となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「しぼ織り」と一致するもの

2016年01月21日

しぼ織。2016年最初の柄スタート。

 

ひっぱり出してきた、しぼ織りの目出し。

 

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『しぼ織/目出し』⇒Pintrest『しぼ織り』

一番手前にある鳳凰の目出しは、この横段具合がお気に入りです。
PinterestにもUPしていたりします。

 

一つの柄を完成させるためには試験として、柄(お太鼓)全体を織ることもあれば、一つの柄を寸断する様に多くの配色を試しに織ることもあります。この試しに織る生地のことは、いろいろな呼び方がされていて、一応となみ社内では『めだし』と呼んでいます。何回も何回もこの目出しを取り、図案や自分の中にあるイメージに近づける仕事を京都にいる間は、日々行う。それが帯地メーカーとしての大事な仕事です。

 

帯作りの大きな工程の中では、①図案後の②意匠図作成、その後の段階でする仕事。この目出しを引っ張り出してきて、今はしぼ織りとしては画期的なモノづくり(になるはず・・・)をしようとしています。そのイメージ作りのため、写真の様に並べて、しぼの具合や緯糸と経糸の関係。どこまで緯糸で発色できるか?この織物を作った時に、繰り返し行ったことの再確認をしています。

 

やっているうちは、そうでもありませんが、日々様々な試行錯誤を行って、こういう目出しを作っています。一日2,3枚だとしても、何十年と積み上げるので、時々振り返って見るとスゴイことになっています。掘り起こせば、なにか見つかる、宝の山と言っても良いかもしれませんね。

 

(自分で言っておいてなんですが)画期的な新しいモノづくりをしようとするのも大事ですが、目出しを掘り返しながら、寸断された色の再確認。これは今ならできるモノづくり。この時は先走り過ぎたモノづくり。等々、呟きながら、目出しの山と向き合うことも、モノづくりの一つです。

やることはまだまだありそうです。

 

この写真をベースに作る帯、おそらく皆さんが予測できない所に入り込む帯になるとおもいます。お楽しみに(笑)。

 

 

 

 

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2015年11月24日

CandyCircusの二柄目、進めています。袋帯です。

 

風邪悪化のため・・・(声が出ません〜。)、テンポを落としてモノづくりを進めています。一つはしぼ織りのベース部分の改良と、もう一つは『CandyCircus(キャンディサーカス)』の二柄目。

その一柄目は、水滴が水面に落ちた時にできる『クラウン』を花に見立てて、作って頂いた『水花(すいか)』。今は作家の舟田さんと一緒に個展等にでかけています。作品と一緒に並ぶと、帯が居場所を見つけたみたいで、落ち着きます。

IMG_1685.jpg

 

9月にも書いていましたが、そこから二柄目の図案制作に掛かり(作品を元に)、微修正をしながらつい最近(約2ヶ月間)やっと図案が95%完成しました。ここからはこの図案を元に意匠図を作りながら、後5%を埋めていきたいと思います。おそらくこの2柄目は100%図案を完成させてしまうと、後々困りそうなので、5%の遊びの部分を残して進めます。

 

ちなみに、次回帯はCandyCircusのロゴにもなっている、この舟の元の作品から・・・。

IMG_1145.jpg

 

 

となみ織物が30年以上前に製作していた帯に宝船がお太鼓に来る帯がありました。似ても似つかない帯ではあるのですが、その宝船の大きさや存在感をお太鼓に持って来たら・・・。頭のなかにはそのイメージが先行して帯が出来上がっています。出来上がりは面白いものになり、このCandyCircusのフラッグシップの様な帯になることを祈っています。

 

というわけで、今は、残念ながら、ぼーっとしていますので、今週はこの2つに集中して進めたいと思っています。今、舟田さんが京都で長期開催中の展覧会に間に合えばなあ・・・、と。

 

2015年04月02日

さくらさくら。

 

今日の昼休み、会社近所周辺(寺之内通)を約20分ほど散歩してきました。

昼間は車で通りますが、景色は車目線でしか見れてませんし、夜は歩いたとしても、
寺社仏閣通りなので、灯りはすくなく景色は変わってしまいます。

 

明日からの天気が曇り雨とは考えられないくらいの晴天で、
桜はこんな感じでした。

DSC01807.jpg

 

帯の配色には最近使っていない配色ばかりですので、
目の前にそういう色が広がると少々とまどってしまいます(笑)。

僅かに白の入った単色の水色の空とのコントラストが本当に素敵でした。

 

