となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > じまん業

2015年02月22日

今回はきものsalonで『琳派400年』。

 

今回から『きものsalon』に誌面を移りましたので、
何件かのお問い合わせを頂きました。

『やめました?』

『見つかりませんよ。』

『ネタ切れですか?』←これは笑いながら。。

 

スクリーンショット 2015-01-23 15.31.21.jpg
 『15’きものsalon春夏』

 

理由は様々ありますが、久々に戻って来て今までの環境から変わると、
打ち合わせから撮影、コピーまで新鮮でした。

 

雑誌社からも今後一緒になっての取り組み等も提案して頂いていますので、
なにか新しいことができるかもしれません。それを楽しみにしています。

 

年に4回から2回に露出する回数が減りますので、3つ目の問い合わせの様に、
ネタ切れや経費削減と言われますが(笑)、その場では『そうそう』と答えていますが、
おそらく例年以上に、モノづくりも露出も増える予定をしています。

 

もし、今年が終わる時に面白くなかったら、ぜひ酷評をお待ちしています。

そうならないよう頑張ります!

 

今回は『神坂雪佳の世界』。

琳派400年の記念もあって載せましたが、となみ織物的には今年が記念だから、
というよりも、今後も続けてやっていきます。そんな意思表明の意味合いの方が、
大きいです。

 

誌面移動で大きな反響がありましたので、載せました。
今後もよろしくお願い致します。

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2015年02月15日

消えた絣、泥藍南蛮七宝。

 

とうとう上がってきました。

IMG_4184.jpg
南蛮七宝文様/大島紬・泥藍』

 

この『南蛮七宝の大島紬』では泥茶から始まり、白、リングしーぎ&しーぎ、夏、
そしてこの泥藍です。

今までの南蛮七宝文様の大島紬は、常識的な最小ロットで限定生産しています。
この藍も8反のみで終了です。

 

一番、取っ掛かりの泥の時も様々なアクシデントがあり、白も、しーぎも夏も、
ひと通りハプンニングがあったモノづくりでした。一応、これが最後となる予定です。

 

織り上がると大島紬は証紙を付けるために、検査場に行きます。
そこで、今は泥と藍の大島はほとんど織られていないため、まだ織ってたんだと絶句されたそうです。

 

そんな希少なものですが、それはこの絣糸を見て頂ければ理由がわかります。

 

unnamed.jpg

 

この写真は絣糸ですが、あるはずの絣が見えません。

通常は、『泥染めした部分の茶』×『染まっていた無い糸の白』、『同じく藍×白』なので、
絣糸の濃淡は、白く一際目立ちます。


それがこの泥藍では、極端に見難いです。

 

これらの糸を機に掛けて、絣をタテ・ヨコで合わせながら織っていく。
やはり高齢化が進んだ現場では、非常に合わせづらく、通常のものよりも時間が掛かる、
もしくは進まない織物になっています。

そのため、職とするには、今では織れても織りたいと思う職人が減ってしまった・・・、
そんな大島紬です(それでも織って頂けるので、最後を飾るのに相応しい。)

 

去年前半は、南蛮七宝を見て頂く機会が展示会等でも何度かありましたが、途中これら大島紬やその他
限定のモノが見て頂けるほど無かったので、中止または延期となりました。

そこから少しずつモノづくりをして新作も出来ましたので、今年の春過ぎくらいから、
この泥藍染めはじめ南蛮七宝の世界を、また見て頂ければと思います。

 

この反物は、しばらく京都に陳列して眺めていたいです。

 

 

 

 

 

 

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2015年02月14日

会社上げて『一楽』。

 

昨日、『一楽』の着物が上がってきたので、撮影をしました。

SDIM0021.jpg

 

常務が作るシリーズでFacebookにも帯で6柄、着物で1柄紹介してきました。
訪問着に関しては一柄一色、一枚限りの限定品です。

 

このシリーズに共通するのが、徹底した意匠の削ぎ落とし。
織物の特性を活かし、拘りを練り込むようにして製作されたモノづくりです。

大柄でドン、という柄ではないので、写真で伝えるのが、今まででダントツに一番難しいです。
最初は色すらでん。そんな調子でした。(常務シリーズなので、作り手の伝えたいことが伝わると良いのですが。。。)

 

今まで、となみ織物では少ない傾向の柄ですので、今後どうなって行くのか?
私も周りも楽しみにしています。

 

