となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「神坂雪佳」と一致するもの

2010年05月20日

10’夏 美しいキモノ


今回の発表柄は・・・

516VObdhrnL._SL500_AA300_.jpg
 →美しいキモノ10’夏


オールシーズンに結んでいただける帯ですが、
夏号に恒例掲載の『総紗縫』。
となみ2010美しいキモノ夏号.jpg

柄詳細に関しては、後日。
ヨットやカラフルな千鳥、渦巻、蜘蛛の巣など、
総紗縫の中でも個性的なものばかり、選んでいます。

両面結べる袋帯ですので、一つは無難な柄、
もう片一方は、写真のように個性的なもの。

私だったら、そんな合わせ方で結ぶなぁ。。
と思いながら、この帯たちを作りました。

また、大きな紙面で是非見てください。
(蜘蛛の巣は密かに一番右に隠れています。)

それと今回は、
『日本のきものブランド55』ということで、
雑誌社から声をかけれらて、載せているものもあります。
b.jpgc.jpg

『神坂雪佳の世界』や『伊藤若冲の世界』、
『南蛮七宝』に小物類と掲載したいものを載せました。

こういう感じで各シリーズがバラバラに並んで、
見開きで見ると、いつもと違った趣きで面白いですね。

この掲載は、毎日コツコツとモノづくりしている、
ちょっとした集大成みたいなもので、ここで発表が終わると、
一瞬だけですが、ホッとします。

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2010年03月02日

財布人気投票。

南蛮七宝を中心に、神坂雪佳の世界『海路』や
その他、ケルティックなどなどを含めて、
財布を製作しています。

まだ販売していない南蛮七宝の
人気投票を密かにしていました。

めでたく一番は、この色です。
IMG_0514.jpg
南蛮七宝』、書いているので、
良い柄です。

色目もシックな方が良いなぁと、言いながらも、
しかも、私はシックなのを持っていながらも、
このトルコブルーには惹かれます。

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2009年12月14日

京都で・・・

今日は、京都です。

色んな事情から、海外の方が
伊藤若冲の世界』を見に来られます。

若冲というと、海外の評判が日本に入ってきて、
ブームを起こしたものです。

それを意匠にしたモノを装うことに対して、
どんな反応が頂けるのか、
西陣にいると、なかなか無い機会ですので、
楽しみです。

それ以外にも、神坂雪佳唐長の文様も、
世界的にも評価されています。

それらを織で表現した『モノ』
いつもとちょっと違った楽しみです。

また報告しますね~。


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2009年11月27日

『木田安彦の世界』

無数にある、となみ帯の中には、
古典柄からシンプルな幾何学柄、
かなり個性的な柄等々、様々あります。

その中で、人間国宝の作品を意匠としたものなど、
帯を目的に作られていないモノ

(図案として描かれたものでないもの)をモチーフに
製作した帯は、他とは違った存在感を持っています。

ただ、帯にするまでの段階で、相当考えます。
『そのまま使えるし、楽そう。』と言われることも
ありますが・・・、全然そんなことはないです。。。

まず構図がそのままで使えたとしても、
ピタッとくる大きさを決めるだけでも、
微調整に相当の時間がかかります。

上手くクリアしても、必ず問題になるのが、
表現の部分です。

織物ですので、普通に考えても、
色数は大きな問題です。

また、その絵の味を表現する際にも、
作者の意図・表現自体も考えて、進めないと
織物として『何となく気が抜けた』ような帯になります。
これは、完成しないと分からないこともありますし、
すぐに気が付くこともありますし、とにかく気が抜けません。

そんなこんなしながら、すべてクリアして完成した帯は、
やはり愛着がありますし、並べても個性が際立ちます。

例えば、『若冲』の亀図、蟹図、涅槃図、鸚鵡図等々
662282943943577566699541397412730d1.jpg
 ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/105057657.html


雪佳』の金魚玉
080520_1523~0001.jpg
 ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/97441850.html


