となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「経錦」と一致するもの

2016年10月26日

伊調馨さんに国民栄誉賞受賞式典で結んで頂いた帯。

タイトルの話が少し落ち着きましたので、
この帯について説明をしたいと思います。


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二重織/雪輪に桜、竹

しばらく、こういう話題性のある話題が少なかったためか、
一気に『どこの帯?知ってる?』話が、バーっと広がり、結構な数の問い合わせも。
Facebookでも相当な多くの方がアクセスしてくださいました)

副賞となった本袋と勘違いされたり(確かに、うちでも本袋は織っていますが)もして、
話が噛み合わなかったり、
そんな急に、数を織れるものでは無いのに、『なんで無いんだ。』的な話を頂いたり、と。
数日は結構凄いもんでした。

本当に、ありがとうございます。

基本的に、となみ織物では帯には個々、名前を付けることが少ないので、
早速この帯には『伊調さんの帯』と社内では呼ばれています(笑)。

ちなみに、通常スタッフ間では『織組織名』と『大まかな意匠の名前』、それでも思いつかない場合には、
加えて『地色』を言えば、ある程度絞れます(この辺りが新入社員との分岐点かも)。

今回であれば、『二重織で、雪輪と桜・竹。地色は淡いピンクの帯。』と言えば、
ほとんどのスタッフは絞ることができます。

さてさて、この帯の織組織である『二重織』。
今は織れる機自体もホントに少なくなりました。

すごい数の経糸(三重経・約8000本)を上下させて、
それらの色をベースに柄を織り成し、緯糸(横糸)で味付けをする、

基本的には、そんな織物です。
敢えて言うと似ている織物は、経錦。

大胆な柄やハッキリとした柄が得意な織物で、経糸を思いの通り染めることが
できていれば、絶妙な色を作りだすこともできます(←今回はコチラのパターン)

もちろん、良いことばかりではなくて、非常に本数の大きな経を使う織物ですので、
製織時、経の上下だけでも、家自体が振動することも・・・(機にも負担が掛かり長く織れない)。

意匠には奇をてらうことなく、ストレートな日本の文様である『桜・竹・雪輪・・・』。
過去、何万何十万柄に使用されてきたはずですが、長い年月、生き残ってきただけあって、
飽きのこない、柔らかさの中にも、力強い意匠になっています。

今回この帯に関しては、この様な説明をする間も無く(苦笑)、バタバタでしたので、
ここでこうやって書くことができ、機屋として嬉しいです。


こういう瞬間風速がビュンというようなことは、
そうそうありませんので、次はあまり期待せず(笑)、またコツコツ積み上げていきたいです。

それにしてもよくお似合いでしたね。

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2016年08月08日

要勇気の着物

織物は経糸と横糸(緯糸)で柄を織ります。通常その両者の色が入り混じり、織組織などの様々な関係性によって、目に入る色(配色)が決まります。また織物の性質上、緯糸は変更し易く(杼を変える)、経糸は変更し難いものです(一度機に掛けた経糸を替える場合、基本的に裁断することになる)。

帯も着物も基本的に同じ。そのため『経錦』などの経の配色でほとんど全ての色が決まる場合は、経糸と心中するつもりでやります。変わった色目のモノづくりの場合、配色を考えた後、それを実行する場合、要勇気!です(笑)。帯よりも要尺の長い着物の場合、さらにもっと勇気が必要です。今回は、その勇気を出して(苦笑)制作した『仙福屋の御召』が織り上がっていますので、紹介します。

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『仙福屋の御召/となみブルー』


こんなモノづくりの場合、勇気は要りますが、その反面、通常の着尺経糸にはある程度汎用性のある色を使います。例えば、薄い地色の着物であれば、淡い生成り色やオフホワイトの経糸。その色が製織時に、緯糸と一緒になることで、(ある程度は計算できますが)柔らかな奥行きのある中間色に仕上がりますし、ある意味それを狙っています。

