歩チャレンジするつもりで、モノづくりを計画しています。おそらくこれから何年経っても帯地を裁断するときは緊張をしながらになるとは思いますが、そうしつつもバッグ作りに新しい風を入れていきたいと思います。 

仙福屋のショップへ

 

今日のFacebookにも上げていますが、もう一つの帯はこの麹塵染めシリーズ、紬を通した袋帯です。この帯も勿体無いですが、回復不可能なキズがあります。。。

DSC06802.jpg

 

この帯地を使っては、バッグと花緒を作る予定をしています。もう出しましたので、あとは祈る気持ちで。。。

2015年09月07日

緑・緑・緑・・・。

 

京都へ戻ってきました。また再びモノづくりに戻ります。関東方面へは久々だったので、また違うヒントをもらいましたので、それをどういう形にしていくか?検討を重ねます。

今回、印象に残ったのは色。今までそんなことはなかったのか、もしかして気づかなかったのか、わかりませんが、緑・グリーンを好まれる方が多かったです。赤系ほどでは無いにしても、そこまで多様せず、どちらかというと避けてしまう色の一つです。だから、となみの帯がずらっと並ぶと、麹塵染のグリーン系が目立つのか、と書きながら納得してしまいます。

 

この辺り、モノづくりに活かそうと緑・緑・緑と考え頭の中で回してみると、先日紹介した【南蛮七宝×信夫】の袋帯。その流れで染めた(これは見本)ショール。等々が思い浮かびます。

DSC06454.jpg
【南蛮七宝文様×信夫×光悦蝶】

 

IMG_1348.jpg
【ショール色見本】上記南蛮七宝文様の地部分を参照に染めました。

 

モノづくりの大前提は、柄作り⇒配色です。それを反対にして配色ありきのモノづくり。緑っぽい柄?できるか、どうか判りませんが過去の柄帳、図案庫とを『緑・緑・緑』と唱えながら、見て行きたいと思います。今のイメージとしては、この色をそのまま使うのではなくて(これはこの帯の色にピッタリですし・・・)、どの方向に振るかは判りませんが、アレンジしながら、グリーン濃淡の帯。以前製作した『作楽/サマルカンド』の柄の様に、作れればとおもっています。

 

2015年07月01日

着物の撮影中に。

 

ちょうど4Fの展示場(本当は和室。いつのまにか展示場になっています。)の総入れ替え
だったこともあり、スペースも空いていたので、その合間を縫って着物の撮影を行いました。

 

DSC05918.jpg
【麹塵染/夏絽訪問着】

写真は試し撮りです。
新しい広角レンズを試す意味でも調度よかったです(笑)。

 

となみ織物で製作するものは、もちろんの帯をはじめ、着物、襦袢、小物などなどと『着物』全般に
渡るようになり、それも随分時間が経ちました。着物も初めは帯屋の着物と言われていました
(どちらかというとあまり良い意味ではない)が、社内に経験値も貯まったこともあり、今では他社には
作れない着物も出来るにようになり、今ではかなりの強みになっています。

 

ただ、着物に関してはCMをほとんどしていないこともあって、まだまだ知られていません。


ですので見せると驚かれます。

先日も、展示場に陳列していると『これってどこの着物。まだこんなの作れるんや。』と
驚かれていました。

 

3Fの展示場もありますので、帯では心づもりをされていますので、
着物に関しては、みなさん相当意表を突かれるそうです。

 

あくまで帯屋ですので、そこからのデザインは大切にしながら、となみ独自のモノづくりを
隅々まで広げていきたいです。

 

まだ新しいレンズを着物に向けながら、そう思いました。
それと着物に関しても、もう少しCMも行っていきますね.

 

 

21時頃にUP予定のFacebookには、若冲の訪問着が登場します。
デザインはもちろんのことながら、技法と色にも是非注目して下さい。
 ⇒
https://www.facebook.com/tonamiorimono?ref=hl


 

タグ: ,

2015年04月18日

今日の着物。。袷モノがもう少しほしい。

 

3日間の出張が終わり、京都へ戻ってきました。

写真を撮ろう撮ろうと思っていたのに余り撮れず、仕方なしに
今日着ていた自分の着物を撮りました(折角出てきたのに残念)。

 

L1870064.jpg

 

