となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 唐長

2016年03月24日

少し遠出。輪宝文/御召

 

新作御召の打ち合わせを現場で行ってきました。
市内から少々離れていますので、営業時間内に日帰り出来る距離ですので、旅行と行かないまでも、車内でも十二分打ち合わせができます。新幹線では自分の仕事にグッと入りがちですが、車では(寝ないので)途切れずお互い話しし続けて、案が出れば、それをメモをする。図案や新しい織組織の前の前の前の・・・段階ではありますが、共通認識を作るためにも役に立ちます。これも、一つのモノづくりです。

 

さてさて、着物を作るのは、帯のモノづくりと似ている部分と、そうでないところ。もちろんあります。

みなさんの目からすると、帯と着物(織り物の場合)のモノづくりはどのように映っておられるのでしょうね?帯つくりにどっぷりと入ってる立場から見ると、さすがに客観的には見れませんので、もう分からなくなっています(苦笑)。似ている様な感覚で進めていると、さっぱり分からない所もあったり、反対に帯で当たり前に行っていることが、新鮮だったり・・・。帯あっての着物、着物あっての帯、そのあたりがモノづくりにも反映しているようです。

 

今回ここへ来るにあたって、一つの目的はこの輪宝文の御召をみること。紆余曲折がありましたので、少し心配していましたが、無事最終試験の目出しも上がっていて、いい仕上がりです。また、機に掛ける前の輪宝文の紋紙を見ることが出来たは、とても良い収穫でした(西陣では紋紙を見る機会は少ないので・・・)。

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今のところ、濃い地色よりも薄地の方が面白そうなので、これからの季節(仕立てしたら間に合うかな??)、楽しみです。自分としても、一枚羽織作りたいと思っています。また、上がり次第、紹介しますね。

 

他にも、今までのモノを風通組織に改良を加えられそうなモノ、以前11月末に紹介した木花御召の完成品直前等、充実していたと思います。今までの帯でもコーディネートできますが、新しいカタチの着物を見ると、また帯を作ろう!そんな気持ちも盛り上がりますので、また明日から頑張ります。

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2016年03月23日

もうそろそろ上がり始めます。

 

今年も夏に向けて(早いですね〜)準備を進めている着物があります。

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生地は去年から織り始めた『南蛮七宝文様/紋紗』。

 

折角の南蛮七宝の夏着物。自分へのハードルを高くして、一つの反物を染めた後、染料は破棄=同じ色は作らない⇒『全部違う色』。この着物は、そういうコンセプトで製作しています(各色1反限り)。

 

こんな意見もありました、『とは言っても(色は無数にあるから)ちょっと変えれば、どれだけでも作れんじゃないですか?』。たしかにそれはその通りですが、『これ売れそう。』と、元の色から作る微妙な色違いの反物を作っても、モノづくり的には全く全く面白くありません。だから、色を考えて、考えて悩んで、作りたい色が無くなってしまった時点、そこで、この夏の着物は終了となる予定です。

 

そんな色つくりですが、去年染めに出す予定でまだ染めていない色もあります。それらは(もう一度精査して使う色、そうでない色は出てくると思います)今までの流れとして、継続してやっていきます。続けて、今年出す色。それは去年から今年にかけて一年間、唐長さんにより深く入ってモノづくりさせてもらった、その上での色つくり。この2つがどう変わるのか?

見た目からして違うのか?着た段階で、それとも帯を合わせた段階で変わるのか?
 

怖いようでいて、楽しみでもあります。

2016年03月17日

少し新しいことをした南蛮七宝。いよいよ。

 

2016春夏『きものSalon』の左下。

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『きものSalon春夏 p130』

 

『きものSalon編集長好み』の南蛮七宝の袋帯。
初めの一本が仕立て上がってきました。今日、結んでもらうべく発送しました。

仕立て上げると、芯の厚みで表地が僅かに持ち上がり、ふっくらとして、反物の時よりも遥かによく見えます。
(でも、写真を撮るのを忘れてしまった・・・。すみません。)

 

そう書いておいて、今日の所はこの丸巻きの写真で・・・。
(裏地は初お目見えです。)

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紹巴織ではあまりしない(特に最近では見ない)、金糸を全面に通しています。正確には金糸と通常の糸を混ぜ、糸に光沢を与えつつ、光らせ過ぎないように、抑えることをしています。金も銀も同じことを行っていますので、奥から輝きが出てくるような上品さに仕上がっています。


ただ、目出し段階での試験はしているものの、全面に金糸が通っています。そのため、糸のみで製織するよりも結ぶ際に、帯が滑りやすいかもしれません。金糸に混合させた糸でその辺りもバランスを取っていますが、最後は結んで見ないとわからない部分があります(そんなこともあって今回結んでいただくことに)。それに加え、裏地には紬糸を通し織った裏地を採用。考えつく、出来る限りのことは行いましたので、あとは問題なかったくらい、結びやすさに触れられないか。改善が実を結び、結びやすかったよ、と言って頂けるか。それても、もうちょっとと言われるか。

