となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > > 意匠図を説明していました。

2012年01月20日

意匠図を説明していました。

 

先日、本社へ来られたお客さんが、

帯について、製作部分の深い所まで聞いてこられたので、

専門的になことも加えつつ、説明していました。

 

素材のこと、紋図や図案、織り機など、その他にも、

あまり入りすぎると、全体が掴めなくなるので、そうならない程度、

できる限りのはなしを伝えました。

 

その中で、特に興味を持たれたのは、意匠図です。

この日記でも過去なんども登場しましたが、

普通、織物を詳しくないと難しく感じてしまいます。

 

来られていたお客さんも織ること自体は

『がちゃん、がちゃん』と何となくイメージできる、

図案も判る、でも意匠図っていうのが、なかなか・・・。』

とイメージを掴みにくいようです。

 

ある意味、柄に関しての設計図なのですが、

織物全体(組織)を作る設計図とは、また違いますので、

世間で言う典型的な設計図ともちょっと違う。

少し立ち位置を理解するのが難しいモノです。

 

この方は、どんどん突っ込まれて聞いてこられたので、

こちらも喜んで説明→説明を受ければ受けるほど、

職人の深ーい深みにハマられたようです。

 

 

そんな状態になっても職人の作業現場や私達がモノを作っている

現場も見たい、という話もありましたので、

それはまた頃合いをみてご招待する予定です。

(職人になりたいのかな?という疑問が湧きました。)

 

そんな意匠図ですが、社内ではそう呼ばず、簡単に

『紋図取って〜。』とか『あの紋、どうなった?』と、

『もんず』や『もん』と相当気軽に呼んでいます。

 

 

ただ、作る際には・・・。

DSC_7492 _Snapseed.jpg

 

こうやって、一つずつマス目を筆で潰して行き、

経糸と緯糸が渡る様子を具体的に想像しながら、

製作していかなければなりません。

 

写真で言うと、一マス一マスが糸の交差点で、

これによって柄が織り成されています。

 

この製作する前段階は、

実際に紋図を制作する職人と私達とが打合せをします。

場合によって何ヶ月と進まないこともあり、そのまま織物自体中止と

なることもあります。

 

紋図自体も、職人さんと私達が何ヶ月も掛かって製作するものなので、

コスト的にも非常に高価なものです。

ですので、たまに新入スタッフが触っていたりすると、

遠目で、ちょっとドキドキしながら、見守っています。

 

和紙で出来ていて丈夫ですが、投げない、踏まない、またがない、

開けるときはゆっくり開ける。

と当たり前のルールを会社へ入った後は、注意を受けます。

 

 

またこの『意匠図』、これを上のように製作していく技術は、

残念ながら、ほぼ西陣で失われつつあります。。。

 

 

製作しているのは、以前『涅槃図』のものです。

 

IMGP6558 _Snapseed.jpg

 

西陣は、超高度で強烈な技が集まって、一つのものを製作して

いきますので、少しでも興味の有る方が、この職人の技に触れれば、

とりこになってしまうと思います。

 

 

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