となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「海路」と一致するもの

2016年07月11日

廃盤・・・。

こう書くと少し悲しい気持ちになりますが、今まで織れてきた、作れたモノが出来なくなるので、実際にそんな気持ちです。原因は色々あります、職人がいなくなった、機や素材が無い、等々。特に、今はそんなことは日常茶飯事的に起こり得ます。

今後も織っていきたいモノに関しては何とか、織り組織を変える等で対応していきます。同柄同配色で極力近づけていきます。ちなみに、雪佳/海路横段はこのタイプです。

その際は同柄なので図案は要りませんが、意匠図(紋図)は一からの制作です。折角作り直すのであればと、元よりも良いモノになる様に作り変えます。元の帯と同じようなモノづくりでも、前より良く。と、ちょっと矛盾したモノづくりですが・・・(苦笑)。

今日は、既に廃盤となった帯を出してきて、これをベースに新しいモノづくりにできないか?と検討していました(折角なのでFacebookでも使う予定です)。

L2240043.jpg
『総紗縫』

総紗縫を織る前に経糸自体を雪輪に染めて、織ったモノです。
織った後は結ぶには問題ありませんが、織る段は難しく、難モノだらけに(正反率1割程度・・・)。途中、経糸を裁断⇒廃盤にしたものです。社内には写真のようにキズ物だけ残っています。

今日のように、時々倉庫から出してきては眺めて、打ち合わせに使う等をして、失敗は今のモノづくりに活きていますし、これからも活かしていこうと思います。

2016年04月13日

注目されて嬉しい名古屋帯

 

Facebook上で、物凄く沢山の『いいね!』ほどではないのに、メールや電話、直接のご連絡を頂くことが多いのが、この組み合わせ。

 

P2180384.jpg
海路八寸名古屋✕南蛮七宝文様/白大島紬(割込み)

 

この帯は八寸名古屋の『神坂雪佳の世界/海路図』(となみ織物には珍しく八寸)、着物;南蛮七宝文様/割込み白大島(限定)。こちらの着物は8反のみの製作(この色は4反のみ)のレアな大島紬です。

 

個人的な好みはシンプルな着物に、柄の込んだ帯。

ただ、帯はシンプルなモノだけに、配色を変わるだけで、大きく雰囲気が変わります。これが非常に楽しく勉強になるので、ちょっとハマっています。特に、この海路シリーズは、これからも追っかけて行きたいものですので、今回Facebookから注目されたのは、とても嬉しいですね〜。

 

 

L2200030.jpg

 

 

八寸含めて名古屋帯も今後力を入れて製作してきます。

 

 

【海路】
現在三色で八寸名古屋帯を仙福屋で取り扱っています。

 

海路八寸名古屋
 ⇒https://www.senpukuya.jp/products/detail.php?product_id=2148

 ⇒https://www.senpukuya.jp/products/detail.php?product_id=2157

2016年02月24日

一歩後退。糸糸本袋

 

少し前に紹介していた【本袋/海路】。ちょっと失敗です。

 

IMG_4915.jpg
「本袋/海路」

風合いとバランス、目出し段階では問題無いと思っていましたが、一本の帯で見ると残念ながら帯としては難しい、織物バランスで上がってきました。通常本袋の製織は表と裏を反対向けに(引っくり返った状態で)織ります。そのため、織り上がった後、検品するためには長い筒状の帯(440cm)のものを、ずーっとひっくり返す作業をしなくては、柄が見えません。検品後仕立てするためには、また反対に返して芯を付けてから、またひっくり返す。書くだけでも、手間のかかる作業を糸や箔の通った帯地を一切傷つける、痛めることなく行う。熟練の技を持った職人の工程があります。

 

今回織り上がってきた帯は、お客さんの手元に行くまでの工程に耐え切れないかもしれない、5回に3,4回は失敗しそう(帯に傷がいく)そんな様子です。原因は、紋(意匠図)づくりの工程でしたので、ここを修正すればいいだけの話ですが、風合い自体は非常にいいのに、勿体無いです。諦めきれない部分もあって、なんとかしたい部分と5本に1、2本だけしか正反が上がらない本袋。では形になりません。再度このバランスを取り直して出直したいと思います。

