となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「漢錦」と一致するもの

2016年02月21日

きものsalon/2016春夏

今回の誌面掲載は1200経錦。

 

 

経糸で文様を織り成す「経錦」をとなみ独自に改良を加えた上、通常経錦では使わないジャガードを使って織る帯シリーズ『1200経錦』です。この織物、『どこがすごいのか?』を伝えるのが難しい(写真だけでは特に)ので、いつものイメージ写真中心だけではなく、今回は『1200経錦だから実現できた7つのコト』を記載しています。

私たちが自分たちの織物の良さをそのまま文章に書くと、マニアックになり過ぎますので、着物は好き、よく着る、ある程度作ることにも興味がある。そんなライターさんにインタビュー形式でやり取りながら、作って頂きました。

 

この帯のキーポイントは経糸。

三つの経糸を上下させることで、表に出るほとんどの柄を作ります。これが織れる機、職人は本当にかぎられていますので、今後も大切にしていきたいです。

 

 

 

 

 

参照『漢錦』/同じ1200経錦のシリーズ

イメージ写真だけよりも伝わる様になったと思います。

https://jp.pinterest.com/pin/34480753371645891/

 

 

http://amzn.to/1LzG90g

 

 

 

『掲載の打ち合わせ中』

http://www.kyo-tonami.com/godaime/2015/12/post-2294.html

 

2015年10月17日

もっとモノづくりができそうです。

 

いつもは大勢の人が入ることのない機場。先週、大勢のスタッフとお客様がお邪魔させてもらったので、そのお礼と販売現場スタッフの研修も兼ねて、再びお邪魔してきました。となみ織物のほとんど織組織は複雑なモノが多く、その職人、その機でしか織れないモノばかりです。『物凄く素晴らしい。』とか『非常に難しい織物。』と人を通じて聞かされても、もちろん勉強にはなりますが、やはり織る現場を見るのが一番でしたので、いい刺激だったと思います。

 

総紗縫にしても、『バケモノ』と言われるほど手間の込んだことをして織っています(今日もそんな話が上がっています)が、仕上がった織物を見るだけでは、その手間の全てを感じることは難しいです。折角だったら、その凄さを結ばれる方に『自分の帯ってそんなに凄いんだ』と知って頂きたいです。(ちなみに、その複雑な組織のために、経糸が切れてしまったら、繋ぐのに一日掛かってしまいます。そんなことは、織物を見るだけではなかなかわかりません。)

 

実際に、今週先週だけで『この織物は過小評価され過ぎて勿体無い。』。そんな織物がありました。
(その一つが漢錦です。)

 

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(たまたま、一緒に行った常務柄を織っておられたので、いい話が出来たと思います。)

 

他にも、そんな織物はありますが、まずは一つずつ掘り起こして、もう一度モノづくりをやり直しができそうなモノはやっていきます。
そのためには、継続して、もう少し現場同士やり取りする必要がありそうです。これもイキナリではなくて、少しずつ。

2015年05月04日

 

GW2日目。

持って帰ってきた資料の整理をしようと、ザーッと写真を開けると・・・。
(Macの『写真』です。)

 

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『南蛮七宝大島紬+漢錦(経錦)』

 

まずこれに目が行きました。

おそらく南蛮七宝、最後の大島紬『割り込み』バージョンです。

絣が特長になり、様々素晴らしいところがありますが、
この着物はトントンと織っているリズムもイイ(とても分かり難くて、すみません。。。)です。

 

全て織り終わるまで、まだ一年は掛かるので、それまでに奄美へ行って
製織を音とともに撮らせて頂きたいと考えています。

 

それは置いておいて、上の写真はこの反物が上がってきた際に
何色を合わせよう⇒この着物をイメージしてどんな色の帯を作ろう?と
撮ったモノです。

 

それで選んだのは、紹巴織でも二重織でも、総紗縫でも無くて、
経錦の緑。経て出しの織物ですので、色が緯で織ったものよりも生に近い、
新鮮な?緑色です。

 