どれを取っても、次のモノづくりへポジティブに活かせると思います。
もちろん、社内でも繰り返して結ぶことを行っていますが、新しい考えで作った帯が社外で初めて結ばれる場合、いつもこうやってドキドキしています。

 

全てクリアした後は、まず唐長三条店で販売開始を予定しています。

 

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2016’春夏 きものSalon

2016年03月09日

初めての配色変更【金色】

 

この帯を初めての配色変更します。

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『一番右の南蛮七宝✕光悦蝶』

 

 

現在、唐長さんの三条店に展示中のこの色目。
初め、見た瞬間には、ブルーを使った帯と同じ柄とは思えず、いい合わせ方だな。と思ってしまうぐらい、持っている雰囲気が違う様に感じました。地色も蝶々も色が違うので当たり前かもしれませんが、毎日配色、図案製作、試作チェックするのが仕事の人間からすると、意外な驚きです。

 

 

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じゃ、ただ単に元となる唐紙を参照に、色を合わせて織る。そうすれば同じ色で上がってくるのか?というと、上がってくることもありますし、全く別物になることもあります。極めて似てても雰囲気が似つかないこともあったりと、とても一概には言えません。今までの山ほど試織りをした経験からすると、唐長さんの文様を帯にするときは、近い色で合わすと、失敗することが多いです。それよりも雰囲気を汲み取って、新たに配色するつもりの配色で作ったほうが、いいことが圧倒的に多いです。

 

そうは言いつつ、色を合わせにも行く試織も作る予定ですし、上記の様に雰囲気を汲み取ることもやっていきます。

 

もう一つは、この配色替えを行おうと思った、2月15日から、『なぜ今?』の答えにもなりそうなこの帯。

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FB⇒http://on.fb.me/1M5MfFL

 

 

この帯の糸使いが参考にできそうなので、それも含め、再び多面的に作ってみようと思っています。思い通り行かなければ、意匠を作り直す、もしくは刺繍ということも考えて進めます。ただ、一番の大前提、帯としてどうか?それは目出しの雰囲気を見ながら・・・、と最終の袋帯になるまでは大きな山が幾つか残っています。

 

 

2016年03月01日

継続するかは検討中です。

 

東郷織物のみじん格子の上に、型で南蛮七宝文様を置いた着物です。

 

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『実験』と書いてしまうと製品(着物にはあまりしたくない表現ですが)として大丈夫?と思われそうですが、何度も試験を繰り返し、繰り返し行って、完成までこぎ着けた着物です。では、この反物作ったけれども、続けていくのか?色を変えてやってみるのか?南蛮七宝以外のモノは?などの検討は、まだまだこれからです。

 

東郷さんと言えば『大島紬』、今までも南蛮七宝で大島紬はやってきました。泥、白、藍、夏、割り込み。
産地へ行って、試行錯誤して、今現在考えられるモノづくりを行いました。まだ少しはありますが、数量は全部限定のモノです。まだ、もうちょっとは大丈夫だけれども・・・、『じゃ、次は?』となった時に戸惑って、面白くない、あまり気のりのしないモノづくりをしないためにも、こういう実験はとても大切です

 

でも、完成品です(笑)。

 

 

 

2016年02月02日

容れ物としての帯/南蛮七宝文様P

 

先日、本決算前にFacebook上にUpした『仙福屋の懐紙入れ』。

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仙福屋の懐紙入れ

 

特別な意識をして上げたわけではないのに、爆発的に注目していただいています(いいね!1600人以上、リーチ4万人超え)。

 

最近は、広い意味の『容れ物』、帯地を使ったバッグも雑誌に取り上げて頂けたり、取材をしたという話も頂いたり、3,4年前のちょっと昔から考えると、素材としての帯地へ関心が随分と好意的に変わった感じがします。

 

南蛮七宝を意匠にモノづくりした商品は、今のところ本社&自分のみの取り扱いとなっています。それは商品の制作する量・把握、モノづくりのスピードからと、一人で勝手に走って、暴走しないためです。ただ、去年は古川美術館の唐長世界でバッグや懐紙入れ、今年も唐長さんのサロンでも展示、と少しずつ実際に触れていただける環境が整う、そんな流れができてきました。

 

生地としての帯地は、まだまだマイナーな話ではありますが、帯で使われる意匠、絹を使った風合いには、他の物と違った魅力、大きな可能性を感じますので、もっと認知されるように伝えていけるように頑張りたいです。

 

ちなみに、最近上がってきた南蛮七宝文様/P型(見本)。

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『南蛮七宝文様/バッグP型(プティ)』

 

洋だけでも和だけでも勿体無い、そんなバッグになれればと思います。

2016年01月26日

輪宝文続く。

 

昨日の輪宝文に続いて・・・

 

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【輪宝文/宿題の続き】

 

唐長11代目夫妻より宿題を頂いている輪宝文の試験織。すでに何度か試験を取っていて、前回書いていたシーソーの様に揺れながら、なんとかバランスを取って、できた配色です。一色しかうまく行かなかった時は、今日出すのを止めておこうと思っていましたが、(なんと)3つともバチっと決まってくれました。一色で大変だということもあれば、こうやって一つの生地上で三色とも上手く行くことも・・・。この辺りがモノづくりの面白いところですね。