写真の着物はそのモノづくりとは異なって、経糸に『となみブルー』を染めて使っています。もし失敗してしまうと、全部青みが強烈に入った、こちらの想像とは大きく違った反物・・・。になってしまうので、上記に要勇気と書きましたが、まさにそのモノづくりでした。まだ、ほんの一部の方の評判しか聞けていませんが・・・、物凄く良い評判です(笑)。

ただ、こういう時に限って、リスクを考え、出来る限り経糸を小さく、織れる本数が少ない経糸で織ったりしています。モノづくりって色んな意味で難しいですね(苦笑)。

2016年06月03日

人気になりつつある、総紗縫の縞。

最近人気の『総紗縫の縞』。
昨日、FB上に着姿をUPしていましたが、写真でもやっぱり皆さんから良い評判を頂いています。

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FB(6月2日)

帯の製織からすると、通常(西陣の場合)経糸は一色の無地(下記写真の様に)が多いです。

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柄や色は緯糸(横糸)で織り成します。
例外的に、となみでも1200経錦(リンク)や二重織がありますが、だいたい西陣はそんな感じです。
だから、一つの経糸で沢山の柄を織ることができます。反対に縞柄の場合、経糸の段階で色糸を縞になる様に並べて作ります。
そのため、一つの経糸からは基本的に一つの縞柄しか織れず、その経糸が機に掛かっている時は、基本的にそれを織り続けることになります。

総紗縫の場合、またもう一つ山があります。それは製織段階で総紗縫独自の繊細なバランスを考える必要があります(細かさや糸同士の綟りなど)。そのため、少しのバランスが崩れるとキズになりやすく、そのほとんどが致命的なモノで、商品にはなりません。経糸を縞にすると、そのバランスがホンの僅かにくるってしまうので、織る段階でまた問題を抱えてしまうことになります。そういうこともあり(そこまでしても、あまり注目されていない縞柄は避ける傾向に)、柄数は増えていませんでした。

ただ、最近は総紗縫2本目、もしくは三本目を持とうと言って下さる方が増えてきてきました。その時『次は雰囲気の変わったモノを・・・。』と言われ、ほそぼそと作っていた(笑)縞に注目が集まっています。

いつもよりも気を払わなくてはいけない、総紗縫の縞。周りの雰囲気で新しい柄も起こされようとしていますので、自分ももう一度触れようかな・・・。それとも『5年後の総紗縫』のモノづくりとお題を立てて、違う表現方法で、新しい魅力を探そうかなぁ、と考えています。

2016年03月08日

進めたいことが一杯。

 

 

ずっと頭の片隅でくすぶっていた織物【彩綾】。

最大の特長は経に箔を使っている所、いわゆる佐賀錦です。

 

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いわゆると書いたのは、通常の佐賀錦が想定しているものよりも、細密な織物表現が可能で、実際に今織っているモノも経箔の織物と気づいてもらえないことも多いです。この織物の可能性としては(当たり前ですが)横に通さなくてイイ箔が経から持ってこれること。これだけで、華やか織物の素地がありますし、他の織物と違う表現ができます。経錦とちょっと似た感じです。

 

今は、となみらしい意匠が掛かっていて、それはそれで面白いので継続します。そのラインとは別に(今の)自分の考える帯を・・・と思い続けて、それが形になりそうでならいない、と頭の中でくすぶっていました。それがちょっとした拍子で何とかなりそうな感じも出てきて、今まで製作した目出しを大量に出してきて、織物の検討を進め出しました。

 

ここで行うのは、当初意図していなかったであろう表現や色目、経箔独特の面白さを頭の中に残す作業です。
これをした後、しばらくアイデア等を寝かしていると、突然ポンと帯ができる・・・。

 

しばらくモノづくりに集中できますので、詰めてがんばります。

2016年03月03日

『要望』1200経錦

 

今回きものSalonに掲載の『1200経錦』。
モノづくりの順序としては違っている様な気もしますが、載ってから社内でモノづくり熱が急に上昇中です。結果として、作りたい。作って欲しい。と社内で声が上がるのは良いことです。