羽織は御召に紬を通した南蛮七宝文様←昨日は立涌地紋の無地。
麹塵染の南蛮七宝御召。角帯は紹巴織の作楽。羽織紐は仙福屋でもお馴染みの
純銀帯留め作家さんに作って頂いたモノ。

写っていませんがお襦袢は若冲の付喪神。
そんな構成です。

 

夏や単衣モノは最近作りましたが、袷モノは何年も作っていので、
そろそろ自分用に。そんなモチベーションでモノづくりに取り組んで行きたいと
思っています。

 

今日置いていたヤヤコシイ紬の着物(もちろんうちのオリジナル。)を見て触って、
何かできそうなイメージが湧きましたので、早いことこの気持のまま、
この辺りをベースにモノづくりをしていきたいです。

 

これくらい短い出張でも、皆さんから濃いお話も聞けて、とても有意義でした。
福岡の皆さん、ありがとうござました!

2015年04月17日

博多滞在2日目。

 

博多2日目は帯、着物、小物を並べてのイベントです。

わざわざ京都本社に来られた方もおられて(ありがとうございます。)、
言われたのが、(本社には)帯が多すぎる!というご意見。

当然ながら、プロ専用の展示場ですので、帯しか無い。
 →参照『本社展示場』

 

今までも、そういう話を頂いていましたので、そんな反省を活かし、
今回の博多は帯:1、着物:2、小物2。そんな割合で、非常にバラエティ豊かな
会場です。

 

帯は裏すら付いていない新柄を。
着物もちょっと出張したら、おそらく見られなかったもの。

小物も、市場に流れているありふれたモノではなくて、となみ織物独自のもの。
例えば、帯地を使ったバッグでも南蛮七宝系のもの。帯締めなどの小物も、麹塵染の
帯糸を使った限定品。総紗縫に合わせたオールシーズンの帯締め、帯上げ。
新作のペーパーヤーンに南蛮七宝の花緒など。

 

このスペースにこれだけ置けるのか?
そんな展示場になっています。

 

陳列にお金や手を掛けて見せ方を工夫をするのも、もちろん大事ですが、
それは別の機会に、今回に関しては帯や着物、小物の新作を素のままに見て頂く。

そんな機会です。

 

京都での仕事もあるので、頻繁にはできませんが、お客さまも楽しみ、
(それ以上に?)自分たちも楽しめる、そんなような展示会は、
出来る限り、今後も増やして行っても良いかもしれません。

 

2015年03月04日

キズもスジも汚れも無いB反。稀です。

 

タイトルの通りだと思わず、問題無さそうですが・・・。

昨日紹介した御召と一緒に上がってきました(百何十本かに一本の確率です)。
(もちろん織り手さんは気づかれ、すみませんと。)

 

IMG_4452.jpg
『仙福屋の御召/麹塵染め(アウトレット)』

 

 

問題は、重量面。

この表題御召はそこで、引っ掛かりました。

 

モノづくりする際は帯も着物も、この『重量』には特に気をつけています。


糸を沢山使った方(重くなる)が原価的には高いので、高級。
という考え方を元に製作されているモノもあります。

特に昔は今よりも、そういう考え方が強くあって、昔の帯は総じて重いです。

 

ただ、お洒落着、街着である限り、生地を軽くしていくのが、着る方への負担も少ないため、
モノづくりの正しい方向だと考えています。

とは言っても、生地が軽すぎると、手持ち感がペラペラで、
シワになり易く、しかも戻らない。そうなると、絹の場合それもまた問題です。

 

 

 

『仙福屋御召/麹塵染め』この着尺は帯と同じ麹塵糸に通常の糸とを交互に入り、
重量面やシワ、風合いのバランスを取りながら織ります。

 

 

余談になりますが、時々反物の〜gという重量自体は軽くても、
手持ち(着心地)が全く軽さを感じない、不思議な反物があります。

織組織や糸の使い方、打ち込みの具合でそうなってしまうのですが、
こればかりは織ってみて、実際に手に持ってみる。そんなアナログさも重要です。

 

人間の手ってスゴイとその度に感じます。
ぜひ、沢山の反物を見られる際は、実際に反物全体(←ここが重要)を持って触って、
他と比較する、是非して頂きたいです。

 

話は戻りますが、丸巻き自体で見ても、これだけ違います。

IMG_4456.jpg
『左が通常。右が今回の稀な反物』

 

この反物は自分用でも相当枚数を作っているので、どうしょうか検討中です。

 