 

この時に糸を出した紬を通したモノも上がってきていますので、多少修正を掛けながら最終段階へ持って行きたいです。
『全然、進まんなぁ・・・。』と最近は手詰まり感も感じていましたが、なんとか錆びた歯車が回るようではありますが、いい方向へ進みだしています。

 

 

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2016年01月20日

京都の雪はこれでも大変。

 

朝は雪も凄いし(京都にしては、です。)今日は来客はなくて、資料集めと整理。目出し(試験織)を見ながら配色チェックをかためてできる日、と出社途中、雪を見ながら心に決めて行ったら、終わって振り返ると・・・。結果なんやかんやとバタバタの日になりました。

 

防寒草履が冬には欠かせない地域の方々からすると、『これくらいは雪じゃない。』と言われると思いますが、一応こんな感じです。

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(京都で言う、よく降った雪です。)

車はノロノロ、道でコケる方、頑張って頑張って作ったと思われる、小さな雪だるま。

 

 

来週は奄美へ(もちろん仕事です。。。)行きますので、今のうちにと進めている幾つかのモノづくり。その一つが、初登場の唐長文様『角花文様』。12代目から頂いた宿題として、今意匠図を製作しています。

 

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文様を作る2色が表情に繊細な色なので、上手く撮れたとしても雰囲気が異なり・・・。さらにモニターでの色表現は難しい(ですので、白黒でとも思いましたが、せめて色の持つ雰囲気だけでも。届くかな?)。

この意匠、今のところまだ帯にするとは決めていません。ただ、地に入った雲母(きら)を織物でどこまで表現できるか?それの実験をしようと意匠図を製作中です。先日、紹介した南蛮七宝文様で使った技術を改良して使いながら、とイメージして職人と打ち合わせを繰り返しています。

 

来週の今頃までには、これで紋を掘って下さい。そう言えるように頑張ります〜。

 

 

他にも久々に作楽の新柄。ケルティックも図案を作ったり、ここでのUPは最近偏りがありますが、順調にモノづくり、進んでいます!
 

 

2016年01月19日

最後のコート地。ビロード。

とうとう仕立て上がってきました。
ビロード
 ⇒
http://www.kyo-tonami.com/godaime/2015/12/post-2297.html

嬉しくてスーツの上から羽織ってもらって、撮影。
写真で見た時に、着物らしさが少しでも出るように・・・。としていましたが、それは次回で。

今回は、大体の雰囲気を見てもらいたいです。

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使用した反物は、織り上がり一本目の染め上り初反。当然、仕立ても初めてです。
今回は特別バージョンで、裏にも坪金の襦袢(共柄として)南蛮七宝文様を使っています。

 

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この羽織っているモノの形は少し特殊な形をしていますので、和の仕立て知識だけではできず、洋の縫製技術も持った、稀有な仕立て職人さんに仕立てを依頼して実現したものです。
 

自分で着て誰かに撮影してもらうのか?着物を着た誰かに羽織ってもらって、撮影するのか(商品からしたらどちらでも構わないですね。。。)?ただ、いずれにしても、この雰囲気を伝えることの出来る写真が、まだ出来ていませんので、全貌の写真は近々に。

2015年12月21日

名古屋帯。来年への備忘録。

 

これから本格的に作るシリーズの一部は名古屋帯の割合が高いモノも視野に入れています。その土台として、今までの織組織/名古屋帯を使って仕立も含め、細部のチェックを行っています。試験の要素が強いので、柄の一つにはやっぱり南蛮七宝文様が入っています。

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【南蛮七宝文様/九寸名古屋帯/紹巴紬】

 

試験と言っても、中心は単純に結ぶこと。結びにくいや重量面に問題があった場合、もしもベテランに結んで頂くすると結ぶ技術や経験でカバーされ、たいへん有難いですが、試験なので困ります。そのため、結び心地、生地具合、仕立ての可否を確かめるため、着物は着慣れているけど、どちらかと言えば名古屋帯が得意でない方にお願いしています。帯留めを入れてみたり、結び心地とはあまり関係のないことも、様々。(ちなみに、この帯留めは漆を重ねって作った檸檬です。素朴さがいい味を出していました。)

 

この試験が終わると、解いた(仕立て済み)帯の雰囲気を見ながら、その場聞いた意見、見た雰囲気・感覚を交えて、これから作る意匠・紋づくりを行っていきます。ただ、今から手を付けてしまうと、確実に年を跨ぐ ⇒ 記憶が薄れる ⇒ 勝手に改変 ⇒ 当初意図とズレる ⇒結果、いい方向に行くことが少ない。と今まではそうでしたので、ここで一旦止めたいと思います。多少、生々しさは薄れますが、できる限り多くの事を記録(写真を中心にメモ)で残しておきます。

 

また、実際に紋づくりを行わなくても、製作予定の図案を検討することができますので、設計部分の余計なことを考えず、集中して、できるモノづくりを進めていきたいと思います。年末は静かに籠もりたいなぁと、でも余計なことしそうだなぁと、まだまだそこまで日はありますが、今から年明けを楽しみにしています(笑)。

 

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