 

この本袋は特殊な機のため、織れる人はとなみでは1人。ですので、織りたい新柄が行列を作っていて、出番待ちをしています。経糸に違う色が掛かってしまうと、順番が飛んだり・・・。

今回の柄も、紋に修正を掛け、再度配色替えを行って、経糸の順番を待つ。いつになったら上がってくるか?分からないモノづくりです。もしそこで失敗すると、次はいつになるか分かりませんので、次回にはきっちり完成させるように、万全の準備をして臨みます。

 

この帯の雰囲気は、モダンかつ懐古的な雰囲気もあり、結ぶ人は選びそうですが、ピタッと感性が合う方には良い着姿ができそうです。何度も繰り返しますが、完成はまだまだです・・・。

2016年02月08日

昨日の着物。海路/衿

 

昨日は本社にお客さんが来られていました。
一日の結構な割合で、階段を走り気味で1〜4階を駆け上がる。普段運動不足には結構こたえて、スタッフには怒られそうですが、少々足が筋肉痛気味です(苦笑)。洋服よりも足が上げにくい、着物の方が運動量は少なく見えますが、実際はどうなんでしょうね?階段を駆け上がることを想定するTPOは無いにしても、こういう時は御召か大島紬の裾捌きの良さに助けられました。

 

そんな昨日の着物は、こんな感じです。

DSC09347.jpg

 

上から、羽織は南蛮七宝文様/御召←特別バージョンで紬糸を通しています。

着物は、大島紬。←女性物を男用に仕立てています。

帯は、写っていませんが、経紬で織った南蛮七宝。

衿には、御召で織った『神坂雪佳の世界/海路図』。御召で織った衿ではなく、御召を仕立てた後、余った生地で衿に持ってきています。南蛮七宝でももちろん出来ますが、ここに南蛮七宝を入れると、帯、羽織、襦袢、草履に南蛮七宝となってしまいますので、ここは譲って、海路図を。

 

全員が全員とも気付かれる、そんなポイントでは無いかもしれませんが、この海路図の市松意匠と色、経に見える経糸で作った縞が非常に良い感じにコーディネート出来たと思います。もし、仙福屋の御召を仕立てられて(特に単衣で)、余っている場合、衿として使ってみることもお勧めいたします。

 

久々にスマートフォンの万歩計が8,000を超えました。大した自慢になりませんので、もう少し運動がんばります。

 

 

2016年01月22日

順番待ちの織物。

 

業界一般的に見て、帯を織れる職人さんがずっと減り続けています。
それにつれて、生産数自体が減り、織れない織物が出てきたりもしていますので、以前と同じことをするのが簡単ではありません。となみでも、織り手が少なく直ぐには織れない場合、技術的にその方しか織れない様な織組織、素材の問題等々、モノづくりの環境は良いとは言えません。それでも周りを見ると、相当良い方ではあります。

『(図案、意匠図が出来たものを)直ぐに織りたい。』おそらく誰がメーカーをやっても、その気持は間違いなく強く出ると思いますが、今は織組織によっては、機の空くのを待つ、そんな時間も必要になってきました。

 

その待ちが長い織物。社内には幾つかあり、時期によっても変わりますが、一年を通してそれが必要なのは、この本袋。
先日、唐長11代目の奥様に登場して頂いて、撮影を行った帯シリーズです。

本袋広告
 Pin⇒https://jp.pinterest.com/senpukuya5/本袋/

 

神坂雪佳の世界/海路】シリーズ/本袋
図案・意匠図を作り、目出しを織った段階で止まっていたモノ。となみ織物の中では一風変わった雰囲気です(目出し見ると特に)ので、早いこと帯一本で見たい。そう思っていた帯です。

L2050048.jpg(表)

IMG_4723.jpg(裏)

その順番が回ってきました。

 

写真の段階から配色を修正、その糸を準備して、本番を織るのを待ちわびていました。織る段になり改めて、その糸を見ると、やっぱりこっちの方が良いかな・・・とか、糸の太さはもう少し細くするか?、そんな迷いが出てくるのが目に見えています(今まで何度もありましたし・・・。)。その対処方法として、ここだけは拘らず、以前行った配色を信じて、そのまま行くことする。自分の多くないルールの中の一つを適用することにしています。

 

そうは言っても、仕上がりどうなるでしょう?
 