 


Pinterest

 

ただし。この織物の機は一台のみ。紋を作っても織る順番は、なかなか回ってこない(本袋と同じです)⇒メリット:じっくり図案と紋づくりができる。経糸は三色、一度決まれば、その色が経糸十数本織り上げるまで固定されてしまう。⇒配色に拘らない柄を作ればイイ(そんな柄あるかな?)。

 

等々、まだ図案検討中なので、完成までは遠いですが、前向きに、頭のなかの声と戦ったり、話し合いをしながら、進めていきたいと思っています。織りのネームは『1200経錦/作楽』です。

 

以前、この組織で製作して、注文を頂くと織るものが、この『鳴錦』。

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この辺りを意識しながら、図案検討したいです。

2016年02月21日

きものsalon/2016春夏

今回の誌面掲載は1200経錦。

 

 

経糸で文様を織り成す「経錦」をとなみ独自に改良を加えた上、通常経錦では使わないジャガードを使って織る帯シリーズ『1200経錦』です。この織物、『どこがすごいのか?』を伝えるのが難しい(写真だけでは特に)ので、いつものイメージ写真中心だけではなく、今回は『1200経錦だから実現できた7つのコト』を記載しています。

私たちが自分たちの織物の良さをそのまま文章に書くと、マニアックになり過ぎますので、着物は好き、よく着る、ある程度作ることにも興味がある。そんなライターさんにインタビュー形式でやり取りながら、作って頂きました。

 

この帯のキーポイントは経糸。

三つの経糸を上下させることで、表に出るほとんどの柄を作ります。これが織れる機、職人は本当にかぎられていますので、今後も大切にしていきたいです。

 

 

 

 

 

参照『漢錦』/同じ1200経錦のシリーズ

イメージ写真だけよりも伝わる様になったと思います。

https://jp.pinterest.com/pin/34480753371645891/

 

 

http://amzn.to/1LzG90g

 

 

 

『掲載の打ち合わせ中』

http://www.kyo-tonami.com/godaime/2015/12/post-2294.html

 

2015年12月05日

サロン誌面打ち合わせ

 

 

2月20日発売の『きものsalon』に向けて打ち合わせの詰めを行っています。

以前年4回だったのが2回なりましたので、その分濃い打ち合わせが出来る様になり、注目・反響も良くなり、好循環になっていると思います。ただ、時間はあるあると余裕を持ちすぎると夏休みの宿題の様になります(笑)。実際、撮影は間近に迫っていて、もう決まったと、その時は安心していた外枠のみしか決まっていません(苦笑)。掲載するものは高い確率で『経錦』シリーズの予定。

 

ここから(社外の)製作スタッフと経錦についての魅力(薄さ・結び易さ)を語り尽して、うち独自のウリ(独特の改良を行っているので恐らくうちにしか織れない、強み等)を掘り倒して、その中から伝えにくいモノは何か、そこから何を抽出して表現するのか?のために徹底的に分解作業をしていきます。

 

去年あたりまでは帯を見せるのが中心でしたが、前回辺りからは、上記の様に方向性を変えました。そうすることで今まで自然すぎて気が付かなかった、その商品の凄さ、自分たちにしかできない技術に気付かされたりもするので、とても有意義です。ホントは社内スタッフを何人も参加してもらって、自社の帯の驚異的な拘りを感じてもらいたかったりもする・・・。社外の目(客観的に見て)からしか判りにくいこともありますので。

 

来週中には20本近くの候補から数本に絞って、もしかして一本かもしれません。。。そして拘りを濃縮して、昇華する。一回の打ち合わせは一時間ほどですが、脳ミソ疲労が心地よい、とても楽しい時間です。

 

