となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

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2015年12月17日

若手のモノづくりに、ちょっとだけ参加。帯上げ。

 

若手のモノづくりにちょっと参加しています。前回は『帯づくり』。今回はそのシリーズの流れで『帯上げ』を。
悩めばどんなモノづくりを複雑になります。この帯上げを作るのも、簡単に考えてしまえば、帯の図案を帯上げ用の型を作り、配色をして腕の良い職人に依頼し、製作してもらう。それだけのことです。

 

ただし、そう考えてしまうとただの塗り絵の様なモノづくりになってします。この辺りを話すだけでは外見だけのみの理解しかできませんので、実際にモノづくりの現場で手を動かしながら、どこに悩み=こだわりを持つのか?細部の工程であるチェックポイントを見てもらいました。もちろん、この時の話が正しいわけではなくて、一つの考え方を示しました。まず、意匠について物理的に帯と帯揚では織りと染めで表現の方向が違う、当然使える色数も違う、帯上げ用の型が出来たとして、どんな生地を使うのか?等々、具体的な柄に移らなくても、引っ掛かるところは多いです。

 

この時は、一楽の帯上げも一緒に検討していましたので、生地をどうするのか?紬が通っている方がイイのか?それとも、見た目に光沢があり、少々フォーマルの匂いを残すのか?決めてしまえば、難しい問題ではありませんが、この辺りに悩みを作りつつ、自分の味をモノに残す、そういうのも大事です。きっと帯上げつくり以上に、帯づくりにも大事な何かを磨くために必要なことです。

 

そんなことをあまりしつこく言ってもなかなか自分の中には入ってこないので、まずは悩んだほうが良いポイントを伝えて、まず自分がどんなものを最終作りたいのか?そのイメージは明確に持つ。実際やってみて、どれだけそこに近づけたのか?何が違ったのか?を常に精査すること。それくらいを伝えました。

 

自分のモノづくりもたまにあっち行ったり、予想外の仕上がりで上がってくることもありますので、自分も勉強中です。人になにかを伝えながら、モノづくりする、したくても出来ない、なかなかありがたい環境です。

 

ちなみに、その時の帯上げはこんな感じ。

L2020117.jpg
【アラベスク帯上げ】

 

 

本人の想像とは違うのかもしれませんが、とても面白いと思います。帯から出来た図案らしさも出ていると思います。

 

 

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