2015年12月02日

蝶千種/どんな帯締をあわせましょう?

 

L1980022.jpg

神坂雪佳の世界/蝶千種』

 

 

 

目出しを幾つも取って(少しUP済み)、試行錯誤しても製作していた帯です。配色の段階で『帯だけで一つの作品』から、『着物に合わせて、さらに小物まで入れて完成する帯』に方向転換しました。だから、本来は目立つ色糸が入る部分もグッと抑えて、もしかして要らない(大きくは影響しない)かもしれない濃淡が沢山ある帯になりました。

 

IMG_2141.jpg
(写真も白黒⇒配色悩み中です。)

 

 

蝶々の帯なのに『寂しい。』と言われるだろうな。と予想はしていましたが、そういう声も少しはあるものの、こちらの方がかえって結びたくなる、と言ってくださる方の方が多かったのが印象的です。しかも、蝶々キライだったのも・・・。

 

写真からは伝わりにくい部分もありますが、この帯は蝶々なのにどこか静かさを感じます。蝶々もヒラヒラ動的よりも、スーッ静かな振り子の様に飛んでいる意匠に見えます。これは技術的な話ですが、地色の部分に端から端まで(帯一本)『青』を入れました。具体的には白××青です。(試験織の段階で赤に近い茶系の色を入れると、同じ意匠なのに蝶々の飛び方まで変わって見えました。)帯は色柄組織の3つの要素で構成されているので、色が及ぼす大きな影響は分かっているつもりでも、地の紋作りで、思っていた以上に動静を付けれたのは、収穫でした。

 

 

好き好き、賛否のある帯ではありますが、自分の中では『この人に間違いなく似合う。』と言える顔のある良い帯になったと思います。ちなみに、裏には海路、とことん雪佳の世界です。

 

L1980026.jpg
『裏地は海路七宝』

 

 

 

Facebook上でも『私は好き好き派です。』等、好意的な意見を頂いています。
ありがとうございます!
 ⇒リンク

 

 

 

 

タグ: ,

2015年10月20日

海の波を帯に織り込みたい『海路』図の帯。本袋です。

 

『毎回、変わったものを特に作ろう!』そんな風に常々思ってモノづくりに入るわけではありませんが(笑)、確率高く、今回も変わった目出し(試験織)が上がってきました。

柄は雪佳/海路図をモチーフに製作したモノです。

IMG_2604.jpg
『本袋/神坂雪佳の世界/海路』

 

元々、この『海路』図は神坂雪佳がヨーロッパに渡航した際の海を元に図案したもの。今までも二重織や紹巴織では同じシリーズを織っていますが、今回のモノはそれらの柄とは雰囲気がころっと変わっています。もちろん、図案がありますので、それに基づいて意匠を作り(今回は縦に柄を流すように)、色を表現する部分(メートル)やボリューム感に気を付けながらの製作です。今回は作っている最中に、織物に近づくにつれ『なにか面白くなってきた・・・。』と、当初イメージからは逸れつつも意匠図までは完成し、試験織を作ったものです。

 

海路図は船旅の中、行く先々の変化ある海を図案されたモノだけあって、活き活きとしています。また、なにか生き物の様な存在感を感じるモノが多いです。そんなことも踏まえて、上がってきた試験織を見ると、(配色は今ある経糸を使いました配色は変更します。)『緩やかにゆったりとした波。でもなんか潜んでいる。』、配色次第で、その潜み方や潜んでいるモノの性格が変わりそうです。

 