詩情夢二』より、カマキリ

080617_1211~0001.jpg
http://senpukuya5.seesaa.net/article/100822713.html

となみ織物の中には、そんな柄達が相当数あります。
それらは、全部大好きな柄です。


もう一つ、
今回京都文化博物館で行われているのが、

『木田安彦の世界』

20091126_170856.jpg

帯も、一度紹介しましたが、
とにかく圧倒的な存在感です。

kida120080821174726349.jpgkida220080821174730831.jpg
 ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/105158564.html


博物館では、木田先生の作品を見てもらいつつ
帯も見て頂けるので、ちょっと普段できな体験ができます。

もし、京都来られることがあれば、
是非足を運んでもらえれば・・・と思います。
(帯の陳列は期間限定です。)

明日この帯を製作した時の紋屋さんと
一緒に行く予定なので、詳しくは報告をします~。



61Q4mInxEQL._SL500_AA240_.jpg
木田安彦 木版画集 西国三十三所

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2009年11月27日

『木田安彦の世界』

無数にある、となみ帯の中には、
古典柄からシンプルな幾何学柄、
かなり個性的な柄等々、様々あります。

その中で、人間国宝の作品を意匠としたものなど、
帯を目的に作られていないモノ

(図案として描かれたものでないもの)をモチーフに
製作した帯は、他とは違った存在感を持っています。

ただ、帯にするまでの段階で、相当考えます。
『そのまま使えるし、楽そう。』と言われることも
ありますが・・・、全然そんなことはないです。。。

まず構図がそのままで使えたとしても、
ピタッとくる大きさを決めるだけでも、
微調整に相当の時間がかかります。

上手くクリアしても、必ず問題になるのが、
表現の部分です。

織物ですので、普通に考えても、
色数は大きな問題です。

また、その絵の味を表現する際にも、
作者の意図・表現自体も考えて、進めないと
織物として『何となく気が抜けた』ような帯になります。
これは、完成しないと分からないこともありますし、
すぐに気が付くこともありますし、とにかく気が抜けません。

そんなこんなしながら、すべてクリアして完成した帯は、
やはり愛着がありますし、並べても個性が際立ちます。

例えば、『若冲』の亀図、蟹図、涅槃図、鸚鵡図等々
662282943943577566699541397412730d1.jpg
 ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/105057657.html


雪佳』の金魚玉
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 ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/97441850.html


詩情夢二』より、カマキリ

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http://senpukuya5.seesaa.net/article/100822713.html

となみ織物の中には、そんな柄達が相当数あります。
それらは、全部大好きな柄です。


もう一つ、
今回京都文化博物館で行われているのが、

『木田安彦の世界』

20091126_170856.jpg

帯も、一度紹介しましたが、
とにかく圧倒的な存在感です。

kida120080821174726349.jpgkida220080821174730831.jpg
 ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/105158564.html


博物館では、木田先生の作品を見てもらいつつ
帯も見て頂けるので、ちょっと普段できな体験ができます。

もし、京都来られることがあれば、
是非足を運んでもらえれば・・・と思います。
(帯の陳列は期間限定です。)

明日この帯を製作した時の紋屋さんと
一緒に行く予定なので、詳しくは報告をします~。



61Q4mInxEQL._SL500_AA240_.jpg
木田安彦 木版画集 西国三十三所

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2009年08月25日

昨日の予告です。

昨日、予告していた帯

IMG_0994.JPG

丸巻の重さで100グラム台。
ほぼ、総紗縫と変わらない重さです。

柄は『藤』で、
私個人的に大好きな柄です。

暖色系の横段に
ぼかしを入れています。

総紗縫は現在、大人気で今すぐ注文を頂いても、
2か月以上納期を頂いています。

そのため、それと同じか、総紗縫と住み分けが
できそうな
(できれば結ぶ人の好みで分かれそうな)、
帯作りをしていました。

様々な条件があったので、製作は、
(オールシーズン、軽い、両面などなど)
かなり障害がありました。

例えば、経糸や横糸の太さ、種類。
だけでも、組み合わせは膨大にあります。

それに、素材で制限される色。。。
を含めて、3か月以上試作に埋もれていました。

上の写真がつい最近入ってきた、一本目です。

他にも、理論上織れる(はず・・・)
4~5柄が待機していますので、
秋以降、皆さんに少しずつ見てもらえるかな?