2015年06月18日

自社の強み。御召から見てみる。

『となみさんは〜』と始まって自社の強みに気づいていないと、
昔から・・・特に最近はよく言われます。

反省しながら『この織物の強みって?』『じゃ、この小物は?』
『となみ織物って?』と、事あるごとにスタッフと話をしているので、
今日はその流れを汲んで、自分の頭の中の独り言のような感じになりそうです。

 

『仙福屋の御召』⇒オリジナルという軽さが目について、個人的には
あまり好きな言葉ではないのですが、それ以上いい表現を思いつかないので、
となみ独自のオリジナル御召です(これから上手くなるように努力します)。

 

何がオリジナルなのか?というと、この織物自体、糸種、糸の使い方、織組織、
意匠。すべてが独自のモノを独自の組み合わせでモノづくりをしています。

自分たちが考える一番着やすく、意匠が美しく見えるように。
また、意匠に関しては時間とコストを相当掛けた帯のモノを利用し製作します。

 

じゃ、もしかして手抜き?
と思われるかもしれませんので、使用前後を乗せておきます。

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Kilim経錦帯✕御召』

 

この帯の意匠を使い、着物として一番美しく見える(もちろん仕立てした時を想定)様に
再構成し、製織しました。

 

元の図案に力があるため、変化を加えすぎると良さが消える恐れがあり、
そのまま使うと、着物として成り立ちにくい。

そのバランス感覚も帯の意匠をオリジナルの着物として使うには、大事な要素です。

 

こんなことが出来る様になったのは、となみの歴史からすると、そんな昔ではありません。
今では、大きな大きな強みの一つですし、同じことをずっと同じままするのではなく、
新しい分野でモノづくり出来るように会社が変化できる、それも一つの強みかもしれませんね。

 

 

2015年06月07日

大きなモノづくりになるように。

 

明日からしばらくは、(経錦はしばらく横に置いて)これです。

 

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『本袋』

 

元々からすると特殊ではない織物ともいえますが、いま西陣ではなかなか見ることが
できなくなってしまった織物の一つです。その意味で経錦も同じですね。。

 

過去となみ織物では織っていて、主流とも言えるほど機もありましたが、
形を変えながら、結局は一旦全て無くなった織物でもあります。

形を変えて復刻⇒もう一度、となみ織物を代表する織物にするために、頑張ります。
(主流だったのは何十年も昔ですが、まだノウハウは残っているのが有り難い。)

 

現状は数柄で社外はもちろん、社内にも色んな意味で認知度が低いため、
次回の雑誌でも大きく紹介しようと思います。


まだ打ち合わせ段階なので、大きなことも言えず、タマゴみたいなものですが、
いつもとは全く形を変えますので、記憶に残るかなぁ、と。

 

その交渉も明日から。

 

楽しみです!

2015年06月02日

過去の難問 その3

 

『過去の難問 その3』

その前の『その1〜その2』とも、何年も前に図案⇒意匠図作成、目出し(試験織り)を織る所までは
手がけていたものの、最終製品の『帯』まで到達していない、『総紗縫/雪佳』です。

その1⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime/2015/05/post-2142.html
その2⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime/2015/05/post-2144.html

 

それらを今回の機会、再度取り組み直して、おこなっています。

 

この『その3』が最後の難問(であったほしい)。

 

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『総紗縫/神坂雪佳の世界』

 

見るだけで総紗縫らしくない顔をしています。
(白鷺でなくて帯地の顔ですよ~。)

 

『織物の織り方=織組織』は図案に応じた、織組織を選択してそれを有効に活用して、
意匠を作り、帯を作るのが基本です。

 

総紗縫は今でこそ表現力がマシましたが、元々こういう織物は得意としない織物でしたので、
この意匠を作った時は、ほぼ工夫をせず正面から作ったモノでしたので、目出しは織れても、
これ以上は難しい。

 

織るのも難しいし、裏を見ると、糸がパンパンに通り過ぎていて、丸巻きから袋帯への仕立ても難しい、
そんな状態で止まっていました。

 