まだこの段階です。当初のイメージから逸れたこともあって、もう少し試験を行わないと、最終どうなるか分かりませんが、設計的には上手く行ったと思います。後は配色を繰り返して、織ってみて、皆さんの評判を聞かないと、この帯の判断は難しいかな?それを聞いて、普段はあまりすることのない、一喜一憂したいとおもいます(笑)。

 

ちなみに、織り組織は、『本袋糸糸(いといと)』。波のゆったり感を織物の手触りから出したかったので、引箔の凛とした風合いとはまた違った、絹の柔らかさが際立つ『絹糸のみ』と素材はしました。完成まで、もうしばらく掛かりますので、まずは第一報を。。

 

 

51NX0VQDHJL._SY471_BO1,204,203,200_.jpg
神坂雪佳 蝶千種・海路―近代図案コレクション

2015年10月16日

見せ合うわけではありませんが・・・。

 

着物(男物)会をしました。男だけですが、着物を着て美味しいものを食べる。それだけの会ですが、妙に楽しく長く続いています。全く着物と関係の無い業種の方も、言葉に出来ない魅力を感じておられる様です。気づいておられるか判りませんが、極力同じもの着て行かないようして、もし興味を持って『何の生地?』となった時には、できるだけ織物についての話(産地や糸、歴史的な話)に触れるようにしています。

今回はこんな着物を着て行きました。

 

kisugata.jpg

 

羽織:紋紬南蛮七宝(緯糸にはターコイズ)、着物は神坂雪佳の世界(海路)/御召、角帯は南蛮七宝文様(600経紬)です。羽織紐は触れてもらえませんでしたが(笑)、モレッティ硝子を使った土星の羽織紐。物凄く重いです。

 

沢山のルールもありますが、まず着姿を見て面白いな、着てみたいなと思って頂ければ、ある程度OKで、それから織物の知識や細かなルールを自然に身に付けていく(自分もあまり自信が無いところもあったりしますが・・・。)。これからも会を続けていって、どんなモノが自分に似合うのか?似合う様になっていくのか?参加のメンバーで楽しんで着物を着て、美味しいものを食べたいと思います。最近は、着物を着て集まるのが自然になってきましたので、とても良い方向に進んでいます。また、自分の着姿とともに紹介していきますね。

2015年06月13日

本袋のモノづくり進行中

コツコツと積み上げながら製作中の本袋。

よく携わる紹巴織、総紗縫、しぼ織とは根本的に異なる織物です。
裏を同時に織る意味では、(今はなき)『秘錦(ひごん)※』に似ています。
 ※ご存知の方もおられると思いますが、タレがまでが本袋で後は一枚ものの帯。

 

秘錦のモノづくりの場合、両手両足を縛られた気持ちでのモノづくりです。
これは?⇒織れない。あれは?⇒できない。じゃこっちは⇒キズが・・・。

 

ただ、それが大変だったしもうイヤかと振り返ってみると、実はそうでもなく(笑)、
帯の製作自体が元々制限があり、その中の試行錯誤が結果『美しいモノ』を作るための
要素だったりしますので、この制限付きモノづくりも悪くありません。

 

今回の本袋は、それよりも自由度があります。

 

そのため、まず最初の柄は敢えて制限度がMAXだった
秘錦の柄リメイクから敢えて入っています。

 

それ自体はほぼ紋はできたので、紋堀りが終わり試織となれば、
紹介していきたいますね。

 

他のスタッフは秘錦つくりの際には、ほぼタッチしていませんでしたので、
紹巴織や総紗縫からの本袋アプローチになります。

自分の場合は、その通常アプローチの他に、秘錦からのアプローチも役に立つはず?
ですので、その辺りも含めてちょっと変わったモノづくりも出来ると思います。

 

秘錦リメイクの帯が上がれば、
次は『海路/雪佳本袋』を主としてモノづくりやっていきますね。

2015年05月23日

雪佳本袋。その一

神坂雪佳の世界より

雪佳が渡欧した際に見ていた海を図案化した『海路』。
今まで八寸名古屋帯で製作したり、紹巴織や雲龍錦で袋帯を製織していました。

 