さらに余談ですが、反物や帯を持つ時に軽ければ、その時心のなかでは『よしよし』です。
重かった場合、『重っ』とは言いますが、感覚的には『おもい』というよりも『ヘビー』に近いです。

そうすると、本当にイメージが重く、どれだけ糸の通った織物でも、せめて『重いなぁ』くらいに
戻そうと思います。感覚だけの話で、非常に伝わり難いアナログな部分ですが、これも心掛けとしては、
大事です。

 

 

 

 

2015年01月31日

久々に登場の着物。今期も終了に近づきました。

今日で今期が終了です。

明日が棚卸しで実質は2月2日から新年度がスタートです。

 

昨日は2ヶ月に1回の『着物でお食事会(男性三人)』がありました。
着物以外で行くことが考えられない、と思った特別なお店に連れて頂きましたが、
それは別の話で・・・。着物のコーディネートはこんな感じでした。

 

IMG_4047-2.jpg
『1月30日の着物』

 

このコーディネートのテーマはと偉そうに書きたいのですが、
実は家にあった着物がほぼこの一式しかなく(他10枚近く行方不明・・・)、
選択なしの組み合わせです。

 

そのお陰で、ずっと手を通していなかった羽織(印伝)や久々の染め南蛮七宝(茶)、
この羽織紐も久々、同じく草履も麹塵染花緒×エクセーヌ真綿台、等々と久々の組み合わせでも、
自分好みな格好になりました。

流石どうか分かりませんが(笑)、帯だけは選べたので、
アクセントとして真綿紬で織った角帯(格子)を入れてみました。

 

最近は新しいものを作るとついつい、そちらから着てしまい、
その後はそればかり着てしまう傾向が(みなさんも同じですか?)あって、
たまには箪笥のかき回しの必要性を感じました。。。

 

それにしても、他の着物はどこへ行ったんでしょうね?
棚卸しでは出てこないかな?(笑)

 

P.S

  1セットは車のトランクに入っていました・・・。

 

2013年08月28日

2つに分ける。

 

久々に新しい草履台の製作を依頼したのが上がってきました。

おそらく、好みは分かれる草履台です。

 

IMG_1496.jpg

 

台のデザイン的には『昔あった、そういえば・・・』という小物屋さんの発案ですが、
花緒をピタッと合わせれば、とても面白いモノができそうな・・・。

 ※写真で台に乗せているのは、麹塵染のツボ通し花緒です。

 

ちなみに、革の色目は、最近帯に使う『青色』を『となみBlue』と呼ばれることがあると
聞きましたので、それに乗ってみました(天部分はエナメルの黒)。

色デザインは、十分にインパクトありですが、遊んだだけと思われないように、
キッチリ本真綿も入れていますので、機能面は変わらず、足にやさしい草履です。

 

何やかんやと、寄り道しながら、帯、着物、小物づくりを行っています。

この草履自体、挿げる花緒がピタッと来た時に、また続報をお知らせしますね!

 

2013年06月25日

経の犠牲の元にできた総紗縫。

 

先日出来上がった『総紗縫+麹塵染』。

 

IMGP0391-2.jpg

特別なものが上がってきました。

 

となみ織物の看板帯シリーズを2つ掛けあわせたものです。

 

色の変化する糸は、通常横だけに入れますが、

今回のものは、経糸にも入れてみようと、織ったところ、相当織り難く、

どうしても無理でした。

 

原因としては、

総紗縫も特殊な組織ですが、経糸を綟る『紗』ですので、

経糸の隣同士を交差させいくのを繰り返して織り進めます。

 

そのため経糸が動かない通常の織り方とは違った負担が経糸に掛かる上に、

これまた通常の染めとは違う麹塵染の糸とではどうしても上手く行かず、

数本を織った段階で断念しました。

 

大部分が残った糸は、非常に勿体無いですが全て裁断。

原料は無駄になってしまします。

 

お蚕さんから始まって、糸を紡いで、練って、染色して、整経して、

すべてが無駄になるのは、心も痛いですが、そんな超が付くほど繊細な糸を使って、

数本でも織ってもらえたことは、本当に有難いです。

 

L1680056.jpg

『総紗縫+麹塵染』

 

緯糸にも経糸にも麹塵染が入っていますので、総紗縫の透け感と合わさって、

色の深みと浮遊感を感じる帯になっています。

 