個人的には、メインの意匠では無いものの水草の発色が抜群に良く、これはお腹の柄単体でも
面白そう。そんな記憶がのこっていました(今回はそれを採用します。)。

 

正面からは行くと、技法が増えたと言っても、同じ様な問題に直面しそうなので、
今回に関しては、糸の処理が困るとき、最近良くする手法でそれを回避し、さらにもう少し、
柄に動きを付けて、完成させる予定をしています。

 

これが終われば、本袋。
そして、経錦。

帯のモノづくり、盛り沢山です。

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2015年05月23日

雪佳本袋。その一

神坂雪佳の世界より

雪佳が渡欧した際に見ていた海を図案化した『海路』。
今まで八寸名古屋帯で製作したり、紹巴織や雲龍錦で袋帯を製織していました。

 

今度は『本袋』で挑戦したいと思っています。
現在、手元にあるのは雪佳の図案のみですが、イメージは出来ていますので、
このモノづくりは停滞せず進めれることができるはずです。
(そうでないと、経錦に入れない・・・(苦笑))

 

今日の夜にFacebookにもUPされると思いますが、たとえばこの柄。

 

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『海路図/神坂雪佳の世界(雲龍錦)』

 

今のところ、4柄ほどピックアップしています。
できる限り、レトロさを残しつつ、結び易さ、軽さ、耐久性の進歩というか
今現代の織物の良さは取り入れて、製作したいと考えています。

 

この絶妙の空間と配色バランスは図案のまま、帯に濃縮できれば面白くなりそうです。

 

相変わらず法則通り、進みたい方向からは外れています。
良いモノができれば、いいかな(笑)。

2015年05月19日

しぼとしぼの間。

 

まだ、経錦に入れていない毎日が続きます。

次のモノづくりに掛かろうとすると、次にしたいものではなくて、
今までやっていたことについて、良いイメージが沸くことが多いです。

それで次に取り掛かれない。。。

今回もそうなるとおもいます(笑)。

 

今までやってきた帯というと、このしぼ織。

裏無地を付けて『袋帯』なったばかりものです。

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以前も書きましたが、丸巻き段階で見るモノと裏無地を付け袋帯となったもの。
月並みな表現ですが、すごく良くなります。

(今まで平面だったのが、フワッと温かな空気を入れ立体的になった様な・・・)

さらに、芯を入れると魂がこもり、風合いも柔らかく、より絹が感じられます。


 

今回は、この帯のしぼの間と間。

 

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墨黒に見える部分ですが、
ここの地紋に関しては、紋を使い糸でしぼが起きてこないように押さえています。

 

その部分とグレー・グリーンのしぼ部分。

 

よく考えてみると、このしぼ有り、無しの2択ではなくて、もう一つ選択肢を作ることができれば、
見た感じ、光の加減での陰影にもう一つ表現を加える事ができそうです。

 

この柄ではハッキリとした色でハッキリとした地紋で良いです。

今後作るモノとして、やわらかな色味の中に段階を付けたしぼ織、
そんな表現も出来なくはないのかな?

 

物凄く漠然としたイメージの話ですが、これができると、モノは作りやすいです。


 

 

これらのため、もう少し経錦に入るのは先になりそうです・・・。

 

しぼ織
 ⇒https://www.pinterest.com/senpukuya5/しぼ織/

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2015年05月16日

逃げ道 その1

 

今回のメルマガも触れていましたが、(自分の)モノづくりが絶不調な時は、
今のとなみ織物は、違う分野のモノづくりへ力を使うことができます。

いい意味での逃げ道で、しばらくそこで詰まったモノづくりを忘れつつ、
違うモノづくりで他の視点を入れてから、再度戻ってくると、大抵詰まりは解決できます。

 

帯の場合、経錦を除き、今はそんな状態ですので、
他のモノづくりへ力を割いています。(帰ってきた時には、本袋に掛かりたいです。)

 

逃げ道として、いくつかありますが、結構新鮮で楽しくやっているのが、
ショール作り。

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『第2弾ショール、ストール』

 