自分はこの着物を見ながら、作楽のどの帯が合うか?と勝手に想像していました。
地色が上品な色のため、さまざま合わせれます、それがまた悩む所です
FBは一楽×一楽コーディネート)。

 

今社内では、特に若手中心にモノづくりが盛り上がっていていますので、それぞれのスタッフが自分の括り、
ブランドを持て、ブレずに拘りを持ったシリーズが出来て、独り立ちしていくのを楽しみにしています。

 

 

 

 

 

2013年12月12日

13'紗んた

 

風邪、ちょっとマシになりました。

色々とお気遣いありがとうございますm(__)m

 

こういう時は、大まかなことを進めるのは良いのですが、
配色の詰めとか、紋の上げ方はあまり適さないので、静かに図案の整理や
書き残した途中の案などをザーッと制作しています。

 

後は、こないだ上がって来た『紗んた(しゃんた)』を写真撮ってみるとか。

 

IMG_4165.jpg

 

年末に向けて、ちょこちょこと面白い小物が上がってきています。

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2012年12月12日

新品にしました。

 

最初のお財布は、その型の一番試作でした。

使い出したのは、一年半前。

 

その頃は帯地にコーティングというのも始めたばっかりだったので、

素材、生地的なものや加工方法も手探り。

しかもわたしは使い方が荒い(耐久性を試すには最適です)。

 

良い条件はあまり無い中で、デザインはもちろんこと、使い勝手、

耐久性はバッチリでした。

 

で、今まで使っていたモノは殿堂入りで、

ようやく自分用の完成品を今日から使い始めることができました。

 

L1180625.jpg

『南蛮七宝/二重織コーティング』

 

前のバージョンも気に入っていましたが、

やはり新しいのはワクワクしながら周りに見せますので、

しばらく振りにイイ気持ちに浸っています。

 

初期の試作と比べて、多少のマイナーチェンジはしていますので、

機能的な部分は更に良くなっています。

 

ということで、

唯一の欠点は、見せたくなること=財布の出番が増えることかもしれません。。。

 

他にも、新しい柄でも製作しています。

それらは、おそらく春頃に紹介できると思います。

 

楽しみにしていて下さい!

2012年05月28日

美しいキモノ 12'夏

 

まだ、週が明けても声が出にくく、

風邪がなかなか抜けない状態の月曜日です。

 

これを紹介するのを忘れているよ〜、

というお言葉いただきました。

 

夏物の新作発表です。

 

上品綟2.jpg

『上品綟(&総紗縫)』()がつく理由は・・・。

 

プレ段階のモノですので、実際に掲載されているものとは、

タイトル、文言、少し色目も異なっていて、比較するのも面白い、と思います。

 

詳細は、次回メルマガ等で見て頂くとして、一番影に隠れていそうな帯の

コーディネート例を紹介しておきますね。

 

IMG_4964.jpg

 

となみ織物の作る新しい織りの夏物です。


 

 

 

 

 

 

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   →美しいきもの『夏』

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2010年08月20日

先ほどの続き。きものサロン


コーディネートの中にこの柄がありました。
シンプルな御召とのコーディネートがとても素敵でした。

IMGP3284.jpg

こうして、帯単体で見るのと、着物とコーディネートして、
動きのある状態で見るのとは、帯自体が大きく違って見えます。

もし、確認したい方はきものサロンで(P、48)。。
(最初は私も見逃してしまいましたので、ページを書いておきました。)


IMGP3299.jpg
裏にもモリス調の横段。

発表からある程度期間が経っていますが、
全く色あせない帯ですね。。
 →http://senpukuya5.seesaa.net/article/22612452.html


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 →きものサロン

2010年08月19日

美しいキモノ10’秋 『若冲』

もうこんな季節です。

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 →美しいキモノ

最初の一ベージを開いて、となみ織物の新作発表のところまで、
ページをめくっていくのが、いつまでたってもワクワクします

もちろん、前もって原稿は見ます。
ただし。実際の帯の色目と印刷の色目とを、最後の最後まで合わせようとします。

物理的に『締め切り』という時間が決まっているので、100%とはいえませんが、
時には校正の所で糸まで送って、色目を合わせますので、
ページを開く時は大緊張の一瞬です。

