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先日『CandyCircus/ラムネハウス』UPしたところブログFBともに、 評判が良かったので、この織物の織組織『紹巴織』について、少しだけ書いておきます。

また、この帯は、今年中には完成しませんので、 自分への備忘録的な感じでも残しておきたいです。

まずこの織物の特長としては、緻密な織に高い表現力。 神坂雪佳・伊藤若冲の世界等の帯シリーズを作るときにもよく用いられ、 今までのCandyCircusシリーズでも一番多くの柄をこの織りで制作しています。

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帯を作り始めた頃(随分と前です)、この紹巴織で何とか帯の形にしたくて、 手探りでモノづくりしてみましたが、思っていた以上に大変で、 なかなか意匠図作りが進まなかった、記憶があります。 (かなりの覚悟して入りましたが、その上を行きました・・・。苦笑)

他の織物と比べて織組織自体が特殊なので、余分に考えるべきことがあります。 それがまずこの織物を完成させるためのハードルになります。

また、最初の関門が大きくて高い。 それは、帯の地色すらを思っている色にするのが難しいこと。これが細部の表現が難しい、となると、シンプルな柄だったらモノづくり初心者には取っ付き易いのに、地色という、まず最初にお客さんが目にされる部分なので、そこが困難となると、なかなかモノづくり初心者にはとっつきにくい。

ちなみにこんな感じです。 地を作る部分にはシャットルが常に三色分あるので、それが混ざった色が地色となります。 また順番によって色が変わってくるので、 たとえば①しろ・黒・黄色→②黄色・白・黒、と並びが変わると色の印象も変わります。

ですので、自分の帯にしたい色を作るには、沢山の試作作りと今までの蓄積がないと、 まず地色作りで止まってしまいます。さらに織物の性質上、色数は制限されるので、 紹巴織の持つ緻密さゆえ、作り込みの方向を間違えると再現性が落ちます。

細かい織物なので、どんな表現でも出来そうな気になりますが、 実質使える色は約10色。上手くデフォルメをしないと、帯のクオリティが下がります。

個人的に気をつけることですが、緻密さを追求過ぎると織物から遠くなること。 再現し過ぎると、面白みや味が薄くなり、反対に再現できないと、 織りの技術、制作者としての技量が欠けるように思います。 そんなバランスが難しい織物でもあります。

表現すべき輪郭はとことん緻密に織りで表現。後は空気感をどう織りで表現するために、 意匠図に落とし込むのか?そこに最大限気を払ってモノづくりをして、 お客さんからは『手に入れて結びたい。』そう思ってもらえるように。 モノ作りをする。

時々、技術に走り、見失いがちになってしまうので、 今日はこれを書いて、この帯を作り始めた感覚を来年の完成まで、忘れずに持って行くこと。 これが年末の最後の大仕事です。

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