光を受けている桜も色が輝いて好きですが、
光を背にした桜も、夜桜のような迫ってくる迫力があって、これもまた素敵です。

 

DSC01836.jpg

 

毎年見ていても飽きない魅力ですね。

 

 

社内に帰るとちょうど『しぼ織り』目出しの配色確認。

 

DSC01750.jpg
『しぼ織り・目出し』

 

目が外の色を受けて、感覚がズレている様な気がしますが、
これから自分の欲しかった色目に近づけていく工程に入ります。

冬に図案を作っていたモノですので、目が元に戻しながら、自分の欲しかったモノに
修正を掛けていきます。

 

週末、もう一度桜を見たいので、最終の配色に決まるまで、
もう少し掛かってしまいそうですね〜。

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2014年11月13日

色の深みを織組織でつけてみました。

この頃(お盆)に製作していたものが上がり始めました。
 →http://www.kyo-tonami.com/godaime/2014/08/post-1998.html

 

一つは、この柄。

 

IMG_1753.jpg
『作楽/しぼ織』


少し前に、紹巴織で織っていた『青』が頭に残っていましたので、
その色をベースに色が生きそうな柄付けに、しぼ織りという織り組織を変えてみました。

紹巴で織った時は、月がモチーフの柄で、自分の中では夜空の色を作ったつもりでしたが、
柄の空気感からか、透明感のある色の表現を沢山の方から、頂きました。

たとえば、

明け方になり始めた頃の青、とか、
宝の方の石の青とか、
月の明るい時の夜の海の色、

こんな感じで、いくつかはメモさせてもらっています。

 

しぼ織は、御召緯を使い広巾で織ってからお湯に付け縮めるという過程がありますので、
どうしても配色した色そのものとは、異なってきます。その辺りも考えつつ、作るのですが、

このモノづくりでしたかったのは、この色を使いつつ、しぼのメリハリによって、
『青』の濃淡ができる。ということです。

 

IMG_1754 -3.jpg
『タレ無地部分』

 

しぼが隆起していますが、この一番山の部分と谷の部分とでは、光や見る角度によって、
濃淡は変わりますし、また着物や小物、合わせる色によっても、おそらく変化してくれる
と思います。

その時、またこの帯を見た方がどんな色をイメージして下さるのか、
とっても楽しみです。

 

特にタレ無地部分は、とても良さそうな色に。。。

 

 

 

 

 

2014年08月12日

お盆休み2日目。

 

会社的にはお盆休みに入ってますが、今年は出張がいつもよりも多い分、
持ち越している仕事がたんまりとあります。

 

配色の確認だけはちゃんとやっていても、通常であれば、上がってきた試験織りと、
しばらく対話しますが、それが十分にできていないです。

この休みにしようとそれらを大量に写真に撮って、この休みにはモニター上で、
(寝転びながら)チェックしています。

 

たとえば、しぼ織りの試験。

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しぼを作る手前、あまり細かい織りは苦手ですが、それの試験をしています。

 

FacebookにUPした、同じくしぼ織りの藤柄。

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御召緯を使って織り、お湯に浸けてしぼを作るので、多少色が変わります。
特に、『きれい』な色はその過程で少しくすんでしまいますので、それも苦手です。

 

などなど、これらはモノづくりをするための直接的な実験ですが、この最中に思っても
見なかったことがタマに起きることがあります。

 

そのための試験織りとの対話です。

 

生地が多く、そのものを持って帰ると、大変ですので、写真にしましたが、
こうやって、モニター上で拡大したり、回転させてり、しているだけでも興味ふかい収穫は
沢山ありました。

 

ちょっとしばらく休みたい気持ちもありつつ、早く形にしたい気持ちとに挟まれて、
もうしばらくお盆休みゆっくりしたいと思います。

2014年02月01日

棚卸し

 

今日の京都本社は棚卸しです。

社内モノづくり部門は臨時に休業日に。
社内業務を止めて、帯や着物、小物を一斉にチェックしていきます。

この日記でも何回か取り上げましたが、年に2回行って、その間社内は
ひっくり返った状態になります。

 