今度は『本袋』で挑戦したいと思っています。
現在、手元にあるのは雪佳の図案のみですが、イメージは出来ていますので、
このモノづくりは停滞せず進めれることができるはずです。
(そうでないと、経錦に入れない・・・(苦笑))

 

今日の夜にFacebookにもUPされると思いますが、たとえばこの柄。

 

DSC05295.jpg
『海路図/神坂雪佳の世界(雲龍錦)』

 

今のところ、4柄ほどピックアップしています。
できる限り、レトロさを残しつつ、結び易さ、軽さ、耐久性の進歩というか
今現代の織物の良さは取り入れて、製作したいと考えています。

 

この絶妙の空間と配色バランスは図案のまま、帯に濃縮できれば面白くなりそうです。

 

相変わらず法則通り、進みたい方向からは外れています。
良いモノができれば、いいかな(笑)。

2015年03月16日

みおバッグ、スタートしました。

今日は、別件の打ち合わせでバッグの話。

どれだけ時間を掛けても、『ここをもうちょっと』。

そんな意見を頂けるのがバッグ作りです。

 

面白いのは一つの完成形でもあるはずの『利休型』ですら、もうちょっと手の長さが・・・、やマチを大きくして欲しい。とご意見を頂きました。

その意見を抽象化してできたのが、タスケ型やダテ型になっています。

 

今まで無かった形の叩き台を作ると、どうなるか?(笑)
(これ以上書かなくてもいいですよね?)

 

IMG_4170.jpg
『叩き台初期(ちなみに帯地は『海路』)』

 

構造はシンプルで、できる限り小さく(でもA4)、可愛くて、
キレイ系な洋服にも持てる和のバッグ。細部にも細かな拘りを散りばめて、
中は『となみブルー』の生地を使う。

 

頂いたご意見に社内、職人とで意見を交わし、それらをベースに自分たちが持って欲しい。
そういう叩き台です。

 

 

また、こういう試作で使う帯地は『勿体無いです。』と良く良く言われることですが、
良い生地を使うこと。残り裂、裏無地に近いモノで試作を取ると、全て駄目なように見えて、
叩き台より先に進めようと思わなくなります。

だから、写真海路や南蛮七宝、Celtic等でできる限り製作をします。

 

あのバッグ、とか昨日見本の上がったバッグ、そんな名前で呼ぶのは愛着が湧きませんので、
今のところ、コードネーム(ちょっと大層です)『みお(ミオ?)バッグ』です。

 

試作から完成まで、何度も呼んでいるうちに、愛着とともに定着して、
そういう名前のバッグに見えてくるのが不思議です。

 

2013年09月11日

ダテ型↔帯

 

昨日Facebookに載せていた『南蛮七宝/ダテ型バッグ』。

L1710003.jpg
『ダテ型』

 

製作の際は、普通のバッグと違って、帯づくりと同じように、
着姿をイメージ(お太鼓)をしているような感覚で、帯の柄や裁断箇所を考えます。

また、使う帯地に合わせ、持ち手の革など色選択は、ほぼ帯づくり配色の延長ですし、
デジャブを感じながら、一度製作したモノに付け加えていきます。

 

通常は、帯があって、その柄が良く、『じゃ、バッグも作ってみようか?』
と製作に至りますが、偶然作ってみたバッグの柄が、キッカケになり、

 

『もう少し工夫しながら、帯や着物に活かせないかな?』
とモノづくりのやり直しの起爆剤になることもあります。

 

この神坂雪佳から製作しているのも、そうです。

L1710022.jpg『雪佳/海路市松』

 

以前一度、この柄でモノづくりを進めようとして(今も試行錯誤中)いましたが、
昨日この形のバッグが上がってきた時に、何かヒントになることが、
頭のなかをよぎった気がします。

南蛮七宝と、同じような製作方法では何か違いますが、
なんか出来そうだなぁ。。。

と、今日はまだそんな出だしのモノづくりです。

2013年03月26日

こんな帯が上がってきました。

 