と思っていて、楽しみにしています。

総紗縫は上品系が多いので(例外も多いですが)、
ちょっと個性的な柄を作っていきたいと思います。

他にも『神坂雪佳の夏物』が結びたいとの声も
良く聞きますので、この辺りも今紋を製作中です。

オールシーズンのものなので、もちろん袷時期にも
結んでもらえますが、今のちょっと暑い時期に考える
と、柄に関しては順調に進んでいます。

ここ数カ月苦労した柄なので、まだ発表前から、
早く結ばれている姿を見たい、帯です。

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2009年04月21日

雀⇒海路

恒例になりそうな、着姿シリーズ。
 前回は『百樂』
  ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/117408110.html

今回は、『神坂雪佳の世界』より・・・
Image296.jpg

着物は、無地の藍染大島

写っていませんが、
帯締めは春らしい淡いグリーンの帯締め。

なかなか春らしい装いです。

この雪佳つながりで、先日言っていた
小物も紹介しておきますね。

この小物は、念願のモノです。
IMGP1691.JPG
現在、まだ小ロットでの製作ですので、
販売は限定的になっています。

『海路』シリーズ。

すでに受注上がり待ちとなっていのも
ありますので、興味ある方は是非!
 ⇒『仙福屋online』で近々並べる予定です。

『海路』の更紗ペイズリー調を自分用に、
持とうと思っていますが、
IMGP1690.JPG
先に取られてしまったようです。。。

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2009年01月31日

試作の試作の試作。

帯地の小物を今作っています。
(いつもとは、一風変わったモノづくりです。)

作っているのは、
『帯地革』を合わせたモノです。

帯地×帯地というのが今までの小物作りの
大部分でしたが、

大きく革を入れると、好みはあると思いますが、
全く別のモノに仕上がってきます。

特に、となみ織物の中にある織組織に関しては、
革との相性が抜群に良いようです。

何度か製作した中で、帯を生かしつつ、
革も生きつつ、というモノづくりになりましたが、

ようやく形になって、紹介できそうです。

写真は『試作の試作の試作』を
南蛮七宝の帯地で製作したもので、

今、使っています。
(使い勝手・縫製や生地の耐久性などチェック)

090131_1359~0001.jpg
今『海路』シリーズで製作中です。

絹糸の風合いを普段から、いつも
(スーツを着た時でも)手に持っていられます。

自分や普段着物をそこまで着ないスタッフでも
『欲しい!』と言います。

『和』普段の生活にも入っていけるように
少しずつアイテムを増やしていきたい、と思います。

そのうち、着物だけでなく洋服の生活で
持つモノも

made in tonami になれば。。。

と思っています。

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2009年01月30日

『海路・更紗』その3 絵本のような波

神坂雪佳の世界より 『海路』も、
3つ目の柄になりました。

090129_0957~0002.jpg
更紗文様のような、絵本にもありそうな波。

この柄、の段階では上手くいき、
(設計の段階なので織り上がりは想像)

目出し(試し織)の段階で、満足いかず、
(期待が大きかった?)

何回か、全工程見直し手直し、して、
最後の一回と思い、再度目出しをとると、

想像を大幅に超えた、いい柄になりました。

ちなみに、
帯は、横に通る杼の数で、コストが変わってきます。

他の海路柄と同じく、この柄も見えないような所に、
拘りましたので、そのおかげで柄に奥行きができました。

この柄も、じっと見ていると、波が動き出して、
ゆらゆらと揺られ、気持ち良くなりそうです。

090129_1009~0002.jpg

海路3柄、ずらっと並べてみると、
三つとも特色のある、柄ばかりで、

多くの中から、まずこの3柄を選べて、
正解だったかな、と思っています。

もう少しすると、小物類も少しずつですが
上がってきますので、その時は是非、

紹介しますね!