やる仕事としては、一本ずつ商品の数を数えて、台帳に記してあるモノと照らし合わす。
というものですが、経理部門以外のスタッフ、特に営業等は、面白い帯を探します。

たとえば、最初の一本に織ったもので、それ以降は配色の全く違ってしまったものや、
織物自体がレアで、『帯シリーズ』になるほど続けれなかったもの。いわゆるお蔵入り。

そういうものを意識して探し、もし見つけるとテンションは相当上がります。

ある程度時間が経ってから、(客観的になってから)そういったものを見ると、
次のモノづくりのヒントがありますし、僅かの手直しのみで物凄く面白いものができそう、
になることも多いので、この棚卸しの時間をただ漫然と過ごすのは、非常に勿体無いです。

 

そんな今日の業務を終えれば、気分一新で次の期に入っていきます。

 

さてさて、この棚卸し、もちろん帯以外にも図案も一緒に総チェックしていきます。
今回の棚卸しの収穫は、その図案庫の中にずっと眠っていた数柄です。

それが作られた時代、ほとんどの帯は、花鳥風月で、色数も最大限使ったものばかり、
でしたが、見つけたの数柄だけは、色数3〜4色、他とは柄取りも大きく違ったもの。

おそらくその時に作っていたら、物凄く浮いたであろう、という図案がありましたので、
何ヶ月か掛けて手直しして、帯の形にしたいと思います。たぶん、しぼ織り?

 

そんなことで、今日は写真がありませんが、新しい期もどうぞよろしくお願い致します。

 

 

 


2013年08月20日

秋に向けて

 

お盆明けから、会社的には

秋に向けて皆さんに見てもらう商品の最後の仕上げと、

来年春、夏向けのモノを製作しています。

 

個人的には、ほぼお盆休み前に紋上げは出来ていますので、

配色と最後の微修正が、今からの多くなってきます。

 

それと、もう一つは今年なんやかんや言って、触ってる機会の多い、

しぼ織り。それの南蛮七宝バージョンです。

 

IMG_1419-2.jpg

 

完全に試作段階なので、丸と星に入っている縦しぼの出方や、

それ以外の部分の大人し目のしぼは、まだ予測できずにいる段階です。

 

配色くらいは参照にできますので、一番上もしくは上から3つ目がいいかな?

とは思いますが、今後、詰めていきたいと思います。

 

まだ、糸合わせを変えたり、配色の微修正は行いますので、

雰囲気はかわると思いますので、期待していて下さい。

 

IMG_1418-3.jpg

 

この南蛮七宝シリーズ、諸事情からお見せできる機会自体が少ないですが、

その中でもまず入門編の襦袢も、再度染め上がってきました。

 

先日、この襦袢を着られている方が、

『今日は、この襦袢を見せたいために、洋服じゃなく着物を着てきました』

と言われていたのが、とても印象に残っています。

 

こちらのモノづくりへのモチベーション上げてくれる、南蛮七宝シリーズです。

 

 

 

2013年04月11日

引き続きモノづくり。

 

糸の染めのところで、少々詰まっていましたが、

一つ作っていた帯が動き出しました(やっと・・・)。

 

IMGP0097.jpg

『しぼ織り/作楽』

 

写真を見て頂くと恥ずかしいですが、迷っています。

通常、試験織り、目出しというのは、ある程度焦点を絞ったもので織りますが、

ここまでバラバラな色目を取る時は、(今までも何度かUPしましたが)

大概は迷っています。

 

この帯は最後にお湯に通し、シボを作るので、多少色と雰囲気が変化しますので、

その辺りを考えつつ、最終決定したいと思います。

 

茶も、グリーンも、黄も、ピンクも捨てがたいなぁ・・・。

 

しばらくは京都から出たり入ったりとしていますので、

溜めた図案を色々と考えてみます。

 

 

2013年03月15日

配色ミス。

 

モノを作っていると『配色ミス』ということがあります。

 

たまにあって一番痛いのが、トンデモない色になること。

これが上がってきて、1Fでスタッフで検尺をする際は、

空気が止まってしまいます。

独特な色を作ろうと奇抜な色で作った経の織物などは、

こうなったりします。

 

2つ目は、色の逆転。

杼に入っている色をテレコにしてしまったりすると、起きます。

帯一本に使っているのは、同じ色構成なので、

①なんとなく雰囲気が違うな→②よく見ると・・・。

③『うわ、ぜんぜん違う』となることもあります。

 

3つ目は、単純ミス。

うちの会社は新しいスタッフも入ってきますので、

どれだけ注意深くしていても、こういうことはあります。

 

で、今回起きたのは、3つ目。

L1230734.jpg

 