今回は・・・
黒地ベースの、『伊藤若冲の世界
IMG_0167_2.jpg
→『伊藤若冲の世界

リングのようなうねりを付けて撮影しました。
実物を触ってもらえる機会が少ないので、できる限り帯の雰囲気を
表そうとした結果、このような構図にしました。

一番全面に出ている帯は、
パリのファッションショーでも使ったものと同柄です

パリ.jpg
→http://senpukuya5.seesaa.net/article/141611211.html

個人的に、この帯の柄はぎゅっと詰まっているようでいて、
結ぶとスッキリ見えて、バランスが
取れる所が好きです。

赤無垢とも合わせれるほどの、コーディネートし易さも
魅力的な帯です(あまりこんな帯も無いと思いますね?)。

後の2本も、個性的なものですが、
流水の帯は、着姿に格調を。もう一本の若冲のニワトリ柄は、面白さを
与えてくれます。

3本とも中間色を見極めながら、配色しているモノですので、
実物を見られたら、どこか優しさを感じてもらえると思いますよ。

また、皆さんの評判がとても楽しみです。

そろそろ、次の冬発表の話も出てきますので、
次も楽しみにしていてください。
(と、自分にプレッシャーを掛けています。)

2010年05月20日

10’夏 美しいキモノ


今回の発表柄は・・・

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 →美しいキモノ10’夏


オールシーズンに結んでいただける帯ですが、
夏号に恒例掲載の『総紗縫』。
となみ2010美しいキモノ夏号.jpg

柄詳細に関しては、後日。
ヨットやカラフルな千鳥、渦巻、蜘蛛の巣など、
総紗縫の中でも個性的なものばかり、選んでいます。

両面結べる袋帯ですので、一つは無難な柄、
もう片一方は、写真のように個性的なもの。

私だったら、そんな合わせ方で結ぶなぁ。。
と思いながら、この帯たちを作りました。

また、大きな紙面で是非見てください。
(蜘蛛の巣は密かに一番右に隠れています。)

それと今回は、
『日本のきものブランド55』ということで、
雑誌社から声をかけれらて、載せているものもあります。
b.jpgc.jpg

『神坂雪佳の世界』や『伊藤若冲の世界』、
『南蛮七宝』に小物類と掲載したいものを載せました。

こういう感じで各シリーズがバラバラに並んで、
見開きで見ると、いつもと違った趣きで面白いですね。

この掲載は、毎日コツコツとモノづくりしている、
ちょっとした集大成みたいなもので、ここで発表が終わると、
一瞬だけですが、ホッとします。

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2008年08月20日

秋は若冲 美しいきもの

恒例の新作発表です。

今回の『美しいきもの』は、




美しいキモノ 2008年 09月号 [雑誌]


伊藤若冲の世界
です。

ちなみに・・・
今までの伊藤若冲はというと、

 (鸚鵡図、瓢箪図、雄鶏図)

 (月梅図、青桐に砂糖鳥図、葡萄図)


今回は、もう少し趣向を変えています。

帯の実物を見られた方は、気が付かれているかもしれません。

 (櫟に鸚哥、群亀図、果蔬涅槃図、蟹図)

通常の写真撮影をして、後に、

色を減らしています(本当はもう少しカラフルです)。

そのため、全体がグレーっぽくなっています。

これには理由が何点かあります。

一つには、

今回紹介した帯は『伊藤若冲の世界』中でも、製作の際に

時間を相当掛けて、配色しています。

その帯の配色で時間をかけ拘ったところの色を残しています。

私が、この4本の帯を見ている感覚に近いと思います。

二つ目に、

若冲の原画は、素晴らしい繊細さと色目が特徴です。

それを織りで出来る限り表現を試みていますので、若冲の帯は、色柄を通常よりも深く見てもらいたいです。

ただ、残念ながら印刷の場合、色目は出しづらいのが現状です

ですので、4本の帯を大きく配置し色目よりも柄に注目してみて頂けるようにとしています。

他にも、

遊び心がある帯の意匠なので、そのまま載せるのではなく、様々遊んでみたかったというのももちろんありますが・・・。

そして、これらの柄の個性と同じで、もうすでに賛否両論様々なご意見を頂いています。

モノづくりに関わっている以上、ほしいのは皆さんのご意見です。

次回は、

シンプルに帯を紹介したいと思います(多分ですが・・・)。

やはり、製作に関わったものは、様々拘りたくなります。

皆さんのご意見もお待ちしています。

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