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2009年01月26日

神坂雪佳の世界より『海路・七宝』 2つ目

神坂雪佳の残した『海路』より、
七宝のような柄を見つけました。

『海路』は雪佳が旅路の際に、ずっと目の前にあった
『海』を眺めて図案化したモノと言われています。

どこが海なのか、と思って、図案を、
じっと眺めていると、

海の波がつながり見えてくるような・・・

そんな意匠です。

以前製作した、市松もそうですが、

海路の中で柄を見分けるため、『七宝』と
便宜上名前を付けています。
神坂雪佳 海路
七宝は、「四方」に広がる、の『しっぽう』から
来たとも言われています。

同じように少しずつじわりと、
広がってもらいたいと思っています。

これもテーマの『つながり』が入っています。

不思議な空気を持った柄ですので、
帯か小物で、実物をじっと見てもらいたい、

そんな柄の一つです。

南蛮七宝とは、同じ織りなのですが、
少し変えた(遊んだ)所もあるので、

持った方も気づかれないかもしれませんが、
それが個人的に気に入っている所でもあります。

今の所、三色製作する予定です。


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2009年01月18日

たまには、こんな写真も。

昨日は法事があり、北区にいました。
(もちろん、京都市のです)

うちには、犬がいるのですが、
(猫も一匹、でもこの日は見当たらず)

法事の最中、じっと机の下で、こんな感じで
寝ていました。

画像-0110.jpg

いつもなら、吠えていることもあるのですが、
画像-0109.jpg

その日は大人しくしていたので、

日記に登場させてみました。
たまには、こんなのもいいでしょう?

以前はよく『神坂雪佳の世界』にある狗児をみて、
 ⇒この犬です

『この帯の柄は、飼っている犬ですか?』

と聞かれることがありましたが、
そう言われれば・・・

やっぱり似てないですね~

法事は無事終わりました。

タグ:

2008年12月24日

年越しせずに完成!海路

何度か登場しました柄が完成しました。

『神坂雪佳の世界(海路から)』
  ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/111039492.html


『仙福屋』スタッフから、

①シンプルで

②小物にも応用出来る柄で、

③ショップだけの柄を製作してほしい。

という社内要望から製作したモノです。

081224_0908~0001.jpg

図案や図録、その他絵の載っていそうなものは、
目の前において、探した柄です。

シンプルで、少し面白みもある柄ですので、
南蛮七宝のように、少しずつ広がっていってほしい。

そんな柄です。

パッと見た感じ、何柄か分からないかもしれません。

柄自体は、神坂雪佳が残した『海路』という図案集の中の
一つの柄ですので、

モチーフは、『波』であることには、
違いありません。

『海路』という図案集から来ていますので、
今の所、『kairo』と、呼ばれています。

081224_0909~0001.jpg

織に関しては、となみ織物で一番経糸の多いもので、
この柄を織るために、横の糸を少し変えています。

持った感じは、絹の風合いと少しザラッとした
今までに感じたことの無いものです。

拡大した写真を見てもらうと(分かりにくかな?)・・・

細かい地紋を敷き詰めて、見え無い立体感を
作り出しています。

南蛮七宝とは違い、
見方によって柄が、様々に見える・・・

という不思議さはありませんが、
じっと見ていると、愛着と愛嬌が感じられる。

これもまた、不思議な魅力を思った柄になっています。

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2008年06月07日

続・金魚

以前、ブログでもメルマガにも
載せていた『金魚玉』

早速、本仕立てをして、
結んでもらいました。

このように・・・
神坂雪佳 金魚玉

帯も着物も、『神坂雪佳の世界』より、
意匠化されているものです。

この帯を結んだ人が歩くと、
水槽の水(織に変化を付けた所です)が、

チャプチャプと揺れて見えるので、

金魚も一緒に、
泳いでいるように見えます。

見れば見るほど、
愛着の湧く帯になっていきます。

タグ:

2008年05月21日

金魚玉。。

金魚玉。

きんぎょだま

キンギョダマ。
神坂雪佳 金魚玉 帯 夏物 単衣

この帯の柄名ですが、

丸い水槽に(イメージする典型的な水槽)

正面から見た金魚を意匠にした柄です。


帯じゃなくても、とても好きな柄の一つです。
(名前も、いい響きです。)