今までは総紗縫や上品綟といった帯に多かった、

『+汕頭刺繍』ですが、今回は捩り織ではない帯に行いました。

 

今回、ベースとなる帯の製作に多少関わったので、

とても気になる一本です。

 

L1230860-2.jpg

神坂雪佳の世界『海路横段』×汕頭刺繍

 

 

単純に全部を刺繍するわけではなくて、横段に柄に応じているので、

(地がそのままの部分に刺繍を施しました)

動きのある帯になっています。

 

ちなみに、経糸は一切キズつけられず、このようになっています。

 

L1230860.jpg

 

この織物自体、経緯のバランスが非常に繊細な織物ですので、

このように経を綺麗に出すとなると、相当の注意を払わないと、

筋が入ったように見えます(キズです)。

 

ですので、この帯上がってきたばかりの帯を見た時は、

帯一本の長さ(約4m40cm)をずっと一人の職人さんが同じ手で、

高い集中を持って、刺繍を施していく、その姿が目の前に浮かんで来ました。

 

日本もそうですが、段々と腕の良い職人さんが、色々な事情で減っています。

いいものを作るのも残すのも本当に難しい時代ですが、

可能な限り、やって行きたいと思います。

 

 

 

 

2012年12月21日

まってました!

 

以前、私用でと言っていた反物が仕立て上がって来ました。

 

 

L1180652.jpg

 

 

仕立てると、反物時よりも市松が大きく見えて、

面白みのある着物になりました。

 

 

L1180660.jpg

海路/仙福屋の御召』

 

 

さて、どんな角帯にどんな衿しましょう?

 

 

 

※『海路』という名前の通り、

このモチーフは雪佳が渡欧した際に

船から見た波が元になっていると言われています。

タグ: ,

2012年11月27日

自分用に・・・。

 

先日上がってきた御召を自分用にと織ってもらいました。

 

L1180368.jpg

『神坂雪佳の世界『海路』/仙福屋の御召』

 

 

柄は神坂雪佳の図集『海路』をモチーフに製作した『波』柄です。

 

ただの市松のように見えても、アップにすると、絶妙な間が空いています。

この辺りが着物にして、おそらく当初の想定以上に柄が詰まって、

息苦しくなく反対にイイ間に見えるのは、自分的に雪佳らしい感覚だと思っています。

 

L1180369-2.jpg

海路より

 

 

 

Image487-2.jpg

 

 

以前、

作った単衣(大活躍中)の御召と市松柄の点で似ていますが、

着た印象はおそらく変わってくると思います。

(また仕立て上がり次第、見てもらいますね。)

 

L1180369.jpg


着尺を広く面で見ても、面白そうな仕上がりになりそうです。

また単衣で。。
 

タグ: , ,

2012年06月06日

神坂雪佳の世界/海路/御召

 

完成は、この6月単衣の頃には間に合いませんが、

9月単衣か袷には間に合う、今から楽しみしている御召です。

 

IMG_5237.jpg

『神坂雪佳の世界/仙福屋の御召』

 

今までは小さめの柄を敷き詰めたものが多かったのですが、

今回は大柄(紋丈の長い)なので、いつもと勝手が違ってきます。

 

柄には、神坂雪佳の『海路』をモチーフに製作していて、

今までの配色に加えてこの図案の由来でもある、

『表情の変わる海』を感じるような色目も加えて、

製作していきたいと思います。

 

帯でも人気のある柄で定番化していますし、これからも大事にしたい柄ですが、

その分、この柄に引きずられて着物の方へも影響しそうなので、ここは

切り替えて・・・。

 

IMG_5332.jpg

 

 

 

 

51NX0VQDHJL.jpg

 ⇒海路

 

 

2011年02月10日

総紗縫の持って行きかた。。

まだ、どうしようか?どっちに持って行こうか?