以前も紹介していましたが、少しずつ進みました。

緯に使う糸を変化しながら今は風合いを確定させる段階です。

帯とは似たようなモノづくりでもあり、全く違うところもあります。
手探りだった段階からは随分とこちらも進化していますので、
これからはそれなりにスンナリ進みそうです。

元々は男物を作ろうと始めたものづくりですが、
女性物でも相当良いモノが出来そうなので、期待していて下さい。

 

南蛮七宝文様以外でも予定しています。

そちらは柄の選別に入っていきますね。
今月中にはそこまで行きたいです。

2015年05月06日

GW4日目

 

明日から再始動です。
懸念だった資料整理も随分捗り、今年のGWはボケずに済んだ様です。

 

明けてから進めたいのは、唐長さんとの深化したモノづくり。

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今まで、実験、試作は山ほど製作しましたので、それの再検証だけしても、
相当な新商品が作れそうです。その一つがこの生地。

 

ベースは御召ですが加工、長さによってはストールにすることもできそうです。
まだ、しぼの付け具合やそれと連動する巾などには、検討の余地が沢山ありますが、
今の段階でも見せる方皆さんに『イイ、欲しい!』と言って頂けますので、
ここらから再スタートしても面白いかもしれません。

 

南蛮七宝文様の一つ意匠だけとっても、紹巴織、二重織り、経錦、経紬、しぼ等
あり、それぞれ得意とする色、配色があり、風合いがありと、これまた検討する
余地が沢山あります。

 

早いこと手を付ければ早いこと進む、明日から頑張ります〜。。

2015年05月04日

 

GW2日目。

持って帰ってきた資料の整理をしようと、ザーッと写真を開けると・・・。
(Macの『写真』です。)

 

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『南蛮七宝大島紬+漢錦(経錦)』

 

まずこれに目が行きました。

おそらく南蛮七宝、最後の大島紬『割り込み』バージョンです。

絣が特長になり、様々素晴らしいところがありますが、
この着物はトントンと織っているリズムもイイ(とても分かり難くて、すみません。。。)です。

 

全て織り終わるまで、まだ一年は掛かるので、それまでに奄美へ行って
製織を音とともに撮らせて頂きたいと考えています。

 

それは置いておいて、上の写真はこの反物が上がってきた際に
何色を合わせよう⇒この着物をイメージしてどんな色の帯を作ろう?と
撮ったモノです。

 

それで選んだのは、紹巴織でも二重織でも、総紗縫でも無くて、
経錦の緑。経て出しの織物ですので、色が緯で織ったものよりも生に近い、
新鮮な?緑色です。

 

もちろん、これ以外にいろんな色味にコーディネートできますが、
敢えて、ムリしてでも自分が合わせてみたかったモノです。

スッと馴染んでくれたので、色に関しては問題なく、この反物からキッカケもらった、
イメージを膨らませて、そんな柄を考えて行きたいです。

 

筬を打つ音を聞きに行けばイイ図案ができるかもしれませんね~。

 

そんなわけで、ほとんど入り口で止まった整理でした(笑)。

2015年04月30日

退化させてみるのも、いいかもしれない。

 

今の自分のモノづくりは経錦を中心に、と考えています。
ただ、出張へ出てしまい、結ばれた帯を見てしまうと、そちらへも目が行ってしまいます。

 

FacebookにUPしていたこの『総紗縫』の帯もそうです。

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総紗縫

 

今では廃盤となっている柄です(レアです)。
まだこの織組織ができ始めた当初モノです。この柄が出来るまでも、というより総紗縫が形に
なるまで素材、打ち込み、柄を相当数、試行錯誤した空気が残っている頃の帯です。

 

この前にも数柄はありますが、ほぼこの辺りから始まり、今では色、緯使い、素材に工夫をして、
大幅にやれることが増え、それに連れて柄の表現力も増して、となみ織物の中でも総紗縫は、
大きなポジションを占めています。

 