もちろん、これ以外にいろんな色味にコーディネートできますが、
敢えて、ムリしてでも自分が合わせてみたかったモノです。

スッと馴染んでくれたので、色に関しては問題なく、この反物からキッカケもらった、
イメージを膨らませて、そんな柄を考えて行きたいです。

 

筬を打つ音を聞きに行けばイイ図案ができるかもしれませんね~。

 

そんなわけで、ほとんど入り口で止まった整理でした(笑)。

2015年04月25日

これから数ヶ月は経錦にハマります。

 

しばらくは『しぼ織』で御召緯の縮む具合と対峙していました。
次の『しぼ』に掛かるのは、少し時間を開けた方がイイので、今度は『経錦』へ。

今までのものは、ある程度は自分たちでコントロールしながら、
やるだけやって後は自然に任せていたモノづくり。

今度はかっちりとした紋の中でのモノづくり。
性質は反対くらい異なる織組織です。

 

この『経錦』=『漢錦(あやにしき)』、目立つのはこの様な大柄。
UPするととても評判の良いシリーズですが・・・、

 

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 ⇒Facebook
 ⇒https://www.pinterest.com/senpukuya5/漢錦/

 

 

本当はこういった帯ばかりでなく、結構質素な(笑)柄も得意です。
少し前に『鳴錦』シリーズで製作していたモノは、モリスの静かな壁紙みたいな柄が
多く、目立つとは言いづらい。でも根強い人気のある帯群でした。

 

ここで書く自分もそうですが、この織組織はできれば柄だけでなく、結び心地に注目
して頂きたいです。触った感じは、(打ち込みも違うので)紹巴織よりも少し固く、
表面に凹凸がすくないため、紹巴織と似ている様に思われることが多いです。

 

ただ、結ぶと紹巴織の緯で柄を作るのとは違って、経てで柄を作る織物です。
どちらが結びやすい?ではなくて、結び心地の感覚自体が異なります。
(だから紹巴に慣れきってしまうと、切り替えが必要かな?)

 

文章にするのは難しいのですが、この漢錦の結び心地にハマってしまうと、
紹巴に比べて柄はグッと少ない、経錦の柄探し、もしくは新柄待ちとなってしまいます。

 

機が一台、職人も一人と、となみ織物の中ではマイナーな織物ですが、
是非、試して頂きたいです。

 

そんな風に心からお勧めしたい、織物にしばらくは自分もハマって行きたいです。
楽しみにしていて下さい。

 

明日からは、久々の新潟へ行ってきます!

そう遠くならないうちに、久々の北海道も行きたいな〜。
と企画中しています。。。

2014年10月31日

気になる織物経錦。

 

となみ織物のメイン組織の一つでもあって、昔ずっと担当として関わっていたので、
紹巴織は今でも色んなチャレンジをしたくなる織物です。

その紹巴織は緯の織物⇒基本的に経糸は単色無地で、緯で柄を織り成していきます。

そして、その紹巴織とは反対の考え方に『経錦』(経で柄を作ります。)があります。

となみ織物では基本構造は『経錦』と同じで、そこからデメリットを無くす改良を加えた
『漢錦』という織物の名前で製織しています。

ちなみに、この丸巻きが自分の横にあったりすると、何かの会話の途中でも、
無意識に触って巻き直していたくなる、とても気になる織物の一つです。

 

丸巻きでも気になりますが、今日上がってきたバッグを見ると・・・

IMG_1423.jpg
『漢錦/ほわほわバッグ』

 

織物としての陰影が普段見る感じよりも、さらに強調されて見ることができるので、
もっとこうしたら、面白いものができるとか、特性を活かして作れそう、等々、
モノづくりをしていきたくなります。

 

特に今は、頭が緯中心の紹巴織状態ですので、触ったから、こんがらがりながらも、
面白いものができそう、です。

 

やろうかな、今あるもの終えてからかな、という間に挟まりながら、
今日は経錦の反物を巻いていました。

 