と考えている総紗縫です。


IMG_4047.jpg
いきなり一回目で成功するとは・・・

という状態でしたので、

ある意味ここからどうするか悩んでいます。

(最終、きっちり帯になったときに、詳細を書きますね)

 

またまた、総紗縫の可能性が広がったので、

しばらく楽しめそうです。



この他にも今取り掛かっているものは、

もう一つのパターンの総紗縫木花ケルティック作楽Nordと、

しぼのいった新組織薄物の着物等々、

結構盛り沢山になってきました

 

机の上は図案の案とその注釈の付箋でだらけです。



今の時期が一番集中してモノ作りできるので、

4月くらいまでは新作を日記上で、

沢山紹介できると思います。楽しみにしていてください。

 

 

そんな机の上を整理しながら、

何気なくパラパラと読んでいたら、

雪佳の海路と百々世草が・・・。

51UbIbAyu1L._SL500_AA300_.jpg

日本って素敵だなぁと、思いながら、載っている

ガラスペンが欲しくなりました。

 

 



 

タグ:

2010年03月02日

財布人気投票。

南蛮七宝を中心に、神坂雪佳の世界『海路』や
その他、ケルティックなどなどを含めて、
財布を製作しています。

まだ販売していない南蛮七宝の
人気投票を密かにしていました。

めでたく一番は、この色です。
IMG_0514.jpg
南蛮七宝』、書いているので、
良い柄です。

色目もシックな方が良いなぁと、言いながらも、
しかも、私はシックなのを持っていながらも、
このトルコブルーには惹かれます。

タグ: ,

2009年08月04日

夏の中の人気の小物。。

やっと梅雨明けした京都ですが、
IMG_0797.JPG
日が痛いです。

IMG_0798.JPG
とうとう来た『夏』という感じです。
(車内の気温計は、38℃・・・

半期も終わったので今日から数日、
室内で数字の山に籠る日々が続きます。

かなり冷房の利いた部屋に長くいるので、
気温差で相当夏バテ気味になっています。


ただ、一日の少し時間『数字から解放され』るため、
社内の小物置き場を見に行きます。

いつもは一杯なのですが、
今日は、『がらん』としています。
(密度が半分くらいに・・・)

整理をしてすっきりしたのか?
それとも、売れてしまったのか?

ちょっと気になったので、その流れで
なにが人気があるのか、調べてみました。
(結局、どこへ行ってもこうなります。)
http://senpukuya5.seesaa.net/article/118815612.html
(4月も行っていました)


同率五位・・・『カードケース』
 ⇒http://www.senpukuya.jp/SHOP/360640/360665/list.html
0886_01.jpg
小さな生地でも、柄や色など帯の良さを
楽しめる良いアイテムです。。

シックなモノが多く陳列されているので、
地色はシックで、少し利き色が入ったモノが、
人気です。

最近では、革を使ったものも・・・
0777_01.jpg
社内は、
名刺入れ』としてプレゼント用にも大人気です。


同率五位・・・『総紗縫の日傘』
 ⇒http://www.senpukuya.jp/SHOP/384749/list.html
0841_01.jpg
この季節だけのものと思っていましたが、
『着物と合わせて一年中使いたい!』
というコメントも頂いています。

まず生地を織って、裁断して
一本ずつ生地をつないで

と製作するのに、相当時間もかかるので、
一堂には揃いませんが・・・

そういう希少性も含めて人気なようです。


四位は・・・『花緒留
hanaodome_img3.jpg
草履と一緒に定番になりましたよ!

個性的なモノから、シンプルなものまで
様々あります。

三位は、『懐紙入れ』
http://www.senpukuya.jp/SHOP/384745/list.html
0754_01.jpg

こちらは、最近派手目が大人気です。

季節によって、人気の色が変わっていくので、
使い分けられているのかな?

