となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > モノづくり業 > 蝶千種/どんな帯締をあわせましょう?

2015年12月02日

蝶千種/どんな帯締をあわせましょう?

 

L1980022.jpg

神坂雪佳の世界/蝶千種』

 

 

 

目出しを幾つも取って(少しUP済み)、試行錯誤しても製作していた帯です。配色の段階で『帯だけで一つの作品』から、『着物に合わせて、さらに小物まで入れて完成する帯』に方向転換しました。だから、本来は目立つ色糸が入る部分もグッと抑えて、もしかして要らない(大きくは影響しない)かもしれない濃淡が沢山ある帯になりました。

 

IMG_2141.jpg
(写真も白黒⇒配色悩み中です。)

 

 

蝶々の帯なのに『寂しい。』と言われるだろうな。と予想はしていましたが、そういう声も少しはあるものの、こちらの方がかえって結びたくなる、と言ってくださる方の方が多かったのが印象的です。しかも、蝶々キライだったのも・・・。

 

写真からは伝わりにくい部分もありますが、この帯は蝶々なのにどこか静かさを感じます。蝶々もヒラヒラ動的よりも、スーッ静かな振り子の様に飛んでいる意匠に見えます。これは技術的な話ですが、地色の部分に端から端まで(帯一本)『青』を入れました。具体的には白××青です。(試験織の段階で赤に近い茶系の色を入れると、同じ意匠なのに蝶々の飛び方まで変わって見えました。)帯は色柄組織の3つの要素で構成されているので、色が及ぼす大きな影響は分かっているつもりでも、地の紋作りで、思っていた以上に動静を付けれたのは、収穫でした。

 

 

好き好き、賛否のある帯ではありますが、自分の中では『この人に間違いなく似合う。』と言える顔のある良い帯になったと思います。ちなみに、裏には海路、とことん雪佳の世界です。

 

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『裏地は海路七宝』

 

 

 

Facebook上でも『私は好き好き派です。』等、好意的な意見を頂いています。
ありがとうございます!
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