写真左下の試験織も完成した色目では無いので、

今のところ、これだけ織っても(まだ目出しは数色取りました)

イメージに近寄っていません。。。

 

ただし、この織物でここまで白い地色をほとんど織ったことが無かったので、

かなりイイ怪我の功名となりました。

 

シボ織りですので、縮ませないと最終の色目も確定出来ませんが、

一応完成まで一歩ずつ進んでいます。

 

 

2013年02月12日

ミルクティ色

 

しぼ織りのペイズリー柄を製作中ですが、

その前に少し寄り道して、この『象帯』を・・・。

 

L1180601.jpg

『象のしぼしぼ帯』

 

配色替えしています。

 

個人的にとても上手く行ったと思っている配色をイジるのは、

このイメージがこびり付いているので、非常に難しいのと、

まだ上の帯はほとんど発表していませんので、その前に作るのも・・・。

 

と色々と悩むところはありますが、

それでも好きな帯に関しては、色を変えたのも欲しくなってしまいます。

 

思いっきり失敗もしましたが、一応見れる段階の目出しがこれ。

L1230236.jpg

 

 

上・中・下と三段に配色を分けています。

(区切りのような横段も三色なので、合計6つの見本)

 

一番上は、まだ入りたての新人さんに勉強してもらうための配色。

(組み合わせ的には、とても面白かったのです。次は上手くいくかもですね。)

 

ベースとして考えたのは、真ん中の地色がベージュっぽいものです。

ちょっと思っていたよりも、細かい所がキツイ色になったので、修正。

 

そして、微修正後はこれ。

L1230241.jpg

『しぼしぼ象帯/作楽』

 

しぼ織りの場合、御召緯を使っているので、この後お湯に通して、

シボを付けます。

 

その際、多少地色がわずか変わる恐れがあるので、『完成』とは言いませんが、

だいたいのイメージ通りになった配色です。

 

その色は、ちょっと前に私用で作った大島のミルクティ色。

実物と比べると、だいぶん変わるかもしれませんが、頭のなかでは、

こんな感じになっていますので、これで良いと思います。

 

完成まで後、ちょっとです。。。

 

 

 

 

もう一つ面白いものがありますが、

風邪が残っているのか、体調不良気味なので、

明日楽しみにしていてください〜。

 

年のせいか、治りにくい!

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2013年02月06日

しぼ織、続編。

 

しぼ織りの様々な問題(縮める工程での失敗の多さ)が

ある程度解決してきましたので、続編を考えています。

 

一つが個人的にとても気に入っているシンプル唐草の帯。

 

L1230218.jpg

 

御召緯と箔とで織って物凄いシンプルな帯ですが、

紋を作る際は、何度か再考して上げ方に気を使っています。

 

箔と糸との表に出る割合を変えて、地と箔を混ぜた色に見えるように、

しています。ヤヤコシイので、写真で見るとこんな感じです。

 

L1230220.jpg

 

通常帯では、全く普通に使う糸の上げ方で珍しくもなんとも無いのですが、

この帯は、お湯に通して萎ませるので、その辺りも計算して糸を通します。

 

と前置きが長くなりましたが、今考えているのは、このペイズリー柄。

 

IMG_0483_2.jpg

作楽/ペリズリー』

 

このままは、紋口も違うので、そのままは無理ですから、

新しい紋を作りますが、こんな流れの帯を作りたいと思います。

 

折角なので、シンプルはそのまま、何かプラス1で、

作れればと思っています。

 

最近、風邪引いてか、身体中痛いような気がしますので、

その間にぼ〜、っと頭の中で図案と織物をこねくり回してみます。

 

 

 

 

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2013年01月10日

さらにしぼ織りも。

 

表はもちろん裏にも相当時間の掛かった『しぼ織り/こうけち』が

上がって来ました。御召緯を使い、広巾で織ってお湯の力で縮めるという

昔ながらの方法で製作しています。

 

同じ一種類の地紋で行えば、問題はないと思いますが、新しい柄を作るたびに

新しい地紋をおこすので、毎回新しい新鮮な感覚(ポジティブシンキング)で、

縮み方を研究しています(縮み方が違うので、かなり大変)。

 

昨日と同じく異様なほど時間が掛かった帯がこの帯。

 

IMGP9195.jpg

こうけち/しぼ織り』

 

シンプルな柄です。

 