以前の時より(2位)もランクダウンですが、
懐紙入れへのアクセスは日に日に伸びています・・・

個人的に注目の懐紙入れは・・・
0758_01.jpg

ブルー地に十字の絣が・・・
好きな色と柄とシンプルさです。

二位は、『帯締め』で
 ⇒http://www.senpukuya.jp/SHOP/360639/360677/list.html

特に、『仙福屋の小田巻』が人気です。
 ⇒http://www.senpukuya.jp/SHOP/0156.html
0156_00.jpg

色目は、『紫』が一番人気です。

最近では、『小田巻(おだまき)』と呼ぶより、
『たまちゃん』と呼ばれることの方が多いです・・・

そして、一位は・・・
予想通り、やはり『草履』でした。。
 ⇒

http://www.senpukuya.jp/SHOP/360635/360649/list.html

その中でもダントツは、
やはり『真綿入り草履』

それをさらに細かく見ると、
下の三色がほぼ同数で人気です。

『濃いグレー』
0570_01.jpg

『ブロンズ』
0428_01.jpg

『薄グレー』
0575_01.jpg

おそらく、90%くらいを占めます。

そして、
台の形状は一段と三段がほぼ同じくらい。

目立つのは、雨草履です。
 ⇒色目はこちらは、濃い地が人気
amazori_top.jpg

『梅雨前に人気!』というのであれば、
わかりますが、終わってから急上昇なので、
少し不思議です。。

やはり、今年は雨が多かったので、
梅雨で必要性を感じた人が多かったのかな?
と想像していました。

などなど

長ーくなりましたが、
月初にこういうのを恒例にして、
自分に調べるクセをつけようと思います。

それでいても、自分の好きなもの
・使いたいしか作れないでしょうね。。。

タグ:

2009年06月30日

昨日の続き

昨日の、『世界に一本だけの帯』ですが、
評判はイイですよ。
attached.jpg
 ↑この柄です。 

この織り方は、経糸が表に出てきます。
(=経糸が配色を決める)

もし、配色を間違えると、経糸全部が無駄になる、
とても危険な織物です。

ですので、社内でも人によっては手を出さない、
出しても、今までの安全な配色で・・・

となってしまいがちな、織物です。

もちろん危険な分、いい所があって、
生地が手持ち糸の数から考えると、
信じられないほど薄い。

という特徴があります。
(他にも細かいイイ所も・・・)


前置き長くなりましたが、そんな織りを使って、
やってみたくなるのが、

『失敗しても、(気にせず)好きな色を使う。』

ということです。


そして、好きな色というと、
『南蛮七宝+光悦蝶』 蝶々の色、
C6EEC8DABCB7CAF5A3B3CBDC.JPG

『作楽:水仙』の色です。
ssImage2601.jpg


今まで、試し織しながら、合う柄を見ていましたが、
 ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/122289164.html
昨日の柄と、もう一つがピッタリときました。

結ぶとなると、(配色の好みで)、好きな人にしか、
興味は持ってもらえないかも
しれません。

ただ、この帯で歩かれている姿を見てみたいです。

柄は、雪佳『海路』より。
自分の中で大事にしていきたい柄になっています。

一本だけなので、普通の配色よりも
少し割高になってますが、
それだけの価値はあると思ってます。


今日は、昨日大阪でもらったアイディア
形づくりをしていきます!

それについては
また、後ほど報告しますね~。

タグ: ,

2  

カテゴリ

バックナンバー

  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介

となみ帯

Facebook

LINE@はじめました
友だち追加

新着記事

五代目日記2冊目は、こちらです。 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime2/…

今日が2016年の最終営業日でした。この一年、本当にあっという間でした。 年末のモノづくりは抑え気味と言いながら、今年も最後…

来年に力を入れていきたい、襦袢があります。さざ波の様な細かなシボが、生地全面に入った、手触り風合いの優しい白生地を使います。(生…

2ヶ月に1度位の割合で着物姿を撮影しています(前回は月心寺)。今回も本社向かい、徒歩3分圏内での撮影でした。 天候は曇り、たまに…

今年中には間に合いませんでしたが、間もなく完成の帯揚げです。 帯の意匠を使い、帯揚げらしく修正を掛けた図案の段階です。 ここから…

携帯サイトのご案内

QRコード

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...