『神坂雪佳の世界』シリーズに、

一柄加わったのですが、

ちょっと異色な感じが漂っています。


涼しげな織方を、この帯のため、

新たに考えたものです。


単衣、夏を中心の織方になりましたが、

重さは、昨日の総紗縫とほぼ同じです。
(結んでいるのを忘れそうな軽さです)


一本が完成して、

裏地を付けて帯になったものを、

見ていると、ほっと癒されます。


配色や織方で苦労したのも

何処かへ行ってしまいました。


そんなことよりも、

結ばれる状態を想像します。

帯を単衣のお召しに結ばれて、

日傘持って、歩かれたら。。。。。。。。


まだ、製作中途中のものあるので、

一歩ずつ製作していきます!

金魚を見ながら・・・

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2008年05月20日

夏だけじゃ、勿体無い。

 
08 夏 美しいキモノ 紗 帯 総紗縫
美しいキモノ 08’夏
 
『本物を見てくださいね。』 とこの帯に関しては言いたい‥‥。
 
雑誌ももちろん大事ですが、
本物の透け感・質感『帯』ですね。
 
 
そして、この総紗縫、TPOに関しては、
今まで、『オールシーズン』 という言葉を枕詞に使っていました。
 
今回は、ちょっと趣向を変え、『夏だけじゃ、勿体ない』 としています。
やはり夏にも結べて、そのまま秋→冬にも継続で行っちゃって下さい。
ということを、表したかったです。
 
そんな枕詞、個人的に、 とても気に入っています。
 
 
他にも、 夏小物も沢山、掲載されています。
気づかれましたか?
 
一つは、『仙福屋の日傘』×2本 (手に持たれてます。)
 
 
 
b-1.jpg
(神坂雪佳の世界より)
 
 
少しずつ、『仙福屋の小物』は充実しています。
 
また秋にも新作が登場する予定をしていますので、是非お楽しみに!
 
 
今から、もうモノづくりの頭は秋・冬に飛んでいます。
 
 
 
 
 

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2007年11月25日

『うらも、おもても、ほそく』

『うらも、おもて』

うらも、おもて 紹巴 裏地 表地

同時期発表の『熊野古道』よりも、
少しだけ説明がいる帯です。

まず、『うらも、おもて』というのが、
タイトル兼テーマです。

この帯の特徴として、織りは紹巴織なのですが
となみ織物の『通常の紹巴』と異なり、

裏に渡る糸が少ないということがあります。
(場合によっては、全くない)

それによって、帯の裏と表、どちらも
好きな柄の中から、選択できる。

 ⇒裏も、表も区別が無い。

=『うらも、おもて』という帯になります。


簡単に上のように書きましたが、

袋帯の幅は、決まっています。


世間によくある普通の帯であれば、少し幅広く織り、
その後、広い部分を織りこみます(これが耳になります)。


そうすると、帯を結んだ際に、
耳の部分が何重にもなり、分厚くなる。


この帯シリーズは、
柄が込んだり、スッキリしたりと

様々な柄がありますが、
そのすべてを、
ほぼ帯幅に揃えます


そして、外かがり
をするので、みみがありません!

分厚くならないので、前から見た時も、お太鼓も
スッキリした着姿が出来上がる。


そんな
『魔法の帯』です。


となみの紹巴織りは、
すべてこの『魔法の帯』ですが、

今回は、どの柄を持ってきても、
ぴっちりと幅が合わせられる!