 

2014年10月09日

経錦の南蛮七宝文様

 

漢代(2000年以上昔)より織られていた経錦。

名前の通り、経糸で柄を作る織物ですが、色や柄の制限、複雑な設計等々から、
その後に来た緯錦によって、ほぼ置き換えられた織組織です。

 

西陣でも『経錦織れますよ。』というと、『おっ。』となる少し珍しい織物ですが、
持った感じの風合い、結んだ時の絹の感触は本当に独特で、この織物のファンもおられます。

 

となみ織物では、以前典型的な経錦を織っていて、現在はそこから改良を重ね、
経錦の制限の一つ、柄に関して克服した新しい経錦を織っています。

それが、『漢錦』です。

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織れる機も少ないので、意匠図を起こしても、なかなか織れない状態が続いていますが、
やっと待機していた『南蛮七宝文様』の経錦が機に掛かりました。

 

この織物特長でもあり、非常に悩む点でもある、現在進行形で悩まされていますが、
まずは第一歩すすみました。

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とことんシンプルな紋で経錦を上げていますの、独特の風合いを南蛮七宝でも感じてもらえればいいな。
と思っています。

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2012年07月24日

色を変えて三色。

 

経錦で角帯を織りました。

 

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漢錦角帯(1200経錦)』

 

経錦は経の糸目がメインで表に出てくるので、

最初の経糸色の組み合わせが一番の肝です。

 

ビビットな色を使えば、その経糸を織り上げるまで、

ずっとその色のことを考え続けます。

この辺りが緯糸(緯糸)で色が変わる織物との違いです。

 

ですので、写真は全て違う経糸で織り上げたもので、

すべてキレイなイメージ通りの色目が出ています。

 

この角帯、特徴は結ぶ時にギューという音が、一番鳴る織物ですので、

きぬずれ音の好きな方には、オススメの帯です。

 

ちなみに、この組織の角帯はカラフルなものばかりです。。。

 

 

経錦はこちら

 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime/2011/12/post-1547.html

 

2012年01月31日

たてのせかい

 

太子間道好きとしては、太子間道の柄が織り上がってくると、

少しテンションが上がります。

 

IMGP6702.jpg

漢錦/作楽』

 

写真の柄は、織が『経の織物』(=経錦)です。

『西陣』は緯(横)の織物が中心ですので、大きな目で見ると、

この『経』中心の織物でモノづくりすることは、少しいつもと勝手が違います。

 

経の織物は、珍しいわけではなくて、何百年〜も昔から織られてはきました。

ただ、西陣では織物が複雑になるにつれて、生産量は少なくなっています。

 

現在、自分の興味がその『経』へ行っている所ですので、

今は文献等に当たって、進めているところです。

 

もちろん、緯の世界もやることは、いっぱいあるのですが、

少しプリミティブな世界にも足を運んでやっていきたいです。

 

今日は、そんなことをモノづくりの打ち合わせで話していました。

 

IMG_2721.jpg

 

少し前、となみ織物で『経』というと、

経糸を増やした風通組織で織り上げたものがあります。

 

この辺りからも、今すぐにでもモノづくりのイメージが

出てきそうなんですが・・・。

 

2012年01月25日

着物姿を三つばかり・・・。

 

昨日は名古屋に一日行って、着物に囲まれていました。

沢山、となみの帯を結ばれている方がおられたので、

一瞬立ち止まってもらい、パチリと撮らせもらっています。

 

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『紹巴織/作楽;投網』

 

 

IMG_2633.jpg

総紗縫/光彩』

 

 

IMG_2632.jpg

『経錦/漢錦

 

皆さん、着物と近い色目のコーディネートをされていましたが、

帯や帯締めのどこかに利き色を入れて、上手くまとめてられていました。

 

コーディネートで合う合わないという声を良く聞きますが、

それよりも、その時一瞬の帯・着物、帯締め、帯揚げなどの

組み合わせを楽しみたいですね〜。

 

 

2011年12月16日

札幌です。

 