今後は緯だけのモノとなりますが、それでも織れるまでに様々な山を超えていますので、

大事に育てて行きたいと思います。

 

写真の帯は、額にでも入れておきたいですが、

帯の立場としては結んでもらわないとダメですよね。。。


 

 

 

 

※総紗縫という織物は非常に繊細な織物ですので、キズとなることが通常のモノよりも、

10倍近く多いですし、何か新しいことをすると、10のうち8,9は失敗します。

以前も雪輪柄で、織るには織りましたが、ほとんどキズ物になったことを思い出してしまいました。

 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime/2012/06/post-1700.html




2013年05月31日

特別なものが上がってきました。

 

6月発表予定の帯が上がってきました。

 

IMGP0391.jpg

総紗縫麹塵染

 

できそうで出来なかった・・・。

総紗麹塵です。

やっと発表できました。

 

織る際の糸種、

織った際の見え方等々の検討に時間が掛かり、

手が届きそうで、そこまでもうちょっと、で止まっていましたが、

まずは5柄ほど発表できそうです。

 

紗独自のすけ感に、麹塵染独特の色が加わり、

面白いものに仕上がっていると思いますので、ぜひ実物を見て頂きたいですね。

2013年04月26日

図案作成中の元。

 

先日、出張行った際に、ヒントを頂いて来ました。

それがその方の意向に沿ったモノになるとは限りませんが、

早速、図案を作っています。

 

L1231439.jpg

『麹塵染/作楽』

 

元にあるのは、この柄。

紋屋さんとにらめっこしながら、打ち合わせを行なっています。

 

最終イメージは全然違ったものですので、

元になるかも判りませんが、少しずつ進み次第、またご報告します。

新しい試み交えてなので、ちょっと進むだけでも、ワクワクします。

タグ: ,

2013年03月29日

次の帯へ繋げるためにも。

 

時間を見つけて、今まで上がった帯を見ていました。

写真は少し前の『麹塵染』。

 

L1230998.jpg

『麹塵染』

 

京都の本社では毎日新しいモノづくりをしています。

また、同じように帯に対するお客さんからの反応も、

それぞれ毎日たくさん返ってきます。

 

そうすると、モノづくりのベクトルとしては、

今のお客さんの情報によった動きが強くなります。


それ自体メーカーとして、全く悪くはないのですが、それ以外の部分、

一歩か二歩進んだモノづくり、お客さんに驚いてもらうモノづくりをして

行かないとダメだと思います。


モノづくりには多大なコストが掛かるので、

『まずは売れ筋』という意見もあって、賛否両論になるとは思いますが、

個人的には、狙わないですが壮大な失敗も必要だと思います。

 

そんな時に、ちょっと前に作った帯なんかを見ていると、

連続した毎日のモノづくり、情報から少し離れて、帯を見ることが

できますので、とてもためになります。

 

今日は、この『麹塵染』の帯を見ながら、次の帯のことを考えていました。

 

この帯自体も、色目は全然使っていませんが、

絹糸と、それとは風合いの違った箔を混ぜて織り上げて、

かすれた石版のような重々しい雰囲気を作っている所なんかは、

社内の主流とはちょっと違ったモノづくりで、とても参考になります。

 

いい帯です。

 

2012年09月29日

人気の麹塵染め。

 

出張へ出ていますが、少し時間がありましたので、

評判の良い新作の麹塵染めをコーディネートしてみました。

 

L1001108.jpg

ケルティック(薄地)と・・・』

 

 

L1001122.jpg

ケルティック(濃い地)』

 

スポットライトの関係で紫系の色に赤が差していますが、

葉先に麹塵緯を使ったり、金糸を使ったりで、表情の変化を付けています。

 

シンプルな柄に見える分、細部に気を使っていますので、

遠くから見ても、この帯には力あり、目を惹いていました。

 

そして着物には、ケルティックの御召。

薄地と濃い地とを同柄で合わせ、帯締めも同じ紫(ちょっと特別なもの)の

モノを合わせています。

 

その場のスタッフ間では、下の濃い地が人気でしたが、こうやって改めて、

見てみると、上も捨てがたい。。

 

結局、好みですね〜。

という形で落ち着きました。

 

さてみなさんは、どちらが好きですか?