織組織の進化としても良いのかもしれませんし、
一つの織組織がここまで認知されるのは何十のうちの一つです。

 

『黒』や『黒+』、『 Kilim』もまだまだ表現の余地は沢山あるので、
さらなる進化をさせていきたいです。

 

 

退化

それにプラスして。

写真の帯は、これだけ進化した『総紗縫』の中でも、印象に深く残る良い帯です。
また、結ばれた方からも周りの評判が良くて嬉しい。そんな話も聞きました。

 

そうなってくると、この帯の持っている何かを膨らませて、
この系統のモノづくりするのがメーカーしなくては。となります。

 

そういえば、この帯のベース部分『麻の葉』も未だに人気です。

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『総紗縫+染め』

 

皆さんからの評判は上々ですので、逆行までは行きませんが、
一部退化させるモノづくり。もしかして、進化した部分も加味して、進む分、
面白い方向に行くかもしれないモノづくり、そちらも手がけていきたいです。

 

当初難しかったモノづくりが進化して出来るようになりましたが、
今度は反対に、かつて出来たモノが大は小を兼ねる状態で簡単にできるか?

意外にすんなりは行かないかもしれませんね。

 

頑張ります〜。

 

 

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2015年04月26日

電話も鳴らず貴重な新幹線の時間。

 

久々の新潟にやってきました。

おそらく一年以上ぶりです。

 

京都から東京、そして新潟までの約5時間(新幹線)、もろもろ入れて6時間。
一人でほとんど電話も鳴らず、静かな時間を過ごしました。
最近では貴重な時間です。

 

今回、お伴に持ってきたのが『ウィリアム・モリス』。

 

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図案展で(特にここ数年)何かしらの影響を受けた図案を多く見受けられました。
一応経錦の参照になるか?と思って持ってきたモノです。

 

この本一冊とメモするノートで半分以上の時間は、楽しめましたし、後の半分は
3回目の『インターステラー』。軽く2時間は超える映画ですが、時間の描き方が
自分に合って好きなので、車内の時間も充実して過ごさせて頂きました。

 

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明日は、となみの帯を結ばれた方とお会いできるのが、楽しみです!

2015年04月25日

これから数ヶ月は経錦にハマります。

 

しばらくは『しぼ織』で御召緯の縮む具合と対峙していました。
次の『しぼ』に掛かるのは、少し時間を開けた方がイイので、今度は『経錦』へ。

今までのものは、ある程度は自分たちでコントロールしながら、
やるだけやって後は自然に任せていたモノづくり。

今度はかっちりとした紋の中でのモノづくり。
性質は反対くらい異なる織組織です。

 

この『経錦』=『漢錦(あやにしき)』、目立つのはこの様な大柄。
UPするととても評判の良いシリーズですが・・・、

 

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 ⇒Facebook
 ⇒https://www.pinterest.com/senpukuya5/漢錦/

 

 

本当はこういった帯ばかりでなく、結構質素な(笑)柄も得意です。
少し前に『鳴錦』シリーズで製作していたモノは、モリスの静かな壁紙みたいな柄が
多く、目立つとは言いづらい。でも根強い人気のある帯群でした。

 

ここで書く自分もそうですが、この織組織はできれば柄だけでなく、結び心地に注目
して頂きたいです。触った感じは、(打ち込みも違うので)紹巴織よりも少し固く、
表面に凹凸がすくないため、紹巴織と似ている様に思われることが多いです。

 

ただ、結ぶと紹巴織の緯で柄を作るのとは違って、経てで柄を作る織物です。
どちらが結びやすい?ではなくて、結び心地の感覚自体が異なります。
(だから紹巴に慣れきってしまうと、切り替えが必要かな?)

 

文章にするのは難しいのですが、この漢錦の結び心地にハマってしまうと、
紹巴に比べて柄はグッと少ない、経錦の柄探し、もしくは新柄待ちとなってしまいます。

 

機が一台、職人も一人と、となみ織物の中ではマイナーな織物ですが、
是非、試して頂きたいです。

 

そんな風に心からお勧めしたい、織物にしばらくは自分もハマって行きたいです。
楽しみにしていて下さい。

 

明日からは、久々の新潟へ行ってきます!