個人的に、

紋を作る際には、お月さんが同士が引っ掛かった感じをイメージしていますが、

元々の図案は、社内にある昔の図案にかなりのアレンジを加えたものです。

 

また、タレの部分を無地にしようと思っていましたが、

煩くない程度に、愛嬌で、ちょこっと星系を入れておきました。

 

仕立て上がると、とても可愛さもあり、静かで落ち着きのある帯になったので、

個人的には、とても満足しています。

 

ちなみに、『作楽』は入れていませんが、隠れ作楽です。

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2012年11月07日

 

しぼ織りを織っていて、

どうしてもこの形にしてみたかったバッグが上がって来ました。

 

IMG_0893.jpg

『ふわふわバッグ』

 

以前は、総紗縫で数個だけ作っていましたが、

一瞬で

 

IMG_32292.jpg

 

 

 

2012年09月07日

しぼ織り依頼・・・。

 

社内でしぼ織りの依頼がありました。

『しぼでこんな感じの柄を作ってほしい。』

というものです。

 

L1000287.jpg

しぼ織り目出し』

 

モノづくりするスタッフは数人いますが、

全員が全員全部の組織を知っているわけではないので、

社内でもこんな依頼が来ます。

 

それ以外にも、『どうしてもこの織物は苦手・・・』というものもありますし、

『何回やっても思ったとおりにならん!』という相性の悪いのもあります。

 

通常メーカーはそんなに沢山の織組織を持っているわけではないので、

うちのこんな悩みは、とても贅沢ですが・・・。

 

 

そんなわけで、幾つか依頼を受けた柄を帯にしていきますが、

自分のイメージに無いものなので、今日は織物の基礎部分(地)の所で、

すり合わせを行なっていました。

 

写真で言うと、左から菱になったもの、縦に流れたもの、ランダムになったもの、

などありますが、図案を見ながら、どんな地が馴染むのか、考えます。

 

まず、最初の部分ですが、人のイメージに乗っかる帯ですので、

丁寧に、『こんな感じ?それともこんな?』という風にいつもよりも

ゆっくりですが、モノづくりを進めています。

 

モノづくりの際、完成への過程が個人個人それぞれなので、とても勉強に

なることも多い仕事の一つです。

2012年07月11日

お太鼓。

 

当たり前ですが、

着物の後ろの顔『お太鼓』はとても大事です。

昨日のタレ部分、以上に重要になってきます。

 

帯の柄を作る際、図案を元に紋(意匠図)を作ってから、

試験織、目出しと織っていきますが、この段階が上手く行った場合、

次、主に考えることは、お太鼓のイメージです。

 

図案の段階でも、もちろんイメージしていますが、

モノづくりを各工程で進めている間、ズレていくのが、

このお太鼓の柄です。

 

『神坂雪佳の世界』等に多いお太鼓柄であれば、迷いようもないのですが、

6通、全通になってくると、僅かに柄が上下にズレるだけでも、

大きくイメージが変わります。

 

たとえば、最近織ったもの。だと

IMG_5880.jpg

『しぼ織り』

 

 

どこをお太鼓に出したとしても、変わらないようですが、

随分と違ってきます。

 

IMG_5879.jpg  IMG_5878.jpg

 

 

最近の帯は長いの多少の上下は出来ますが、

それでも、メーカーとして『ここを出して欲しい』というのは、

このお太鼓を作る時に、入れておきたいメッセージみたいなものです.

 

 

今日からしばらく京都から出ていますので、

今年の祇園祭は、テレビで鑑賞になりそうです。

 

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2012年04月19日

織って水に入れて、また伸ばす。

 

 

昨日も書いていましたが、新しい『しぼ織り』のしぼができそうです。

IMGP7266.jpg

 

ちなみに、上の写真は織ったばかりの状態。

 

そこから、しぼを付けていきますが・・・。

この工程は『御召』と同じで、まず特殊な糸(御召緯)を使って

織ります。(この時、帯幅は九寸の名古屋帯よりも広い)。

 

水に通す。

 

この糸は水に触れると縮むので、生地も同時に縮みます。

その後、帯幅に戻していきます。

 

そうすると、縮んだ所がしぼになり、柄の一部となります。

こんな感じに・・・。

IMGP7324.jpg

 

と完成例を見せようとしていたのですが、

まだ少し予想と違ったので、職人と打ち合わせして、

調度良い頃合いのしぼを作って行きたいですね。。。

 

もう少し時間が掛かりそうです。。。

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