 

 

 

タグ: , ,

2012年08月20日

美しいキモノ 12'秋

 

今回、発表は『麹塵染』。

 

?????2012?????????.jpg

写真は、まだ校正前の段階で『織』になっています。

FBで指摘もいただきました。ありがとうございます。)

 

今まで恒例になりつつあった、『麹塵染』とは、大きく趣向を変え、

大柄を中心に、僅かに箔を織り込んだもの、色目の使い方を大きく変化させたもの、

を含め、4柄5色です。

 

この麹塵たちは、大柄ですので、結ぶとイメージがガラッと変わるので、

お太鼓の状態でまた見ていただければ、と思います。

 

また、誌面内にもとなみ織物の掲載ページを載せていただいていますので、

興味のある方、一度ご覧ください。

 

 

514z0-iesoL._SL500_AA300_.jpg

  →Amazonへ

2012年01月13日

雪があまりないところには、こちら・・・

 

一昨年くらいから、徐々に防寒草履が定着し始めて、

防寒草履2-1.jpg

仙福屋の防寒草履

 

去年末くらいのは、柄がのって

IMG_1221.jpg

 

今年の防寒草履はこの路線を進みたいと思います。

 

ただ、雪の無い地域では、もう少し(見た目の)軽いものを・・・。

とずっ〜と言われていて、ようやくという感じです。

 

 

IMGP6611.jpg

『冬草履;麹塵染花緒』

 

冬草履です。

 

花緒はもちろん『帯地』です。

爪革と天の部分は本革よりもコストは高い分、履き心地も暖かさも

なかなかのモノに仕上がっています。

 

今年スタートですが、防寒草履と同じく、まずは徐々から。。

 

 

2011年11月26日

たまには、人に言われて作るモノづくり。

 

似た帯を作っても仕方が無いと思っているので、

同じ柄で配色を変えるだけの時でも、雰囲気がごろっと変わる、

モノを作りたいです(ホントは配色を変えるだけでも難しいですが)。

 

たとえば、元柄の配色が似あっても、同柄であっても

今度は似合わない(逆ももちろん)。

というのが良いと思っています。

 

それと、いくら売れていても人気があっても、同系統のモノは個人的に、

作りたくないですし、結果的には似てしまっていても(とても残念ですが)

そこまでは試行錯誤、こねくり回して、3回くらいは引っ繰り返す位、

なんやかんや行なっています。

 

という状態が長く続いているので、いきなり人に『こんなのが良いよ』

と言われて、そのまま作ったとしても、多分意図通りはできないかも、です。

(たまに上手く行く、ものがあったりすると、とても嬉しかったりする。)

 

今回は、そんな帯です。

正直、気に入ってもらえれば嬉しいですが、それを置いておいても、

個人的に乱菊の萼?(がく)部分、などは周りの地色や花びらと

相乗効果があって、とっても色気があるように見えます。

 

また、地色には麹塵染の緯糸を使っているので、色が場所や時間によって、

全然異なっていきます。

現に、配色を見た場所が違う。

まず、目出しを見たところはこんな感じで。

 

IMG_0825.jpg

麹塵染/乱菊目出し』

 

本番が上がってきたときは、こんな感じ。

IMG_1041.jpg

『作楽/乱菊』

 

ちなみに、もちろん緯糸は両方同じ、濃々紺に黒を混ぜた色。

 

上がってきたので、早速裏と合わせて袋帯にする縫製に出した所です。

 

この帯はあまり織らないちょっと特殊バージョンですが、この柄自体は、

以前からの紋で、とてもとても新柄とは言えませんが、配色を替えただけで、

なにもかも変わってしまう、稀有な柄なので大事にしていきたいですね。

 

2 3  

カテゴリ

バックナンバー

  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介

となみ帯

Facebook

LINE@はじめました
友だち追加

新着記事

五代目日記2冊目は、こちらです。 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime2/…

今日が2016年の最終営業日でした。この一年、本当にあっという間でした。 年末のモノづくりは抑え気味と言いながら、今年も最後…

来年に力を入れていきたい、襦袢があります。さざ波の様な細かなシボが、生地全面に入った、手触り風合いの優しい白生地を使います。(生…

2ヶ月に1度位の割合で着物姿を撮影しています(前回は月心寺)。今回も本社向かい、徒歩3分圏内での撮影でした。 天候は曇り、たまに…

今年中には間に合いませんでしたが、間もなく完成の帯揚げです。 帯の意匠を使い、帯揚げらしく修正を掛けた図案の段階です。 ここから…

携帯サイトのご案内

QRコード

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...