そう遠くならないうちに、久々の北海道も行きたいな〜。
と企画中しています。。。

2015年02月25日

神頼みの偶然配色で。

 

帯つくりには要素があって、それは『色・柄・組織』といいます。

今回はそのうちの『色・配色』です。

いつもは原画となる図案を見ながら、紋図の横に糸を置き、見比べながら、
帯色を決めていきます。大体、それが一色目。それ以上どうもならない柄もありますし、
配色を替えて、元の色以上に上手く行くことも少なからずあります。

 

図案そのままに配色をする場合でも、糸には絵の具と全く同じ色はありませんし、
前者も後者いずれの場合も、大小それなりの配色を行う人間の意思が入ります。

 

今回はその場合とは違って、ちょっと珍しい、
ある意味人の意思があまり入らない配色です。

 

上に挙げた3つのうちの組織『経錦』。

経錦は元々中国の漢代(今から2000年以上前)から存在していた織物で、
日本では飛鳥時代にはあって、緯(ぬき)で柄を作る織物の普及とともに取って代わられました。

衰退した理由の一つとして、経糸で柄と配色を作るため、それに全てが左右されてしまうこと。

 

基本的に経3色で柄を作るので、一度整経した後は、その三色は変更できない。
そういうこともあって、非常にリスクの高い織物です。

 

逆にいうと、経錦で配色をする際には、先に経糸三色を決めますので、
その三色を使って、違う柄を織るのもそう難しくありません。

 

そこで、新しい経を整経をする度に、常に南蛮七宝を挟んで数センチ織ってもらっていました。
(ある意味自動的に)自分の感覚とは違った配色を見ることができます。

 

製品になるのは、何分の一?数十分の一?かもしれませんが、数センチで織り上がってきたものは、
こんな感じです。

DSC04596.jpg

この裂地を見ていると、柄同士がぶつかって、
何か新しいアイデアが出てきそうな時もあります。

 

その中から、拾い上げれたのは下の二色。
ほんの僅かしか影響はもたせられませんが、緯糸で最後の最後の味付けを行いました。

 

IMG_4395.jpg
『南蛮七宝文様の経錦』

 

配色をサボった様に思われるかもしれませんが、途中の工程は色々あっても、
結果が納得いくまでやり続けるのも、モノづくりの楽しい所です。

 

異なる柄の間に挟んだため、各色3本限定の袋帯です。

 

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2014年10月31日

気になる織物経錦。

 

となみ織物のメイン組織の一つでもあって、昔ずっと担当として関わっていたので、
紹巴織は今でも色んなチャレンジをしたくなる織物です。

その紹巴織は緯の織物⇒基本的に経糸は単色無地で、緯で柄を織り成していきます。

そして、その紹巴織とは反対の考え方に『経錦』(経で柄を作ります。)があります。

となみ織物では基本構造は『経錦』と同じで、そこからデメリットを無くす改良を加えた
『漢錦』という織物の名前で製織しています。

ちなみに、この丸巻きが自分の横にあったりすると、何かの会話の途中でも、
無意識に触って巻き直していたくなる、とても気になる織物の一つです。

 

丸巻きでも気になりますが、今日上がってきたバッグを見ると・・・

IMG_1423.jpg
『漢錦/ほわほわバッグ』

 

織物としての陰影が普段見る感じよりも、さらに強調されて見ることができるので、
もっとこうしたら、面白いものができるとか、特性を活かして作れそう、等々、
モノづくりをしていきたくなります。

 

特に今は、頭が緯中心の紹巴織状態ですので、触ったから、こんがらがりながらも、
面白いものができそう、です。

 

やろうかな、今あるもの終えてからかな、という間に挟まりながら、
今日は経錦の反物を巻いていました。

 

 

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