しばらく、京都から比べると、極寒の札幌でとうとう

風邪を引いてしまいました。やはり寒いです。。

 

IMG_1749.jpg

 

風邪薬で頭もぼーっとの状態ですし、外見ているだけで、雪に時計台や、青空に雪を

見ているだけで、とても綺麗なので、数日はモノづくり、ストップです。

 

その代わりに、この札幌で楽しいのは、みなさんのコーディネートです。

 

ここで紹介するのは、帯と着物、帯締め、帯揚げだけではなくて、

帯留めも加えた印象的なものです。

 

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『漢錦×モレッティしゃちほこ』

 

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『総紗縫×純銀葵』

 

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『南蛮七宝×純銀葵大』

 

数日間は、こういった中で楽しんでいました。

 

夜に京都へ戻ります。

 

 

 

2011年10月22日

乱菊に帯留めも乱菊。

 

IMG_0452.jpg

 

こんな帯留めが上がって来ました。

吹き出しのような、花火のような、なんとも言えない形ですが、

モチーフは、漢錦の帯です。

 

IMG_0447.jpg

漢錦;乱菊』

 

この帯は、美しいキモノで紹介していたり、

他の雑誌でも取り上げられていたり、と何かと注目を浴びていて、

皆さんからの人気もあるという、帯の中でとても幸せな一本です。

 

通常、帯留めをコーディネートとなると、

着姿のポイントになったり、帯に柄を足したり、となります。

 

今回は、それとはちょっと意味合いを変えて、帯留めに空間を作ってもらいました。

こんな風にです。

 

IMG_0446.jpg

 

同じ乱菊で色目も同じで、一見合わせると、あまり意味のなさそうなコーディネート

見えますが、上に乗せてみると、帯留めの黒部分で隙間ができて、

少し面白い、少し変わった雰囲気を作れたような気がします。

 

もちろん、色々な帯に合わせてもらえれば、いいのですが、

個人的には、この親菊、小菊みたいな関係は、いつか結んでもらいたいなぁ、

と勝手に思ってしまっています。

 

通す三分紐によっても、大きくイメージが変わりそうですし

(もしかして着物以上に)、この帯が好きな人、こんな感じの帯を結ばれている方は、

試す価値ありかも、です。。

 

 

2011年08月19日

美しいキモノ 11'秋 『漢錦』

 

昨日の予告通り、今日は新作の紹介です。

 

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   →amazonへ

 

20日発売の美しいキモノに今回掲載するのは・・・。

 

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『漢錦(あやにしき)』

 

という帯です。

 

この日記上にも、もしかして初登場かもしれません。

 

織りは・・・。

等々の詳細は、またメルマガ等で書きたいと思いますが、

経錦(たてにしき)という経を中心にして柄を作る織物を

となみ織物が独自に改良したものです。

 

いろんな改良を加えているので、色んな事が出来て

柄を作るときには、とてもワクワクする組織です。

 

ただ、織るのに難しく配色の決め方にも相当悩むなど、

結ぶ際には全く関係のない所の欠点は一杯ありますが、

風合いや生地の薄さなど、超がつく独特の織物です。

 

今回紹介したモノでも、万人受けのするものは少ないと思います。

(撮影用にと、奇をてらって変わった柄を選んだわけでは無いのですが・・・)

結構、個性的なものが集まっていて、楽しいページになったと思います。

 

このページ、

ここ数年はカメラマンの人とワクワクするようなモノを作ろうとして、

毎回楽しんで作っていますが(周りも最近は納得気味です)、

今回も帯締めとコラボさせて、またちょっとPOPな感じで面白いと思います。

(帯と帯締め、それぞれの色目にも注目してくださいね。)

 

評判は色んな所で聞けると思いますので、次回も帯の存在が消えないような、

自分たちが見ても面白いモノを作りたいです。

 

帯はどうしても帯なので、ここに掲載するときぐらい帯らしく見えなくても、

いいのかな?と思っていつもやっています。。。

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