名前は、ひらがなでシンプルですが、
そんな
究極の職人技が無いと、出来ない

『うらも、おもて』という帯シリーズです。


柄は、大きい柄から、シンプルなもの、
色目も薄地から、濃い地、

特徴的な柄から、シンプルな空気のような柄まで、
幅広く、作り上げています。


今は、

『伊藤若冲の世界』

『唐長』

『神坂雪佳の世界』

『正倉院文様』

など、多岐にわたったものになりつつあります。


結び手も、
選ぶのが・結ぶのが楽しい帯だと思いますが、

作り手てが、
製作していても、楽しい帯シリーズの一つです。


余談ですが、

最初は、

『全部おもて』 『ぜんぶ、おもて』 『えらべる、おび』

などなど、色々なフレーズがあったのですが、


『うらも、おもて』という誰も主張しなかったものに、
決めてしまいました。


直観で、
惹きつけらるものがありました。。。

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2007年11月14日

うれしい気付き。

北海道にいて、

届きたての着物を見ながら、

思ったことを書いてます。

うちには、何百何千、何万?という柄があります。

もちろん、自分が生まれる前に出来たものも

かなり数多くあります。

図案庫に行くと、そこには図案が

『無数』という言葉がふさわしいほど。

見当たる範囲で、一番古そうな図案を見ていると、

『!!!』

という瞬間があります(ホンのたまにですが)。

『どっかでみたことあるような???』

その時はすぐ忘れるのですが、

しばらくたって

明治やそれ以前の江戸などの絵や作品を見ていると、

(帯・着物とは関係ないときでも)

『あれっ、これって‥‥』

とマネでも模倣でもない、何となく同じ空気

感じることがあります。

それは、かなり似ている時もあれば、

全く違うときもあります。

何十年も前の図案を見ていて、

何百年も前の図案から、そんな空気を

感じた時は、昔の人の発想や技に

少しだけ触れた感じがして、とても嬉しくなります。

さて話は戻って、

今日見ていた着物は、

近代琳派の巨匠と言われる

神坂雪佳の図案より、製作したものです。

着物だけを見ていても、

琳派らしい波が感じられます。

『神坂雪佳の御召』

『秘すれば、花』という言葉もありますが、

時々はタネを見てもらうのもいいかも知れません

具体的には、どの柄がモチーフなのか?

興味のある方は、探してみてください。

ヒントは、

以前も紹介した神坂雪佳の図案集にあります。


神坂雪佳 蝶千種・海路―近代図案コレクション (近代図案コレクション)

見つけた時は、

図案いじりをしている時の

『!!!』

という気持ちを

少しだけ味わってもらえるかも?

しれませんよ。



タグ:

2007年02月08日

打ち合わせ、な一日。。 さー大変!


 

メルマガ2月号で少し書いていました。

 

 

     『となみHPリフォーム中⇒現在、となみ織物HPをリフォームしています。
    

    かなり大掛かりに行う予定ですので、お楽しみに!
  

    『もし、こんなコーナーが欲しい~』と思われた方は、是非メールを!
         ⇒ 
info@kyo-tonami.com 

 

     完成予定は、まだまだ先の春の終わりごろになりそうです。
          (始まってもいませんので…)』

 

覚えてもらってますか?

何とか、今日がその出発日となりそうです。

随分長いこと、HPはTOPから末端まで、

 変わっていなかったので、

  

デザイン面を大幅に改定していきます。

しばらくは、皆さんのご意見をもらえるように

      ⇒info@kyo-tonami.comを、

いつも載せておきたいと思います。

良いアイディアをお待ちしています!!

今のところ、5月30日にOPENという予定ですが、

(一応、自分へのプレッシャーです。。)

とにかく見やすく迷わないものを心がけています。

プレゼントの続報も載せておきます。

トータルはこの3つです

 錦の帯地を使った懐紙入れです。

懐紙入れ.jpg

 

紬の巾着です。帯地は、『神坂雪佳』。。。」

巾着1.jpg

和紙を経に使ってます。『和紙布』という帯です。

巾着2.jpg

 現在非売品ですので、おススメです!

(前回と同じ抽選です) 

また、ご感想をお待ちしています。。。。。

 

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2006年11月29日

神坂雪佳

神坂4・左.JPGП??4E??.JPG

タグ:

2006年11月18日

ちょっと先行して…

20日は、となみ帯の雑誌掲載日です。

せっかく、ブログを見て頂いているので、

先行して…

まず、美しいキモノは…


『麹塵染め』

恒例の帯シリーズですが、今回はシンプルに仕上げています

そして、きものサロンは…


『神坂雪佳の世界』


ちょっと特集が組んであるので、お楽しみに!!

発売が待ち遠しくなってもらえました?


そうなってもらえると、嬉しいです。。


ホンの少しお得な話でした。

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